まい、ガーデン

しなしなと日々の暮らしを楽しんで・・・

「あの本、読みました?」 装丁家の仕事

2024-09-21 08:48:48 | TV

MCの鈴木保奈美さんが、
ところで「ジャケ買い」ってしたことがありますか?と聞かれて。
「ジャケ買い」いわゆる本の表紙カバー、ジャケットのことでして。
そりゃああるある、もちろんと私。
この頃書店で本を買わないから「ジャケ買い」はしないけれど、「ジャケ借り」は
よくする。書棚に表紙が見えていたらまずジャケットを見る。
本の帯とジャケットは借りる決め手になる。帯と同じように私にとっては大事。

この日の「あの本、読みました?」は装丁家の仕事について。
ゲストは、大久保明子さん(文藝春秋デザイン部・装丁家)石原正康(幻冬舎編集者)さん。
1000冊以上手掛けたという大久保さんの名前はよく目にした。
表紙カバーが気になると装丁家は誰か挿画は誰か確かめていたからね、装丁「大久保明子」の名。
で、ちなみに大久保さんが手がけた本のほんの一部。

  

                2019年の本屋大賞 私、完全にジャケ借り

  

100万部以上売れて嬉しかったと 芥川賞 記憶に残る作品だと。

大久保さん、表紙の絵やイラストはどのように選ぶのかと聞かれて。
「二通りある」そうだ。
イメージに合う絵画や写真やイラストを探し見つけてくる。
内容にあった絵を描いてもらう、写真を撮ってもらう。
なるほど、なんてえらそうに頷くわけよ。
編集者の石原さんも言っていた。
「装丁はストーリーをしっかり伝え、本の内容とエネルギーが拮抗するから
インパクトが必要で、いい作品はいい装丁だから装丁で買うのはあり」
なんだそうだ。

ところで、装丁家の仕事って何?と。
カバー、帯、表紙、見返し、化粧扉、しおり、花布・・
要するにハードカバーの単行本の目に入る全てを手掛ける仕事ですって。

実際の作品 『光のとこにいてね』

そして、市川沙央さんの「ハンチバック」

ユーモラスでどこか背骨的なモチーフが欲しい、ポップさも欲しい、読んだ後、ああと
思ってほしいと願って装丁したそうだ。
授賞式のとき、市川さんはこの表紙が気に入ってオレンジ色のワンピースを着たと聞いて
とてもうれしかったと。

以下は別のインタビューから「装丁家の仕事」について

著者が書き上げたテキストを、イラストレーターや写真家の作品を生かしながら、
本としてベストの形に仕上げる。
その本(のデザイン)は完全にテキストから出てくると思うので、その本にとってのベストの形で
出したいと思っています。テキストから来る私のイメージもあるけれど、どういうふうに売りたいか。
著者さんや編集者と営業の意見もある。いろんなものをひっくるめて、
どういう本にしたいかを考えることですね。

やっぱり売れることは大事なんだね。売れてこそのプロの仕事か。

大久保さん、布(背の接着面に貼り付けた布)やしおりを決めるのが楽しいんですって。
花布?なんだそれ。

 緑色の布がそれ

最後にお二人のお勧め装丁

大久保さん それぞれの作家のイメージに合わせて選んだ色ですって

 石原さん タイトル文字の「ぐ」のインパクト大だと

 

この番組見たので、これからはさらに、気に入ったカバーを見たら装丁は誰がしたのか
ひっくり返して確かめよう。

ちなみに、まどうでもいいと言えば言えるけど。私のお気に入り表紙カバー挿画。
以前ブログに書いた、

今村翔吾『羽州ぼろ鳶組』シリーズ 、畠中恵『まんまこと』シリーズ

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テレビの話 あれこれ

2024-09-18 08:58:54 | TV

今朝の空

昨日のNHK首藤アナ、朝のニュース番組で「お月見で何をしますか」と聞かれ、
「お団子を買ってきます」って。笑ったわ、いいわいいわ「お団子を作ります」
と言わないところが。
私も首藤アナにならって、スーパーでお団子買って来てお月見した。
見られないと言う初任同僚の分までと一緒に月見をした。11時過ぎの月は
神々しいばかりに輝いていて。

大相撲九月場所、木村容堂は立行司の「式守伊之助」に昇進していたのね。
5時を回ってからテレビ桟敷で観戦しだすから知らなかったのよ。
以前ブログにも書いたけど容堂さん好きなの。だから嬉しいわ。
同じ立行司の木村庄之助が今場所で引退するから、来場所からは式守伊之助が
結びの一番を裁くようになるんだ。そっか、とくと拝見しよう、楽しみ。

 鶴見出身の木村庄太郎

 構えが好きなの

 

ドラマで見ているのは『団地のふたり』 小泉今日子さんと小林聡美さん。

 (ネット拝借)

 原作はこちら

(イラストレーター役の小林さんが描くイラストも同じで北澤平祐さん。
津村記久子さん「水車小屋のネネ」でおなじみだ)

小泉今日子さんと小林聡美さんが共演ということでどんな展開のドラマか
想像がつこうというもの。特に説明もなく、ふたりの会話の中で物語がゆるゆると
展開していくの。またふたりの会話がごくごく自然で、そこらへんの女性が、
どうってことない日常をそんな感じでやり取りするよね、で。

