abc

news

アップル スティーブ・ジョブズ I 

2014-04-12 | Weblog

:昨年、フランスで発刊された数十ページの冊子、「怒れ!」(Indignez-Vous!、Time for Outrage)が190万部のベストセラーになり、今年世界30カ国で翻訳され、さらに売り上げを伸ばしているという。著者は第2次大戦中、ヒットラーに占領された仏で対独レジスタンス運動に参加し、捕虜、拷問、強制労働、死刑判決、脱走、あらゆる経験した闘士ステファン・エッセルStephane Hessel。戦後は外交官として世界人権宣言起草に参加した多彩な経歴をもつ94歳のユダヤ人だ。

 

沈黙する大衆にむかって、「怒れ!」と呼びかけている。彼が呼びかける怒りは、反社会的な暴力による怒りではなく、変化への一歩となる怒りだ。だから怒りの声をあげて、積極的に社会との関わりあいをもちなさいと説いている。

 

この9月、カナダの非営利雑誌アドバスターズの創設者カレ・ラースンKalle Lasnらが、インターネットのブログで呼びかけ始まったニューヨークウォール金融街の抗議占拠。エッセルに共鳴し、格差という「社会の矛盾」に対して怒りの声をあげた若者たちだった。

 

日増しに抗議行動の要求を多様化させながら、怒りの声は、全米自動車労組や教職員組合のほか、支持を表明した全米最大1200万人の労働総同盟・産別組合を巻き込んで、全米各地に広がりをみせている。

 

エッセルは日本人が原発事故の対応で東電や政府への不満の声がでていないことを疑問視しながらも、正面から怒りを表明せよ、と訴えている。

 

:米アップル社創業者スティーブ・ジョブズは10月5日に黄泉の世界に旅立った。伝記本「スティーブ・ジョブズ」は24日に世界で同時発売され、この3日間で75万部を売り上げたという。

 

この発売に先立ち、著者ウォルター・アイザックソン
Walter Isaacsonは米CBSテレビとのインタビューの中で、ジョブズの経営スタイルは素晴らしいものではなかったと指摘し、時々とても意地悪だったと評している。

 

ジョブズは生前、マイクロソフト共同創業者ビル・ゲィツWilliam “Bill” Gatesとよく比較されたが、米国人の間では慈善活動に尽力するゲィツよりも人望があった。彼の生い立ちに惹かれるようだ。

 

この同世代の両雄はまったく生い立ちが異なる。ゲィツは裕福な家庭で育ったが、ジョブズのほうは、常に自分の生い立ちに「怒り」を抱いていた。

 

:ジョブズは1955年にカリフォルニアのロスアルトス市で生まれた。だが彼の出生は、決して祝福されたものではなかった。この世に婚外子として誕生し、血縁関係のないポールとクララ・ジョブズ夫婦Jobs,Paul/1922–93 & Clara/1924–86にもらわれていく運命だった。

 

彼の実母ジョアン・シンプソンJoanne Simpsonは当時、ウィスコンシン大学の院生だった。シリア系アラブ人留学生アブドゥルファター・ジャンダーリAbdulfattah Jandaliと恋におちるが、ドイツ系スイス移民の父親は娘がイスラム教信者と結婚することを許さなかったためだ。

 

しかし養子に出して10ヶ月後、反対した父親が亡くなり、すぐに結婚している。そしてジョブズとは2歳下の妹モナMonaにあたる娘も生まれたが、その5年後には離婚した。

 

もしもジョブズが私生児(婚外子)としての運命を背負っていなければ、父は政治学教授(現在、ネバタ州リオにあるカジノホテルの副社長)、そして母は言語療法士という、ともに大学院卒の肩書きをもつた高学歴の両親のもとで、ゲィツのように裕福に育っていただろう。

 

ところが、神はジョブズに試練を与えた。彼は私生児で生まれた運命に困惑し、養子にだされた仕打ちに対して、「怒り」を抱えていた。この怒りこそ、後々、彼をアップルの創設に向かわせ、数々のヒット商品をクリエイトするための原動力になっていく。

 

だが、幼少・青年期の怒りはまだ社会との接点をもっておらず、純粋に自分の産みの親に拒絶されたという病んだ心の傷から生じていた。

 

:ジョブズは、十代の頃から私生児の生い立ちが劣等感となり、自分の性格を内向きに追い込んでいく。そして人と折り合っていくことが難しくなり、高校を一度、転校している。

 

当時通学していたカリフォルニアのマウンテンビュー市にあるホームステッド高校の教師マッカラムJohn McCollumは、「どこか孤立して(" something of a loner")」、そして「常に人と違ったものの見方をしていた(" always had a different way of looking at thing")」と振り返っている。

 

:一般的に、こういう生徒は怒りの矛先をどこに向けるかで紙一重だ。自分の運命をうらみ荒んでしまうか、それとも100%運命を受け入れバネにするか、のいずれかだ。

 

ジョブズにとって唯一の救いだったのはよい家庭にもらわれたことだ。養親はつましい共働きの労働者階級だったが、息子をとても大切にした。特に夫は、高校中退で学才がなかったが、レーザー製作工場の機械工としてまじめに働いており、息子に初歩的な電気工作や物づくりの楽しみを教えている。また一人っ子の寂しさを心配したためか、息子の妹に一人女の子パティPattiを養女にむかえている。

 

:2005年6月のスタンフォード大学でのスピーチのなかで、ジョブズは大学を中退した後、友達の家に転がり込んで寝起きしながら、コカ・コーラの空き瓶を集めては業者に5セントで買い取ってもらう日々だったこと、また毎週日曜日には温かい食べ物にありつくために7マイル先にあるクリシュナ寺院(貧困者に無料で食事を提供する宗教教団)まで徒歩で通ったことを告白している。

 

(2011/10/30 続く)

 

参考:

>知野(乙川)弘文老師

http://www.sotozen-net.or.jp/syumucyo/j20111018-2.html

http://www.kobun-sama.org/english/bilder.htm

 

 

 

<object id="ep" classid="clsid:D27CDB6E-AE6D-11cf-96B8-444553540000" width="416" height="374"><param name="allowfullscreen" value="true" /><param name="allowscriptaccess" value="always" /><param name="wmode" value="transparent" /><param name="movie" value="http://i.cdn.turner.com/cnn/.element/apps/cvp/3.0/swf/cnn_416x234_embed.swf?context=embed_edition&videoId=us/2011/08/24/bts.steve.jobs.apple.timeline.cnn" /><param name="bgcolor" value="#000000" /></object>
 
 
関連記事:

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 

post a comment