【プロティアン・キャリア】5057
田中研之輔（けんのすけ）氏の心に響く言葉より…
フィットネスクラブで顔見知りになった高橋さん(仮名)。
高橋さんは長年勤めた会社を定年退職し、いまは週4日、フィットネスクラブで身体を動かしています。
「私だって、再雇用を希望すれば65歳まで働くことはできたんだ。
でも、仕事をやり切ったという気持ちがあった。
だから、無理に会社に残ろうとはしなかった。
第二の人生を生きようと決心した。
その判断に後悔はない。
ただ、実際に退職してみると、とにかくやることがない。
毎日、時間を持て余している。
これから何をしたらいいのだろう?
会社から離れてみると、自分一人では何もできないと痛感している。
何も持っていないことにも愕然としている。
稼がなくなって、貯えがいつまで持つのかという不安もある。
これから30年もあるのに......」
誤解のないようにお伝えすると、高橋さん本人は健康的で素敵な方です。
現役時代はきっと仕事もできたのだと思います。
そんな高橋さんが吐露した「会社の外では自分は何もできない」という言葉が、胸に刺さったのです。
あなたの近くにいる定年退職をした知人、友人、もしくは親族の暮らしぶりを思い浮かべてみてください。
そのうえで、もう一度問いかけてみたいと思います。
30年後、どこで、何をしていますか ?
毎日、どのように過ごしていますか?
私たちは、人生100年時代を生きていきます。
退職してから30年、もしくは40年も過ごすことになる人生です。
随分と時間がありますね。
世界的に注目される長寿大国の日本でどう生き抜くのか、私たちは試されています。
この未曽有の長寿社会を生き抜く現実的な解決策の一つは、できるだけ長く働き続けることです。
長く働き続けるための選択肢は三つあります。
一つ目は、いまの会社でできるだけ長く働き続けること。
二つ目は、転職を重ねながら働き続けていくこと。
三つ目は、個人で稼いでいくことです。
どんな形であれ、私たちは長期間にわたって働き続けることになる。
働くことが人類の歴史上、最も長くなる長寿時代が到来し、私たちは社会と職場の変化に、否が応でも向き合い、変わっていかなければなりません。
仕事に向き合うビジネスパーソンほど、将来への悩みはつきません。
そんな悩みや不安を払拭するために、必要なのが「プロティアン・キャリア（Protean Career）」という考え方です。
プロティアンには、「変化し続ける」「変幻自在な」「一人数役を演じる」という意味があります。
そして、プロティアン・キャリアとは、変幻自在に形成するキャリアのことです。
『プロティアン』日経BP
https://amzn.to/3zItfiO
田中氏は本書の中で、プロティアンについてこう述べています。
『プロティアン・キャリアとは、米ボストン大学経営大学院で組織行動学や心理学の教鞭を執るダグラス・ホール教授が、1976年に提唱した概念のことです。
プロティアンという言葉の語源は、ギリシャ神話に出てくる、思いのままに姿を変える神プロテウスにあります。
神プロテウスは、火にもなり、水にもなり、ときには獣にもなったりするなど、環境の変化に応じて変幻自在に姿を変えます。
変化に応じて、自分の意思で、自由に姿を変えることができるのです。
その言葉にキャリアを掛け合わせて、ダグラス・ホール教授は、社会や環境の変化に応じて柔軟に変わることのできる変幻自在なキャリアとして、「プロティアン・キャリア」 を提唱しました。』
大手の企業や官公庁に定年まで勤務していた人の多くは、外の世界との接点がありません。
会社や組織内だけの人間関係を重視し、いわゆる「越境学習」をしてこなかったからです。
越境学習とは、自分の所属する組織の枠を飛び越えて、異業種や、異文化の組織と交流することです。
「人生、勝負は後半にあり！能力開発は年齢不問」（田中真澄）
という言葉があります。
いわゆる、社会人になってから再び勉強する学び直し「リカレント教育」です。
学ばなくなったとき、老いが始まります。
老いとは、「アップデート（変化）」しなくなることです。
変化し続けるには「学び」が不可欠です。
世の中の変化に対応して、自ら変化し続けること…
「プロティアン・キャリア」の実践を重ねたいと思います。
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田中研之輔（けんのすけ）氏の心に響く言葉より…
フィットネスクラブで顔見知りになった高橋さん(仮名)。
高橋さんは長年勤めた会社を定年退職し、いまは週4日、フィットネスクラブで身体を動かしています。
「私だって、再雇用を希望すれば65歳まで働くことはできたんだ。
でも、仕事をやり切ったという気持ちがあった。
だから、無理に会社に残ろうとはしなかった。
第二の人生を生きようと決心した。
その判断に後悔はない。
ただ、実際に退職してみると、とにかくやることがない。
毎日、時間を持て余している。
これから何をしたらいいのだろう?