50代、独身、実家暮らし。 団地で生まれた幼なじみのふたり。
心がざわつくことがあっても、ふたりなら大丈夫。温かくユーモラスな友情の物語。
まったり、さらり、時々ほろり。 幸せってなんだろう。 今日もなんとか生きていく。

このなかに、もたいまさこさんと片桐はいりさんが顔を出さないのが物足りないわ。
ひょっこり現れそうな気がするのよ。

 

長くなったから端折っていく、これでも端折ったつもり。
先週の土曜日見た歌番組。7年前にジャニーズ事務所から独立した「新しい地図」の
お三方が地上波初めて出た歌番組。はい、感激しました。すっかり忘れていた感覚が
蘇ってきました。

 

SMAPのドームコンサートの興奮を思い出したわ。
草彅さん、次は12月の舞台「ヴェニスの商人」チケット取りに参戦するつもり。

 

 今朝の朝顔

 

 

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TV「あの本、読みました?」本の帯を深掘りする

2024-06-14 08:52:31 | TV

ずっと以前にたまたま観て、そのユニークな視点が面白くて。
その番組が鈴木保奈美さんがMCをしているBSテレ東京「あの本、読みました?」

HP番組内容紹介文
毎週のように書店に通う人から、忙しくてしばらく本が読めていない人まで、
「新たな1冊」を手に取りたくなる本好きのための情報番組「あの本、読みました?」
「売り上げランキング」から「本の帯」特集まで、
今の本情報を横断的に、時にはマニアックに、本好きに刺さる情報を届けます。

この春から木曜10時のレギュラーなって、今や一番の心待ちにしている番組になった。
ユニークでマニアックなだけに、私の興味から大いにそれた時はちょい退屈。

ゲスト出演者は作家さんをはじめ、編集者、書店員さん等々多彩。
MCの鈴木保奈美さん、若かい頃のドラマは観たことないから彼女がとても新鮮に見える。
ずいぶん気さくな人で、人の懐にすぐに飛び込んでいき飾り気がない。率直な物言いといい
実に好感が持てるの。読書家で本好きなことがよく伝わってきて、生き生きとご本人が
番組を楽しんでいるの。ぴったりMCにふさわしいわ。

録画して見返している回は、カリスマ編集者が帯の魅力を語る《帯で分かる名作》という
本の帯を深堀りした回。

ほんと、帯はとても大事。私がお世話になっているコミュニティハウスは、貸し出し本に
ちゃんと帯を切り取って貼り付けてくれている。選ぶ基準になってたいそうありがたい。

で、放送はずいぶん前になるけれど、その回の印象に残ったところを取り上げて番組の
つまみ食い。つまみ食いだから、私の独断と偏見で切り取って。

つねづね帯は誰が作っているのか、それ専門の人がいるのだろうと思っていたけれど。
帯を編集者が考えて作っている、なんてまるで想像していなかった。
帯を作る編集者、その思いとはと番組は進んでいく。

ミリオンセラーの帯や名作の帯。「帯は本の信頼に結び付く」から重要なポイントだそうで、
売り上げに直結するから編集者が全責任を負うという。 

で、まずは出演編集者が語る帯のこと。
こちらを取り上げた幻冬舎の石原編集者の話。
「ふたり」が重要なポイントなんですって。「ふたり」は読者の信用を生むんですって。
でもう1冊、石原慎太郎の「弟」を上げていた。これも兄弟ふたり。ふたりね。

編集者の四本さんの話 単行本の時に読者の感想が鋭くて、文庫にするとき、それを何とか
生かすことができないかと考えて作った帯だそう。
《「人生で一番刺さった小説」との声続出》との帯を作ったとのこと。
石原編集者の感想は、「との声、続出」がいいって。

ずっと以前に読んでいて、番組見てで2回読んだけれど、2回とも私はちっとも刺さりませんでした。
女性の主人公にもその婚約者にも、何やってんだか甘ったれるんじゃないよ、なんて、ね。
ばあさんの感想、えらそうだわね。辻村さんは好きな作家さんだけれど、この小説はちょいと、よ。

講談社編集員の河北さん。
装丁と帯が一体化するようにと考えるとのこと。帯を巻いてどう見えるかを気にしているとのこと。



で、実は帯は初版の時そのままではなく、しょっちゅう何度も変えていくという。

『傲慢と善良』で見ると 映画化決定の前に前出の60万部突破の帯があって すでに4回。

 

 

『汝、星のごとく』の帯も ごらんのとおり幾通りもあったそう。

直木賞候補になったりすると帯は変わる例。 この帯が

が ↓のように変わる。私、この2回の帯で読んでみたくなったわ。影響力大。

四本さんは言う、直木賞にノミネートされるかどうか、書店担当者は次の帯を用意して
書店の近くで待機して、受賞すれば帯のまき直しをお願いするんですって。すごいよね。

で、何度も言うが帯は売り上げに直結する、目に見える形で直結する。たとえば

21年間で売り上げ16万部だったのが、2008年に帯変更したらたった1年で100万部売れたそうな。
ほんとびっくり、こんなにに変わるものかしら。編集者さんが必死になるわけよね。

