~ 恩師の御講演「ブッダのことば」より ~
第四 八つの詩句の章
二、洞窟についての八つの詩句
772、窟(身体)のうちにとどまり、執着し、
多くの(煩悩)に覆われ、迷妄のうちに沈没している人、
―――このような人は、実に〈遠ざかり離れること〉
(厭離)から遠く隔たっている。
実に世の中にありながら欲望を捨て去ることは、
容易ではないからである。
773、欲求にもとづいて生存の快楽にとらわれている人々は、
解脱しがたい。
他人が解脱させてくれるのではないからである。
かれらは未来をも過去をも顧慮しながら、
これらの(目の前の)欲望または過去の欲望を貪る。
774.かれらは欲望を貪り、熱中し、溺れて、吝嗇(りんしょく)で、
不正になずんでいるが、(死時には)
苦しみにおそわれて悲嘆する、
―――「ここで死んでから、われらはどうなるのだろか」と。