浄心庵・長尾弘先生「明来闇去」

 ~ 誰れもが幸せになれる御教え ~

明来闇去

2019-12-31 00:21:36 | 明来闇去

~ 恩師の御講演「ブッダのことば」より ~

 
              第三 大なる章 

        四、スンダリカ・バーラドーヴァジャ

486、目覚めた人(ブッダ)であるあなたさまは、
    お供えの菓子を受けるにふさわしい。
    あなたは最上の福田であり、
    全世界の布施を受ける人であります。
    あなたにさし上げた物は、果報が大きいです。」

そこでバラモンであるスンダリカ・バーラドーヴァジャは、
尊き師にいった。
「すばらしいことです、ゴータマ(ブッダ)さま。
すばらしいことです。ゴータマさま。
あたかも倒れた者を起こすように、覆われたものを開くように、
方角に迷った者に道を示すように、
あるいは『眼ある人々は色やかたちを見るであろう』といって
暗闇の中に灯火をかかげるように、
ゴータマさまに帰依したてまつる。
また法と修行僧のつどいに帰依したてまつる。
わたくしはゴータマさまのもとで出家し、
完全な戒律(具足戒)を受けたいものです。」
そこでバラモンであるスンダリカ・バーラドーヴァジャは、
師のもとで出家し、完全な戒律を受けた。

それからまもなく、
このスンダリカ・バーラドーヴァジャさんは独りで他から遠ざかり、
怠ることなく精励し専心していたが、まもなく、
無上の清らかな行いの究極―――

諸々の立派な人たち(善男子)はそれを得るために
正しく家を出て家なき状態に赴いたのであるが―――
を現世においてみずからさとり、証し、具現して日を送った。
「生まれることは尽きた。清らかな行いはすでに完成した。
なすべきことをなしおえた。
もはや再びこのような生存を受けることはない」とさとった。
そうしてスンダリカ・バーラドーヴァジャさんは
聖者の一人となった。



明来闇去

2019-12-30 00:28:28 | 明来闇去

~ 恩師の御講演「ブッダのことば」より ~

 
              第三 大なる章 

        四、スンダリカ・バーラドーヴァジャ

483、「争いを離れ、心に濁りなく、諸々の欲望を離脱し、
     ものうさを除き去った人、

484、限界を超えたもの(煩悩)を制し、生死を究め、
     聖者の徳性を身に具えたそのような聖者が
     祭祀のために来たとき、

485、かれに対して眉をひそめて見下すことをやめ、
     合掌してかれを礼拝せよ。
     飲食物をささげて、かれを供養せよ。
     このような施しは、成就して果報をもたらす。」



明来闇去

2019-12-29 04:56:47 | 明来闇去

~ 恩師の御講演「ブッダのことば」より ~

  
              第三 大なる章 

         四、スンダリカ・バーラドーヴァジャ

480、「詩を唱えて得たものを、わたくしは食うてはならない。
     バラモンよ、これは正しく見る人々(目覚めた人々、
     諸仏)のなすきまりではない。
     詩を唱えて得たものを(目覚めた人々、
     諸仏の)行いのしかたを(実践法)である。

481、全き者である大仙人、
    煩悩の汚れをほろぼし尽くし悪行による
    悔恨の消滅した人に対しては、他の飲食をささげよ。
    けだしそれは功徳を積もうと望む者の
    (福)田であるからである。」

482、「先生!わたくしのような者の施しを受け得る人、
      祭祀の時に探しもとめて供養すべき人、
     をわたくしは
      ―――あなたの教えを受けて
      ―――どうか知りたいのです。



明来闇去

2019-12-28 02:33:15 | 明来闇去

~ 恩師の御講演「ブッダのことば」より ~

  
              第三 大なる章 

        四、スンダリカ・バーラドーヴァジャ

477、自己によって自己を観じて(それを)認めることなく、
     こころが等しくしずまり、身体が真直ぐで、みずから安立し、
     動揺することなく、心の荒みなく、疑惑のない
     〈全き人〉(如来)は、
     お供えの菓子を受けるにふさわしい。

478、迷妄にもとづいて起こる障りは何ら存在せず、
     あらゆることがらについて知見あり、
     最後の身体をたもち、めでたい無上のさとりを得、
     ―――これだけでも人の霊は清らかとなる。
     ―――〈全き人〉(如来)は、
     お供えの菓子を受けるにふさわしい。

