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『キーパー ある兵士の奇跡』

2020年11月22日 | 映画(か行)
『キーパー ある兵士の奇跡』(原題:The Keeper)
監督:マルクス・H・ローゼンミュラー
出演:デヴィッド・クロス,フレイア・メイヴァー,ジョン・ヘンショウ,ハリー・メリング,
   デイヴ・ジョーンズ,マイケル・ソーチャ,ジュリアン・サンズ,バーバラ・ヤング他
 
梅田で寅さんを観てから地下鉄に乗ってなんばへ。
なんばパークスシネマにて、気になっていた本作を鑑賞。
 
イギリス/ドイツ作品。
私はサッカーより野球のほうが好きなのですが、
サッカーによって救われることがある。
しかし野球よりサッカー、しかもゴールキーパーだったダンナも
こんな人がいたことを知りませんでした。実話に基づく。
 
1945年、第二次世界大戦中。
ナチスの兵士バート・トラウトマンは最前線で戦っていたが、
連合国軍に捕まってイギリスの捕虜収容所へと送られる。
 
先に収容所に入っていた捕虜同士がサッカーをしているところを見て、
バートはタバコを賭けて勝負することを思いつく。
ゴール前に立つバートがシュートを止めれば、相手からタバコを1本。
そしてバートは全員のシュートを止めてみせる。
偶然その様子を目撃したのが、
商売人で地元サッカーチームの監督も務めるジャック・フライアー。
 
やがてドイツが降伏したものの、捕虜たちは解放されないまま。
ジャックのチームは次の試合に負ければ降格が決まる。
ザルのようなチームのキーパーに苛立っていたジャックは、
ふとバートのことを思い出し、収容所を仕切る軍曹にバートを貸せと申し出て……。
 
いくら優秀だからといって、ナチス野郎を加入させるのか。
ジャックが連れてきたバートに選手らは敵意丸出し。
けれど、チームの事情を思えば飲まざるを得ません。
渋々受け入れたら、バートは素晴らしいキーパーで、
選手たちもチームメイトとしてバートを認めるようになります。
 
ジャックの娘マーガレットも最初はバートを激しく憎みますが、
自分の妹に優しく声をかけるところを見たり、
致し方なく会話をしたりするうちに、
憎むべきは戦争であって、目の前にいる元兵士ではないことに気づきます。
 
マーガレットとの恋を実らせ、
名門クラブ、マンチェスター・シティFCにスカウトされ、
この後は万々歳の人生を送るのかと思いきや、
マン・シティに入団したバートへの批判は地元のチームにいた頃の比ではない。
国中がマン・シティを非難し、バートの出場にブーイングの嵐。
淡々とキーパーの仕事に徹し、皆が認めてくれる日を待つしかありません。
 
やっと認められて、その後は本当に幸せな日々、と思うでしょ!?
まだ彼を悲劇が襲います。
そんな悲劇をも乗り越えて、外国人で初めて年間特別選手賞を受賞した人。
忘れません。

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