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牛丼値下げ 競争さらに激しく
4月18日 NHK
これまで激しい値下げを繰り返してきた“牛丼業界”。再び、値下げ合戦の火ぶたが切られました。
「吉野家」が、主力メニューの牛丼の並盛を100円値下げ。これで大手チェーン3社の値段が280円と横並びになりました。
なぜ今、値下げに踏み切ることになったのか。その背景について、経済部で流通業界を担当している河内康之記者が解説します。
100円値下げの理由は
「吉野家が100円、値下げをする」と聞いて、そんなにもうかっていたのなら、もっと早く値下げしてくれればよかったのにと思った方もいるかもしれません。でも、そうではないんです。実は吉野家には、簡単に値下げできない事情があったのです。
吉野家はアメリカ産の牛肉にこだわってきました。アメリカ産の牛はトウモロコシなど穀物を多く食べるため脂肪分が多いとされ、最も牛丼に適しているとして、いわゆるBSE問題が起きたあとの2年半を除いて使ってきました。
その後、BSEによる規制で、日本には生後20か月以下の牛は輸入できるようになりましたが、牛の頭数が少なく在庫が限られていたため、なかなか値下げできなかったのです。
しかし、ことし2月にアメリカ産牛肉の輸入規制が緩和されたことで、調達コストが下がる見通しがついたため、思い切って100円の値下げに踏み切ったのです。
これで、これまで380円だった並盛が280円と、ライバルの「すき家」や「松屋」と横並びの価格となりました。
ライバルたちは
では、なぜ、ライバルはこれまでも280円で販売できたのでしょうか。
ほかの牛丼チェーンでは、頭数が少ないアメリカ産ではなく割安なオーストラリア産などにいち早く切り替えることで価格を引き下げてきました。しかし吉野家は、アメリカ産牛肉の使用にこだわり続けた結果、ライバルよりも100円高い380円で販売を続けることになりました。
やっぱり価格
その間にライバルたちは値下げ競争を繰り返しますが、吉野家は値下げするものの期間限定にとどめ、焼き鳥つくね丼など違う商品で対抗しようとしたのです。しかし、この作戦はなかなか売り上げの増加には結びつきませんでした。
来店客数は15か月連続でマイナスが続き、吉野家の持ち株会社のことし2月期の決算は、3年ぶりの最終赤字に転落しました。
安部修仁社長は、値下げ前の状況ついて「アメリカ産牛肉は、極めて高い価格帯の相場が形成されたため販売価格が380円となり、結果的に早い、安い、うまいという価値の3要素が至らなかった」と話しています。
そこで今回の思い切った値下げ。吉野家はようやく本格的な値下げ競争に参戦することになりました。
今回の値下げによって、客数を30%、売り上げも10%以上増やして、業績を回復させたいとしています。
根強い節約志向
アベノミクスと言われる経済政策でデフレ脱却への期待が広がっています。株高で、デパートでは時計や宝飾品など高額商品が売れています。しかし、スーパーなど日常的に使われている店では、食料品を中心に消費者の節約志向は根強いという声をよく聞きます。
こうした消費者の意識が今回の値下げを引き起こしたとも言えます。
この点について、安部社長は「インフレ基調にならないと経済がよくならないというのは正しい。しかし円安で石油など輸入物資の価格が上がる一方で、一般の消費者の所得はまだ増えておらず生活実感としても苦しいと思う。われわれのような日常的に利用する店では、消費者は低価格を望んでいる」と述べています。
値下げ初日に店を訪れた客も、「学生なので値下げはありがたい。これで、もっと牛丼を食べられる」とか、「100円は電車の初乗りに近い価格差なので、助かる。来店する回数が増えそうだ」と話していました。
競争激化は変わらず
吉野家の値下げで気になるのは、ほかの牛丼チェーンの動向です。牛丼業界を巡る環境は一段と厳しくなっています。
まず、豚丼や焼き牛肉を載せたどんぶりなど、続々と新興勢力が参入しています。さらに全国で5万店に上るコンビニチェーンの存在も見逃せません。工夫を凝らした弁当や総菜などで売り上げを伸ばしています。既存の牛丼チェーンの客を奪っているのです。
こうしたなか、ライバルのすき家も松屋も既存店の売り上げは低迷しています。
今回の吉野家の値下げで、ライバル2社はさらに値下げに踏み切るのでしょうか。業界関係者の間では円安で食材の調達コストが上がっているため、値下げもそろそろ限界に近づいているという声も出ています。
激しい競争にさらされている“牛丼業界”ですが、今後、価格以外でどう巻き返していくか、次の一手が注目されます。
話題その1:
あの牛丼が帰ってくる! 並盛「280円」で!!
4月4日の日銀黒田節で株屋は酔いしれ連日ドンちゃん騒ぎだが、一般サラリー勤労者の昼メシ代は減るばかりだ。コンビニご飯に吉野家の牛丼を加えて栄養のバランスを。 管理人から一言
話題その2:
Googleストリートビューを簡単に動画化できる「Hyperlapse」:
Googleマップ上で始点と終点を選択すると、途中のストリートビュー画像を簡単に早送り動画化できる「Hyperlapse」。リアルタイムで視野を回転することさえ可能だ
(デモビデオ Hyperlapse Google Street View http://vimeo.com/63653873)
「Googleストリートビュー」は、ソファでくつろぎながら旅行を計画したり、お目当ての場所を探したり、世界を巡ったりできる素晴らしいツールだ。
ただし、仮想の冒険を動画にしたいと思ったら、何時間もかけて画像をキャプチャ、合成、編集、制作するという骨の折れる方法をとらなければならなかった。
それをきわめて簡単にしてくれたのが、Teehan+Lax Labs社の「Hyperlapse」だ。
これは、ストリートビューの画像を取り出し、ひとつにまとめて早送り動画として表示できる非常にシンプルなツールだ。
Googleマップ上で始点と終点を選択すると、Hyperlapseによって、そのルートを進むストリートビューの映像が最大60フレーム/秒で作成される。
少し高度になるが、リアルタイムで視野を回転し、前方の空と道路の風景をスキャンすることさえ可能だ。
Teehan+Lax社によると、このプロジェクトは「Google Maps v3 API」といくつかの気の利いたJavaScriptを使って開発されている。
ソースコードは「GitHub」にアップロードされているので、フレームレートや画質、カメラの動きなどを向上させることができる。ただ、埋め込みや共有の機能はまだ実装されていない。
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