09/27 私の音楽仲間 (311) ~ 私の室内楽仲間たち (284)
ひさしぶりのひばり
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T.さんのお宅にお邪魔してのハイドン。 二曲目は、有名な
『ひばり』です。
前回の曲目は "変ホ長調" 作品64-6 でしたが、この曲は
Op.64-5。 同じ『トスト (Tost) 四重奏曲』 (Tostschequartette)
と呼ばれる曲集にあります。
メンバーは同じで、Violin が K.君、T.さん、Viola が私、
チェロ T.さんです。
[譜例 (1)]は、第Ⅰ楽章の冒頭、ViolinⅠのパートです。
いかにも雲雀が天高く囀るような、美しいテーマ!
でも、相変わらずの塗り絵ですね。
①から②までの部分を見ると、3つの音符から成る音形
が活躍しています。
次の[譜例 (2)]は、これと同じ部分を、スコアで見たもの
です。 (ただし、場所は再現部です。)
先ほどの音形を、仮に "B" と呼びます。 すると、これに
よく似た形が、伴奏音形の中にあるのが分りますね。 音符
の上下がちょうど逆なので、ここでは "b" としてあります。
さらに、"A" と記された形も、両者に共通しています。
音域は離れているし、登場する順番も逆なので、あまり目立ち
ません。 でも、私たちが美しい雲雀に聴き惚れ、気付かない方
が、きっとハイドンさんは嬉しいでしょう。
[譜例 (3)]は、第Ⅱ楽章 "Adagio" の冒頭ですが、実は
ここでも "A" と "b" が登場しています。
2小節目を "B" + "a" と考えることも、もちろん可能です。
この二つの音形は、他の楽章にも現われます。 ただし、
主要な主題そのものではないのですが。
第Ⅲ楽章 "Menuetto" ではほとんど目立ちませんが、
問題は、Finaleの "Vivace"。 ニ長調に続くニ短調の
部分では、フガートのテーマとして登場します。 これも
"B" + "a" の形を取っています。
フガート → 関連記事 『頭の体操 (85) 漢字クイズ 問題/解答』 (3)
学生オケ時代に K.君の特訓を受け、室内楽の世界を
教えてもらった私。 そう言えば、この曲も何度か一緒に
音を出した記憶があります。
それが今、こうして四十数年後に再会し、それぞれ同じ
パートを担当し、演奏している…。 考えてみれば不思議
な話です。
[第Ⅰ楽章の再現部 からの演奏例]
最初の音量が大き過ぎることがあります
音源をお聴きの際は、他の外部リンクをクリックすると途切れます。
[音源ページ]