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チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

スーパーの外で私を待つモモさん ココさん

2017年08月09日 | もも

曇、29度、78%

 滅多にないのですが、夕方になって「あっ、ミルクがない。」などという時にモモさんやココさんの散歩時にスーパーの前に繋いで買い物することがあります。

 ココさんはまだ2回目、スーパーに飛び込んだ私は気が気ではありませんから、目的の物のところに一直線。レジに並ぶ間も背伸びをして外を伺います。鳴いている様子はありません。初の時もそうでしたが、 ココさん、地べたに伏せをして待っています。余裕です。私がそばに寄っていっても、この体勢は変わらず、じっと見つめます。道ゆく人がココさんに声をかけてくれてもこのままです。

 モモさんの時だって私の気持ちは変わりません。一刻も早くスーパーから飛び出して来ます。モモさんは立ったまま、鳴きはしませんが私が消えた入り口をじっと見つめています。その入り口に私の姿が見えると、下半身を振って迎えてくれました。

 2枚の写真、私が入り口に出て来た時のものです。時間にして3、4分。モモさんもココさんも心細いはずです。私は何かあってはと、やはりモモさんココさんの顔を見るとホッとします。モモさんは何回こうして待ってくれたかな。ココさんはこれから何回待つことになるのかな。できるだけ買い忘れないように努めます。


モモさんのブラシ、ココさんのブラシ

2017年07月15日 | もも

晴、27度、84%

 モモさんが逝く2週間ほど前、福岡は気温が上がりました。寒い冬から春に向かうというよりやや汗ばむほどの4月の陽気でした。あの頃、モモさんは前立腺の肥大が進み、すでに尿も便も出すことができませんでした。尿は毎日採ってもらいに病院に通います。便が出ないで、あそこまで長く生きることができたのは不思議です。前立腺の肥大は足の付け根を圧迫して右後ろ足にむくみが出ました。後ろ足を引きずります。散歩や通院のためにバギーに乗せましたが、自分で歩きたがります。暑いので「ゼーゼー。」少し毛を短くしようと思いました。

 香港の頃は3月には毛を短くし始めます。引越しの荷物に変圧器をかけて使おうと入れたバリカンのセットです。 8年以上、毎夏週に1回モモさんの毛を短くしました。バリカンを出してきてさあ刈ろうとした時、私はこんな考えが頭をよぎりました。「モモさんがあちらに行って、お父さん、お母さんに会うのに毛が短いより自然のままで会わせてやりたい。」モモさん13歳です。おそらくお父さんもお母さんももうこの世にはいないと思います。モモさんを買った時、血統書をもらいませんでした。香港のことですから、その真偽がわかりません。モモさんのお母さんもお父さんも生まれた場所も知りません。今考えると血統書をもらっておくべきだったと思います。そんな思いで、一度は開けたバリカンの箱の蓋を閉めました。閉める前に、スリッカーブラシで毛を梳きました。

 ココさんの毛を短くし始めて3回目、モモさんの毛がついたスリッカーブラシの入った箱を開けるには勇気がいりました。4月の昼下がりのことを思い出します。モモさんの毛並みや匂いを思い出します。初めはモモさんのスリッカーブラシを入れたまま、ココさんの毛を刈りました。それから2週間、用もないのにバリカンの箱を開けてはモモさんの毛のついたスリッカーブラシを眺めます。毛を取ってココさんも梳いてやらなくてはと思うのですができません。ココさん用のブラシを買いました。モモさんのブラシは毛をつけたまま、大事にしまいました。バリカンの箱にはピンクのブラシが入りました。

 モモさん、あちらに渡ってお父さんお母さんに会う時、自然の姿のままで会うことができました。兄弟にも会ったでしょう。しまって置いたモモさんのブラシを見つめていると、ココさんが足元にいます。「暑くなったね、ブラッシングしようね、ココさん。」


