:「拉致進展なし」…韓国に飯島参与訪朝を説明
5/19
韓国政府当局者は19日、飯島勲内閣官房参与の訪朝結果について、申●秀(シンガクス)駐日韓国大使が18日、日本政府から説明を受けたと本紙に明らかにした。(●は王ヘンに玉)
日本側は、拉致問題では原則的な意見交換にとどまり、特別な進展があったわけではないと話したという。
聯合ニュースによると、韓国側は席上、北朝鮮の態度の変化を引き出す国際協調のためにも、日本の突出した行動は望ましくないとの懸念を改めて伝えた。
同ニュースはまた、今回の訪朝が日朝実務者協議の再開につながる可能性は低いとの見方が韓国政府内で広がっているとした。同協議は昨年11月以来、中断している。
:北朝鮮の術中にはまった? 不信の米韓、政権沈黙
5/17
▽疑念
「国と国とのことについては交渉、面談を通じて判断してもらうことになる」。菅氏は午後の記者会見で、唐突とも見える日朝間の動きを何らかの形で米韓に伝える考えを、歯切れの悪い言い回しで示唆した。今回の一件が同盟国・米国との関係に影響を及ぼす可能性については「全くないと思う」と言い切ってみせた。
だが米韓の疑念は消えそうもない。米政府高官は16日、共同通信の取材に「(飯島氏訪朝は)当然ながら、極めて大きな問題だ」と懸念をにじませた。来日した米国のデービース北朝鮮担当特別代表は16日、外務省の杉山晋輔アジア大洋州局長と協議。事情説明を求めた。
韓国では外務省の 趙泰永 (チョテヨン) 報道官が16日の定例記者会見で、飯島氏訪朝への不快感を表明した。これに菅氏が会見で「何を言いたいのか分からない」と反発し、日韓間の亀裂は隠しようもなくなった。
▽暴露
日米韓3カ国は、北朝鮮が非核化の意思を示さない限り「対話のための対話には応じない」(日本政府筋)方針で足並みをそろえてきた経緯がある。安易に話し合いに応じれば、北朝鮮の核保有を追認することになりかねないためだ。
その足並みの乱れを誘ったのが、飯島氏訪朝を“暴露”した北朝鮮の動きだ。14日には国内メディアを通じ、平壌の空港に降り立った飯島氏が北朝鮮当局者の出迎えを受け、黒塗りの車に乗り込む場面を紹介。16日には飯島氏が平壌郊外のテーマパーク「平壌民俗公園」を訪れたことまで伝えた。
公表されたことで、安倍政権としては拉致問題解決に向けた水面下交渉が困難になったとみる向きもある。日本外務省筋は「これで北朝鮮は『国際社会で孤立していない』と宣伝できる。極秘であるはずの飯島氏訪朝を全世界に流された日本は、北朝鮮にしてやられたということだ」と漏らした。
▽情報管理
安倍政権サイドは、飯島氏が帰国するまでは沈黙を押し通す構えだ。
関係者によると、訪朝計画に携わったのは安倍晋三首相、菅氏と古屋圭司拉致問題担当相ら数人とされ、政府内では厳しい情報管理とかん口令が敷かれている。ある日本政府筋は15日、米側関係者から飯島氏の意図を問われた際、きまり悪そうにこう答えた。「申し訳ないが、私も何も知らされていない」 (Kyodo)
:北朝鮮紙、日本に「過去清算」重ねて要求 飯島氏訪朝でけん制か
5/15
【北京共同】北朝鮮の朝鮮労働党機関紙、労働新聞は15日の論評で「罪悪に満ちた過去の教訓をくみ取り、新たな出発をする意志があるかないかを見分ける試金石だ」として、日本に植民地支配に関する「過去の清算」をあらためて求めた。
米国
更新記事:飯島氏訪朝、北朝鮮の「分断」戦術…米特別代表
5/18
訪日中のグリン・デービース米政府特別代表(北朝鮮担当)は18日、「北朝鮮が我々を分断するため、挑発から対話に戦略転換することは予測していた」と述べ、飯島勲内閣官房参与の訪朝で、北朝鮮が日米韓の連携に亀裂を入れようとしたとの見方を示した。
帰国を前に成田空港で記者団に語った。