POP王と呼ばれた元書店員さんがいちばん衝撃を受けた帯がこちら。
残念ながら本屋に行かなくなった私は目にしていない。
黒という色、「すべてが伏線」というキャッチフレーズ、書店員さんはシビレタだろうって。

帯を見て追加した書店員がいっぱいいると思います、ですと。
インパクトがあり、そして売り上げ部数が上がるという結果を残している。そういうものなのね。

保奈美さんは「お客様に届ける前に書店員さんが目にするわけですね」と感心する。
書店員さんはものすごく感が冴えていて、一見しただけで売れると分かるそうな。
だからの「本屋大賞」

この本は先の河北さんが担当。考えすぎて煮詰まってどうにもならなくなって、
営業部署さんに知恵を借りたら「すべてが、伏線。」でいいんじゃない、と言われて。
面白いわね、そんなもんなのかと決定することがあるんだから。それがヒットするんだから。

で、印象に残った帯。石原さんは下記の2冊。 

噂好きにはたまらないだろうと。私も噂好きとしてこの帯でやはり読んでみたくなる。

「誰が引き金を引いたのか?」のキャッチコピーで、ゴッホは自殺したのじゃないのかって
疑問を抱いて読んでみたくなるじゃないかと。
はい、その通りで。まんまと乗って「ゴッホは自殺したんだはずよね」と思いつつ読みました。

河北編集者 「女子が男子に読んでほしい恋愛小説NO・1」
と言われればそりゃあ男子は読むでしょう、ですって。
ばあさんは、それだからパスするわけよ、とひがんだりして、の帯。

 

でもでも、帯を参考に本を手に取っているけれど、時には私にとって邪魔になることもある。
青山美智子さん、大好きで、心温まる小説は外れがないと信じているからすぐに手に取る。
そういう時は帯はいらない。むしろ、挿画を全部見たいから、まったく、なんてほざく
ときもあるの。

帯ひとつで番組を作っていくのだから、BSテレ東「あの本、読みました?」癖になる番組だ。

 

昨晩は『東大出身直木賞作家 小川哲 の頭の中』録画してあるからゆっくり観ようと。
小川哲さん、「君のクイズ」は面白かったものね。楽しみ。

 

 

 

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日曜美術館小野正嗣さん交代か

2024-02-28 09:04:10 | TV

晴れの予報は今日までかな。明日まではもつのかしら。
昨日一昨日の強い風がおさまって何よりだ。

先日、そうだ日曜美術館を録画し忘れた、何の放送だったのかなと検索したら。
あらあ、司会の小野正嗣さん3月までで4月からは坂本美雨さんに代わるんだと。
残念だわ、うすうす交代かもしれない、とは予想していたのよ。
2018年から司会を務めているから、歴代の司会者に比べて長いですものね。
1年目は慣れないこともあってか高橋美鈴アナのサポートを受けながら恐る恐るで。
2年目に入り、ようやく小野さんの個性が出てきたかなと思ったらコロナ禍で。
昨年あたりからかしら、当初のインタビューでおっしゃっていた小野さんの
ー僕の課題は「芸術の魅力をいかに言葉にすればいいのか」ー
が発揮されてきていると感じていたのに。初々しい感性が言葉で伝わってきてたのに。
あくのないさっぱりしたハンサムなお顔にももうお目にかかれないのか。あああ。
ま、ここ数年の日曜美術館は柴田アナの語りが中心になってきて、司会のお役目はどこに
の感が
強かったからきっぱり諦めよう。ああ、それにしても残念、うーん。

話変わって、剛君と慎吾君のラジオのコーナーをまねして『どうでもいい話』

Windows11になって1年近くもなるのにいまだに仲良くなれない。
ブログ書いていても変換がとんでもないのよ。以前は察してくれて一発でドンピシャの
幹事(今もこんな変換)もとい、漢字に変換してくれていたのに。
私のミスタッチと相まって、なんだこれは、の世界。ほんとイライラ。
誤変換の場合は知らせろ、みたいな報せが横から出てくるが、うるさい!ってんの。

あまりにあまりだからメモっておいたわ。

余命吉野 (私の負け そ→よ と打ったみたい)
字幕ありの徒 (私の勝ち よくぞそんな漢字見つけてきたな)
無頼朝散歩 (負け ぶらり→ぶらい と打ったらしい)
腫れがあるだけ (天気の話を書いているのに もう ありえない変換)

毎日格闘しているの。
そういうわけでブログの誤記は私のせいではありません。悪しからず。

wordでこんなことして遊んだのでくっつけます。

 シーサイドライン

江ノ電

 江ノ電通過待ち

 

 

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映画『七人の侍』と野上照代さんの『もう一度お天気待ち』 

2024-02-22 08:56:39 | TV

 

録画しておいたBS『七人の侍』をようやく観た。
なにしろ3時間27分もの長編大作だから細切れには観たくなくて。最適の時間を待ってたのよ。
途中休憩があり、その時間の配慮をありがたく受け止めてしっかり休憩を取ってで1回目。
内容には惹きこまれていってるのに、セリフが聞き取れない。えっ?えっ?ってストレス。
そうだわ、日本語字幕ってのがあったんだとセットして2回目。字幕のうるささを採るか
セリフ不明のストレス採るか。ま、両方を経験して2回も観てしまった。字幕ありの勝ち。

