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チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

ドゥミグラスソースを作る

2013年12月19日 | 料理

曇り、10度、74%

 寒くなると、シチューのような煮込んだ食べ物が欲しくなります。日本にいた頃は、アラジンのストーブの上ではいつも何かがコトコトと煮えていました。小豆のことだってああります。大きなブタの塊の時だってあります。ストーブの火があって、お鍋からの美味しい匂いは、私にとって冬の楽しみでした。ここ香港では、寒い数日間だけ、オイルヒーターを入れます。残念なことに、お湯すら沸かせないオイルヒーターです。

 シチューを作るとき、お水だけでコトコトと煮たポトフも美味しいものですが、ドゥミグラスソースを使ったシチューは滑らかなソースがとても贅沢な気持ちにしてくれます。ドゥミグラスソースは、缶詰のものもありますが、家で作ったものはやはりひと味違うように思います。これまた、コトコト煮込むだけですから、思うより簡単に出来ます。冷凍庫の余裕が出来ると、時間を見て作り置きします。

 牛すじ肉 450g、鶏ガラ 一羽分、タマネギ 1個、人参 1本、ニンニク ひとかけ。まずは、これらをよく油で炒めます。出て来た鶏やすじ肉の脂を落として、小麦粉を大さじ5杯ふり入れて、炒め続けます。気長に炒めてください。小麦が、ブラウンになるくらいまで炒めたら、カップ12杯の水とストックのキューブを入れて、5、6時間煮込みます。 途中火を止めても、全体で5、6時間を目安にします。ここで漉すのですが、シノワといわれるザルで、ピストーを使って潰しながら漉すのがいいようですが、これは時間と手間がかかります。私は手抜きで、別の鍋の上に普通のザルを置き漉します。ほっとけばいいので、とても楽です。具材とソースが別々になると、ソースを一煮立ちさせて、周囲に浮く脂を丁寧に取り除きます。出来たソースは、 ジップロックに入れて、冷凍庫で二ヶ月は持ちます。この用意ができると、いつでも、気が向いた時のシチューが作れます。この、ドゥミグラスソースのレシピは、今はもうお亡くなりになった帝国ホテルの村上信夫さんが家庭用にアレンジして作ったものです。ホテルの厨房では丸1週間に込むのだとか。私は、ドゥミグラスソースを作るとき、ホテルの厨房の様子を想像します。1週間昼夜を通して煮続けられるソースの香りや色つやは、やはりプロならではのものでしょう。私が、このレシピで作りはじめて30年、最初は、ドタバタでしたが、分量も空で言える頃になると手抜きも覚えます。

 私は、このドゥミグラスソースで、主に牛タンやテールのシチューを作ります。ベルベットのように滑らかなドゥミグラスソースは格別です。

 ソースと別にした野菜や牛のすじ肉は、 赤ワインを少し加えて温めます。もう美味しいところが抜け切ったお肉ですが、とても柔らかです。こんな残り物、もちろん私ひとりのお昼ご飯です。


チキンパイとパイバード

2013年12月02日 | 料理

晴れ、13度、52%

 オーブンを使う料理もお鍋料理のように、何故だか寒くなると頻繁に作ります。オーブンの熱で部屋も暖まります。ゆっくりと匂ってくる料理に、まだかな?といい具合にお腹もすいてきます。

 クラブトリーエヴァリンの料理の本からいただいたこのチキンパイのレシピ、もう20年もの私のレパートリーです。イギリス料理です。そういえばここ香港、私が来た当時はまだイギリス領、そのせいもあってか、小さなパン屋や駅の売店にもチキンパイというのが売られていました。タルトレットの大きさです。5センチほどの小さなパイ、あの頃はまだラードをたくさん使ってお菓子を作っていた香港です、そのパイ地はサクッと崩れ、中にクリームチキンはやや中華風なお味でした。