モモさんにバームクーヘンをいただきました。

2017年06月29日 | もも

曇、24度、91%

 モモさんにはたった一人ガールフレンドがいました。コロリとまん丸くて、お尻の振り方がとても可愛いまんじゅうちゃんです。3つ年下のまんじゅうちゃんと出会ったのは香港です。まんじゅうちゃんはその後パパの故郷、オーストラリアに行きました。オーストラリアに飛び立ったのは我が家からです。残念なことに、まんじゅうちゃんは10歳を目の前に逝ってしまいました。

 そのまんじゅうちゃんのママからモモさんに贈り物をいただきました。神戸ユーハイム限定のバームクーヘンです。 箱から出て来たのは私の両手にすっぽり収まる真っ赤な包装のバームクーヘン。中にはおりんごが入っています。真っ赤な包みはまんじゅうちゃんを思い起こします。 

 今日でモモさんが逝って2月目。月命日を覚えていてくださったまんじゅうちゃんのママです。ところがいけません、バームクーヘンに目がない私は昨日、「少しだけちょうだいね。」とモモさんに言って3時のおやつにココさんと食べました。 

 中のおりんごはしっかりと歯ごたえがあります。歯ごたえがあるのにこれまたしっかりと甘酸っぱい美味しいりんごです。うーんと考えて、紅茶を入れました。  

 少しカットされたバームクーヘンはまた赤い服を着せられて、モモさんの前にいます。昨晩は主人も戻って来ました。何も言いませんが、モモさんの月命日に合わせて戻って来てくれたと思います。まだモモさんのことで胸がいっぱいになる日が続いています。「どうしてモモさんがいないのかしら?」切ない思いです。

  今日は主人、モモさん、ココさんみんなでバームクーヘンを大きく切ったいただきます。まんじゅうちゃんのママ、ありがとう。


モモさん、ここにいます。

2017年06月12日 | もも

曇、19度、80%

 寒い最中に日本にやって来たモモさん、日本での生活は3ヶ月にも足りませんでした。ひと月以上に及ぶ排泄困難、よく堪えてくれたと思います。馴染みのない土地でまるで私のために生きてくれていたように思います。このモモを私は支えなければと思いました。ところが結局は支えられていたのは私の方でした。そのことに気づいたのはモモさんが逝ってしまった後のことです。

 時が経てば悲しみが薄らぐと言いわれます。その時が来るのを静かに待っています。悲しみが私の体を包んでいるようです。モモさんの小さい頃の写真と福岡に来て以来の写真を見ることはできるのですが、香港での10年以上の写真には目を通すことができません。主人が香港においでと言ってくれますが、とても無理です。モモさんと最後に過ごした香港は香港国際空港です。この国際空港を通らなければ香港には入れません。飛行機に乗せられるモモさんのコンテナを搭乗口で最後まで見送った記憶が蘇ります。

 いつかはモモさんを香港に連れ帰るつもりです。モモさんのお骨は壺一つ、それと香港に連れて帰るために小さな箱一つに分骨しています。その中からほんの少し毎日小袋に入れて身に付けていました。落としてはいけない粗末になってはと気を使います。分骨したお骨をペンダントやお数珠に入れるものがあるのを知ったのは最近でした。早速お願いしました。

  砂時計の形の2センチに満たないペンダントを選びました。裏にはモモさんの名前を彫っていただきました。 このペンダントをつけると心の中のざわつきが治ります。無くなるわけではないのですが心が静かになります。小さな砂時計はモモさんの13年の時です。そして私にとってはモモさんに支えられた13年です。長いようで短い、短いようで長かった13年です。そして今はココさんが私を支えてくれています。まるでモモさんの遺志を継いでくれているようです。モモさん、私の胸の上にいます。


「みつば動物病院」

2017年05月24日 | もも

雨、21度、70%

 モモさんが日本に来てお世話になった動物病院、そしてココがおそらくずっとお世話になる動物病院は我が家から歩いて10分ほどのところにある「みつば動物病院」です。日本に帰国を決めてまずしたことは日本でのモモさんの病院探しでした。動物病院の数も昔に比べて増えています。外から見ただけでしたが、近くの「みつば動物病院」は良さそうに見えました。

