パリの第一日曜日 vol.3

2011年10月12日 | Weblog
さて。なぜ第一日曜日を取り上げるかというと。
これまた、フランス人の文化力、芸術力をより深いものにしている所以じゃないかと思うこと。
毎月、第一日曜日はパリ中の国立の美術館、博物館(こちらでは総称してミュゼという)が
無料解放されるのです!!!!
ルーブル、オルセー、オランジュリーなんかの大規模なものから
こじんまりとしたテーマ別のものまで、
作家の数だけ美術館、博物館があるんじゃないかというくらい多くのミュゼが全て無料。
なんということ!
さすがに、ルーブル、オルセーなんかは、入場するのに行列3時間待ちっていう事もざらなので、
あきらめて…とは言え有名なロダン美術館に行ってきました。

夕方目がけて行ったら少しは人が少ないかと思いきや、
なんとなんと私たちと同じ考えを持った夕方組がぞろぞろ。
閉館1時間前というのにすごい人の数。
美術館に入ってみると庭園が広く開放的な空間で、人の多さもあまり気にならないし、
あちらにもこちらにも、ロダンの作品が展示されていて、
庭園だけでも見応えあるステキな美術館。





建物もおもむきあるなぁと思って後から調べてみると
「ロダンが死後、作品を国へ寄贈する事を条件に暮らした18世紀建築の邸宅。」
だそうだ。

おかげで、無料で拝見できております。ありがたや。

ロダンといえば「考える人」
もちろんじっくり鑑賞してきました。
以外にも大きな作品でその迫力にビックリ。


ロダンの他の作品を見ていて思わずにはいられない事は、
彼はじっとしている人を彫刻にいているのではなくて、
常に彫刻で動きを表そうとしているんではないかと思う。
筋肉の捉え方がとても緻密なのだ。

考える人は、ただただ、じっと考えているのかと思っていたけど、
どうも座ってるにしては足の筋肉に力が入りすぎている。
すると、同じように隣でじっくり見ていた知り合いが、
「あぁ!考える人は今から立ち上がろうとしてしてるね!」と、言った。
たしかに!なるほどそうかもしれない。
あの足の筋肉、あの足の位置、あの腰の位置。
立ち上がろうとする人のようにしか見えない。
(これは全くの私たちのとらえかたですので、あしからず~。)

考えていた人が今、立ち上がろうとしている

そう思って「考える人」をもう一度みて見ると、これは何とも希望に満ちている彫刻ではないですか!
何かを思いついたのか、それとも立ち上がってまた考えるのか、分からないけど、
日々考える事が多い私には、
「考える人」が、ただずっと考え込んでいるだけではない。という感覚がとても嬉しかった。

芸術に触れるという事、本物を見るという事で、発見をしたり自分と向かい合うことが出来て、
改めて素晴らしいことだなぁと感じました。