米政府は、日本政府が秘密裏に進めようとしたとみられる飯島氏の訪朝を、北朝鮮が報道で公にしたことに注目。拉致問題などで真剣に交渉する意図よりも、日本と米韓を分断して米国を揺さぶる狙いの方が濃厚と見ている。デービース氏の発言は、こうした分析を踏まえ、北朝鮮をけん制したものとみられる。
デービース氏は飯島氏の訪朝に関し、「日本側から詳細な説明を受けた上で考えたい」と述べた。また、「日本政府は、北朝鮮との対話に潜む落とし穴を認識している」と語った。デービース氏は、16日からの日本政府高官との一連の会談で、「(北朝鮮の)非核化が、我々共通の中心的課題であるとの保証を得た」と述べ、日米は、北朝鮮に非核化に向けた圧力をかけ続けることで一致しているとの立場を強調した。 YOMIURI
:飯島氏の訪朝、米側が不快感 「密接な連携が重要」
5/17
外務省で記者の質問に答える米国のデービース北朝鮮政策特別代表=16日午後6時52分、東京・霞が関、山本壮一郎撮影
北朝鮮問題を担当する米国のデービース北朝鮮政策特別代表が16日に来日し、外務省で杉山晋輔アジア大洋州局長と協議した。杉山氏は飯島勲・内閣官房参与の訪朝について説明し、デービース氏は今後も説明を続けるよう要請。飯島氏訪朝の連絡が事前になかったことは日米の連携を乱しかねないと牽制(けんせい)した形だ。
協議後、デービース氏は飯島氏訪朝について記者団に「ニュースだった」と不快感を表明。「密接な連携が重要だ。結果についても日本政府から詳細な説明を受けたい」と語った。
協議では「北朝鮮との対話の窓は開いているが、あくまで非核化に向けた対話であるべきだ」との認識で一致。首相官邸が飯島氏訪朝による拉致問題進展を期待するなか、北朝鮮との対話で優先すべきは非核化だと外交当局間で確認した。ASAHI
:米高官 飯島氏訪朝の説明受けたい
5/15
アメリカで北朝鮮問題を担当するデイビース特別代表は15日、訪問先の中国の北京で記者団に対し、飯島勲内閣官房参与が北朝鮮を訪問していることについて、16日から訪れる日本で、詳しい説明を受けたいという考えを示しました。
アメリカで北朝鮮問題を担当するデイビース特別代表は15日、北京で6か国協議の議長を務める中国の武大偉特別代表と会談しました。
デイビース氏は15日夜、会談のあと記者団に対し、飯島内閣官房参与が14日から北朝鮮を訪問していることについて、「きょう、日本政府の高官と話をして少し情報を得た。東京で会う機会があるのでここではコメントを控えたい」と述べ、16日から訪れる日本で外務省の杉山アジア大洋州局長などから、訪朝の目的などについて詳しい説明を受けたいという考えを示しました。
また、デイビース氏は、中国の主要な国有銀行が北朝鮮との取り引きを停止し、口座を凍結する措置に踏み切ったことについて、「重大な進展であり、北朝鮮の今後の選択に大きな影響を与える」と述べ、中国側の対応を評価しました。
一方、武大偉特別代表は記者団に対し、「北朝鮮の問題は今に始まったものではなく、非常に複雑であり、問題の解決にはさまざまな観点からの総合的な施策が必要だ」と述べたうえで、あくまでも対話を通じた問題の解決を図るという中国政府の立場を強調しました。
また、飯島内閣官房参与の北朝鮮訪問は「テレビで見たが、この件について日本側からは事前に連絡はなかった」と述べました。NHK
:飯島氏訪朝 米が日本から説明聴く方針
5/14
小泉純一郎元首相の政務秘書官を務めた飯島勲内閣官房参与の北朝鮮訪問について、
米国務省のベントレル副報道官代行は14日の記者会見で、米国のデービース北朝鮮担当特別代表が16〜18日に訪日した際、日本政府から訪朝に関する説明を聞くとの見通しを示した。