 モモさんが排便困難が始まって、「前立腺だ。」と思い病院に連れて行ったのは3月の半ばでした。香港の先生からは去勢手術をすれば良くなると言われています。去勢手術をしてもらうことを予め心に決めて病院に行きました。もちろん先生を見て決めるつもりです。私は手短に状態を話し病院内の設備などもそれとなくチェックします。単刀直入に「去勢手術をしてください。」と申し上げました。直感的にこの先生、この病院を信じようと思いました。

 香港のかかりつけの動物病院では診察室にスキャンできる機材などありませんでした。香港では一番大きないくつも診察所を持つ動物病院でした。香港という土地柄、その上香港人のペットを飼うということの歴史が短いという背景があります。各国出身の獣医さんがローテンションで診察所を回ります。もちろん言葉は英語が主です。モモさんが大きな病気をしなかったので病院の設備などさほど気にもなりませんでしたが、日本の個人の動物病院でさえ機材も含めてこれほどしっかりしているとは驚きです。

 モモさんが排尿困難の状態になってからは、ひと月以上毎日導尿に通いました。「みつば動物病院」が3日続けて先生の研修でお休みの間、紹介で別の動物病院に通いました。設備はどこも立派です。ところが先生や看護師さんの応対はとてもがっかりさせられました。この3日を除いては、「みつば動物病院」のお休みの日でも、夕方、先生はモモさんの導尿のためにドアを開けて待ってくださっていました。短いお付き合いなのに本当によくしてくださいます。

 先生ご夫妻が獣医さん、看護婦さんたちも気持ち良く対応してくださいます。そして何よりこの「みつば動物病院」のいいところは、交通事故にあった引き取り手のない犬や猫が院内にいることです。患者が少なくなる時間には診察室にもやって来ます。 受付にはこれらの犬たちの名前と簡単な紹介も出ています。ココが狂犬病の注射を打ってもらっている最中の様子です。奥さん先生にココはしっかり抱かれ、ご主人先生にあっという間にお注射してもらいました。モモの導尿の時もこのお三方励ましにやって来てくれました。

 ココは狂犬病の注射も済みました。2週間で800グラム太りましたがもっと太らせてくださいということです。日本の病院設備に驚いたこと以上に本当にいい病院に巡り合ったと思っています。


モモのクレート ココのクレート

2017年05月23日 | もも

晴、19度、67%

 モモさんはクレートに入って香港から日本にやってきました。国際線です。たくさんの書類、たくさんの審査があって半年以上かけて準備をしました。おまけに高齢パグです、飛行中の健康状態にも気を遣いました。一方、ココは東京から飛行機でやってきました。種類などいりません。小さなピンクのクレートに入って、国内線ですから高度低めで福岡に着きました。生まれて9ヶ月、パグですが飛行中の危惧は暑さも厳しくなかったので考えもしませんでした。

 モモさんもココも同じ9ヶ月までペットショップにいた犬です。モモさんはクレートもゲージもない我が家で12年過ごしました。そして日本に帰ることになり半年かけてクレートトレーニングをしました。クレートは自分にとって安全な場所だと教えることから始めます。期待に応えてクレートにも慣れました。キャリーバックにも慣れてくれたモモさんです。ところが、日本に着いて以来、決してクレートに入ろうとしませんでした。どんなことがあっても入らないという気構えです。もう飛行機に乗せるつもりもありません。モモさんのクレートはデッキの横で庭仕事の細々したものが放り込まれていました。

 ココは違います。私が買い物に出かけて帰って来ると、クレートで寝ています。まだ掃除機が怖かった頃はクレートに隠れます。つまり、クレートは一番安全な場所だと知っています。昼間庭に出していると、ごちゃごちゃとしたモモさんのクレートで寝ていることもあります。

