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マリヤンカ mariyanka

日常のつれづれ、身の回りの自然や風景写真。音楽や映画や読書日記。手づくり作品の展示など。

「元素の小事典」高木仁三郎著

2011-07-09 | book
約束されたエリートの道を捨て、
在野の研究者として、一人の市民として、反核の声をあげ続けた高木仁三郎が今注目されています。
愛読書として何年か前に別の所で紹介した本ですが、
ここでも紹介したいと思います。

故高木仁三郎(1938生~2000没 ライト・ライブリフッド賞受賞、原子力資料情報室創設)が少年少女のために書いた本です。高校生くらいが対象でしょうか。
「元素の小事典」岩波ジュニア新書(初版は1982年・新版1999年)

私たちの体も、地球も、夜空に輝く星もわずか100ほどの元素で構成されています、
基本的にはみんな同じ物質です。このことにいつも感動してしまいます。
この本では、その100余りの各元素の性質や発見の歴史、その物質にまつわるエピソード等が見開きで簡単に解説されていますが、
読み物として楽しむうちに、思わぬ世界が広がっていきます。
また著者の思い、人柄が行間から伝わってきて、読むたび新鮮な気持ちに満たされます。
炭素の項では「……いまでは、隕石の中にもアミノ酸がみつかり、生命の起源は裏付けをもって明らかにされようとしている。だが大きな生体分子がどのように生まれ、どのように生命(自己増殖の力)を持つようになったか、まだまだわからないことも多い。自然の汲みつくしがたい見事さの前に、ぼくはいつでも謙虚でありたいと思う…」と書いています。

私の持っている版が出版された当時はまだ今のようにレアアースの需要はありませんでした。
そのためレアアースに関しての記述は少ないですが、
何か知らない金属などの名前に出会うと、この本を開いて読みます。
単なる事典ではなく科学的なものの見方を教わることができます。
それこそが一番大事なことではないかと改めて思います。
このブログの今年の3月13日の所をクリックしてもらえれば、
高木仁三郎が「ライト・ライブリフッド賞」受賞の時のスピーチの一部が読めます。
ぜひご一読下さい。
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