言語空間+備忘録

メモ (備忘録) をつけながら、私なりの言論を形成すること (言語空間) を目指しています。

「はじめに増員反対ありき」 の弁護士?

2009-10-03 | 日記
 弁護士増員論に対して、需要がない、という意見があります。そこで、気になって検索してみたところ、次のようなブログがありました。



Schulze BLOG」 の 「弁護士の需要増なし

県弁護士会、司法試験合格者削減で決議 弁護士の需要増ない/山形
http://mainichi.jp/area/yamagata/news/20090301ddlk06040143000c.html
『「合格者3000人は多すぎる。当面、1500人程度にとどめるべきだ」。県弁護士会は27日の定例総会で、司法試験の合格者削減を求める決議を国に提出することを決めた。国の司法制度改革推進計画では、地方の弁護士過疎問題の解消も目的の一つに、10年までに、合格者を年間約3000人に増やす計画だ。しかし、典型的な弁護士過疎地域の山形県の弁護士会が、合格者増に疑問を示した。(中略)現在、県内の弁護士は70人。合格者増を受け、6年前の52人から急増した。県弁護士会は02年10月、容疑者国選弁護への対応などを考慮し、県内の適正な弁護士数は約80人として、12年度で達成するという目標を示した。しかし、近年の増加率から12年度時点では80人を大幅に超える可能性が高いという。一方、同会は県内の弁護士需要を「将来は横ばいか、減る」と分析する。現在急増している消費者金融業者への過払い金返還請求は、07年ごろからグレーゾーン金利で貸し付ける業者が減った結果、今後数年で激減するとみられるからだ。』


結論:ないものはない\(^o^)/
需要なんて、あるわけがない。
地方も、すでに満杯。
この状況で、一体どこに大量増員の受け皿があるんでしょうか。


 「現在急増している消費者金融業者への過払い金返還請求は、07年ごろからグレーゾーン金利で貸し付ける業者が減った結果、今後数年で激減するとみられる」 ことを根拠に、山形県弁護士会では弁護士需要は 「将来は横ばいか、減る」 と分析している、と書かれています。



 この分析は、( 掲げてある根拠からみて ) 需要者たる市民・企業にアンケートをとったわけでもなく、現在の業務状況をもとに、今後の需要を予測しているにすぎないと思われます。したがって、予測そのものの信憑性が乏しいと考えられます。

 それなら他の予測を取り上げればよい。なぜ、この記事 ( 予測 ) を取り上げるのか、ということになるのですが、私がこの記事 ( 予測 ) を取り上げるのは、この記事が、あまりにも強烈だからです。この記事には、

   結論:ないものはない\(^o^)/

とあります。上記ブログは、書かれている内容からみて、今年、弁護士になられたかたのブログらしいのですが、「自分の職業 ( または自分の目指している職業 ) に需要がない」 ことを、\(^o^)/ と喜ぶ感覚が、わかりません。「需要がない、となれば、ガックリくるのが通常の感覚」 だと思われます。



 この、奇妙さ ( 需要がないことを喜ぶ ) の背景を推測すれば、おそらく、「はじめに増員反対の結論ありき」 なのではないかと思われます。「増員反対」 の結論が先にあるから、

   「需要がない」 → 「増員反対の根拠になる」 → 「\(^o^)/」

なのではないでしょうか。「はじめに増員反対の結論ありき」 でなければ、

   「需要がない」 → 「ガックリ」

となるのが通常だと思います。



 「はじめに増員反対の結論ありき」 が ( 平均的な ) 弁護士の感覚だとすれば、弁護士・弁護士会の主張する需要予測も、きわめて疑わしいものとなります。



 需要がないことを喜ぶ…。はじめに増員反対ありき。いったい、何を考えているのだろうか、と思わざるを得ません。