1954年に公開だが少しも古く感じない、むしろ白黒画面が美しく新鮮な感じすらする。

ストーリーはまことにシンプル。
戦国時代、村の農民たちは、毎年のように盗賊となった野武士に襲われ、作物を略奪される。
そこで村を守るために、食うに窮する七人の侍を探し出し雇って、戦うことを決意する。
浪人・島田勘兵衛は、侍を集めて農民たちを鍛え、野武士に戦いを挑む。とそんな筋書。

血沸き肉躍るとはまさにこの映画を観ているときのことね。
冒頭のクレジット、打楽器を中心とした緊張感ある音楽で始まり、どんどんと鳴る音に合わせて
出演者を記す筆太の文字が踊り跳ねるようで、それだけでもう画面に目が釘付けになってしまう。

映画は、一瞬たりとも目が離せない面白さ、迫力満点、どの画面もその場その場の臨場感が
あふれていて、
白黒映画の美しさと豊かさが画面いっぱいに広がって、ともかくわくわくする。
それと七人の侍たちの個性豊かなこと、風貌だけで人となりが分かるというもの。
3時間27分という長丁場の映画が苦にならないんだから。「映画は娯楽」ってまさにその通りね。

で、先ずはその七人の侍を。(説明はweb拝借)

知性と優しさにあふれ、冷静なリーダー・勘兵衛は志村 喬。
破天荒な菊千代は三船敏郎。
勘兵衛に忠実な部下・七郎次は加東大介。
穏やかで経験豊富、参謀を務める五郎兵衛は稲葉義男。
愛嬌者の平八は千秋 実。
純粋で血気あふれる若者・勝四郎は木村 功。
寡黙な剣豪・久蔵を演じる宮口精二。

いやあ、もう志村喬さんに惚れ惚れ。
顔のパーツが一つ一つ大きくて一度見たら忘れられないお顔。
穏やかで、その中に厳しさも優しさも何もかも含まれているようでいいお顔だなあ、なんて。
勘兵衛にぴったり当てはまる。
そして、一番若い勝四郎役の木村功さん、白皙の美青年って顔。
渋いなんとも知性的な顔しか知らなかったから、のぺっとしたハンサム顔にはあらまと思ったわ。

 

で、スクリプターとしてほとんどの黒澤映画についていたから現場をよくご存じの
野上照代さんが書いた『もう一度 天気待ち』そこに「七人の侍」のエピソードが
書かれていて、映画と合わせながら読んでいくとこれが実に面白い。

以下は野上さんの本の中から。


『七人の侍』まず、キャスティングについて黒澤さんは、はじめ久蔵の役は三船で考えていた。
そのうち侍の中にちょっと変わった面白いのがいないと話が転んでいかない、と黒澤さんが
言い出し菊千代が生まれた。三船に台本を読ませたら「コレ、僕でしょう?」というので
その場で決まったそうだ。三船さんはご自分でもアイディアを色々出したそうだ。
配役のうち、脚本の時から決まっていたのは勘兵衛の志村喬と菊千代の三船敏郎だけという。

剣の達人久蔵のモデルは宮本武蔵 その久蔵役は文学座の宮口精二。
依頼を受けて驚いた宮口さん。とんでもない、生まれてから刀なんて持ったこともない、
と断りに行ったが「心配するな、任せておけ」と説得される。
が、衣装合わせで小柄な宮口さんが大小を腰に差した姿を見て、黒澤さんは
「うーん、間違ったかな」と内心心配したそうだ。

そうよ、宮口さんの久蔵の登場場面で浪人と討ち合いをする場面がある、対決する二人を観ていて
細くて小さくてへっぴり腰に見える宮口さん、こっちが負けるなって思ったもの。

ところが板木の音で、水車小屋から飛び出す侍6人の一番先頭を走っていたのが宮口さん。
腰が落ちていて恰好がよかったので監督は「いけるな」と思ったと。

稲葉義男の五郎兵衛
俳優座研究生の中からその風貌を買われて抜擢される。32歳。映画初出演でこの大役。
引きこもりタイプの稲葉さん、監督の標的になって怒鳴られっぱなしになってしまった。
木賃宿の出、五郎兵衛がピタッと足を止めて「ご冗談を」と笑う場面。
その場面をチガウ!チガウとなかなかOKが出ず、
「余裕がないんだよ!」と叫ぶ監督。「上がるからいけないんだ!アガルなって!」
怒鳴られればどなられるほど、稲葉さんの方は恐怖のあまり動けない。
なんてエピソードが書かれていて、黒澤監督無茶苦茶だわ、と私は苦笑い。

後から稲葉さん「あの時は本当に辛かったなあ、朝が来るのが怖かったですよ」ですって。

最後に、あの土砂降りの雨の中、七人の侍と農民たちと野武士の戦いの場面。
もうよくぞあんな場面をと思うような激しい雨泥んこの中、人や馬竹槍や刀、おまけに鉄砲を
使っての村中縦横無尽に走り回る戦い。

西部劇には雨がないから雨の中での戦いにしようということで。
8月撮影予定が2月。大雪が降るわ田んぼに氷が張るわ、そこに雨。消防車8台ホース40本。
足元は膝まで埋まる泥んこ、馬が暴れるから身動きが取れない