 我が家のチキンパイはチキンとリーク、マッシュルームとグリーンピースが入っています。クリームソースは、チキンを炒めた後の脂を使いますので、しっかりとした味になります。チキンを炒めてでる脂で、ホワイトソースを作ります。ゆるめのホワイトソースで、最後に生クリームを入れます。

 人数に合わせて作る量を変えるので、はっきりした量はいえません。今回は、丸形で2人分。オーバルのパイ皿なら5人分ほど作れます。パイ地を上にかぶせて焼くチキンパイ、パイ地はラードの方が確かに扱い易いのですが、バターで作ります。 パイを焼くときは、パイ地に穴をあけてやらないと、爆発する恐れがあります。アルミホイルで煙突を作ってもいいのですが、 我が家はこのパイバ−ドさんに登場願います。鳥の形だけでなく、像の形のパイ用の空気抜きを見たことがあります。探しますが、まだ出会えません。パイバードをパイ地の真ん中に  刺してオーブンへ。口から下は空洞です。ガスをはいているところは見たことがありませんが、口元にクリームソースが付いているところを見ると、仕事をちゃんとこなしているようです。

 チキンパイを焼く度に、このパイを囲んで食べた若い友人を思い出します。まだ、パイバードがやって来る前のことです。彼女がとても喜んで食べてくれました。今は女の子のお母さんになっています。懐かしい笑顔が浮かびます。

 パイバード、アップルパイなどにも使えるのですが、我が家では決まってこのチキンパイのときだけしか使いません。チキンパイとコンビのパイバードです。


そうめんのカルボナーラ風カラスミ和え

2013年11月28日 | 料理

雨、13度、95%

 香港で売られている「揖保の糸」のそうめんがとても高くなりました。頂き物の島原のそうめんは、どうも主人の口に合いません。そこで、帰国のついでに、少しずつ買い求めてきました。日本のスーパーなら、時折安くもなっています。我が家の夕飯は、締めにご飯より麺類を多く食べます。夏場に限らず、「揖保の糸」は活躍します。先日主人が、このそうめんは古い、とおっしゃいます。賞味期限、2015年、古くはないけど高温多湿の香港で一夏越すと、痛みが出ることもあります。そこで、残りの「揖保の糸」、私がお昼に食べ上げることにしました。

 そうめんをおつゆにつけて、ツルツルなんていうのでは、お腹持ちがよくありません。それに少し香港も寒くなってきました。暖かいそうめんを食べたいなと思います。冷蔵庫を見ると、頂き物のカラスミが残っています。私の大好物のカラスミですが、塩分が高いので、主人にはあげません。そこで思いついたのが、このそうめんメニュー。

 いたって簡単ですが、そうめんは2分ほどで湯で上がりますので、時間勝負。湯で上がったら、生卵、カラスミのすりおろしがスタンバイしてなくてはなりません。 なにぶんにも香港ですから、生卵は怖い。少しでも火を通したいのです。湯でたそうめんの水をしっかりときって、鍋に戻し、生卵をあえます。卵に火が通るぐらい、モロモロッとして来たら、摺り下ろしていたカラスミの半分と小ネギのみじん切りを混ぜます。残りのカラスミをふりかけて、おしまい。

 カラスミ半身の半分を使いました。 あー美味しい。こうした残り物、試作品は昼食時に限ります。たとえ、ちょっと変というのが出来上がっても、食べるのは私ひとりです。このカラスミ和え、コレステロール、血圧の高い方にはお勧め出来ません。さあ、今日もお昼はそうめんです。


しめさばのサワークリーム和え

2013年10月29日 | 料理

晴れ、22度、83%

 ベットで新聞を読んでいた主人が、これを作ってくれ、とおっしゃいます。何何?しめさばは普通わさびと醤油で食べるもの、ちょっと目先の変わった食べ方が紹介されています。ざっと読むとしめさばを買って来て和えるだけでいいようです。こんな簡単な料理はありません。

