夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ウォーク・ザ・ライン 君につづく道』

2006年02月23日 | 映画(あ行)
『ウォーク・ザ・ライン 君につづく道』(原題:Walk the Line)
監督:ジェームズ・マンゴールド
出演:ホアキン・フェニックス,リース・ウィザースプーン他

ロードショーにて。
1950年代、ロカビリー黄金時代を築きあげ、
カントリーとロックの両部門で殿堂入りしている伝説の歌手、
ジョニー・キャッシュの生涯。

綿花の小作で生計を立てる貧しい家庭で育つ、
まだ少年の仲良し兄弟、ジャックとキャッシュ。
昼間は畑仕事を手伝い、夜になればジャックは聖書を読み、
音楽好きのキャッシュはラジオに聴き入る。

ある日、作業場で丸鋸を使用中のジャックが事故死する。
ジャック自らは仕事を片づけるために残り、
キャッシュには釣りを楽しんでこいと
優しく送り出してくれた後の出来事だった。
父親はキャッシュを責める。まちがった息子が生き残ったと。
キャッシュはその言葉に深く傷つく。

成人したキャッシュはドイツで兵役に就く。
休憩時間に観たフォルサム刑務所の映画に触発され、
彼は作詞作曲に没頭する。

帰国したキャッシュは意中の女性と結婚。
しかし、訪問販売の仕事はうまくいかない。
町をぶらついていると、レコード会社の録音スタジオが目に入る。
スタジオのプロデューサー、サムのもとを訪ねたキャッシュは
オーディションを受けさせてくれるよう懇願。
バンド仲間とともにゴスペルを演奏する。

サムはキャッシュに何かを感じたものの、
そんな曲は流行らないと一蹴。
トラックに跳ねられ、1分後に死ぬとして、
そのときに聴きたい曲、それが人の心を捉える歌だと言う。
そう聞いたキャッシュは、兵役中の自作の曲を歌い始める。

レコード化されたキャッシュの曲は大ヒット。
全米ツアーでは、幼い頃から憧れだったカントリー音楽の大御所、
カーターファミリーの娘、ジューンとも知り合い、
一緒にステージに立つようになる。
やがて覚醒剤に手を出したキャッシュは……。

父と相容れず、家を出て金を持てばクスリ。
妻には離縁され、子どもたちも去る。
しかし、ひとりの女性が彼を支え、ヤク地獄から脱出。
見事カムバック……映画の世界にはありきたり。

それでも胸を打つのは、人は必ず立ち直れるものだと
信じたいからなのでしょう。
主演ふたりの歌はすべて吹き替えなし、天晴れ。
フォルサム刑務所のライヴは圧巻。
このアルバムはビートルズより売れたそうです。

2003年にジューンが他界、
その4カ月後、キャッシュが死去。
そうありたいと思います。

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