三船さん、ふんどし姿で裸同然。みんな寒さで歯をカチカチいわせて走った。
宮口さん、雨の中、野党の凶弾に撃たれて死ぬのだが、その合図が伝わらないため自分で
ここぞと思うところで一間くらい横へ飛んで行けという難しい注文。
ぬかるみの中横に飛ぶなんてとんでもないということで何度もやり直し。
そのたびにお湯をかけられて。やっとOKが出た時はカツラが飛んでしまった。
これNGになっては大変ってんで百姓たちがカメラから隠してくれた。

左卜全さん、足の脱疽に悩まされ生涯その激痛と戦うことになる。
七人の侍ほど苦労した仕事はないと夫人にだけもらしている、という。
雨中の合戦で竹槍を持って走るシーンでは足の血管が詰まって卒倒するほどの苦痛だった
そうだ。が、全然そのような様子を一切見せず、最後までやりとおした。

雨中の合戦としては最後の日、勝四郎の木村功は憧憬の的久蔵の死を見て狂ったように叫ぶ。
「野武士はもうおらん!」という勘兵衛の声に座り込んで号泣する。
木村さん、監督の「カット、OK」の声が掛かっても泣き止まずしゃくりあげていた。

やっとこの辛い雨中の合戦の撮影も終わったのだ、私たちも泣きたかった。

この野上さんの1行でどんなに大変な撮影だったか分かろうというもの。

全スタッフが全力を振り絞って1年近くかけて完成したという。

死んだ4人の墓には4本の刀が、墓標代わりに立てられて。とても印象的なシーンで。
勘兵衛の言葉「勝ったのは我々ではない。農民たちだ」

録画はまだ残してあるから、今後も観るだろうな。
そして、志村さん主演の『生きる』も機会を見つけて鑑賞することにしよう。

おまけのエピソード

仲代達矢の黒澤映画初出演は、俳優座養成所時代のオーデションで選ばれた「七人の侍」の
歩く役。ただ人混みの中を歩く役。それなのになかなかOKが出ず、三船さん志村さん300人もの
役者スタッフを待たせて午前中から午後の3時までかかったそうだ。
それなのに、いざ封切りになって映画館に飛んで行ってみると、名前はおろか、5秒どころか
上半身が一瞬映っただけだったそうだ。あの日の屈辱感と辛さを思うとがっかりしたとある。

それがのちに、黒澤映画の堂々たる主役を何本も演じるようになるのだから、人生は何が起こるか
分からない、面白い。

 

映画『七人の侍』(1954)予告編

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TV ドキュメント72時間 

2024-01-31 09:08:16 | TV

この頃リアルタイムでテレビを観ないなあと思う。
明るいうちは夫が独占しているから、昼食夕食時はしかたなく一緒に観ているけど、
夜になれば、私はひとり録画しておいた番組をうとうとしながら見る。
録画しておけば、観たいときに繰り返し観られるし、途中停止もOKだからね。
そんなこんなでTV鑑賞はほぼ夜に録画で。

でもでも大相撲は、いくら何でも録画というわけにいかないからリアルで。
それも5時を過ぎて。

 何日目かしら、霧島対北勝富士の対戦、贔屓の行司木村容堂さんが対戦中にぶつかって
ひっくり返ったときにはびっくり。行司さんがひっくり返るなんて初めて見たわ。
そしてそして、ごめんなさい容堂さん、笑ってしまったの、もうおかしくて。
すぐに烏帽子をかぶり直し、草履をはいたお姿に、先ずはそこかって突っ込んだりして。
ま、そうしている間に勝負はつかなかったから事なきを得たけれど。まあ珍事よね。

もう一人行司木村庄太郎さん。
濃紺の装束に神奈川県の金色のマークが入っていたから、えっ?!と驚いて。
初めて拝見したからね、鶴見区出身だそうな。容堂さんの前に捌いているからそれからは
気を付けて見るようになったわ。

絶対に見逃さないようにしている大好きな番組が『ドキュメント72時間』もちろん録画。
1月5日放送は「別府”貸間”の人生物語」
別府にある“貸間”と呼ばれる宿を訪れる人たちの人生物語を聞いていく。
印象残った人たち、3組。

病気療養に訪れた50代のご夫婦。
奥様はもう手術はできないということで、抗がん剤を使用しながら温泉療養を。
湯めぐりもしてきたけれど、貸間で落ち着いて過ごすのが今は一番いいんですって。
奥様は「日常の生活がいい、特別なことはいらない」とおっしゃる。
ふたりで過ごす時間を大切に、一緒にいられる限り、なんて。

優しいご主人との淡々とした穏やかな会話が、かえって胸を締め付けられる。

60代前半の男性3人組は賑やか。中学校の同級生ですって。
おひとりの方が突然の心筋梗塞で、彼方に逝くところを助かったそうな。
風呂に入りながら「男3人というのが解せないなあ」と言っているから笑っちゃう。
でもでも湯につかりながら助かった男性が言うの。
「幸せ」って「今日を合わせて幸せ」って。深い言葉だ。
画面は外の景色、そこに「やっぱりいいな、男3人で入っていって」の声が。うふふ。