 しめさば、はここ香港でも随分以前から日系のスーパーに行けば必ず手に入るものです。ピタットした真空パックに入っています。お値段もさして高くはありません。見つけたしめさば、 「とろしめさば」と書かれています。身も厚くこれなら食べ応えがありそうです。お値段も普通のものの倍近くします。塩で締め、酢で締めるしめさば、作ると解りますが、生のときよりやや小さくなります。この大きさのしめさばなら、きっとかなり大きなサバだったに違いありません。香港でも生のサバはありますが、脂が抜けてパサパサです、春先にでる小サバだけは、風味もよく南蛮漬けでいただきます。日本の魚やさんの店先に並んだ大きなサバは、私の目には、宝石よりも魅力的です。

 サワークリーム和えは、サワークリームに生クリーム、マヨネーズ、レモンとディルで臭みを消し和えるだけです。香港のサワークリームはややかため、和え易いようにクリームやマヨネーズでのばします。新聞には、普通のしめさばで、大さじ2杯のサワークリームと書かれていましたが、この辺りはサバの大きさ、好みで加減します。レモンをまぶしたしめさばの削ぎ切りを和えて、ディルを飾れば出来上がり。ディルはニュージーランドのものを買ってきましたが、香りが薄すぎました。 まあ、彩りで。

 新聞にはクラッカーにのせても美味しいとありますが、いえいえ、これはキリリと冷やした白ワインが一番合うかと思います。

 サワークリームは、我が家ではそんなに頻度の高い食品ではありません。ついつい、冷蔵庫の奥に忘れがちです。ディルも野菜の底に埋もれがち、そこで、翌日にはマッシュポテトを作って、微塵のディルとサワークリームで和えました。折角買った物ですから、主婦根性は使い切ります。


担々麺をつくる

2013年10月18日 | 料理

曇り、23度、72%

 香港は麺料理の宝庫です。その前に料理の宝庫です。地元の麺といったら、やっぱり雲呑麺、エビがプリッと入った大きな雲呑と硬めの細麺にエビのだしが効いたスープ、こんなに美味しいものがあるかと思うほどです。牛肉のあばら肉を柔らかく炊いてのせる麺もあります。お腹がすいている時は、しっかり満足出来るものです。そのうえ、世界の麺が好きな香港人、ちょっと前まではベトナムのホー麺が流行っていましたね。と言っても一番の成長株は日本のラーメンです。昼時、行列ができている店は決まって日本のラーメンやさんです。なんといっても、香港人、出前一丁のインスタントラーメンですら外食します。うどんだって、中華風にアレンジして食べますし、マカロニなんか朝食メニューに必ず載っているほどです。

 四川料理の担々麺、四川料理のレストランに行けばあるのでしょうが、10年ほど前まではこの担々麺が流行でした。その頃は、ちょいと麺だけ食べに行けたものです。本来は担ぐ屋台で始まったといわれる担々麺です。つまり和え麺が初まりだそうです。食べたい食べたい気持ちが募っているところに、知人が、美味しそうな担々麺をアップしています。彼女の作り方を基準に、香港で調達出来るものでつくることにしました。

  市場の麺屋さんで、担々麺というと出てきました。カンスイが入っていない白い麺です。家族経営で自分のところで麺をつくっているこの店、一体、何種類の麺があることやら?当然、お店にも下ろしています。

  ざっと、調味料。ブタのひき肉をトーバンジャンと甘味噌で炒めました。彼女が教えてくれたのは韓国のコンチュジャンでした。ネギやしょうが、店によってはザーサイのみじん切りも一緒に炒めます。スープは、もちろん先日の北京ダックから取ったスープです。匂いが気になるので、長ネギの青いところを入れて一煮立ち。お味はまろやかです。普通はごまペーストを使うところを、ピーナツペースト(左端)を使ってみました。

ペーストと炒めたひき肉を合わせたところに、少しずつスープを入れて伸ばします。最後はラー油を一杯垂らします。麺の茹で時間なんて教えてくれませんから適当です。お椀に、麺を入れ、スープを注いでひき肉をのせます。ここでまたラー油を。

