
学校での2020年度のいじめ件数(認知件数)は、2019年度の約61万2500件から2020年度には約51万7000件という結果(文科省調査)が出ました。
数字として、かなり減りました。コロナ災禍により、児童生徒どうしが関係し合う、授業時間、休み時間、クラブ活動時間等の時間そのものが減ったからという見方ができます。
ところが、その一方で不登校は増えました。学校を30日以上欠席して、いわゆる「不登校」と見なされる児童生徒(小中学生)は約19万6000人で、前年度よりも約1万5000人程度増えました。
コロナ災禍は、大人に対してでもさまざまな影響が与えていますが、子どもの場合はなおさらです。不安を感じた児童生徒が増えたためと考えることができます。
くわえて、さらに見過ごすことができないのは、自殺した児童生徒(小中高)が増えているという事実です。415人という過去最多の数字が出ています。
目下、学校の教職員は引き続き学校での感染防止に努めていますが、教師は今後よりいっそう児童生徒の心情に寄り添う必要があります。
いまの生徒指導上の大きな課題は、指導の対象とするエリアが基本的に学校という空間(ときには家庭・地域)に限定されていたのが、インターネット空間にまで広がってきていることへの対応です。
児童生徒も、従来なら学校で起きた友だちとのトラブルや問題は、ひとまず家に帰ればかかわりから外れていました。
しかし、いまや家庭に帰っても、SNSをはじめとしたインターネット空間で24時間中友だちとのつながりをもちます。
そこでの悪口中傷も起きるのが現実です。
学校はオンラインで児童生徒が授業を受けるようなインターネット空間を利用しますが、その画面からははかることのできない現実を児童生徒は生きているのです。
こんなとき、必要なのは対面での家庭訪問であると思います。
新型コロナウイルスは、学校関係者にオンラインの利用を促しましたが、対面でのコミュニケーションを忘れないように再度警告しているように思います。
認知件数とは?苛めがあったことを認めた数字です。
なので、隠れた件数を無視していることになります。
従って、現実の世界では相当数の苛めが隠蔽されている気がします。
大きな問題はこれだろうと思います。
そろそろ本格的にスクールポリスが必要かも知れません?