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言語空間+備忘録

メモ (備忘録) をつけながら、私なりの言論を形成すること (言語空間) を目指しています。

前原政調会長、最低保障年金創設・年金制度一元化の意向

2011-11-22 | 日記
YOMIURI ONLINE」の「年金改革、消費税率10%でも将来不足…前原氏」( 2011年11月20日18時39分 )

 民主党の前原政調会長は20日のNHK番組で、月額7万円の最低保障年金創設などを柱とする年金制度抜本改革の関連法案を2013年の通常国会に提出する意向を示した。

 年金制度抜本改革は同党が09年衆院選政権公約(マニフェスト)に明記していたもので、関連法案に厚生、国民、共済に分かれている年金制度の一元化も含める考えだ。

 前原氏は、抜本改革の財源確保で必要となる消費税率について「どのようなパーセンテージで行くかはこれから詰めなければならない」と語り、将来的には社会保障・税一体改革で想定した税率10%では不足するとの考えを示唆した。

 政府・民主党の一体改革案には、年金制度抜本改革は含まれていない。このため、来年の通常国会に提出する消費税率引き上げの関連法案は一体改革案に沿って税率10%とし、年金制度抜本改革の議論とは切り離される予定だ。


 民主党の前原政調会長は、月額7万円の最低保障年金創設などを柱とする年金制度抜本改革の関連法案を2013年の通常国会に提出する意向を示した。関連法案に厚生、国民、共済に分かれている年金制度の一元化も含める考えである、と報じられています。



 私はもともと、これと同様の主張をしています (その根拠については関連記事をご覧ください) 。

 したがって、消費税増税についてはともかく、最低保障年金の創設と、年金制度の一元化には賛成です (消費税増税については検討中です) 。



■関連記事
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行政刷新会議、法科大学院の抜本見直しを提言

2011-11-22 | 日記
毎日jp」の「政策仕分け:司法試験低迷で法科大学院の抜本見直し提言」( 2011年11月21日 22時09分 - 最終更新 11月21日 23時44分 )

 政府の行政刷新会議は21日、重要政策の見直しの方向性を議論する「提言型政策仕分け」の2日目の作業を行った。教育分野では、法曹人口拡大を目指して04年に導入された法科大学院が取り上げられ、司法試験合格率が低迷していることなどに対し、仕分け人から「明らかな失敗」などの批判が続出。「抜本的な見直しを検討すべきだ」と提言した。

 法科大学院修了者で今年の新司法試験に合格したのは2063人で、合格率23.5%は過去最低。「修了者の7~8割の合格」を掲げた当初目標に遠く及ばない。文部科学省の担当者は合格実績が低迷している法科大学院への補助金を削減する方針などを説明した。

 これに対し、仕分け人で弁護士出身の民主党・階(しな)猛衆院議員は「早くやめるべきだ」と主張。提言では、当面の定員適正化の必要性も指摘した。

 地方財政分野では、地方自治体が独自に税目・税率を定められる「課税自主権」の強化を、仕分け人6人全員が提唱。国が自治体に配分している地方交付税制度の見直しも求めた。

 情報通信分野では、携帯電話向け周波数の割り当ての透明性、公平性を高めるとともに財源を確保するため、高い金額を提示した企業を選ぶ「周波数オークション制度」の早期導入を提言した。

 3日目の22日は、医療や介護サービス、公共事業を取り上げる。午後には野田佳彦首相が東京・池袋の会場を視察する。【木村健二、中島和哉】


 政府の行政刷新会議において、司法試験合格率が低迷していることなどから、法科大学院制度について「抜本的な見直しを検討すべきだ」という提言があった。これに対し、文部科学省の担当者は合格実績が低迷している法科大学院への補助金を削減する方針などを説明した、と報じられています。



 法科大学院制度については批判もありますが、

 かといって廃止してしまえば、従前の司法試験制度に戻ってしまいます。もともと、(従前の)制度には「問題がある」ということで制度改革が始まったはずですから、「従前の制度に戻す」という「改革の逆行」は好ましくないでしょう。

 とすれば、「抜本的な見直しを検討すべきだ」とまではいえないと思います。すくなくとも、「抜本的な見直しを検討する」場合であっても、「制度そのものを廃止する」という選択は「あり得ない」ということになるのではないかと思います。



 この観点で考えると、文部科学省の方針、すなわち「合格実績が低迷している法科大学院への補助金を削減する方針」は、好ましい選択だと考えられます。

 予想に比べ、合格率が低迷しているのが問題なのですから、合格率を上げるには、受験者の数を減らせばよいわけです。つまり、受験資格を有する者(=法科大学院修了者)の数を減らせばよいわけです。

 つまり、問題は「法科大学院が乱立しすぎた」ことにあるのですから、「合格実績が低迷している法科大学院への補助金を削減する方針」でよい、ということです。



 報道には、文部科学省の方針に対し、
仕分け人で弁護士出身の民主党・階(しな)猛衆院議員は「早くやめるべきだ」と主張。提言では、当面の定員適正化の必要性も指摘した。
とありますが、