そして、まるで自宅のように生活感あふれている男性のお部屋。
「ついつい長逗留しました」ですって。99歳の男性、もう3年もこちらの貸間に。
老後を過ごすには快適な場所とおっしゃるの。
そうだろうな、私も自立していれば施設ではなくて貸間もいいかもしれない、と、
ちらっと思ったわ。頼めば食事も出してくれて、日課の温泉巡りをして日々を過ごす。
すべては自由、自分の気の向くまま、でも孤独に耐えて。
100歳まであと数日、お肌はつやつや足腰しっかりしていたけれど、ちょいお顔がさびしそうに
感じたのは、私の気のせいね。

この回、年末いつも選んでいるベストテンに入れよう。
あれあれ「NHKアカデミア」も書くつもりだったのに、すっかり長くなってしまったのでまたいつか。

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ヒューマニエンス 40億年のたくらみ ”整理整頓” それはヒトの本能なのか

2023-12-28 09:09:03 | TV

さてと、長い間ほったらかしておいた下書き。いい加減何とかしなくちゃと。
私が興味を持った部分を羅列しただけで、大雑把すぎるくらい大雑把にで
申し訳ないと思いつついちおうの区切りで。
8月8日放送、その後の再放送から。
「ヒューマニエンス 40億年のたくらみ ”整理整頓” それはヒトの本能なのか」
初めて観る番組で難しそうだなと敬遠してたがタイトルが”整理整頓”とくれば
整理好きの私としては見ておきたい、とそういうわけで、ね。
科学番組?だろうから研究の観点から項立てて話は進んでいくが、

〇整理整頓と脳の関係  思考の礎
ワーキングメモリが 脳の中の整理整頓を行うんですって。 
だけど私にとっては難しすぎるので省略。
〇生命の中に潜む整理整頓
細胞の中でも整理整頓が行われているそうだ。この話も私にとっては難しいので省略。

興味深かった個所を

〇十人十色の整理整頓

元新聞記者だった稲垣さんのお部屋。見事に何もない。
収納0の部屋を借りたから、自ずと物を整理したらこれだけの生活になったそうな。
冷暖房器具なしカーテンもないから陽の光は貴重どと。

 

で、番組は学者の研究室を見せてもらってクイズを出す。
「その部屋にある1冊の本を見つけてください」と。

 京都大学の松岡さんの研究室。
この乱雑な部屋からスタッフの言った本を14秒で見つける

松岡さんにとって整理整頓は「自分にとって居心地のいい配置」だそう。

 国立歴史民族博物館の松木さん。
本であふれた研究室からやはり14秒で指定された書物を見つけてきた。

松木流整理整頓 「部屋は私の脳の繫栄だ」そう。

 大阪大学の近藤さん 
本も少なく整理整頓されている。がスタッフの指定した書類は見つけられずギブアップ。
その書類の内容は本に書かれているから必要なかったんですって。そうすると忘れる。

近藤流整理整頓は 「必要なものだけ身近に」

整理整頓はまさに生き様を反映させているって。そう言われるとね、ちょっとと思ってしまう。

で「整理整頓」というが「整理」と「整頓」少し意味合いが違うと。

整理整頓はいつから始まったか
〇定住とともに始まった
旧石器時代は狩猟生活であちらこちら移動していくから、現代ほど整理整頓の認識は
なかった。それがおよそ1万年前 農耕と定住の生活になってくると整理整頓が始まったと。
集団が形成されると、社会のメンバーが共有し、生活世界の秩序を作る意味での整理整頓が
絶対に必要になってくる、って納得できるわ。
稲垣さんの言う 定住→所有の秩序→ルール→整理整頓 となるわけね

〇整理整頓が難しい理由

片付けようとするものには大切な思い出が結びついている。
物の片づけとは心の整理、いちばん執着しているのは私に執着しているから、
何処かで手放すプロセスが「片付ける」という心理学的な意味としてある。

私があまり躊躇なくものを捨てることができるのは、過去の思い出が薄いからかしらね。

整理整頓と脳の使い方の関係を見ると、
過集中しないと整理整頓は本来できにくく、脳全体が活性化した状態を作り出さない
と整理整頓はしにくいそうだ。

空間の状況を把握ーいるいらないの判断-筋肉に命令ー一時記憶
脳のあらゆる場所を使うのが整理整頓。

そのように言われると、普段何気なくしている整理整頓ってずいぶん頭使うのね。

で、話は
〇整理整頓を放棄していい時代 に移って。

スマホとかパソコンとか外部記憶でいいよ、となると整理整頓しなくていい、
整理整頓を放棄する時代がスタートしたんじゃないか、と。

私はすぐに「おもいでばこ」が浮かんだ。
保存した写真・動画は「おもいでばこ」が自動整理。保存や整理に悩みません
という「おもいでばこ」
今までパソコンに写真・動画を保存してきた方も簡単に「おもいでばこ」へ。
といううたい文句の「おもいでばこ」
実際使っている方はその便利さを強調する。両親の紙のアルバムがたまって
整理や処分に困る、なんてことはなくなるのね。

外部記憶装置で膨大なメモリを獲得できれば、人間の限りある中で整理整頓しない
と生きていけなかった時代から外部記憶装置でよければ整理しなくて済む時代へと。
ともかくコンピューターに入れてしまえば整理整頓の必要がなく、必要に応じて
取り出せばよい。