 先日、大型犬を飼っていた友人から聞いたことです。クレートをハウスとして犬に認識させることは大事だそうです。車に乗せる時だって、病院に入院するときも、クレートに入る習慣があれば、犬自身が精神的負担が少なくて済みます。ココのクレートは小さいので、大きさがいっぱいになったらクレートは捨てるつもりでした。考えを変えて、クレートをココのハウスとして使おうと思います。ココが大きくなればモモさんのクレートを使おうと、モモさんのクレートの大掃除をしました。モモさんは国際線に乗るので、国際基準に合格しているクレートです。大きさばかりか、作りがしっかりしています。

 モモさんを病院にお預けして東京から帰って来ると、先生が「モモ君、クレートに一度は入ったけど次からは絶対に入らなかったね。」と話してくださったのを思い出します。モモさんかなりの頑固者でした。友人の話からいろいろ学びました。犬によって性格も違います。ココの育て方がモモさんの時と違って当然です。モモさんとは三食一緒でしたが、ココとは夕飯は別にしています。

 ココの好きな大小のクレート、ココのハウスです。


モモさんに「花モモ」の苗をいただきました。

2017年05月22日 | もも

晴れ、18度、69%

 モモさんが逝って3週間が過ぎました。3週間がとても長く感じたり、とても早く感じたり、まだ上の空のような感じです。私のペットロスを心配してくれていた友人からモモさんにと「花モモ」の苗をいただきました。

 桃の花を春節には愛でる中国で桃の花を観賞するために作られた「花モモ」です。優しいピンクの花がつきます。香港でも新界の方に行くと旧正月前にはこの「花モモ」の木が花をつけ売りに出されるばかりの様子が見られます。懐かしい光景です。

 モモさんの名前を香港の人に聞かれると、「モモ」ですと必ず「桃の花の意味です。」と言葉を足していました。中国人にとっては馴染みの深い花の名です。モモさんは香港で産まれて、13年香港で生活をしました。今考えると、いい名前をつけたと思います。

 このところ、モモさんのお参りとココの顔を見に寄ってくださる方が続きました。人間には超無愛想なモモさん、お花が絶えることがありません。 主人と私にしか尻尾を振らないモモさんでした。小刻みに揺れる尻尾を思い出します。

 「花モモ」はすでに花の時期を過ぎています。葉陰には、 実をつけています。主人が戻ってきたら、場所を決めて土に下ろします。モモさんを偲ぶ木です。木姿をいつも見れる場所、日当たりの良い場所を考えます。来年、まだ寒い最中花を付けてくれるはずです。「花モモ」の花を見ながら、モモさんをそしてモモさんと過ごした香港を心の中で蘇らせることでしょう。いつもお心遣い、感謝しています。

 


夜の庭

2017年05月10日 | もも

雨、18度、76%

 あたりがうっすら暗くなり始めると、庭にライトがつきます。昨日のように一日雨で暗いときは昼間にも自然に点くので、きっと明かりセンサーで作動しているのでしょう。そして休む前、雨戸を繰る時には消えています。

 2ヶ月ほど前、モモさんは前立腺が肥大して便が出にくくなりました。初めのうちは小さな扁平な便でした。ところが肥大に伴って、皆目出なくなりました。それでもよく食べます。夜中に急に便を催すことが多くなりました。決して家の中で排便しません。一緒に寝ているベットから飛び降りたら、庭に面している窓へ一目散です。私も後を追って、雨戸を開けてやり、庭のライトが消えていればデッキの明かりを点けます。

 少しでも楽な姿勢をと私も庭に降り、お腹を抱えたり持ち上げたりしました。長いこと息みます。時には便ではなく出血することもありました。モモさんも私もすっかり冷えてしまった体でベットに戻りました。モモさんに咄嗟に付いて行くために、休む時はパジャマの上に厚手のものを羽織ったままでした。庭に降りるデッキには靴もすぐ履けるようにしていました。

 前立腺が非常に肥大して、後ろ足の付け根を塞いでしまい、血行不良でむくみが出てからもこの夜中の庭に出る行為は続きました。後ろ足がふらつきます。踏ん張れませんから、しっかりと体を支えました。ほんの十日前までの毎晩の出来事です。

