ポケットラジオを聞きながら小雨降る中リンゴもぎを急ぐ。幼少の頃は新嘗祭で地元小学校教室会場を臨時に地元農家の方が生産した農作物の品評会で賑わった。金紙の金賞、銀紙の銀賞、赤紙の銅賞で毎年篤農家がいて賞を争っていた。
食料不足の時代で展示物はまだ残留農薬等で騒がれている食の安全なんては無かった。見栄えの良い農作物では無く満腹感を感じる重物で多収米の稲や大きい大根、白菜、とろろ芋等お根菜類で越冬野菜が主流で果実は無かった。畑作物は麦、大豆、養蚕が主で二毛作野菜の白菜大根は所狭しと展示されていた。
青虫の殺虫剤には砒酸塩、DDT、ホリドール、エンドリン等今無い猛毒で残留期間の長い薬剤。殺虫剤の散布期間も短くしかも連続でいろんな青虫を殺虫していた。今思うに食べ物としては極めて危険な農作物で商人連中は早朝から農家周りして集めていた。
まだ畑には農道が無く耕耘機も無い時代で荷車やリヤカーで畦道を通って広い道路まで運んで出荷した。道路には商人さんの3輪車が停車して街場に運んで消費者の口に入った。計量するにも蚕し飼育に使う丸い竹細工の古ワラダに載せ、尺貫法の棒計り、容器は茅で編んだ茅スゴに入れ赤切れ荒れた素手で荒縄で結んで出荷した。農家は時給自足が主でまだ現金収入の少ない時代で年越しには助かった。
国民の祝祭日の勤労感謝を余所に半世紀前以上の出来事を思いながら真っ赤に熟したリンゴもぎを急ぐ。明日の予報で東北地方はもちろん関東地方まで降雪で大都会の都心にも降る模様。夜のテレビ番組ではまたその道専門家の先生方が当たるも八卦外れるの八卦で論評をしている。天気は予報で論評の予想で野菜が高騰している時で外れてくればと祈っている。備えあれば憂いなしの降雪が的中した場合の対応の仕方もあるので心の準備も大事なのかも?。