AI (ええ愛・Atelier Ichien)

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ある校長先生の話 「魂が震える話」vol.3075 より 写真はMさんからいただいたプレゼントですヾ(@...

2016年09月07日 | 
究極の教育なんじゃないかと思いました♪


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東京のある学校の卒業式の1週間前に、一人の不良学生が校長に呼び出された。


常日頃悪行を重ねていた学生は、叱られるのを覚悟して、校長室のドアを叩いた。


「入れ」という威厳のある声と共に、「鍵をかけなさい」といって鍵を渡しながら校長は、自らカーテンを閉めた。


学生は逃げられないようにして殴られると観念した。


「腰をかけ給え」といいながら、校長は、右に左にと歩きつつ、「お前のいたずらは有名であり、他の先生の手もやき…云々」と切り出した。


学生は「きたなあ…」と奥歯をかみしめて身構えた。


「然しよくよく考えてみるに、君はお母さんを亡くし、その後に来たお母さんにいじめられ、本当に可哀想だと世間のうわさだが、大変だったなあ…。


思えば、そのうっ憤ばらしに、悪いと知りながら、やった事であると私は思う。そうだな」


学生はおもわず拳を握りしめ、うなずきつつ、胸の熱くなるのをおぼえた。


「然し、ここでよく考えてみなさい、今さらお母さんの死を悔いても仕方がない。


人間は、必ず死ぬ。


いずれの日か死ぬという人生を、今日一日を価値高く生きよと、母の死は教えているのだ。


君のお母さんは、若くしてこの世を去ったが、立派なお母さんだった。


君のお父さんが、“まま母”と、君との間に立って、どれほど、気を遣い、心を痛めていられるかを考えたことがあるかい。


人間だけが、神の立場や相手の立場に立って考えることが出来るのだ。


自分を捨てて、心から親孝行をすれば、どんなひどい“まま母”でも、必ず感動するときが来る。


今、君が、すぐやるべきことは親孝行だ。


これは人間だけにある行為なのだよ。


こんな話をするのも、亡くなった君のお母さんが、草葉の陰から手を合わせて、私を通じて話をしているような気がしてならない。


まして、君は数多い卒業生の中で、将来大人物になる素質がある。


長年教育をやって来た私の立場から、それはよく判る。


だが一歩誤れば犯罪者にもなる。


今が大切な分岐点だ。


だから、これからは、本来の君に返り、心を明るくして朗らかにし、清く正しくもつことを心がけ、人の為、母の為になるように生きて欲しい。


とはいっても、人間は照れくさいもので、すぐには出来ない。


昔から人間は転機が大切だ。


だから、卒業式を君の人生の転機としたらどうだ」


諄々と道を説く校長の前に、その学生はハラハラと涙を流しながら、今までの悪行を詫び、そしてこれほどまでに、自分のことを見ていてくれた校長先生に対し、心より感動し、先生の為には命まで惜しくないと、教えに従うことを誓った。


それをみながら校長は


「そうか判ってくれたか、本当にありがとう。


やはり私の目に狂いはなかった。


さあ男は泣くんじゃない」


と、学生にハンカチを渡す校長がまた、涙、涙であった。


そして最後に


「全校生の中に、君だけが大人物になる素質があり、君の将来こそ、私の唯一の楽しみだ。


然し校長としての立場上、君だけ可愛がる訳にはいかないからこそ、鍵をかけ、カーテンを閉めて、他人に判らないようにして話をしたのだ。


いいかい、男と男の約束だ。


このことは絶対人に言うなよ」


と言って、かたい握手をして別れた。


学生は卒業後、世間でも驚くほどの親孝行者となり、勤勉努力し、校長の予言通り大会社の社長となった。


星霜幾十年、すでに白髪になった老校長を囲む会が、盛大に催された。


その席上、かつては不良学生だった社長が立って、卒業1週間前の感動をそのままに、


「私はここで、男の約束を破る」と前置きし、あの時の状況を語った。


「私の現在あるのは、あの時の校長先生の一言です。


もし、あの感動がなかったら、私はどうなっていた事でしょう」


と言って、涙ながらに挨拶しながら、先生のところへ駆け寄っていった。


これを聞いていた人々は、一瞬水を打ったような静けさになった。


そして、アッと驚きの顔を見合わせながら「俺も言われた」「僕もだ」と驚きが感動の渦となって広がっていった。


思えば、ある人は喫茶店で、ある者は自宅に呼び出されながら、所を変え、時を変えて、その少年の心の中にある“命”の力を引き出したのだ。


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「人生山河ここにあり」

佐々木将人 著

マネジメント社より


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たった一人でも、心の底から信じてくれている人がいるだけで、人は頑張れるものです。


この校長先生は、生徒さん全員に、コッソリ呼び出して「自己重要感」を満たし、相手の可能性を存分に引き出したのですね♪


こんなリーダーに憧れちゃいます(*^_^*)



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