 やっぱりごまのペーストの方が、香りが高いと思います。次回はごまで挑戦。くれぐれも、スープもお椀も熱々で。 スープの冷めたような汁麺だけはいただけません。おいしかった。


北京ダックのおまけ

2013年10月14日 | 料理

曇り、25度、76%

 香港で食べる北京ダック、うまくいいお店に当たると、本場の北京よりも美味しい北京ダックが食べられます。我が家だって、いつもいつもこんなご馳走をいただいているわけではありません。お客様、しかも1羽丸々いただきますから、大勢に限ります。

 和食は、動物性の脂を落としてうまみを出すわけですが、中華はギリギリにところでその脂のうまみを食します。香ばしい皮の下の脂は、パリッとした皮の感触とじわっとした脂の食感が絶妙なコンビです。  薄く切り分けられた皮と身をクレープのような生地にキュウリと晒しネギ甘みそを包みいただきます。度々書きますが、私はこの切り身だけを赤ワインと一緒に食べます。何も付けません。そのままの味を楽しむわけです。口の中に拡がる、ダックの香ばしさと脂を赤ワインで飲み下します。いやはや至福の一瞬です。

 ところが北京ダック、テーブルに出されるのはそのほんの一部で、 このようにまだまだ身が一杯ついています。店によっては、新たに課金されて持ち帰ることが出来ます。折角のダックですから、きれいに食べ上げるべく持ち帰ります。

 今回も、香港の地元の方がご一緒でしたが、この骨でスープを取るのが普通のようです。と言っても、そう話してくださる方が、ご自分でスープを取ったとは思えません。何分にも、香港女性は料理を自宅でなさいませんから。ともあれ、まずは多すぎる脂は捨てるとして、ナイフなどは使わずに素手で、身を剥がしていきます。鶏のもも肉3枚ほどの身が取れます。先日は贅沢にも、これを私のお昼の炒飯にしました。今回は主人の希望で、野菜炒めに、 お野菜もたっぷり使いましたがかなりの量です。ダックの身は、やや赤く鶏とは違い歯にまとわりつくような感じです。

 今回はスープを取ってみました。 まだまだ脂身が付いていますから、日本の優れもの、脂やあくを取るシートをのっけています。このガラから、また小さなお椀1杯分の身が取れました。こちらはモモさんのお夕飯に。匂いが強いスープです。おそらく主人は受け付けないと思います。しょうがとお酒で匂いを緩和して、麺のスープにするつもりです。とことん使い切ってあげること、ダックさんへの感謝の気持ちです。


豆腐白玉

2013年09月12日 | 料理

晴れ,25度,東京

 あと一週間で,中秋節です。中秋節のお祭りは,香港にとっては大切なお休みです。満月を眺めるだけではありません。月餅やブランディーなどを贈答品としてお世話になった方達に送る習わしがあります。頂いた月餅やお酒を飲みながら,秋の夜長に満月を楽しみます。みんな夜遅くまで,月見をしますから,翌日は香港の休日です。香港に来た当初は,この休日の日が中秋節だと勘違いをしていました。休日が,中秋節の翌日だと気が付いたのは数年経ってからです。私のような人が多いからでしょうか,最近の暦には,中秋節翌日と書かれるようになりました。このお休みは,中国返還前から続いています。そして,中国本土は、平日で休みではありません。ずっと,香港だけが中秋節の翌日を休日にした理由を知りたいと思い続けています。

 日本人の私には,やはり月見団子です。あの満月のようにまん丸いお団子。まだ生まれたばかりの月の夜、私が作ったのは,豆腐白玉です。白玉粉を普通は水を使ってこねますが,豆腐をしっかりと練りこんで,豆腐の水分だけでこねます。お味は何も付けないまま,ゆで上がった豆腐白玉を,ほんのりと暖かいうちに辛子醤油で頂きます。辛子醤油をつけなくても,豆腐の甘みが香る団子です。

