みんなのライヴ・ブログ

行ったつもりのリクエスト「おうち DE apple-cart」。毎日朝5時に1曲、全力更新中!

第8回特別版 「コモンストック」4/4

2014年02月05日 00時01分00秒 | アーカイブス : ロック喫茶 ・ バー
 この店をアカーブしないでどーすんのよ。我らの記憶が薄れないうちにやらねばってね。
 決して忘れていたわけではありません。準備万端整いましたので、4日連続でアップです。
 別れがついにやってきた。最終日は“CS最後の日”だ!

【最後の日:by Mr.UNIVERSE】

 ウイスキーのボトルを入れて通っていた店、というのは酒好き親父なら誰しも存在すると思うのだが、その店の最終営業日に行くというのは、よほどの常連か関係者だけだと思う。 自分も、“よほどの常連”ではないにしろ、バーボンのボトルを定期的に入れている店の最終営業日行くのは実は初めてである。普通は、知り合い等の情報で気が付いたら閉店していた、その店に行ったら無くなっていた、だろう。コモンストックは、閉店間際までは、頻繁といかなくても定期的には行っていたし告知もあったから、必ず都合をつけて行こうと思った。
 店には、一人で行く以外にロック好きの友人、知人達と馳せ参じていたが、やはり“最後の日”は、最初に店に行った日に同行したラモウんに声をかけるしかあるまい。そして当然ながら、互いに“万障繰り合わせて”参上したのである。
 店に入るや、店主が大声でバッグや上着を(ゴミ)袋に入れてよこせ、と言っている。寒い冬場である。少しでも狭い店のスペースを空けようという涙ぐましいアイデア?なのである。
 満杯状態のロックバーは、真ん中にあったテーブルは取り払い熱気で溢れている。店の奥のカウンターは、客の“袋”で一杯だった。何故かラモウんは、ダウンジャケットを脱がず着衣のまま最後まで参加した。風邪気味だったのか、体温調整が獅ュいっていなかったのかは知らないが。
 「最終営業日」のしみったれた感傷的な雰囲気はまるでない空間。3人の共同店主達の新たな出発を祝う常連客達のパーティ会場と化していた。
 店主達の好きなアルバムを、「これでもかっ!」ってかけまくる。料理人“工”さんも、スティーリー・ダンのペグをバックに狭いカウンターの中でピョンピョン跳ねて、アニメのようだ。Aさんも嬉しそうに笑っている。Gさんも“皿回しの手を休めて何か叫んでいる”。店の主役達も、常連客も祝宴をあげている。何とRockな空間だろう。
 さすがに、終電も近づいているので、名残惜しいが帰ろう。最後までは居られない。Gさんとは、数年後に再会を果たすことになるが、この時は最後の挨拶としてラモウんと共に店の外に出て3人で堅い握手を交わして帰宅の途に就いた。
 店主達とは、ほぼ同年代だから他人事とは思えない同志的友情を(勝手に)感じていた。会話は、ほとんど大音量に消されて出来なかったが、リクエストの曲で会話していたようなものだった。
 いつも年上の年代が経営していたロックバーが、自分と同年代の人間が商社マンや銀行員をドロップアウトに近い覚悟の中で開いた、というのは、ある意味羨ましくもあったが最後は経営的に限界があったのも客として現実を受け入れねばならない。
 「最後のロックバー・アナログ編」は、この日で終焉となったが、装いも新たにレコ<hもCDも1枚も無い「最後のロックバー・iTunes 編」=“upset the apple-cart”となって新宿3丁目に戻ってくるまで約8年待たなくてはならなかった。


