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田舎のねずみ

2012-10-10 | Weblog
世界遺産の古民家 月1万円で賃貸、

世界遺産で暮らしてみませんか――。岐阜県白川郷とともに集落が世界文化遺産に登録されている南砺市・五箇山地区の相倉(あいのくら)で、市所有の古民家が月額1万円で貸し出される。過疎化が進む集落を維持するのが目的。白川郷と五箇山地区の世界遺産集落で自治体が物件を賃貸するのは初めて。文化庁は「全国でも非常に珍しい試み」としている。(小川洋輔)

 相倉は1995年12月、南砺市の菅沼、岐阜県白川村の荻町集落とともに世界文化遺産に登録された。屋根の形が両手を合わせたように見える合掌造りが人気で国内外から大勢の観光客が訪れる一方、90年に25世帯87人だった集落の人口は、17世帯52人(9月28日現在)に減少。合掌造りのほか、古民家でも空き家化が進んでいる。

 居住者を募るのは、24年に建てられた瓦ぶきの「旧高田家」。高齢の居住者が県外に引っ越し、昨年、市に寄付された。木造2階建て、延べ床面積約198平方メートルの6DKで、市は344万円をかけ、水回りなどを改装した。トイレは洋式水洗で、乗用車2台が駐車できる。

 市は10日から11月22日まで居住者を募集し、入居は3月の予定。単身ではなく家族であることが条件で、若い夫婦や子どものいる世帯が優先される。集落全体が文化財であることを理解して保存に協力し、雪下ろしなどの行事に積極的に参加することが求められる。

 書類選考の後、集落内の民宿に泊まって雪かきなどの体験をしてもらい、市と住民が入居の可否を決める。集落に住み、募集に携わる会社員中田拓郎さん(33)は「相倉を若返らせたい。担い手の確保のため、大家族だとうれしい」と話す。

 南砺市文化・世界遺産課は「反響が大きければ、合掌造りも含め他の空き家を貸し出すことも検討したい」としている。

 問い合わせは、メール(ainokura@mail.goo.ne.jp)で受け付けている。

(2012年10月10日 読売新聞)


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