 中秋節,一番気になるのはお天気。どうか台風がきませんようにと、祈るこの一週間です。

 


MOMO ネパールの餃子

2013年08月30日 | 料理

雨、27度、90%

 MOMOという名前の餃子があります。形は、ショウロンポーみたいですが、皮はペタンとした餃子の皮です。生まれはネパール、シェルパ族のごちそう料理だそうです。この餃子の存在を知ったのは、ここ数年。我が家の下は、SOHOと呼ばれる一大レストラン街です。世界中の食べ物屋さんが集まっています。数年前に出来たネパール料理の店の写真入りメニューに、MOMOが載っていました。食べてみたいな、と思いながら毎日その店の横を通ります。我が家はこのSOHOで滅多に外食をしません。そんなわけで、夢だけ膨らむ餃子のMOMOでした。

 先日、ターメリックやバスマティライスを買いに、インドの食料品屋さんへ出かけました。なんだか、今までになく新しい商品が入荷しています。そこで見つけたのが、 MOMOマサラ。買うか買わないか迷います。だって、MOMOのレシピをもっていません。まあ、でも餃子よね、と持ち帰ってきました。そういえば、2年前にニューデリー行ったとき、ホテルの前にMOMOの屋台がありました。 そうですよね、ニューデリーからネパールはすぐ北です。この時も、屋台が開いている時間を逃がして、食べられないままでした。

 さあ、ウェッブでMOMOの作り方を調べます。ヤクのひき肉で作るのだとか、ヤクの肉などは手に入りません。そこで、牛肉と豚肉をあわせて作ることにしました。その肉にタマネギとパクチーのみじん切りを一杯入れて、MOMOマサラで味付けをして、皮で包みます。ところが、この餃子のMOMOを一緒に食べる方に、タマネギを食べてはいけない方がいます。我が家のモモさんです。そこで、タマネギをキャベツに置き換えて、作ります。

 トマトベースのたれを作ります。 トマトにパクチー、ニンニク、ヨーグルト、MOMOマサラ、お塩少々で作りました。 これは、トルティーヤに付けても食べれそう、美味しいたれです。皮は、市場に売っている香港地場の出来合い物のを使いました。

 このMOMOは、蒸して作る餃子です。ネパールでは、専用の金属で出来た何段もの蒸し器、モモコバーロといわれる物まであるそうです。我が家は中華圏に住んでますから、 蒸籠です。 蒸し上がりの匂いが、いつも食べている餃子とは全く違います。スパイスとパクチーが肉の匂いに混じります。シェルパ族の人は、たれなど付けずにヤクの肉を味わうのだそうです。

 私は、餃子が大好きです。小さな餃子で有名な福岡に育ちましたが、いつも家の者が行く中華料理屋は、上海出身のおじさんがやっていました。そこの店で出てくる餃子は、皮が厚く小さな餃子の倍はある大きさです。おかげで、どんな餃子もえり好みなく好きです。このMOMO、なんとも病みつきになる味です。インド料理でもない、中華でもない、食べ物が連れて行ってくれる世界は、興味が尽きません。ロシアの餃子も食べてみたい物のひとつです。

 


あり得ないインドカレー

2013年08月25日 | 料理

小雨、26度、96%

 インドはヒンズー教の信者が多い国です。ヒンズー教では、牛は神聖な動物として扱われています。つまり食することは禁じられています。ヒンズー教の次に多いのがイスラム教徒です。イスラム教ではブタは汚らわしい動物として、やはり食することを禁じられています。つまり、インドの食事には、ブタのカレーも、牛のカレーも食卓には上りません。鶏、マトン、魚、野菜、そして多くの豆類が食材となります。

 北方のインド料理を、本に教えてもらいながら作り初めて30年近くになります。インドにも4回ほど行きました。その間、私が作るインド料理は、インドの宗教上のしきたり通りに、牛肉、豚肉を使ったことがありません。考えてみると、なんとまじめな私でしょうか。牛肉は使わないといっても、神聖な牛の乳製品は、料理に使われます。ギーと言うバターに、パンニールといわれるチーズ、ダヒで知られるヨーグルト。こうした乳製品を辛みの緩衝剤として使うのが、インド料理だと一人解釈しています。