私が生きている時代は、まだまだ整理整頓に明け暮れる時代でいいわ。

織田さんは言う。

「ごちゃごちゃに見えるかもしれないが、自分の中では全部把握している。
何が必要で何が不必要なのかを日々問われているのが整理」

稲垣さんは言う。
「過去の自分に1回区切るをつけて、将来自分がどうしたいかというのを
選び取る第一歩が整理整頓」

そうね、確かに藤井アナの言うまさに「人それぞれの生き方の選択」ね。
ともかく面白い番組でした。

 

 

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その場所を飛び出して

2023-09-28 08:58:41 | TV

 昨夕

日曜の夜は、スマホアプリのradikoで『ShinTsuyo POWER SPLASH』を聴いている。
草彅剛さんと香取慎吾君がパーソナリティーを務めるラジオ番組ね。
1995年開始というからもう長いのよ、私もそこらあたりからそこそこ長く聴いているの。
いやいや20代SMAP時代のキラキラしているときだったからね。話がお笑いもので爆笑。

先週だったかしら、剛君が、
「俺今が一番頭がよくなった。台本もすぐ覚えられるし、受け答えもしっかりしているし」
なんて言い出すから、慎吾君じゃないが私もえっ?と笑ってしまった。
そうよ、40代あたりまでの剛君は即興の類はひどくてハラハラドキドキもんだったわ。
何言いだすか分からない、聞かれていることへの答えは全然かみ合あわないし。
観ている私は愚息を持つ親の心境だったね。
今はこんなたわいもない話で二人は盛り上がっているが、J事務所を飛び出した当初は
それはそれはひどかった、声が暗かった。番組中に何度も「何話そうか」なんて。
「ぷっすま」はじめ、TVのレギュラー番組やCMなんかほぼ全部なくなっていたからね。
仕事の話なんかとてもできなかったのだろう。

 

そんな逆風吹き荒れていた中でも続けてくれたbayfm。だけど。
番組の中でもSMAPのスの字も口に出さないし、中居木村の名前ももちろん言わない。
第一、SMAP時代の曲がかからない。曲名だってあの歌、あの歌詞で通しているからね。
いかに事務所の圧力が強かったことか。

それでも「新しい地図」として活動をはじめ、AbemaTVやYouTubeで活路を見出して。
チケットの神様がいたおかげで観劇できた草彅さんの舞台『バリーターク』

 (ネット拝借)

男二人が壁に囲まれた部屋で同じことを毎日繰り返す、それはそれで居心地がいいのだが。
ついに男一人がその部屋を飛び出そうとする。
「向こうに違う世界があると分かっていてなぜ飛び出さない」(そんな意味)
もう当時の剛君とぴったり重なって。難解な劇だったけどとても印象的だったのよ。
そうやって少しづつ仕事が増えていって。
剛君は、映画『ミッドナイトスワン』では日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞する。
映画は今も上映が続けられて、公開から4年目にはいっているとのこと。

地上波TVでも3人はEテレでレギュラー番組を持つことができるようになり、ここまで
来るのに6年かかったけれど、それぞれが自分の場所を作ることができてほんとによかった。
男40代、人生の転機をどう攻めていくかの一つを示してくれた生き方だったわね。
剛君、10月からの朝ドラに出るんだ。朝ドラ、今まで観たことないからなあ、録画だな。
そして、舞台『シラの恋文』が待っている。
東京だからなと躊躇していたが、ポスターのこの表情を観たらだめだ、チケット取りに参戦する。

 

剛君は実にポジティブな考え方をするのよ。
「寝れば何とかなる」って。これがポジティブかって聞かれても困るけど。

来年5月には映画『碁盤斬り』も公開されるから、楽しみに待つことにしよう。

 
 
 

 

 

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昭和歌謡な夜

2023-03-19 08:31:41 | TV

昨日1日中降り続いた雨は止んで、今朝はスッキリと広がった青空。
やっぱり気持ちがいいわ。
1日中一歩も外に出ず引きこもっていたからね、もう何もかも腐ってしまったね。

で、下の記事は昨日のブログの前振りで書いていたもの。
いつものようにずらずら書いていたら、あらまいけないわ、またもや長くなってしまった。
いくらなんでもな、と今日、もう少し付け加えてアップした次第でして。

昨夜は(って、一昨日の金曜日の夜)TVで昭和歌謡三昧。
「ざわつく金曜日」40代~60代の卒業ソング1位を当ててはいけません。
いつもは観ないけれど「1位を当ててはいけません」だけは観る。
7位が♪仰げば尊し。
若い時は♪仰げば尊しなんて思っていたけれど、ドラマ「僕の生きる道」で、
余命いくばくもない高校教師の中村先生の教え子たちが、病室の外で感謝の意を込めて
♪仰げば尊しを歌うの。病室の秀雄先生に届くようにって。この場面を観て初めて、
高校生なら恩師と思える先生に出会ったら歌いたくなる卒業ソングだなと。
タイトルが出て、かぶせるように曲が流れてきて、それだけで毎回胸が詰まってきて。
うーん、今思い出しても泣けるいいドラマだったわ。もちろん草彅剛さんドラマ。
ちなみに1位は♪卒業写真 