 「なにを」早くやめるべきだと言っているのかが、問題です。

 これが「合格実績が低迷している法科大学院への補助金」支給を早くやめるべきだということであれば、問題ないと思いますが、「法科大学院制度そのもの」を早くやめるべきだということであれば、問題だと思います。理由は前述のとおりです。

 弁護士さんのなかには、「法科大学院制度そのもの」を廃止すべきだといった意見もみられることから、弁護士出身の議員さんがどういう趣旨で「早くやめるべきだ」と発言されたのかが、気になります。



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 「なぜ弁護士「激増」なのかがわからない
 「弁護士増員反対論に対する反論

アジア共通通貨は必要ない

2011-11-22 | 日記
水野和夫・萱野稔人 『超マクロ展望 世界経済の真実』 ( p.207 )

萱野 最近はリフレ派だけでなく、円安を求める声が強まっていますが、為替政策についてはどうお考えでしょうか。

水野 私は円高のほうがまだ望ましいと考えています。ドルに対して円高になれば、資源が高騰しても円高である程度相殺できるからです。資源はドル建てですので、円高は交易条件を改善させることになります。もちろん、ドル安・円高で輸出金額が減っては元も子もありません。輸出先をアジアなど新興国にシフトしていく必要があります。過剰債務に苦しむアメリカの家計はこれまでのように気前よくモノを買ってくれなくなると思います。

萱野 ただ、今後、経済成長が見込めない日本はできるだけ外需を取り込んでいかなくてはならないことを考えると、輸出産業が業績を伸ばしやすい円安にもメリットがあると考えられそうなのですが。

水野 そうですね。これについては、輸出のメリットを受ける産業の経済規模と、資源を輸入する素材産業の経済規模を計算すると、じつは後者のほうが経済規模が大きいんですよ。
 さらに長期的には、円、ユーロ、ポンドや元などに対して貿易量で加量平均してドルの価値(実効レートベース)をみると二〇〇二年二月にピークをつけて、それ以降、下落基調がつづいています。九・一一事件以降、ドルは機軸通貨(引用者註:原文ママ)としてのプレミアムが徐々に剥げ落ちてきているのだと思います。そうであるなら、円高がすすんでいるとしても、それはドル安の裏返しとしての円高やユーロ高ですので、日本側から円高を阻止することはなかなか困難です。マルクがユーロ創設でドル圏から離脱したように、円もアジア共通通貨創設を考える必要があると思います。中期的にはドルが基軸通貨の役割を果たしていくでしょうから、日本としては、高騰する資源(ドル建て)を安く購入するためにドル安・円高を受け入れて、輸出先をアジアに一層シフトしていくことが必要です。そうすれば、資源を安く輸入して強い通貨であるアジアに輸出することで、悪化しつづけている交易条件を改善することができるのです。

萱野 なるほど。トータルな経済規模で考えると、円高のほうにメリットがあるわけですね。円高のほうが高騰する資源を安く購入できる。これは外国の企業などに日本から資本投資する場合にもあてはまりますね。逆にいうなら、円安になると日本の企業や資産が外国の企業やファンドから買い叩かれやすくなってしまう。


 アジア共通通貨を創設し、日本はドル圏から離脱すべきである。そうすれば、「資源を安く輸入して強い通貨であるアジアに輸出することで、悪化しつづけている交易条件を改善することができる」、と書かれています。



 この考えかたには一理ありますが、

 著者の発想を前提とするかぎり、アジア共通通貨制度は必要ないと思います。

 著者は「輸出先をアジアに一層シフトしていくことが必要です」と述べています。つまり、アジア経済が順調に成長し続けると著者は考えているわけです。

 これを前提として考えれば、アジア諸国の通貨はだんだん強くなるはずです。日本円「のみ」が強くなるのではありません。

 つまり、長期的にみれば、何もしなくても、つまりアジア共通通貨を創設しなくても、「資源を安く輸入して強い通貨であるアジアに輸出すること」になります。

 したがって、わざわざアジア共通通貨を創設する必要はない、と結論されます。



 アジア共通通貨を創設すれば、日本は金融政策決定権を事実上、放棄することになります。このような不利益を上回る利点は、著者が述べている内容「のみ」を前提とするかぎりは、みあたりません。

 また、アジア共通通貨を創設した場合、政治面でも一定の協調が必要になってきます。

 民主主義国の集団、しかも先進国の集団であるヨーロッパと、このような条件にはないアジアとでは、条件が決定的に異なっています。

 したがって、これらの難点をも考慮すれば、アジア共通通貨は創設する必要がないどころか、創設しないほうがまし、という結論になると思います。



 ドルの減価に対する対策としては、著者が主張しているアジア共通通貨方式ではなく、

 フランスや中国・ロシアが主張している方式、すなわち「IMF(国際通貨基金)のSDR(特別引き出し権)を活用した、複数の有力通貨を平均したものを今後の国際基軸通貨として使う」方式のほうが、はるかによいと思いますし、実現可能性もあると思います。

 なお、一応断っておきますが、私は仏露中などが主張している方式がよい(=そうすべきだ)、と言っているのではありません。著者が主張している方法に比べれば、はるかによいと言っているだけです。



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