小雨、22度、84%
長く私のブログを読んでくださっている方は、覚えていてくださると思いますが、2年程前、実家の整理をしていた私が、母が誂えた沢山の帽子に憤って、恥ずかしいとまでブログに書きました。そしてもちろん、全部捨ててしまいました。ジパンシーの服に合わせて誂えたと思われる帽子は、幾つあったでしょうか。ちょうど片付けの手伝いに来てくれていた息子のお嫁さんに、好きなのがあったら持って行ってと言いました。細い面の彼女なら似合いそうに思ったからです。ところが、少しきついと彼女が言います。母は頭の小さい人でした。そこで初めて、私が被ってみました。なんと母が誂えた帽子は、私にはぴったりでした。要するに、私も頭が小さいのです。ピッタリ納まっても、嫌いなものは要りません。
私も実は帽子が好きです。息子が小さいとき、銀座を歩いていて目に留まった大きなつばの黄色い帽子、セールかなにかでお安かったので買いました。お店の人に頼んでトラヤの黄色と黒の帽子箱に入れてもらいました。ストローハットで、リボンの色がピンクとブルーでした。香港にも連れて来ました。結局、欲しいという方がいて箱ごと差し上げました。今はもうないそうですが、その方にお会いする度、その帽子の話が出ます。
主人は、私がつばの広い帽子を被るのを好みません。そればかりか、だんだん帽子を被るのが私自身億劫になって来ました。それもここ香港の湿度の高さです。帽子を被っていると、頭の中が蒸れてしまいます。そういえば、香港人、あまり帽子を被りません。夏の日差しは、沖縄より南ですから強いはずです。被らないけど、いいなと思う帽子には目がいきます。
帽子も好きですが、実はあの丸い帽子箱がもっと好きです。見出し写真の帽子箱、20年以上前に香港のレンクロフォードのバーゲンで買いました。もちろん箱だけです。色が褪めて来ましたが、なんともいえない朱色でした。そして、母が持っていた帽子箱より遥かに丈夫に出来ています。裏を見るとかすれていますが、フランスのものです。
被りはしませんが、時々帽子も買います。 マルニのストローハットです。マネキンが被っていて、売り物ではありませんと言われましたが、幾度もお願いして売ってもらいました。ちょいと、私には大きい帽子です。
これも、レンクロフォードのバーゲンで買ったウールが入ったつばのある帽子です。色が好きで買ったのですが、私の服はほとんど黒か紺、この焦げ茶の地の帽子はなかなか被る機会に恵まれません。
つばのある帽子より、クチャッと畳める布の帽子の方が持ち運びにも便利です。それにストローハットは、雨に濡れるとぺしゃんこになります。私など、雨が降り出したら大事に抱えて帰る程です。
これからの寒い季節、若い人にも人気のニットキャップ、小さい時のようにボンボンの付いたニットキャップをまたいつか被ってみたいと思います。丸い帽子箱、たまにしか開けませんが、宝箱のような気がします。