ベントレル氏は「報道を見て(飯島氏の)訪朝を知っている」と述べ、飯島氏の訪朝について米政府が日本側から事前に知らされていなかったことを示唆した。韓国を訪問中のデービース氏は14日、ソウル市内で記者団に「(飯島氏の訪朝については)聞いていない」と述べていた。MAINICHI
韓国
:飯島氏訪朝、韓国紙が警戒感「国際協調破る」「腹いせの牽制球」
5/15
東亜日報は日本政府が韓国政府に飯島氏の訪朝を事前に通知していなかったと伝え、「北朝鮮に対する強力な制裁措置が取られている中、日本の突出した行動により、北朝鮮に状況判断を誤らせる可能性がある」と指摘した。
韓国政府が北朝鮮対応で日本を排除し、米中韓の結束を強める動きを見せていることに、「安倍晋三首相が腹いせでけん制球を投げた」との見方も伝えた。
朝鮮日報は「日本が北朝鮮問題に対する影響力が低下している状況を反転させるためのカード」と分析。「7月の参院選をにらみ安倍首相が勝負に出たとの見方も出ている」と伝えた。
聯合ニュースは米韓両国が日米韓連携の観点から、日本側に急速な北朝鮮との接近を自制するよう「速度調節」を求める可能性が高いと報じた。KYODO
参考
:飯島参与 極秘訪朝のミエミエ魂胆
参院選前の打ち上げ花火飯島勲・内閣官房参与(67)が14日、極秘訪朝していたことが分かり、永田町でさまざまな臆測が飛び交っている。
訪朝の目的は不明で、政府関係者も外務省幹部も「一切コメントできない」「事実関係は知らない」とダンマリ。箝口令が敷かれているようだが、「安倍首相が拉致問題の進展を狙って派遣したのではないか」というのが大方の見方だ。
飯島は小泉元首相の秘書官として2回の訪朝に同行。北朝鮮に独自の人脈を持つとされる。
「拉致問題が進展すれば内閣支持率はさらに上がる。夏の参院選前に日朝首脳会談が実現すれば、最高の打ち上げ花火になります。そのために飯島氏を派遣したのでしょうが、本当に解決が見込めるのであれば首相自身が行く。
リスクが大きいし、成果が未知数だから飯島氏なのです。それに、官邸のラスプーチンといわれた飯島氏であれば、具体的な成果がなくても『何かをやっている』という印象、期待を抱かせることはできる。それが狙いかもしれませんよ」(政界関係者)
つまり、アベノミクスみたいなイリュージョンだ。6カ国協議の枠組みを超えた日本のスタンドプレーには、米国などが懸念を示す可能性も指摘されている。
:記者に聞く 北の思惑は?韓国の反応は?
5/15
飯島内閣官房参与の北朝鮮到着の様子を外国メディアに公開した北朝鮮には、どのような思惑があるのでしょうか。(大野公二記者報告)
まずは北朝鮮の思惑ですが、ある北朝鮮消息筋は「今回は安倍政権の本気度を測る目的がある」と話しています。
参議院選挙を控えた安倍政権が、拉致問題が進展するのではという国内向けの雰囲気作りに北朝鮮を利用しようとしているのではないかという考えがあり、「どこまで本気で日朝協議を進めようとしているのか、その本気度を見極めたい」と話していました。
また、別の北朝鮮消息筋は「今、一番関係を進展させやすいのが日本だった」と話しています。
北朝鮮は今、米中韓と外交的に対立が続き、こう着状態になっています。まず、日本と2国間で交渉することによって、「北朝鮮への外交包囲網を打ち破るきっかけを探りたいという思惑がある」と話していました。
一方の韓国は、政府関係者は日本の単独行動について「今の国際的な流れにそぐわない行動だ」と話しています。
もし、安倍政権が拉致問題解決のため北朝鮮へ大規模な支援を行えば、米中韓など国際的な制裁圧力の効果が弱まる恐れがあると懸念を示しています。ANN
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