言語空間+備忘録

メモ (備忘録) をつけながら、私なりの言論を形成すること (言語空間) を目指しています。

皮肉を言う暇があれば

2009-10-10 | 日記
PINE's page」 の 「こんなのは序章にすぎない。

過払いバブルが吹き飛んだ後に、激しい生き残りのための戦いが始まる。

弁護士を大増員し、弁護士に自由競争をさせ、その結果、能力のない弁護士は淘汰させる、という素晴らしい司法改革。

能力のない弁護士が淘汰されるためには、その弁護士に依頼するお客さんがいて、そのお客さんがヒドいめにあって、「あの弁護士はとんでもない。」と評判になり、その結果、その弁護士に依頼するお客さんがいなくなり、その弁護士が店仕舞いする、というのが自然の流れだろう。

だから、今の前提で行く限り、ヒドいめにあうお客さんの存在は、弁護士の淘汰のために、必要とされるものなのだ。


 自由競争による淘汰は、「素晴らしい司法改革」 だと書かれています。



 同ブログの記事 「ひどいね。」 において、「刑事事件の国選弁護から撤退して良かった。」 と書かれているので、まず間違いなく、弁護士さんのブログだと思いますが、

 弁護士自身が 「素晴らしい司法改革」 と評しているのですから、増員路線を継続すべきだと思います。



 もっとも、この弁護士は、皮肉として 「素晴らしい司法改革」 と言っている可能性が高い ( 本心では素晴らしいと思っていない ) 、とも考えられるのですが、





『ある消費者金融業者の代理人弁護士は「報酬は過払い分の2割弱が相場だが、なかには3割以上の報酬を求める弁護士らもいる」と打ち明ける。』 とあるが、現在は、弁護士報酬は自由化されているので、事前にきちんと説明をしておけば何も問題はないはず。

(中略)

また、『仙台市の会場で自己破産を希望する参加者に対し、「地元の弁護士にお願いしなさい」と拒否。』とあるが、これも、弁護士は事件を受任する義務はないので、仕方ないだろう。


 読売新聞 「過払い返還請求トラブル急増…日弁連が異例の指針」 の報道に対して、( 弁護士の態度は ) 法的には問題ない、と述べられています。



 法的には問題ない以上、司法改革の弊害は発生していないと考えられます。誰も 「ヒドいめ」 にあっておらず、弊害が発生していないのですから、皮肉を言う必要はないと思います。
 ( 弊害が発生していないにもかかわらず、皮肉を書いたのであれば、自分に都合が悪くなったのが気に入らない、というにすぎません )



 私としては、( 皮肉ではなく、本当に ) 「素晴らしい司法改革」 だと思います。なぜなら、





国の弁護士大増員の方針が変わらなければ、弁護士、さらに司法書士も、自分の生活を維持するために、必死にならざるをえないでしょう。

民間企業や個人事業者は、どこも、利益を上げるために、血の滲むような努力をして、経営を合理化し、不採算部門から撤退し、利益の上がる部門に経営資源を集中させているでしょ。
国は、弁護士や司法書士にも自由競争による生き残りを求めるのだから、もうかる仕事しかしなくなっても仕方ないと思う。


 弁護士が儲かる仕事しかしなくなっても仕方ない、それは当然だ、と書かれていますが、



 いままで、一定の利益が ( 事実上 ) 保障されてきた弁護士が、「自分の生活を維持するために、必死にな」 り、「血の滲むような努力をして、経営を合理化」 すれば、コストが下がり、小さな事件も 「もうかる仕事」 に変わると考えられるからです。

 皮肉を言う暇があれば、( その時間に ) コスト削減の努力をして、市民が気軽に依頼できる料金にしてください。価格が下がれば、確実に需要は増えると思います。