479、「あなたのようなヴェーダの達人にお会いできたのですから、
     わが供物は真実の供物であれかし。
     梵天こそ証人としてみそなわせ。
     先生!ねがわくはわたくしから受けてください。
     先生!ねがわくはわがお供えの菓子を
     召し上がってください。」



明来闇去

2019-12-27 00:10:15 | 明来闇去

~ 恩師の御講演「ブッダのことば」より ~

  
              第三 大なる章 

        四、スンダリカ・バーラドーヴァジャ

474、欲望にもとづくことなく、遠ざかり離れることを見、
     他人の教える異った見解を超越して、
     何らこだわってとらわれることのない〈全き人〉
     (如来)は、お供えの菓子を受けるにふさわしい。

475、あれこれ一切の事物をさって、
     それらが除き去られ滅びてしまって存在しないで、
     平安に帰し、執着を滅ぼしつくして解脱している
     〈全き人〉(如来)はお供えの菓子を受けるにふさわしい。

476、煩悩の束縛と迷いの生存への生まれかわりとが
     滅び去った究極の境地を見、
     愛欲の道を断って余すところなく、清らかにして、過ちなく、
     汚れなく、透明である〈全き人〉(如来)は
     お供えのお菓子を受けるにふさわしい。



明来闇去

2019-12-26 00:21:39 | 明来闇去

~ 恩師の御講演「ブッダのことば」より ~

  
              第三 大なる章 

        四、スンダリカ・バーラドーヴァジャ

471、こころをひとしく静かにして激流をわたり、
     最上の知見によって理法を知り、
     煩悩の汚れを滅しつくして、
     最後の身体をたもっている〈全き人〉(如来)は
     お供えの菓子を受けるにふさわしい。

472、かれは、生存の汚れも、荒々しいことばも、
     除き去られ滅びてしまって、存在しない。
     かれはヴェーダに通じた人であり、
     あらゆることがらに関して解脱している〈全き人〉
     (如来)は、お供えの菓子を受けるにふさわしい。

473、こころの執着をすでに断って、
     何らとらわれるところなく、
     この世についてもかの世についても
     とらわれることがない(全き人)(如来)は、
      お供えのお菓子を受けるにふさわしい。



明来闇去

2019-12-25 00:22:09 | 明来闇去

 ~ 恩師の御講演「ブッダのことば」より ~

   
              第三 大なる章 

        四、スンダリカ・バーラドーヴァジャ

468、全き人(如来)は、平等なるもの
    (過去の目覚めた人々、諸仏)と等しくして、
     平等ならざる者どもから遙かに遠ざかっている。
     かれは無限の智慧あり、
     この世でもかの世でも汚れに染まることがない。
     (全き人)(如来)はお供えの菓子を受けるにふさわしい。

469、偽りも無く、慢心もなく、貪欲を離れ、
    わがものとして執着することなく、
    欲望をもたず、怒りを除き、こころ静まり、
    憂いの垢を捨て去ったバラモンである
     (全き人)(如来)は、お供えのお菓子を受けるにふさわしい。

470、こころの執着をすでに断って、何らとらわれるところなく、
    この世についてもかの世についてもとらわれることがない
    (全き人)(如来)は、
     お供えのお菓子を受けるにふさわしい。



明来闇去

2019-12-24 00:47:36 | 明来闇去

~ 恩師の御講演「ブッダのことば」より ~

   
              第三 大なる章 

        四、スンダリカ・バーラドーヴァジャ

465、貪欲を離れ、諸々の感官を静かにたもち、
     月がラーフの捕らわれから脱したように
     (捕らわれることのない)人々―――
     そのような人々にこそ適当な時に供物をささげよ。
     ―――バラモンが功徳を求めて祀りを行うのであるならば、

466、執着することなくして、常に心をとどめ、
     わがものと執したものを(すべて)捨て去って、
     世の中を歩き廻る人々、
     ―――そのような人々にこそ適当な時に供物をささげよ。
     ―――バラモンが功徳を求めて祀りを行うのであるならば、

467、諸々の欲望を捨て、欲にうち勝ってふるまい、
     生死のはてを知り、平安に帰し、
     清涼なること湖水のような(全き人)
     (如来)はお供えの菓子を受けるにふさわしい。