 ココがやって来て、庭でも排泄ができるようにと夜休む前はココを庭に連れ出します。 もう私は厚手のものは着ていません。暖かくなりました。

  モモさんのアーチも明かりが点いています。モモさんがこのアーチをくぐって裏へ急ぐ後ろ姿が蘇ります。

 ココと一緒に夜の庭で空を仰ぎます。空気の匂いも変わりました。緑がひと雨ごとに木々を彩ります。大きな穴が私の胸にあることを確認して、ゆっくり雨戸を閉めます。「モモさん、おやすみ。」


モモさんに頂いた花束を生け替えました。

2017年05月06日 | もも

雨、20度、96%

 モモさんの供養にと花籠を頂戴しました。ありがとうございました。

 昨日は気温がぐんぐん上がりました。孫娘もやって来ていましたので、すっかりお花に水を指すことを忘れていました。朝起きると花が少ししょげています。これは大変と花籠の花を小さく生け替えました。

 オアシスに刺された花たちを全部外します。もう一度水切りをして、組み合わせを考えます。花籠の花たちは開ききった状態で使われていますが、ユリなどはまだ蕾のものがあります。モモさんのためにも贈ってくださった方たちのためにも咲き揃ってほしいと思います。

 一つはブーケにしました。 

 もう一つは、白とブルーで壺に生けました。

 残った弱々しい花たちも部屋のそこかしこに小さく飾りました。私の枕元のモモさんにはブルーのお花だけをあげました。

 今、どの部屋にもお花が飾られ、どの部屋にもモモさんの写真が飾られています。その写真の一つ一つを見ながら、モモさんの視線の先にいるのは私だと気付きます。モモさんはいつも何処からとも無く私を見ていてくれました。家中にモモさんの写真を置くとモモさんの視線を感じます。やっと私の心が平穏になりました。

 ランの鉢植えも全部咲きそろって来ました。 いつもランを枯らしてしまう私ですが、このランだけは来年もまた咲くように育てたいと思います。


モモさんの背中が好きでした。

2017年05月03日 | もも

曇、17度、78%

 モモさんは9ヶ月で我が家にやって来ました。香港大学のある街のペットショップで初めてモモさんを見たのは13年前の5月です。通りに面したショーウィンドーに背中を向けて座っていました。4ヶ月のモモさんを抱かせてもらいました。暑い夏が過ぎ9月に入って、またその店の前を通ると、パグがウィンドーに背中を向けて座っています。「もしかして同じパグかしら?」聞けば月齢9ヶ月です。このままでは殺処分されるかもしれないと家に連れ帰りました。

 モモさん前立腺肥大の症状が出始めた3月初め頃から、耳が遠くなりました。あれ?と思うようになったのはあらぬ方角に私を探すようになってからです。家が広くなりましたから視界に私がいないと探します。台所で匂いのするものを作っていると、必ず台所にやって来ます。これは匂いに釣られてです。野菜を切ったりしていると匂いがないので台所の前を素通りして、座敷に向かいます。以前だったら野菜を切る音にも反応して台所で料理ができるのを待ちました。目はしっかりと見えています。台所の前を素通りするモモさんの背後から「モモ。」と声をかけても気がつきません。「お散歩。」といえばウ〜ンと伸びをするのに聞こえないのでハーネスを見せるとベットから起きて来ます。耳が遠いなと思うようになってからは、できるだけモモさんの前に行き目を見て話します。「買い物に行ってくるよ。」「ご飯は終わり、ごちそうさま。」と言って手を合わせると、それを合図に水を飲みに行きます。

 ある時ベットに寝ていたはずのモモさんが見えません。大きな声を出し「モモ。」と呼びますが聞こえるはずがありません。探すと玄関のマットの上で外の方を伺いながら座っているモモさんの後ろ姿が見えました。買い物に行ったと思ったのでしょうか、その背中がモモさんに出会った当初の背中と重なります。そっと後ろから抱きしめました。

 主人によく言いました。「モモさんの背中に惚れたのよ。」写真は、私を探して座敷の縁側で私を見つけた時のモモさんです。「見つけましたよ。」目が笑っています。