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ロンドンから徒然に

オールド・チャーチのクリスマス・イヴ

2009-12-26 | 日常
 テート・ブリテンの所蔵するホイッスラーWhistlerの絵の中に“オールド・バタシー・ブリッジ”という名作があります。正式な名称はちょっと長くて“青と金のノクターンNocturne:Blue&Gold”というタイトルが前に付くのですが。
 彼の絵にはこのように音楽用語が付くことが多く、他にも“グレーとグリーンのハーモニー”、“グレーと黒のアレンジメント”、“白のシンフォニー”などのタイトルが見られます。

 この“Old Battersea Bridge”、橋の一部を下の方から眺めた大胆な構図で、色彩的にも日本画の影響があるのかと思わせる印象深い絵です。
 よく見ると、その絵の左奥に教会が小さく描かれているのですが、これがChelsea Old Churchだということです。ちなみにここはターナーの絵にも描かれています。

 いや、どうしてこんな話をするのかというと、今度引っ越してきた家の近くにOld Church Streetという通りがあって、その端にあるのがこの教会だったのです。
 調べてみたら、ホイッスラーの描いた時代の白い建物は第二次世界大戦の際の爆撃でほぼ壊れ落ちてしまい、今のような煉瓦の建物に建て替えられたみたいです。



 昨晩のクリスマス・イヴはここを訪れました。
 全くの似非信者なのですが、あの厳かな雰囲気を味わうのと賛美歌(あ、宗派によってはそう呼ばないのかな)を歌うのを毎年の習慣にしているのです。それに普段は入りづらい内部も興味あるもので。

 さて本場のクリスマス、日本の皆さんが考えると拍子抜けするくらい静かです。全ての会社は休みだし、観光地のど真ん中を除けば殆どの店も開いていません。地下鉄もバスも動かず、タクシーの台数も極端に少ないです。
 まぁたまにはこんな風に静かに過ごすのもいいんでしょうが。