 いつものように、タマネギとトマト、クミンシードでカレーのベースを作っていました。鶏肉を入れようと冷蔵庫を覗くとブタの塊しかありません。インドのしきたりを破ってブタカレーを作ることにしました。お味は、食べる前から美味しいと解っています。ヒンズー教徒でもないのに、インド式に作ったカレーを食べるのに、胸がチクンと痛みます。そこで、私は日本人だからねと、言い訳をしています。

 鶏でもブタでもお豆でも、スパイスたっぷりなカレーは、日本のカレーとは趣を異にしています。ルース パベールの本に「ヒートアンドダスト」というインドを描いた本がありますが、スパイシーなインド料理は、その暑さや埃っぽさを体の中から浄化してくれるようです。

 豊かになったとはいえ、貧民層がまだ厚いインドです。豊かな人たちも貧しい人たちも、彼らは一日中カレーを食べています。スパイスの微妙な入れ具合で、私のアバウトなカレーはいつも味が違います。スパイシーといえば辛いと思いがちですが、それぞれのスパイスのもつ奥行きが醸し出すインドカレーです。こうしたカレーを食べる度、スパイスの向こうに拡がるインドの懐の大きさを感じます。


カボチャのサフジ

2013年08月06日 | 料理

晴れ、25度、85%

 東京に出張に行く主人、成田便で帰ってくる時は、必ず、成田空港で野菜を買って来ます。空のマルシェというお店です。成田空港内にあるそうですが、私は見つけることが出来ずにいます。主人は既に顔なじみ、帰国した時に前を通ったら、段ボールを用意して待ってるから、と声をかけられたそうです。

 そして、その言葉に違わず、段ボールを引っ張って帰ってきました。全部お野菜、しかも新鮮なお野菜です。嬉しいのですが、なんといっても、我が家は夫婦二人の家庭です。

 どんな時でも入っているのが、サツマイモ。これはモモさんの朝ご飯に欠かせません。香港のサツマイモ、紫いもからオレンジの芋まで各種あるのですが、筋っぽいのとべったりした食感のものばかり、日本のサツマイモの美味しさは格別です。今回は小松菜、小メロン、オクラ、ごぼう、白茄子、幸水、そして、カボチャ。 成田東部の産のカボチャです。ご覧のように、飛行機のマークが付いています。さて、ひと玉をどう使いましょうか?カボチャは私の大好物です。

 サラダからポタージュまで、出来るだけそのままの甘みを食べたくて味を薄めに料理します。ですから、私にとってはカボチャの煮付けはもってのほかです。

 最後の一塊をインドのサフジを作りました。日本のしっかりしたインド料理の店でも、メニューにサフジを見るのは滅多にありません。サフジとは、野菜の炒め煮、もしくは炒め蒸ししたものです。材料にはカリフラワーやジャガイモ、人参、オクラが多く使われます。

 クミンシードをオイルで弾くまで炒め、ニンニク、しょうがとコリアンダー、ターメリック、レッドペッパーでじっくりと火を通します。焦げ付かないように、水を少しさすといいかもしれません。

 インドのホテルのビュッフェ、ずらりと並んだトレーには、私たちから見れば全部がカレーにみえます。ところが、だんだん見慣れて来ると、野菜のサフジが2、3種、カレーが2、3種、豆のスープが2、3種、それにチャパティやナン、ブリアニやプラオライスのご飯ものが並んでいるのが解ります。ベジタリアンの多い国柄、サフジは、欠かせないメニューです。

 クミンシードが口の中ではじけて、それぞれのスパイスの持つ香りが上ってきます。辛さはレッドペッパーで調整してください。カボチャの甘みがスパイスと混ざって、ごちそうさま。