曇、10度、78%
帰国して以来、鶏一羽を売っているお店を探しました。長いこと鶏一羽売っているのが当たり前のところに住んでいました。有名な北京ダックに始まって鴨もアヒルも鳩も雀も一羽でローストされてテーブルに上ります。家庭でも鶏一羽を使ってスープを取ります。食文化の違いです。その上、香港の我が家の周辺は西洋人も多くローストチキンのお店もたくさんありました。
お店のローストチキンもたくさん食べました。主人と私、モモさんで食べるには一羽では足りません。一羽と半分がちょうどの量でした。買って来たローストチキンは手間要らずでいいのですが、残念なことが一つ、皮のパリパリ感がなくなります。湿ってペッショリした皮は美味しさ半減です。焼いた後のオーブンの掃除を入れてもお家で焼いたローストチキンの美味しさには敵いません。ローストチキンが食べたくなりました。デパートの鶏やさんに頼もうかと思いましたが、我が家から歩いて行けるところに小さな鶏屋さんを見つけました。
70代のおじさんとおばさんがやっている小さなお店です。おばさんが鶏の唐揚げやお惣菜を作っています。おじさんはのんびりと鶏を捌いています。夕方の散歩の時に立ち寄りました。翌日は無理、2日後に丸のまま取り置いてくれることになりました。約束の時間に行くと、綺麗にドレッシングされた鶏が用意されていました。香港ではいつもオランダからの冷凍物を使っていました。久しぶりのローストチキンです。
今回は詰め物なしで焼きました。オーブンの中でパンパンに膨れて行くチキンです。ココさんは初めてのローストチキン。オーブンから出して一息置いて、カービングナイフを入れました。透明な焼き汁が流れ出ます。もちろん皮はパリパリ。腿を一本。もう一本。手羽肉を2つ。私とココさんで食べています。ココさんは落ち着かずにテーブルの周りを回ります。背骨に沿ってナイフを入れました。パサつきがちな胸肉もほのかな甘みを持っています。胸肉の下には大きなささみが。腿肉のジューシなこと、冷凍物では味わえない美味しさです。美味しかった。
この鶏屋さんの周辺には地元の魚しか扱わない小さなお魚屋さん、八百屋さんが一軒、駄菓子屋さんがあるだけです。ローストチキンを焼いた翌日、美味しかったと伝えるために鶏屋さんへ寄りました。ちょうどお店を閉めるところでした。 おじさんもおばさんも喜んでくれました。このお店が続く限り、鶏肉はここでもらおうと決めました。日本に帰って初のローストチキン、ココさん初のローストチキン、我が家のオーブン初焼きのローストチキンでした。