1月に読んだ4冊。
偶然にも表紙装画がイラスト仕様。読み終わって並べてみて気がついた。
ほんとに表紙を飾る装画って大事ね。装丁もか。
手に取るか取らないかを左右するもの。
私が書店員で平積みコーナーを任されていたら、宮部さんのこの本をどのように並べるかしら。
好みじゃない装画も「この世の春」というタイトルも、
お気に入りの新潮社装幀室が装丁を手がけているのになんだかなあ、とぶつぶつ。
装画:こより
装幀:新潮社装幀室
おまけに人物相関図もイラスト付き ごめん、じゃま。
贔屓の宮部さんだから1週間くらいは目立つところに並べて積んでおくけれど、
その後は横に移動させてしまうかもしれないわ。
低空飛行の期間に読んだからどうも辛口になってしまっていることは自覚しているの、はい。
あくまでも私の独断と偏見で。(ちなみに宮部さんご自身はとても気に入っている)
それは亡者たちの声? それとも心の扉が軋む音?
正体不明の悪意が怪しい囁きと化して、かけがえのない人々を蝕み始めていた。
目鼻を持たぬ仮面に怯え続ける青年は、恐怖の果てにひとりの少年をつくった。
悪が幾重にも憑依した一族の救世主に、この少年はなりうるのか――。
21世紀最強のサイコ&ミステリー、ここに降臨!
決して面白くないわけじゃない。
いやそれどころか、宮部さんの紡ぐ物語にのせられて気持ちよく読み進んでいくのよ。
それなのに読み終わった後、何となく物足りなさを感じるわけ。
前菜からデザートまでおいしいコース料理を食べて、満腹なお腹さすってああうまかったとなるのに。
それなのに。あれ?どの料理が美味しかったんだっけ?という曖昧な感じになる。
ちょっといまいちな皿もあったけれど、あのスープだけは美味しかったわね、
といった強く印象に残るものがないの、ガツンと響く何かが足りないの。贅沢。
これも宮部さんに期待し、宮部さんの時代小説でしみじみしたかった私の勝手な
思いが強すぎただけなのかもしれないわね、きっと。
装画 げみ 装丁 岡本歌織
この装画イラストはとても好き、装丁も好み。
ピンクの温かい雰囲気がこの本の何もかもにぴったりで。
人々の善意に満ち溢れたお話で、私がもっともっと若かったら、深く感動しそうだ。
20代の若者にピッタリな1冊。
万引き事件がきっかけで、長年勤めた書店を辞めることになった青年。
しかしある町で訪れた書店で、彼に思いがけない出会いが…。
田舎町の書店の心温まる奇跡。
イラスト 越島 はぐ
ビブリア古書堂の事件手帖7~栞子さんと果てない舞台~
栞子さんイラストとビブリア古書堂の事件手帖はもうおなじみで、読者ときっかり定着しているので
出る幕がない。ま、あまり好みじゃないと言うだけでして。
途中、5,6が抜けたけれど古書にまつわるミステリー、楽しませてもらいました。ほんと。
ビブリア古書堂に迫る影。太宰治自家用の『晩年』をめぐり、取り引きに訪れた老獪な道具商の男。
彼はある一冊の古書を残していく―。
奇妙な縁に導かれ、対峙することになった劇作家ウィリアム・シェイクスピアの古書と謎多き仕掛け。
青年店員と美しき女店主は、彼女の祖父によって張り巡らされていた巧妙な罠へと嵌っていくのだった…。
人から人へと受け継がれる古書と、脈々と続く家族の縁。
その物語に幕引きのときがおとずれる。