


当地では毎年11月20日前後の土日祝日の3日間“えびす講”という
大売出しがある。
何時頃から始まったのか、わたしはよく知らないが
明治の頃からあったのかもしれない。
とうに亡くなった祖父母の話にも出てきていたので・・・。
これは、“大売出し”という単純なものではなく、
橋向いにある恵比寿神社のお祭りで、
われわれ商人は、一年間の商売繁盛に感謝して恵比寿様にお参りする。
そしてお客様にも感謝の意を表して、大サービスの売出しをする。
なくなった祖父の話によると
「『彦根のえびす講は日本一』といわれて、ステンショ(ステーション=駅)に
汽車が着くとお客さんの列が続き、港湾に船がつくと、西江州からの
人の波で町中ごった返した。」そうだ。
そして冬物や、迎春の準備品がたくさん売れたそうな

その頃の大盛況の“えびす講”は見る影も無く
当店も出血の大破格値で商品を路上にワゴンで山積したが
なかなか売れていかない。
当商店街ではお餅つきをして、つきたての“きな粉餅”を振舞うサービスをしたが
それには長蛇の列が出来た。
皆さん、「美味しい、美味しい」と大好評だった。
時代の流れで、売上には結びついていかない、お祭り・イベントになってしまった。