明来闇去

2019-12-23 01:06:23 | 明来闇去

~ 恩師の御講演「ブッダのことば」より ~

  
              第三 大なる章 

         四、スンダリカ・バーラドーヴァジャ

462、生まれを問うことなかれ、行いを問え。
     火は実にあらゆる薪から生ずる。
     賤しい家に生まれた人でも、聖者として道心堅固であり、
     恥を知って慎むならば、高貴の人となる。
 
463、真実もてみずから制し、(諸々の感官を)慎み、
     ヴェーダの奥義に達し、清らかな行いを修めた人、
     ―――そのような人にこそ適当な時に供物をささげよ。
     ―――バラモンが功徳を求めて祀りを行うのであるならば。

464、諸々の欲望を捨てて、家なくして歩み、
     よくみずからを慎んで、梭(ひ)のように真直ぐな人々、
     ―――そのような人々にこそ適当な時に供物をささげよ。
     ―――バラモンが功徳を求めて祀りを行うのであるならば。


明来闇去

2019-12-22 00:45:19 | 明来闇去

~ 恩師の御講演「ブッダのことば」より ~

   
              第三 大なる章 

        四、スンダリカ・バーラドーヴァジャ

459、バラモンがいった、
    「わたくしはヴェーダの達人であるこのような立派な
     お方にお目にかかったのですから、
     実にその方に対する(わたくしの)献供は
     きっと効果があるでしょう。
     (以前には)あなたのような方にお目にかからなかったので、
     他の人が献供の菓子(のおさがり)を食べていたのです。」

460、(師は答えた)、「それ故に、バラモンよ、
     あなたには求めるところがあって
     求めてきたのであるから、こちらに近づいて問え。
     恐ろしくここに、平安で、(怒りの)煙の消えた、苦しみなく、
     欲求のない聡明な人を見出すであろう。」

461、(バラモンがいった)、「ゴータマ(ブッダ)さま。
     わたしは祭祀を楽しんでいるのです。
     祭祀を行おうと望むのです。
     しかしわたくしははっきりとは知っていません。
     あなたはわたくしに教えてください。
     何にささげた献供が有効であるかを言ってください。」
     (師が答えた)、「では、バラモンよ、よくお聞きなさい。
     わたしはあなたに理法を説きましょう。



明来闇去

2019-12-21 00:37:02 | 明来闇去

 ~ 恩師の御講演「ブッダのことば」より ~

  
              第三 大なる章 

          四、スンダリカ・バーラドーヴァジャ

456、わたしは家なく、重衣を着け、髯髪を剃り、
     こころを安らかならしめて、
     この世で人々に汚されることなく歩んでいる。
     バラモンよ。
     あなたがわたしに姓をたずねるのは適当でない。

457、「バラモンはバラモンと出会ったときにには、
    『あなたはバラモンではあられませんか?』
    とたずねるものです。
    「もしもあなたがみずからバラモンであるというならば、
    バラモンでないわたしに答えなさい。
    わたしは、あなたに三句二十四字より成るかの
    サーヴィトリー賛歌のことをたずねます。」

458、「この世の中では、仙人や王族やバラモンというような人々は、
    何のために神々にいろいろと供物を献じたのですか?」
    (師が答えた)、
    「究極に達したヴェーダの達人が祭祀のときに或る(世俗の人の)
    献供を受けるならば、その(世俗の)人の(祭祀の行為は)
    効果をもたらす、とわたくしは説く。」


明来闇去

2019-12-20 01:19:30 | 明来闇去

~ 恩師の御講演「ブッダのことば」より ~

  
              第三 大なる章 

        四、スンダリカ・バーラドーヴァジャ

わたしが聞いたところによると、―――
或る時尊き師(ブッダ)はコーサラ国のスンガリカー河の
岸に滞在しておられた。
ちょうどその時に、
バラモンであるスンダリカ・バーラドーヴァジャは、
スンダリカー河の岸辺で聖火をまつり、火の祀りを行った。
さてバラモンであるスンダリカ・バーラドーヴァジャは、
聖火をまつり、火の祀りを行ったあとで、座から立ち、
あまねく四方を眺めていった、
―――「この供物のおさがりを誰に食べさせようか。」
バラモンであるスンダリカ・バーラドーヴァジャは、
遠くからぬところで尊き師(ブッダ)が或る樹の根元で
頭まで衣をまとって坐っているのを見た。
見終わってから、左手で供物のおさがりをもち、
右手で水瓶をもって師のおられるところへ近づいた。
そこで師はかれの足音を聞いて、頭の覆いをとり去った。

