言語空間+備忘録

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年金制度は統一すべき

2009-08-26 | 日記
小林良暢 『なぜ雇用格差はなくならないのか』 ( p.170 )

 年金というと、夫婦二人で毎月二三万円がもらえるという話になる。しかし、これは二〇歳から六〇歳まで年金保険料を四〇年間払い続け、現役時代の月収が四七万円強という、標準的というか中レベル以上の世帯主に、同い年で専業主婦の奥さんがいるというモデルの話である。実際にはこれより低い人の方が多く、年金受給者の平均は一九万円程度である。
 また、結婚しないで働き続けた短大卒のシングル女性の平均的モデルを考えると一六万円くらいだろう。もちろん、専業主婦で離婚した女性の場合だと、自分の基礎年金六万六〇〇〇円くらいしか支給されない。
 こうしたシングル・ライフや離婚女性などの増大は、現行の年金制度が設計された当時は想定されていなかったことで、もはや制度そのものを抜本的に改革する必要に迫られている。さらに、共済年金は同じく二人モデルで二六万円程度という水準に達する。
 他方、国民年金の単身者公的年金は六万六〇〇〇円、夫婦二人でも一三万円である。国民年金基金の上乗せ年金制度があるが、任意加入であるので公的制度とは言い難く、厚生年金や共済年金との格差が大きすぎる。
 これまでは、国民年金の主たる加入者である自営業者や農業従事者などは、高齢になっても就業して収入があることから、それを想定して低い水準に設定されていた。しかし、近年はパートタイマー、派遣・請負労働者、また専業主婦、離婚した女性など、就業形態の多様化を反映した多様なライフスタイルの人々が国民年金に加入している。しかし、これらの人々は自営業者や農業従事者などとは違って、六〇代半ばを過ぎても働き続けられる保証はなく、このままだと将来は大量の低年金層を生み出すことになる。このように、格差年金という構造的な欠陥が顕在化した以上は、制度を再設計し直す必要がある。


 年金制度は、もはや現在の社会状況に合致しておらず、格差が大きすぎるなど、構造的な欠陥がある、と書かれています。



 自営業者や農業従事者が、高齢になっても収入があるのはたしかだと思いますが、それにも限度があると思います。人は、年とともに、自由に動けなくなります。また、跡を継がせた場合、サラリーマンの定年と同じく、収入がない状況になると考えてよいと思います。したがって、もともとサラリーマン ( や公務員 ) に有利な制度になっていた、といってよいのではないかと思います。

 通常、制度の設計は、大多数の人々を基準にしてなされますから、サラリーマンと専業主婦を基準にする制度になっているのは当然だとは思いますが、近年は、その基準から外れる人々が増えてきており、( 必ずしも自己責任とばかりはいえない ) 現役時代の収入格差と結びついて、問題になっていると考えてよいと思います。



 したがって制度を変える必要がありますが、どのような制度にすべきか。それが問題になります。これについては、人々のライフスタイルが多様化してきたというのですから、

   もはや、基準となる、標準的な世帯を想定することは不可能

であるといってよいのではないかと思います。とすれば、

   全国民を対象として、一定額を基礎的な年金として保障することが必要

です ( 制度を統一する ) 。そして、それでは不足であるならば、

   それに上乗せする部分を、別途 ( 国が ) 用意する、あるいは、民間の保険に委ねる

と考えるのが自然ではないかと思います。



 その際、国民年金・厚生年金・共済年金を統合する必要が生じてきます。そこで問題になるのは、統合すれば、厚生年金・共済年金側に 「損」 になる、という点です。

 しかし、もともとサラリーマンや公務員に有利な制度になっていたのですから、統合に際して、多少の 「損」 は当然ではないかと思います。これまで、「得」 をしていたのですから、多少の 「損」 があってもかまわない、と考えるべきではないかと思います。

 また、賃金昇給ピッチが非正規労働者に比べ、正社員が高いのは ( 正社員が非正規労働者よりも高給なのは ) 、非正規労働者の給与が低く抑えられているからであり、非正規労働者の犠牲のうえに、正社員の高給が確保されている、という面は否定しえないと思います。したがって、その観点からも、

   国民年金との統合にあたって、厚生年金・共済年金側に多少の 「損」 が生じてもかまわない ( かえって平等になる )

と考えるべきではないかと思います。
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