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また帰ってくるぜ、和倉温泉!…和倉温泉③

2016-09-17 22:22:40 | 旅行
「なまこや膳」、左上はきんこ、下がいくら、このわた丼、真ん中上がくちこ


さて、宿泊した「美湾荘」だが、海岸沿いにちょっとした摩天楼のように建つ巨大ホテル群の中では中堅どころか。しかし、あの「加賀屋」に感化されてか、ハイクラスの雰囲気が漂っている。その中で、一人旅の設定はホテルにとっては微々たる収入だろうが、気分良く帰ってもらえば、グループ旅行の恩恵もあるはずだ。そう、まさに自分がそうである。今回は「温泉旅6人会」の幹事をするために、下見も兼ねてやってきたのだ。

そう言う視点で見れば、この宿は合格点がつく。今回は朝食付きプランで、夜は外で食事をしたが(ホテルの食事どころでひとりポツンは嫌だ!)、9000円の設定にしては部屋、朝食の内容は良かった。何より、温泉が素晴らしかった。温泉ホテルにありがちなレイアウトの内風呂、露天風呂だったが、和倉の湯は、塩化系統の温泉にしてはまろやかで、体に優しかった。日本は海に囲まれており、塩化系統の温泉が多いのだが、さすが「天下の和倉温泉」というべきお湯だったと評価したい。

さて、夕食だ。これは、今回和倉温泉を選んだ理由の一つでもあるのだけれど、「なまこ専門店」に行ってみたかった。年輩の酒飲みなら誰でも知っている「このわた」。このわたとは、なまこの腸である。それを塩漬けにしたものだが、日本三大珍味のひとつで、微量でも巨大な存在感を秘めている。10グラムもあれば、日本酒が一升飲めるのだ。塩辛さの中に、独特の匂いと舌触り…。これが最高である!

その店は、「なまこ屋」に隣接している「海ごちそう」と言う店だった。夜の部は18時開店と言うことで、美湾荘で温泉に入り、ゆっくり街を散策しながら店に到着した。そして注文したのが上の「なまこや膳」である。値段はよく覚えていないが、2300円ぐらいだったと思う。なまこ酢、きんこ(なまこを干したもの)、くちこ(卵巣を干したもの)、いくら、このわた丼と、なまこのすべてが投入された御膳だった。

これを肴に、生ビール、地酒を5杯飲んだ。ただ、「ふぐの卵巣粕漬け」と言うメニューに惹かれ、それを注文したら福井名産の「へしこ」そのものだった。ほとんどが塩の味である。そのせいか、夜中に口が渇き、起きてペットボトルの水をぐびぐび飲んだ。珍味は塩味が多い。これは気をつけなければならない。

少し怒りを感じたのが、2日目のランチである。この日は和倉温泉内を歩いて、「総湯」に入浴し、気分を良くして総湯近くにある食事どころに行ったが、あまりに内容がお粗末だった。和倉温泉は街全体が舗装されており、食事どころ、ナイトスポットもセンスある建物となっているが、その中の「のとの蔵」というお店に入った。

そこで「能登の海満喫膳?」という趣の定食があり、胸ワクワクでそれを注文した。これが前日のなまこやさんと同じ値段の2300円。ところが、お膳を見てびっくりした。真ん中にサザエの壺焼きがあるものの、刺身はまぐろ、サーモン一切れずつ、そしてイワシのフライみたいなものが3つ…。おーい、能登のごちそうはどこにあるんや!と、叫んでしまった。

色々な選択の失敗も旅の面白さだが、食べるものは都会の方がいいなと思う今日このごろ。値段も新鮮さも原産地より大阪、東京の方が上だ。最近は冷凍、輸送の技術が格段に進歩しているので、消費者の多い都会にいい食材が回る。大阪でこんな定食が2300円なら誰も来ない!そう断言できる。刺身定食にしても、まぐろやサーモンじゃなく、地魚や、その地方独特の食材を使わないと、二度とその店に行かないと思う。これは本当に検討してほしい。その地でしか食べれない食材はきっとあるはずである。

でも、和倉温泉は良かった。また行きたいと思う温泉地だった。これを読んでくれた皆さんの中で、一人旅に行く方がいたら、゛せひお薦めしたい。


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