【罪悪感のようなものがあるなら】5002
小林正観さんの心に響く言葉より…
車内では楽しい話題が続き、天気にも恵まれました。
熊本市に近づくころ、その薬剤師の方は真顔になって、こんな質問をされました。
「実は私は今、薬局を続けるべきかどうか悩んでいるんです」 とおっしゃるのです。
「それはまた、どうしてですか?」 と私。
「いろいろな勉強をしてきて、薬というものが、本当に人に役立っているのか、と思うようになりました。薬を売れば売るほど、人の体を壊しているような気がして...」
世の中にこんな人もいるんだ、と私は嬉しくなりました。
「その相談をしたかったんです。
人生上の大事な問題ですから、今日一日、店に出るか出ないかは、大した問題ではなかったんです」 と、その方。
「なるほど、それで今日、この車にご一緒されたのですね。私を送るだけでしたらもったいないと思っていたのですが。で、薬局の方は、やめることも考えているということですか?」
「もちろんそうです。薬害とかもありますし、薬というものが本当に役に立つものなのか、と」
そんなやりとりがあって、最終的に私がした提案は次のようなことでした。
「薬局に薬を買いに来る方は、体の不調や痛みを抱えている人ですよね。
その人たちのとりあえずの、対症療法薬として、薬を売るという立場は肯定してもよいのではありませんか。
そして、そこに罪悪感のようなものがあるなら、こうしてみるのはどうでしょうか。
それは、今までの薬局の薬剤師としての仕事の10倍の量を、世のため人のため、社会のために、貢献するということに費やす、ということです。
そうすれば、今までの仕事は、自分の人生の10分の1でしかなくなるから、自己嫌悪や罪悪感は、ずいぶん薄くなるのではありませんか。
しかも、“仕事”はそのままですから、生活とか収入とかの部分もクリアできる。
ただし、今までの10倍ものエネルギーで生きるわけですから、人生は大変に過酷なものになります。
それができれば全て解決だと思いますが」
その薬剤師の方は、深く深くうなずきました。
「投げかけるものがマイナス100あっても、その結果、じゃあ200のプラスを投げかけようと決意をし、実行したら、結果的に神は喜んでいるんじゃないか、と小林さんの文章にありましたね。私もその生き方でいきます」
美しい笑顔でした。
そこから始まった具体策も、これまた楽しいものになりました。
それは、「こんな生き方やこんな考え方の人が、こんな病気になるみたいだ」というコピー資料を、とりあえず10種類くらい作ってみよう、というもの。
“現場”におられるのですから、そういう“統計的”な推論を得やすい立場ではあるのです。
私たちのやりとりを聞 いていた、運転をしてくださっていた方は、ポツリとこんなふうに言いました。
「そういうふうな解決方法をとったら、クヨクヨしたり自分を責めたりしないですみますね。 いつでも、それが10分の1になってしまうような、プラスの投げかけ10倍を考えていった ら.. .」
車の窓に、ハラハラと木の葉が舞っています。
やわらかな秋の日射しの中で、車の中は春のような暖かさに包まれていました。
『生きる大事死ぬ大事』イースト・プレス
https://amzn.to/3xhnxDs
多かれ少なかれ、どんな仕事であろうと、およそ、その仕事に負の側面がない仕事などありません。
その仕事をすればするほど、世の中がよくなり、世のため人のためになり、社会貢献になる、などという仕事などないということです。
たとえば、仕事の負の側面でいうと、車の会社でも、交通事故は起きますし、スーパーにしても、食品添加物や農薬等が入った商品を扱っている場合があります。
酒屋さんにしても、アルコール中毒で問題になることもあります。
勉強すればするほど、真面目に考えれば考えるほど、仕事の色々な面で問題が見つかり、完璧なことなどないとわかります。
だからこそ、仕事以外に社会貢献をすることが必要だということも言えるのです。
仕事で罪悪感があるのなら、社会貢献をすることでそれが薄まる、という話は救われます。
これは、仕事だけでなく、家族や友人や会社の人間関係でも同じことが言えます。
生きるため、生活するために、やむを得なくやっている罪悪感のあることも、その10倍プラスの投げかけをしていけば、それは10分の1になる、ということです。
見方、考え方を変え…
プラスの投げかけをしていける人でありたいと思います。
