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年金制度の世代間公平

2010-01-14 | 日記
井堀利宏 『日本の財政改革』 ( p.162 )

 世代別負担は、しばしば、世代間の不公平を指摘する手段として用いられやすい。これは人々の価値判断とも関係しており、どのような状態が公平かを客観的に示すことは困難である。しかし、現在の老年世代 ( 六五歳以上 ) と現在の勤労世代 ( 四〇歳以上 ) との間での勤労世代から老年世代への公的な再分配は、方向としては正当化できるだろう。老年世代は悲惨な戦争を経験しているのに対して、勤労世代は高度成長期の資本蓄積の成果を享受しているからである。さらに、現在の老年世代にとっては平均寿命の伸びが予想外の速度で進み、青年期に自助努力で十分な貯蓄をする環境になかったという背景もある。
 問題は、現在の勤労世代とこれから勤労世代として新しく登場する世代との間の負担の格差である。出生率の低下により将来の勤労世代は、少ない人数で多数の現在の勤労世代 ( =団塊の世代 ) の老後を支えるという厳しい状況に直面している。一方で、団塊の世代が経験した高度成長は、今後は期待できそうにない。また今後は平均寿命が長いということが、若い時期から十分に予想できるので、老後の資金を前もって準備しておく時間的な余裕がどの世代にもある。とすれば、団塊の世代へ将来世代が所得を移転するのは、世代間の公平からみて正当化されないだろう。逆に言うと、今後の世代間の負担について、社会的にあまり正当化できそうにない政策が、現在の財政制度に内在していることになる。
 これを放置しておくと、年金制度や租税制度の維持運営に支障をきたすほどの、合法・非合法の負担回避行動が将来予想される。国民年金では徴収体制が整備されておらず、未加入者が相当数存在する。若い世代の年金からのネットの収益率がマイナスになると、むしろ年金に入らない方が、個人的には得になる。今後若い世代を中心に未加入者が増加すれば、正直に加入している人間が損をすることになりかねない。ある人がどの世代に属するかは、その人の選択不可能なことであり、世代間での既得権は公平性のみならず、効率性の観点からも問題を引き起こす。世代別の負担の長期的な動向は、大まかには前もって予想できるものであるから、年金制度のスリム化、財政制度の見直しによる歳出の削減=公債発行の減少などの対策を今のうちから考えることが、大切である。


 現在の年金制度 ( 勤労世代から老年世代への再分配 ) は、方向としては正当であった。しかし、今後については、社会状況に鑑みると、正当とは言い難い。年金制度のスリム化、公債発行の減少などの対策を考えることが大切である、と書かれています。



 現在の制度を継続すれば、年金制度は破綻すると予想されます。「元年金数理課長、年金が本当は大黒字」 に引用したように、破綻しないという見解もあることはありますが、常識的に考えて、現役世代の人口が減り、年金受給世代の人口が増える以上、現在の年金制度は破綻すると考えるのが自然だと思います。



 私の対策は、「年金制度は統一すべき」 ・ 「公的年金は税方式がよい」 ・ 「年金給付の減額」 などに記していますが、



 現在の現役世代は、( 従前の世代に比べて ) 加重に負担しなければならなくなる、という問題は残ります。この問題にどう対処すべきか、わからなかったのですが、

 著者がここで述べているとおり、
  • 現在の年金受給世代は、戦争を体験されていること、
  • 現在の勤労世代は、年金受給世代の努力の成果にあずかっていること

に鑑みれば、新制度への移行期において、現在の勤労世代が加重に負担することになっても、( 公平性の面で ) 問題はない、と考えてよいと思います。

 したがって、この問題は問題とはいえず、( 従前の世代に比べて ) 加重な負担になってもよいのではないか、公平性の問題は発生しないのではないか、と思います。
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