MARU にひかれて ~ ある Violin 弾きの雑感

“まる” は、思い出をたくさん残してくれた駄犬の名です。

瑞々し。 目まぐるし。

2011-02-17 00:00:00 | 私の室内楽仲間たち

02/17 私の音楽仲間 (257) ~ 私の室内楽仲間たち (231)



            瑞々し。 目まぐるし。



       弦楽五重奏曲 第1番 イ長調 Op.18

              [音源ページ




         これまでの 『私の室内楽仲間たち』




 あと3ヶ月で39歳…というときに亡くなってしまったメンデルス
ゾーン
には、室内楽の力作が幾つかあります。



 ピアノの名手であっただけに、この楽器を用いた作品が多いの
ですが、弦楽器のみを用いたものには、四重奏曲、五重奏曲、
八重奏曲がありますね。

 そのうち番号が付いたものだけを挙げてみます。 (初版の完成順に
並べてあります。 出版が絡んでいるので、作曲順は番号どおりではありません。)




  弦楽重奏曲   変ホ長調  Op.20  (1825)

  弦楽重奏曲 第1番 イ長調  Op.18  (1826/1832改訂。)

  弦楽四重奏曲 第2番 イ短調  Op.13  (1827)
  弦楽四重奏曲 第4番 ホ短調  Op.44-2 (1837)
  弦楽四重奏曲 第3番 ニ長調  Op.44-1 (1838)
  弦楽四重奏曲 第5番 変ホ長調 Op.44-3 (1838)
  弦楽四重奏曲 第1番 変ホ長調 Op.12  (1829)
  弦楽重奏曲 第2番 変ロ長調 Op.87  (1845)
  弦楽四重奏曲 第6番 ヘ短調  Op.80  (1847)



 今回私たちが取り上げたのは、五重奏曲の第1番です。

 メンバーは、Violin が私、U.さん、Viola は B.さんSa.さん
チェロ Su.さんでした。




 初版の完成年1826年というと、作曲者17歳の年に当ります。

 ただし改作が一度、行われており、第Ⅱ、第Ⅲ楽章がそっくり
入れ替えられたようです。



 楽章は、全部で四つあります。




 第Ⅰ楽章 イ長調 3/4拍子 Allegro con moto

 情感豊かな、みずみずしい歌に満ちています。 唐突
に短調へ転調する箇所が幾つか目立ちますが、むしろ
若年の作曲者を彷彿とさせ、清々しささえ感じます。




 第Ⅱ楽章 ヘ長調 3/4拍子 Andante sostenuto

 独立した曲 "Intermezzo" (間奏曲) が、後に入り込みました。
こちらは、ゆったりとした歌の楽章です。

 暗さはあまり感じられず、高揚や、深い追憶が感じられます。




 第Ⅲ楽章 ニ短調 2/4拍子 Allegro di molto

 これも後から挿入された "Scherzo" です。 軽やかさ、
不気味さが感じられるのは、夏の夢などと共通して
いますが、グロテスクとも言える "低音の重々しさ" が、
所々で聞かれます。




 第Ⅳ楽章 イ長調 2/4拍子 Allegro vivace

 難しい "Scherzo" を乗り越え、「やれやれ…」と思ったら、
さらに難敵が待ち構えていました。 まるでピアノの超絶
技巧を思わせるような走句が、Violin だけでなくチェロまで
襲います。 "目まぐるしい" の一言。 ああ、難しい…。 

 テンポは全然違いますが、やはりイ長調の第Ⅰ楽章と、
根本的な気分には共通したものがあります。



 「五重奏曲の第1番か、第2番、どちらかを選んでください。」
そう言われて、最終的に決めたのは私。 自業自得です。

 まさに "真冬の悪夢" でした…。




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 演奏例の音源]は、第Ⅰ楽章、第Ⅱ楽章の冒頭部分です。












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