会社から離れてみると、自分一人では何もできないと痛感している。
何も持っていないことにも愕然としている。
稼がなくなって、貯えがいつまで持つのかという不安もある。
これから30年もあるのに......」
誤解のないようにお伝えすると、高橋さん本人は健康的で素敵な方です。
現役時代はきっと仕事もできたのだと思います。
そんな高橋さんが吐露した「会社の外では自分は何もできない」という言葉が、胸に刺さったのです。
あなたの近くにいる定年退職をした知人、友人、もしくは親族の暮らしぶりを思い浮かべてみてください。
そのうえで、もう一度問いかけてみたいと思います。
30年後、どこで、何をしていますか ?
毎日、どのように過ごしていますか?
私たちは、人生100年時代を生きていきます。
退職してから30年、もしくは40年も過ごすことになる人生です。
随分と時間がありますね。
世界的に注目される長寿大国の日本でどう生き抜くのか、私たちは試されています。
この未曽有の長寿社会を生き抜く現実的な解決策の一つは、できるだけ長く働き続けることです。
長く働き続けるための選択肢は三つあります。
一つ目は、いまの会社でできるだけ長く働き続けること。
二つ目は、転職を重ねながら働き続けていくこと。
三つ目は、個人で稼いでいくことです。
どんな形であれ、私たちは長期間にわたって働き続けることになる。
働くことが人類の歴史上、最も長くなる長寿時代が到来し、私たちは社会と職場の変化に、否が応でも向き合い、変わっていかなければなりません。
仕事に向き合うビジネスパーソンほど、将来への悩みはつきません。
そんな悩みや不安を払拭するために、必要なのが「プロティアン・キャリア（Protean Career）」という考え方です。
プロティアンには、「変化し続ける」「変幻自在な」「一人数役を演じる」という意味があります。
そして、プロティアン・キャリアとは、変幻自在に形成するキャリアのことです。
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田中氏は本書の中で、プロティアンについてこう述べています。
『プロティアン・キャリアとは、米ボストン大学経営大学院で組織行動学や心理学の教鞭を執るダグラス・ホール教授が、1976年に提唱した概念のことです。
プロティアンという言葉の語源は、ギリシャ神話に出てくる、思いのままに姿を変える神プロテウスにあります。
神プロテウスは、火にもなり、水にもなり、ときには獣にもなったりするなど、環境の変化に応じて変幻自在に姿を変えます。
変化に応じて、自分の意思で、自由に姿を変えることができるのです。
その言葉にキャリアを掛け合わせて、ダグラス・ホール教授は、社会や環境の変化に応じて柔軟に変わることのできる変幻自在なキャリアとして、「プロティアン・キャリア」 を提唱しました。』
大手の企業や官公庁に定年まで勤務していた人の多くは、外の世界との接点がありません。
会社や組織内だけの人間関係を重視し、いわゆる「越境学習」をしてこなかったからです。
越境学習とは、自分の所属する組織の枠を飛び越えて、異業種や、異文化の組織と交流することです。
「人生、勝負は後半にあり！能力開発は年齢不問」（田中真澄）
という言葉があります。
いわゆる、社会人になってから再び勉強する学び直し「リカレント教育」です。
学ばなくなったとき、老いが始まります。
老いとは、「アップデート（変化）」しなくなることです。
変化し続けるには「学び」が不可欠です。
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