英語・ダイエット・その他徒然なるままに

趣味の英語学習(TOEIC 970点)やダイエットの成功談など、色々書いていきます。

初心者に贈る最低限のメニュー

2015年03月01日 13時48分13秒 | 英語
今日はプラクティカルな内容にしたいと思います。

英語初心者の方にとって”結局、何から手をつければいいの?”というのは切実な問題だと思います。勉強方法くらい自分で考えろといいましたが、仮に、私が初心者の方に、TOEICで上級(860~900くらい)と言われるレベルを目指すためにおススメする最低限の教材を示すとしたら、以下のようになります。なお、中1レベルの英語も覚束ないような本当の英語初心者は対象にしていません(自力学習は無理だと思います。NHK講座の一番易しい奴を一から始めるとかして下さい)。TOEICで400~500点くらい(それより低くてもいいけど、そういう人は少ないでしょう)の人が、レベルAを目指す感じです。

(文法)
・「なぜ」がわかる英文法の授業(成川博康、Gakken)
・英文法ネイティブ・アイ(松岡浩史、The Japan Times)

(単語)
・TOEIC TEST (入門/基礎/頻出/必修)1200語(白野伊津夫、語研)

(問題集)
・TOEICテスト 新公式問題集(国際ビジネスコミュニケーション協会)
 (Vol. 1~6、6冊分くらいの量はやってほしい)

(おまけ)
・イディオム集を1冊(凝ったものではなく、大学受験向きの標準的なもの)
・苦手意識の高いパートや、全体の模試形式の問題集を適当に
・リスニングで他に気に入ったものがあれば適当に

絞りに絞りました。でも、これらを本当に隅々まで完全に消化できれば相当な所まで行けると思います。900だって取れると思います。本当に身に付ければね。

考え方としては、文法の本で基本を叩き込み、単語の本のCDを聞いて語彙増強と聞き取り強化を同時にやって、問題集で処理速度の向上とリスニングの練習をしながら実践力を高める、ということです。

文法の本に何を使うか,ここを絞りきるのが難しいです。もちろん上記以外にも、とっつき易い本、優れた本、詳しい本は沢山あります。しかし、初心者が独習することを考えた時に本当に分かり易いか、大学受験の文法問題を解くことに特化し過ぎていないか(今回はTOEICを目的にさせて頂きます)、TOEICの文法問題を解く思考回路を作ることができるか、そして何よりも、詳しすぎて挫折するシロモノではないか、等々を考慮すると、私的には上記の2冊になりました。

Gakkenの本に関しては、同じ著者のもう少し厚くて詳しいものもありますが、それさえも”初心者が最初にやるには量が多い”(そもそも大学受験用の本なので、受験生は四の五の言わずに詳しいのをやるべきですが)と判断して、あえて上記の薄い方にしました。全部身に付けて物足りなくなった後で、詳しい本に移ればいいんです。

ネイティブ・アイの方は、英語の構造に着目する思考回路の形成に適している(必ずしもTOEIC形式ではありませんが)のと、できる人達にとって当然の知識や語彙がコンパクトに収められている所が良いです。ただ、レイアウトの密度が濃いので、少し努力を要する本だと思います。一回やったくらいではすぐに忘れると思いますので、数回繰り返すことが重要です。また、単文形式の問題(の解説)の中に色々なエッセンスが散りばめられているので、繰り返し口ずさむなどして問題文自体によくなじんでおくようにして下さい。この本の問題がすべて”瞬殺可能な楽勝問題”と感じとれるようになれば、文法に関してはもう大きな抜けはないという事になるでしょう。

ただ、文法そのものの解説としてはどちらかというとやや古典的なスタイルに属するもので(正確にいうと、この本は文法というよりは、ユニットという見方を貫く形で英語を理解することを主眼とした本です)、例えば助動詞の所などはもう少し根本的な解説が欲しいと思ったりします。最初のGakkenの本は逆に今風の解説なので、相互に補うようにすれば良いと思います。ただ、Gakkenの方も助動詞の解説はほんのちょっとしかなくて、本格的な助動詞の講義はぶ厚い方に譲っています。(なぜ助動詞、助動詞いうかというと、一番難しい文法項目だからです)。ネイティブ・アイは、とにかくコンパクトに、複雑に成りすぎないように、そして実践力も磨けるように、との配慮が行き届いている感じがします。ありそうでなかなか無い、いい本です。

文法に関して、分厚くてもいいから詳しい本を常備しておきたいという方は、私の以前の記事を参考にして下さい。あとはネットを使うことです。

あと、おまけの部分で、TOEICでは難しい熟語の知識が問われることはあまりありませんが、Part 6やPart 7では大学受験の標準レベルの熟語の知識は必要になります。特殊なものは全然必要なくて、むしろ受験レベルでごく標準的なものが多く使われています。なので、不安なら、あくまで標準的なレベルで自分が気に入ったものを1冊やっておけば十分でしょう。

まあ後は、リスニングとか問題演習をもっと充実させたければ随時気に入ったものをやればいいと思います。とにかく、やった本の内容は全て”超当たり前。文章も全部超楽勝”と感じるくらいにまで慣れきることです(リスニングはどうやっても聞こえない所は残りますが、ここはある程度粘ったあとは潔く割り切って捨てて、前に進みましょう)。もっと色んな問題をやって知識を充実させたい?いやいや、当たった全ての内容を日本語と同じくらい、頭に負担を掛けずに一瞬で処理できるようにする事が先です。土壇場で本当に役に立つのはそうやって鍛えた”根本的な英語体力”なのです。”見かけ上の知識の数”を増やすことよりも、”分かっているようで実はよく分かっていない語彙や知識”が無くなるようにして下さい。難しい事をいかに沢山知っているかではなくて、(一見)簡単なことをいかに確実に正確に身につけていて素早く処理できるか、それがTOEICで問われる総合力なのです。

もちろん、試験勉強以外の営みをしっかりやる、という意味で色々な英語に触れるのは良い事ですけどね。ご参考まで。