日本武道館 by Mr.Rapport
座席 一回席のほぼ中央。前から七番目あたり
David Coverdale(Vo.)
Micky Moody(G.)
Mel Galley(G.)
Colin Hudgkinson(B.)
Jon Lord(Key)
Cozy Powell (Ds.)
《セット・リスト》
Walking in the Shadow of the Blues
Rough an’Ready
Ready an’Willing
Don’t Break My Heart Again
Here I go Again
Love Hunter ~Colin Hudgkinson solo~Micky Moody solo~Love Hunter
Crying in the Rain~Soldier of Fortune
Jon Lord solo~Cozy Powell solo
Ain’t No Love in the Heart of the City
Fool for Your Loving
~Encore
Wine Women an’Song
初来日の公演の出来が90点、二度目の来日公演の出来が95点だとしたら、このときのライブの出来は残念ながら、OKラインがクリアできるかどうかの65点ぐらいしかあげられない。コージー・パウエルが新メンバーとして加わったにもかかわらず……。
なぜか。今回は主にその理由を述べることにした。
減点理由 その1 ドタバタ・ドラムが気になったコージーのプレイ
「コージー・パウエルが白蛇に加入!」というニュースを知ったとき、ボクは一抹の不安を抱いた。「シンガー主体のバンドにあのドラムは合うだろうか」と。
案の定、不安は的中。なるほど、オープニングの「Walking in the Shadow of the Blues」とメドレー形式でつづく「Rough an’Ready」におけるプレイは両曲ともスピード感があるので確かに素晴らしかった。しかし、その後が……。ドタバタ・ドラムがどうしても耳障りに聴こえてしまう。それに、肝心のドラムソロもマグネシウムの「ボムッ」がなかったしなあ。
やはり、コージーのドラムはギタリスト主導のサウンドのほうが似合っていることを痛感。
減点理由 その2 C級だったメルのプレイ
元トラピーズのギタリスト、バーニー・マースデンの後釜ということで、それなりに期待していたんだけど、これがひどいプレイ。メインでフラッシュを浴びるはずの「Crying in the Rain」でも、まともなソロが弾けていない。なんで、こんな奴をバーニーの後釜にすえたのだろう。
リッチーがA級のギタリスト、バーニーがB級のギタリストだとしたら、この人はC級もいいところ。いつまで経っても、グレン・ヒューズの上に行けない理由が納得。
減点理由 その3 期待はずれだったコリンのプレイ
この人には「ベース界のジミヘン」という異名――前評価があった。ということは、前任のニール・マーレイよりもすごいに違いない。そう思い、これまた期待を寄せていたのだが、実際に目の当たりにすると、なんか冴えない。アカぬけない。
「Love Hunter」の途中でベースのソロタイムがあるのだけれど、これもいまいち。なんか、三味線みたいな音色を出しているんだよな。オレの伯母が昔三味線をやっていて、たまに聴かされたことがあるけど、それを思い出してしまった。この人のどこが「ベース界のジミヘンなんだよ」と思ってしまうのは自分だけだろうか。
ただし、アレクシス・コーナーのサメ[トを長きにわたり務め、最近ではジョン・ロードのブルース・プロジェクトのメンバーだったことを併せ考えると、ブルース・ロックには最適のベーシストなのかもしれない。
減点理由 その4 精彩に欠けていたジョンのプレイ
ジョンはDP4期のときも、白蛇初来日のときも、白蛇二度目の来日公演のときも最高の音を聴かせてくれたけど、今回ははっきりいって×。とにかく、精彩に欠けているのだ。中間部のソロタイムも少々退屈で、その後につづくコージーのドラムソロの盛り上げ役――余興って感じ。
なぜだろう。やる気があまり感じられない。ていうか、すでにこのとき、白蛇からの脱退を決意。DP再結成のほうに意識もエネルギーも向いていたのかもしれない。
そういうわけで今回は辛口の寸評になってしまいましたが、これが自分の偽らざる感想なので、「このコンサートは良かった。最高だった」と思っている人はどうかご勘弁ください。では、また。
~管理人の付け足し
↓当日のブートです。“コージー・テープ”と呼ばれている、コージー所有のサウンドボード音源です。