




昨日は定まらないお天気で、気温も低く冬に逆戻りしたような寒さだ。
半年前に予約をしておいた、老母の認知症の診察にM市の成人病センターへ
家中(夫と母と私の三人)が車に乗って出かけた。
数組の診察を待つ家族がいた。
どこも、老、老看護だ。
80歳は出たであろうおばあちゃんを、ご主人が車椅子に乗せて連れてきておられる。
見るからに大変である。
ウチのように60歳半ばの娘が90歳位の親を見ているのが多いようだ。
「親子です。」と顔に描いているような、そっくりの息子さんが連れてきている所もある。
毎日、認知症の母と暮らしていると、「のれんに腕押し」のような会話をして、
今、何をしているのか、四六時中気をつけて、トイレの始末に追われる生活になる。
介護施設などが充実してきて、週3回デイサービスを利用するようになって
本当に助かっている。
朝、お迎えの車で「ばいば~い」「いってらっしゃ~い。」と行ってしまうと、
私の心は軽くなる。
母親なのだから、決して粗末にしているわけではないのだが、母親なればこそ、
情けなく、涙がこぼれることもある。
初期の頃は、頑張って、間違ったことを言っていると訂正したり、言って聞かせたりしたが、
「分かった。」と言っても、実は分かっていなくて、よけいに悲しくなる。
「老人神経内科」の先生のアドバイスで、
近頃は、当人の話に添って聞いて、肯定してやるようにしている。
同じように、親のお世話をしている友達が
「此の頃は、何でも『そやね~。そうやね~。』と言っておくのよ。
そうでも言っておかないと、こっちが疲れてしまう。」と言っていた。
そのような日々のうち、週3回、ホッとする時間が持ててほんとにありがたい。
母も、喜んで出かけて行くし、助かる。
中には、そういう所へ行くのを嫌がるお年よりもあるらしい。
心と、頭をリフレッシュさせて、又介護にあたる。
このような施設のなかった、一昔前は、介護する側もされるほうも
さぞ大変だったろう。
質のよい介護師さんが増えるといいな。