
晴れ、20度、66%
まだ明けきらぬ早朝、「大濠公園」を目指して走ります。帰国して以来の変わらぬコースです。住宅街を抜けて平坦な道ばかりのコースです。周囲2キロの「大濠公園」を一周して帰路につきます。歩く人、走る人、犬の散歩をする人が一日中絶えない「大濠公園」です。
公園の景色は昼間でも空間が広く美しいものです。暗いうちは近隣の街灯やビルの灯りが水面に映ります。これまた美しい。見出し写真は2日前の9月30日の朝のものです。空には中秋の満月があります。月明かりが水面を照らし、中之島を隔てて見えるビルの明かりが鏡のように写り込んでいます。この景色を見る度に心の中で「The大濠公園」と呟きます。
帰国前、香港で20年走った道も高層ビル街の間から「ビクトリア湾」を望み、小高い小さな森のような道を走り抜けていました。「ボーエンロード」です。この景色も素晴らしかった。そして高層ビルの上に浮かぶ月がいつも一緒に走ってくれました。「ボーエンロード」では野良猫をはじめタヌキ、ヤマアラシ、イノシシ、蛇、大きなトカゲ、ハクビシンなどなどたくさんの動物に会いました。夜行性の動物たちです。
帰国後「大濠公園」をコースに決めた時その道道の風景の乏しさにがっかりでした。距離も短くなりました。でも「大濠公園」」の空間に入ると心まで開けます。この「The大濠公園」の景色見たさに走り続けています。そしてここでも夜行性の動物に出会します。イタチ、アライグマ、時にはカメが道を横断しています。
まる6年、毎朝挨拶を交わす方達もできました。朝は何故か皆さん定刻で出てみえるようです。香港でも同じです。夕方と違って時刻に縛りがありません。朝はいつも同じ顔ぶれでした。
月は変化します。見えない日もあります。「The大濠公園」は満月が最高です。一年に12回、この景色を待ちます。この「The大濠公園」の景色がなかったら走るのを止めていたかもしれないと思います。この景色に支えられ毎朝心も体も整います。心の中の重たいものも、走りながら咀嚼します。走る時間は心の整理の時間でもあります。以前のように早くは走れません。1日でも長く「The大濠公園」を目指し走りたいと思っています。いい眺めです。
真奈さんが、一日でも長く走れますよう願っています。
お近くにお住まいでもこの時間の景色はなかなかご覧になれないかもですね。
夜ともまた違います。
一日でも長く、無理をしないように楽しみます。