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菅降ろしの背景

2011-06-05 00:34:26 | 日常
菅内閣不信任案を巡るドタバタには多くの人が呆れたと思うが、なぜ不信任案が提出されたのかについて『東京新聞』2011年6月3日に面白い記事があった。
これによると、菅首相は浜岡原発の停止を要請し、電力会社における発電と送電の分離を検討すると言いだし、そして2020年までに自然エネルギーの割合を20%にする目標を示すなど、原子力政策の見直しに次第に傾斜してきた。それとともに自民党と公明党、そして民主党内の菅降ろしの動きが強まってきたというのだ。自民党には原発推進派の議員が多いし、民主党内にも電力総連に支持されている議員がいるし、小沢一郎氏は東京電力と縁が深いとされる。要するにこうした原発ロビー、東京電力ロビーが菅降ろしの立て役者だという。
なるほどこれは面白い解釈である。この仮説が正しいかどうかは、菅氏が首相の座を降ろされた後に、原子力政策見直しの方針の再逆転があるかどうかによって検証される。

もう一つ私が気になっているのは、今これほど世間で太陽光発電への期待が高まっているというのに、シャープ、京セラ、三菱電機、三洋電機など主要な太陽光発電装置メーカーがぜんぜん積極的に広告していないことである。東日本震災前にはシャープが吉永小百合さんを起用するなどけっこうCMなども流していたのに、震災後に太陽光発電関連のCMで私が唯一気づいたのは新興メーカーのソーラー・フロンティア(元昭和石油シェル)のものだけであった。
おそらくシャープや京セラ等は東京電力など電力業界に遠慮しているのではないか。いや「遠慮」といった生やさしいものではなく、暗黙の「恫喝」を受けているのではないか。
電力会社は本音を言えば太陽光発電や風力発電が増えて欲しくない。自分たちの支配の及ばない発電所だからだ。いまこの時期にシャープ等が太陽光発電を大々的に宣伝することは、いわば電力会社の失策に乗じて儲けようとする行為であり、財界のムラの論理では許せない行為と写るのではないだろうか。東京電力は経団連会長を輩出するなど財界のリーダーである。今の日本経団連の米倉会長は電力会社出身ではないが、菅首相の一連の原子力見直しの動きに対して逐一批判をしており、東京電力の代弁者であるかのようである。電力会社は何よりも電力供給を握っているので電機メーカーなど産業界全体に対するニラミが利く。だからシャープ等は積極的な宣伝活動を控えているのではないだろうか。
以上は私の仮説であり、そもそも太陽光発電の広告量が減っているかどうかも厳密に検証したわけではない。だが、世間の注目度からいえば今は広告のチャンスであるのにヤケに消極的なのはやはり何か理由があるとしか思えない。まあいいさ。ソーラー・フロンティアが成長するから。