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小林正観さんの心に響く言葉より…
車内では楽しい話題が続き、天気にも恵まれました。
熊本市に近づくころ、その薬剤師の方は真顔になって、こんな質問をされました。
「実は私は今、薬局を続けるべきかどうか悩んでいるんです」 とおっしゃるのです。
「それはまた、どうしてですか?」 と私。
「いろいろな勉強をしてきて、薬というものが、本当に人に役立っているのか、と思うようになりました。薬を売れば売るほど、人の体を壊しているような気がして...」
世の中にこんな人もいるんだ、と私は嬉しくなりました。
「その相談をしたかったんです。
人生上の大事な問題ですから、今日一日、店に出るか出ないかは、大した問題ではなかったんです」 と、その方。
「なるほど、それで今日、この車にご一緒されたのですね。私を送るだけでしたらもったいないと思っていたのですが。で、薬局の方は、やめることも考えているということですか?」
「もちろんそうです。薬害とかもありますし、薬というものが本当に役に立つものなのか、と」
そんなやりとりがあって、最終的に私がした提案は次のようなことでした。
「薬局に薬を買いに来る方は、体の不調や痛みを抱えている人ですよね。
その人たちのとりあえずの、対症療法薬として、薬を売るという立場は肯定してもよいのではありませんか。
そして、そこに罪悪感のようなものがあるなら、こうしてみるのはどうでしょうか。
それは、今までの薬局の薬剤師としての仕事の10倍の量を、世のため人のため、社会のために、貢献するということに費やす、ということです。
そうすれば、今までの仕事は、自分の人生の10分の1でしかなくなるから、自己嫌悪や罪悪感は、ずいぶん薄くなるのではありませんか。
しかも、“仕事”はそのままですから、生活とか収入とかの部分もクリアできる。
ただし、今までの10倍ものエネルギーで生きるわけですから、人生は大変に過酷なものになります。
それができれば全て解決だと思いますが」
その薬剤師の方は、深く深くうなずきました。
「投げかけるものがマイナス100あっても、その結果、じゃあ200のプラスを投げかけようと決意をし、実行したら、結果的に神は喜んでいるんじゃないか、と小林さんの文章にありましたね。私もその生き方でいきます」
美しい笑顔でした。
そこから始まった具体策も、これまた楽しいものになりました。
それは、「こんな生き方やこんな考え方の人が、こんな病気になるみたいだ」というコピー資料を、とりあえず10種類くらい作ってみよう、というもの。
“現場”におられるのですから、そういう“統計的”な推論を得やすい立場ではあるのです。
私たちのやりとりを聞 いていた、運転をしてくださっていた方は、ポツリとこんなふうに言いました。
「そういうふうな解決方法をとったら、クヨクヨしたり自分を責めたりしないですみますね。 いつでも、それが10分の1になってしまうような、プラスの投げかけ10倍を考えていった ら.. .」
車の窓に、ハラハラと木の葉が舞っています。
やわらかな秋の日射しの中で、車の中は春のような暖かさに包まれていました。
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多かれ少なかれ、どんな仕事であろうと、およそ、その仕事に負の側面がない仕事などありません。
その仕事をすればするほど、世の中がよくなり、世のため人のためになり、社会貢献になる、などという仕事などないということです。
たとえば、仕事の負の側面でいうと、車の会社でも、交通事故は起きますし、スーパーにしても、食品添加物や農薬等が入った商品を扱っている場合があります。
酒屋さんにしても、アルコール中毒で問題になることもあります。
勉強すればするほど、真面目に考えれば考えるほど、仕事の色々な面で問題が見つかり、完璧なことなどないとわかります。
だからこそ、仕事以外に社会貢献をすることが必要だということも言えるのです。
仕事で罪悪感があるのなら、社会貢献をすることでそれが薄まる、という話は救われます。
これは、仕事だけでなく、家族や友人や会社の人間関係でも同じことが言えます。
生きるため、生活するために、やむを得なくやっている罪悪感のあることも、その10倍プラスの投げかけをしていけば、それは10分の1になる、ということです。
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