その後はタイトルは忘れたけれど武田鉄矢さんの司会の番組。
途中から観たのでよく分からないけれど、なにしろ春日八郎さんの♪山の吊橋が聴けて
嬉しかったのなんの。子どもの頃から春日さんの歌、大好きだったの。甲高い声の出だし、

♪山の吊橋ァ どなたが通る~ せがれなくした鉄砲うちが 話相手の 犬つれて 
熊のおやじを みやげにすると 鉄砲ひとなで して通る ホレユーラユラ

春日さんの艶のある歌声とともに情景が浮かんでくるのよ。

で、次に録画しておいた「TheCovers ザ・昭和歌謡ナイト」
誰かが誰かの曲をカバーして歌うってあまり好きじゃないけれど、昭和歌謡ナイトと
あったからにはいちおう録画よ。

ゲストは宮本浩次さん。
もうこのへんの歌手になると、どなたかさっぱり分からない。
彼がカバーした3曲は♪飾りじゃないのよ涙は ♪まちぶせ ♪恋に落ちて‐Fall-in-love
全部好きな曲。

画面観ないで聴いていたらけっこう魅かれていって。悪くないなって。
それにしても、ユーミン作詞作曲の♪まちぶせって結構怖い歌なのね。

やっぱり昭和歌謡っていいなあとしみじみ。齢だね。
一昨日の夜は、頭痛くなるくらいテレビを観てたわ。
って昨夜は安井かずみ特集があったから、またもや録画しておいたりして。

 

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街角ピアノ 「旭川」

2022-11-07 08:58:07 | TV

今朝は3時半ころ目が覚めて。
しばらくもそもそしていたが眠れそうにもないので「トイレにでも行ってくるか」と。
パソコン部屋が明るい。あれっ、とガラス戸から外を見たら月が林に沈むところだった。
少しだけ欠けている月、きれいだった。トイレ行きもまんざらではなかったわ。

録画した3日の『街角ピアノ「旭川」』を観ている。好きな番組だけれど、放映時間がつか
めないから番組表を見て気が付いたら録画しておくだけで。
ノーナレーションと定点カメラで演奏者を見つめるだけ、後は演奏者の話。
それが静かで心地よい。

ピアノが置かれた旭川駅が素敵で、今すぐにでも行ってみたいなと思ったくらい。
広い駅舎、高い天井、広々した木の床。窓際に沿った木のベンチ、数々のテーブル。
そこで勉強する女子高生、お弁当食べているご夫婦。
「人にやさしい駅舎」のコンセプトそのものそのもの。
南口を出れば東京ドーム2、5倍もある庭園、北口は冬はスケートリンクができるとのこと。
晴れた日に庭園を散策したらいいだろうなあ羨ましいなあ、と。

2011年に完成した新駅舎は、数多くの建築賞を受賞しているんですって。
設計者の内藤廣さんは「これだけの空間密度を持った駅舎は、世界的にみても例がない」
と述べているそうな。ちなみに内藤さん、みなとみらい線「馬車道駅」も設計しているのね。

♪フォレスガンプを弾いていた64歳の電気設備士の男性は、2番目3番目というのが好き
なんですって。旭川はそれにぴったりなんですって。で、定年後は家族で移住したそうな。

今回は男性が多かったように思う。
友人の前で初めて腕前を披露して、腕前を褒められて照れている高校生。
反対にピアノを見つけたら弾かずにはいられないという部活帰りの高校生。
ふたりともピアノを弾くのが楽しくてたまらないというのが見て取れるのよ。

61歳の行政書士の男性。自転車で25キロ走る、街を走る、川沿いを走る、林を走る。
駅はちょうど折り返し地点だから、ピアノを弾いて帰る。ピアノは独学ですって。

独学の男性はもうおひと方いた。71歳。
定年後、保育士の免許を取り、毎日のように駅に着て弾いて行くとのこと。
独学でピアノ演奏ができるようになるってすごいことだ。もうただただ感心するの。

そんな人生を選んだのかと、転機になった動機は何かと惹きつけられた女性お二方。
ドラマロンバケの曲を弾いていた還暦を迎えた女性。
写真を撮るために夫と息子を残して逆単身赴任で。
好きなことができるのも元気なうち、と送り出してもらったそう。
普遍的な写真を撮りたいんですって。よくきっぱり自分の人生を選び取ったなと。

もうおひとりは41歳で幼稚園教諭からスナック経営に転職した女性。
まるで180度違う転職だ、子供相手から大人相手、昼から夜へのお仕事。
何がきっかけだったんだろう、申し訳ないけれどいろいろと想像したりして。

ほんとにかわいかったのが小4の弟と小6のお姉ちゃんの連弾。
弟が茶目っ気があるのよ、カメラに顔をうんと近づけたりして。
弟「ひとりだと心細いけど、連弾だとお姉ちゃんと一緒で安心する」んですって。
仲がいいのね、お姉ちゃん大好きなんですって。微笑ましい。
いくつまでそう言っているかな、うふふよ。

旭川の街角ピアノは、上手い人だけでなく個性豊かな方たちが思い思いに演奏していて
とても楽しかったし心温まった。
ちなみに、私は音楽も全くダメで楽譜も読めません、ましてピアノなんかとてもとても。
クラシック音楽になると居眠りするくらいで、はい。

 

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