曇り、18度、94%
香港のローカルフードのおかゆは、日本のおかゆとはちょっと違います。日本だとおかゆというと、病人食だとか、お腹が重い時の一口的なイメージです。ところが香港のおかゆは、その一品で充分にお腹が一杯。しかも、しっかりとした味が付いています。合わせるものも、ブタの内蔵から生魚の薄切りまで。お好みで幾種類も取り合わせることが出来ます。おかゆは上等なレストランで食べるのではなく、町中の小さな店で、背もたれのない椅子に座って、小さなテーブルで知らない香港人と肘を付き合わせるようにして食べるのも醍醐味です。香港人が、テーブルの上に出す魚の骨もなんのその、おかゆに憑かれた人はそう言います。私は香港のおかゆが大好きです。ところがこんなに長く香港にいるのに、主人の大の苦手はおかゆです。日本のおかゆのようにサラサラしていませんし、時には運んでくる人の指がおかゆスレスレなんてこともあります。そんなわけで、お粥を食べにいくのは主人が出張中と決まっています。
昨日は、七草がゆ。香港に七草がゆを食べる習慣はありません。もちろん、歌の文句の七草も全部は見つけられないでしょう。市場で、七つ葉っぱを集めてみました。 左上はから時計回りに、菜心の子供(アブラナの新芽)、豆苗(エンドウの新葉)、唐白菜の子供、横長に芹、小ネギ、我が家で摘んだルッコラ、チンゲンサイの子供。苦労して集めた七草です。出来るだけ灰汁が出ない野菜の子供を選びました。中華風のお粥を作るのは難しいので、日本風のサラサラおかゆです。芹の香りが体をシャッキとしてくれるようです。
七草セットのようなものがスーパーで売られるようになったのは、まだ、私たちが日本にいた頃です。30年ほど前からだと思います。子供の頃は、母に連れられて、七草を摘みに出かけました。寒くて、田んぼの縁なんて歩くのも嫌。帰ってくれば、例の七草の歌を歌わされます。それでも、母になった私は、やはり息子の手を引いて多摩川の土手で、それらしき七草を摘み、まな板に向かって大声で七草の歌を歌いながら、菜っ葉を刻みました。今ほど飽食でなかった昔の人は、胃を休めるための七草がゆではなく、やはり、一年の無病息災を願っての食べ物ではなかったのでしょうか。日本の出張から戻って来た主人、この七草がゆは喜んで食べました。
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