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英文法は出来の悪い地図

2014年12月28日 22時31分49秒 | 英語
前回、英文法の全てを理解しようとしても無駄だしそもそも無理だ、と言いました。英文を作るときに首尾一貫して例外なく適用される”真に揺るぎない絶対的なルール”なんて実はそんなに多くははなくて、その他の多くのルールは”例外だらけ”ですよね。

少なからず”例外”があるものを”ルール”とか”法”などと呼んでいいのでしょうか?呼べないですよね。じゃあ、英文法が提供している”一見ルールのようなもの”は、一体何なのでしょうか?

表題では”地図”という品のいい言葉を使わせてもらいましたが、もう少し本質に迫った言い方をすると、私は英文法というのは”出会い系”のようなものだと捉えるのが一番適切ではないかと思っています(”出会い系”は使ったことないですよ)。

つまり、”あなた方がこれから出会うことになる英文のパターンは大体これくらいあるんですよ”ということを大雑把に提示してくれているもの。だから地図とか出会い系、なんです。

ネイティブスピーカーは実際の人生の中で一つ一つの表現に出会いながらそれらを身に付けていくわけですから、当然そのような地図は不要です。彼らには英語に対してそのような”帰納的な”アプローチが取れるだけの十分な時間と機会があります。しかし、我々ノンネイティブにはそんな時間も機会もありません。だとすると、英語に対しては”演繹的な”アプローチを取らざるを得ないわけで、英文法というものは、英語に対するアプローチをこのように帰納的なものから演繹的なものに無理矢理変えるためのもの、と捉えることもできます。

ここで重要なのが、地図であれ出会い系であれ演繹であれ、英文法はあくまでこれらの目的のために編み出された一種の”ファンタジー”であって、決して”英語そのもの”ではないということです。もう一度いいます。英文法は”英語”ではないんです!

そう考えると、英文法そのものを金科玉条のごとく扱ったり、全部完全に理解しようとしたり、あるいは、理解できないからと言って自分の頭が悪いなどと嘆いたりするのは非常に愚かだという事はすぐに納得頂けると思います。所詮は不完全なファンタジーでありデフォルメなんだから、例外や不備、よく分からない点があるのは当たり前なのです。英文法自体に”論理的整合性”などないのです。それを追求しようとする行為も所詮はファンタジーです(少なくとも素人レベルでは)。

英文法との付き合い方については、英文法に出てくる項目どうしの”横のつながり”の論理的整合性を見出すことにあまりパワーを裂くべきではありません。1つ1つの項目は断片的に捉えてしまってもさして問題はないと思います。そんな事よりも、同じ構文でも、英文法のファンタジーの世界の中で使われるクソみたいに簡単な(品がなくてすいません)英文と、実用レベルのある程度込み入った英文とのギャップを埋めることにパワーを裂くべきです。過去の記事にちょっと書いていますが、英文法の授業で出てくるような" She is as old as I."みたいな超簡単な英文を覚えたからと言って、実用レベルの英文に出てくる同じas as 構文の英文を縦横無尽に追えるわけではないのです。英文法が教えてくれるのは、”大体こんな形をした、as as構文というのがあるよ。簡単な例だけ示しておくよ”というindex情報だけです。

地図をみるだけでは現場の空気は分かりません。現場の事は現場に行かないと分からないのです。地図に詳しくなろうとしたり、地図を暗記しようとしても、そんな事には大した意味はないでしょう。地図は、道を下調べするときか、道に迷った時に参考になればいい、その程度のものです。本当に格闘しなければいけないのは地図ではなくて現場の道、つまり英語そのものです。

やはりここでも、”英語そのものを見ろ”という、いつもの主張に落ち着くわけです。