【あの日のことを思い出しながら:by akichan!】

 生活環境は変わったけれども、ROCKな気持ちは持ち続けていると自分では思っていたのだが、やはりケッコンを期に、ロックバーに出向くペースは確実に減って行ったことは、嘘偽りの無い事実。正直“僕一人が行かなくたって”と思っていた。
 店側にも変化があった。店番が日替わりになり、淡々と曲をかけ粛々とリクエストをする作業場のような冷たい感じ・・・。
 そんな時に聞かされた“コモンストック閉店”のニュースには、はっと目が覚めた思いだった。Xデーは確実に近づいて来る。過ぎてしまった時間は取り戻せないし、終わりだけはしっかりこの目で見届けるのが仁義だと思った。
 当日は“大恩人”も“リンゴのデザイナー”も集結すると言ってくれた。ところが僕はと言うと、2年に一度やってくる大仕事が終わった打ち上げとのダブルブッキング。とりあえずは打ち上げの方に顔を出し、あとはテキトーに誤魔化して上手く抜け出すことに成功。なんとか21時頃には駆けつけることが出来た。
 店の入り口で大きなゴミ袋を渡され、そこに荷物を入れるように指示され、慌てて持っているものみんなをぶち込んでしまった。これが大失敗だった。実は、CSの姿を思い出に残そうとビデオカメラを持参していたのだが、それごと全部ゴミ袋にぶっ込んでしまったのだ。なんてアホなオレ・・・。
 あとからあとからお客さんが入ってくる。中のお客も全員常連だから、その辺のところは遠慮なしにGさんは、“お前立て”“お前座れ”と指図しているし、また、時々入口ドアをバタバタさせて空気の入れ換えをしていた。当時ライブハウスで、酸欠事故が起きて話題になったりしてたからだろう。そんな場面をこの原稿を書きながら思い出した。
 で、肝心な“手荷物”が自分の元に戻って来たのは、26時を過ぎついに迎えた最後の時だった。お客は精算、Aさん工さんは金の回収に余念が無い。Gさんは出口のところでお見送り & ハグ。そんな光景をたった5分間だが、どうにかこうにかカメラに収めることが出来た。
 最後の5分間に凝縮されたコモンストックの思い出の8mmビデオテープが↓。今ではもう再生するデッキが無いが、DVDに変換し大切に保管している。申し訳ないが、身内の顔がドアップで録画されてるから、なかなかオープンには出来ないけど・・・まだ僕の髪も黒々してる。

※最後の曲は、あがた森魚の「大寒町」。壁には「噫無情」のジャケットが掲げられているの見えるかな~。

でも本当に最後の最後の曲は、尾藤イサオの「シー・ユー・アゲイン雰囲気」なんだって。
http://www.youtube.com/watch?v=G95nT3rHapY
 あのあと、みんなはどうしたんだろうか・・・。
 一人になった僕は小滝橋通りに出て、大ガードの交差点手前の「富士そば」隣のビル。当時そこにあった“まんが喫茶”で始発を待つことにしたのだが、どうにもその場に馴染めずすぐに出てしまい、そのまま東口に抜けるトンネルをくぐり、新宿国際劇場で一夜を明かした。(今だから言うけど)今ならもっと良い方法もあっただろうに。

 実はもう一つ貴重なものが。当時店が運営していた「Say It Loud」って掲示板を、フロッピー・ディスクに保存しておいた。PDFではupできないので写真に撮ったものがコレ。
 読んでると、当時のことが蘇ってくる。最後にかかった曲は・・・。僕のハンドルネームが akichan39 になってる。若かったんだな~。
 本人も記憶がないんだけど、オレ、CSが閉まった38時間後に舞い戻って来てたらしい・・・。そうカキコしてる。階段まで酒臭かったって。



 そしていつだったか、サッカーボールを蹴りながらGさんが僕に言ったことが実現し、CSジ・エンドから8年経った7月7日。upset the apple-cartがスタート!。今に至るのであります。
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5 コメント

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Unknown (Mr.UNIVERSE)
2014-02-05 00:22:44
コモンストックの場合。
管理人さんは、カウンター。自分はテーブル席
の位置づけだったから、印象に無かったんだろうな。
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Unknown (headstorm)
2014-02-05 00:37:36
今、読ませて頂きました…
例えると、大好きな、ドラマの最終回を観、終わった様な気持ちに
そのドラマも、ショーケンの『傷だらけの天使』・松田優作の『探偵物語』・『新必殺仕置き人』…
~ホロッと。

この4日間の投稿記事、当時に、タイムスリップしたかの様に、擬似体験させていただきました。

そして8年後……復活かぁ

多分次からの扉を開ける時の心構えが、少し違うかも(笑)
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Unknown (Mr.Rapport)
2014-02-05 01:18:56
ご明察のとおり、
あのとき風邪をこじらせ38度以上の熱があって、
意識はもうろう。
よく覚えていないのです。
でも、お二人の寄稿を読み、
だんだんと記憶が甦ってきました。
あのときGさんとハグしなければ、
リンゴの常連客にはならなかったかも。
一期一会を痛感した最終日でした。
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Unknown (akichan!)
2014-02-05 22:15:14
「シー・ユー・アゲイン雰囲気」消されちゃったんで
別のを貼っておきました。
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Unknown (もりくま)
2014-02-06 08:00:36
CS営業期間中、西新宿勤務になった時期がありました。
当時はロックバー自体縁遠い存在だった為、全く知らずに過ごしてしまいました…。誠に残念!
西新宿の輸入盤屋さんも活気のある頃でしたが、店が開いてる時間に仕事が終わる事も少なく、自然にCD購入は南口のタワレコかユニオンという今のパターンに…。
当時は小田急の厚木や東海大学前から通勤してました。
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