曇、14度、96%
能登半島地震から2ヶ月が経とうとしています。道の分断などで復旧が遅々として進まないと報じられます。輪島塗の産地、輪島市も大きな被害を受けた様子です。日本の工芸品を作り続けて来た塗りの工房も多く被災しています。輪島塗りに携わる方達も仕事の再開を進めていると聞きました。
日本に帰国して求めた塗りの椀が2客あります。この椀は輪島の「赤木明登」さんに作っていただきました。お椀は十分持っています。ただ「赤木明登」さんの作品を予々一つは使ってみたいと思っていました。運良く機会に恵まれて、お願いして半年待ちました。主人と私のご飯椀として使うつもりで頼みました。
薄く挽かれた椀の丸みは手に収まりよく、私の持つ椀の中でも軽いものの一つです。塗りの艶の良さは輪島ならではと感心します。黒を選んだのはご飯の白が映えるからです。汁椀よりご飯にと手に取った瞬間思いました。
能登半島地震後、この椀を手にする度に「赤木明登」さんのことが気になります。ご無事だろうか?お仕事場はどうだろうか?数日前、テレビのニュースで輪島塗のある工房が金沢市に居を移して仕事再開に向けていると流れました。テレビの映像に映っていたのは塗師「赤木明登」さんご本人でした。ご無事な事に喜び、英断なさった事に感心しました。一時的な転居だそうです。
被災なさった方々、ご家族を亡くされた方々、いまだにライフラインが復旧しない地域の方々、心労、疲労が募っていることと察します。春に向けて明るい知らせが能登の町々で聞けることを願います。
塗りの椀は温かです。保温性だけではありません。幾重にも塗られた人の手の温もりを感じます。お椀一つから遠く能登の被災地を思いました。
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