そのときバラモンであるスンダリカ・バーラドーヴァジャは
「この方は頭を剃っておられる。
この方は剃髪者である」といって、そこから戻ろうとした。
そうしてかれはこのように思った、
「この世では、或るバラモンたちは、
頭を剃っているということもある。
さあ、わたしはかれに近づいた。
それからいった、「あなたの生まれは何ですか?」と、
そこで師は、バラモンであるスンダリカ・バーラドーヴァジャに
詩を以って呼びかけた。

455、「わたしはバラモンではないし、王族の者でもない。
      わたしはヴァイシャ族(庶民)の者でもないし、
      また他の何ものでもない。
      諸々の凡夫の姓を知りつくして、無一物で、熟慮して、
      世の中を歩む。



明来闇去

2019-12-19 01:17:40 | 明来闇去

~ 恩師の御講演「ブッダのことば」より ~

 
              第三 大なる章 

           三、みごとに説かれたこと

454、安らぎに達するために、苦しみを終滅させるために、
     仏の説き給うおだやかなことばは、
     実に諸々のことばのうちで最上のものである。



明来闇去

2019-12-18 00:22:03 | 明来闇去

~ 恩師の御講演「ブッダのことば」より ~

 
              第三 大なる章 

           三、みごとに説かれたこと

451、自分を苦しめず、また他人を害しないことばのみを語れ。
     これこそ実に善く説かれたことばなのである。

452、好ましいことばのみを語れ。
     そのことばは人々に歓び迎えられることばである。
     感じの悪いことばを避けて、
     他人の気に入ることばのみを語るのである。

453、真実は実に不滅のことばである。
     これは永遠の理法である。
     立派な人々は、真実の上に、ためになることの上に、
     また理法の上に安立しているといわれる。



明来闇去

2019-12-17 00:46:41 | 明来闇去

~ 恩師の御講演「ブッダのことば」より ~

   
              第三 大なる章 

             二、つとめはげむこと

449、悲しみにうちしおれた悪魔の脇から、
     琵琶がパタッと落ちた。
     ついで、かの夜叉は意気消沈してそこに消え失せた。

           三、みごとに説かれたこと

わたくしが聞いたところによると、
―――或るとき尊き師ブッダはサーヴァッティー市の
ジェータ林、〈孤独な人々に食を給する長者の園〉におられた。
そのとき師は諸々の〈道の人〉に呼びかけられた、「修行僧たちよ」と。
「尊き師よ」と、〈道の人〉たちは師に答えた。
師は告げていわれた、「修行僧たちよ。四つの特徴を具えたことばは、
みごとに説かれたのである。
悪しく説かれたのではない。
諸々の智者が見ても欠点なく、非難されないものである。
その四つとは何であるか?

道の人たちよ、ここで修行僧が、
〔i〕みごとに説かれたことばのみを語り、
悪しく説かれたことばを語らず、
〔ii〕理法のみを語って理にかなわぬことを語らず、
〔iii〕好ましいことのみを語って、好ましからぬことを語らず、
〔iv〕真実のみを語って、虚妄を語らないならば、
この四つの特徴を具えていることばは、
みごとに説かれたのであって、悪しく説かれたのではない。
諸々の智者が見ても欠点なく、非難されないものである。」
尊き師はこのことを告げた。
そのあとでまた、〈幸せな人〉である師は、次のことを説いた。

450、立派な人々は説いた―――
〔i〕最上の善いことばを語れ。
これが第一である。
〔ii〕正しい理(ことわり)を語れ、
理に反することを語るな。
これが第二である。
〔iii〕好ましいことばを語れ。
好ましからぬことばを語るな。
これが第三である。
〔iv〕真実を語れ。偽りを語るな。
これが第四である。
このときヴァンギーサ長老は座から起ち上がって、
衣を一の肩にかけ(右肩をあらわして)、
師のおられる方に合掌して、師に告げていった、
「ふっと思い出すことがあります!幸せな方よ」と。
「思い出せ、ヴァンギーサよ」と、師は言われた。
そこでヴァンギーサ長老は師の面前で、
ふさわしい詩を以って師をほめ称えた。