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チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

ビクトリア湾の朝焼け 香港

2015年08月02日 | 香港

晴れ,25度、84%

 香港やっと晴れ間のある夏日が戻ってきました。窓からビクトリア湾対岸の九龍サイドも太平山もすっきりと見えています。このいいお天気の始まりを知らせてくれるかのように、高層ビルに映る夕日の反射を見ました。次の日はブルームーン,目映いほどの月の光を顔一杯に受けて目が覚めると,太平山の上には月が。夕日、月,そして,朝日です。

 家から眺める景色は固定されていますが、自然がそれに彩りを添えてくれます。香港でも僅かな四季の変化があります。その時々の空の色、雲の形、山の木々の緑は微妙に変化してくれます。そして、毎日毎日に違った表情を見せてくれます。同じ形の雲なんてありません。しかも、ありがたい事に我が家からはビクトリア湾,太平山が見る事が出来ます。もちろん,都会の真ん中,どちらを見ても高いビル越しに見る小さなビクトリア湾,立ち上がる両サイドのマンションのビルの間から見る太平山です。

 私は朝が早いので、朝焼けを見る事は度々です。もちろん朝焼けのでない日もありますが,ゆっくりと空の色の変化を楽しみます。早朝に走りに出ますので,真っ暗な空が次第に群青色に変わり、それが薄墨を流したような空に変化し始めると陽が上ります。陽が上り始める頃には、家に向かいます。東に向かって走リ,西に向かって戻ってきます。陽が上り始めた事を感じるのはなんと背中です。じんわりと暑く感じます。そうするうちに空は明るみ,高層ビルの壁面ガラスや雲が陽の光を照り返し始めます。その頃には家に到着。

 見出し写真が昨日の朝焼けです。小さく見えるビクトリア湾すら赤く染まっています。こんな朝焼けを見た日は,大きな力をもらったかのようによく働く事が出来ます。夕日の燃えるような落ちる寸前の赤さも,朝日の昇り始める赤さも、人工のものからは得られない壮大さを感じます。

 その一日前の朝焼けは、 ビクトリア湾まで染めるほどではありませんでしたが、雲のたなびき方が非常に美しく,西へ移動して行くその赤さは数分後には、 件のビルの背景になります。このバットマンが飛び降りたビルは、ビクトリア湾側の窓を大きく占めています。

 もう10数年この家に住んでいます。この数日,久しぶりにじっくりとその窓からの自然の恩恵を感じています。昨晩は,十六夜。 十五夜より空の高いところに月がありました。そして,澄み切った月の光でした。


香港の保存建造物

2015年07月30日 | 香港

曇り、26度、88%

 香港の古い建物は,中国様式に西洋様式がアクセントになった様な物があります。建物自体は中華風なのに窓の切り方、ベランダの様子が西洋らしいもの。随分そんな建物を愉しんで見てきました。そうした低層の古い建物の保存が取沙汰されるようになったのは,意外にもごく最近の事です。法制化されていなかったのか,ある古いマンションなどは屋根が半分以上取り壊された段階で、保存建造物に指定されたケースもあります。そうかと思えば,煉瓦作りの古い教会,保存のための工事が始まりました。さあ,出来上がったのは,煉瓦作りではない何やら新しい教会です。私など保存といえば修復を考えますが、香港では「重建」といったこうした保存もあるようです。

 一昨日の「SOUTH CHINA MORNING POST」に香港島ワンチャイにある質屋の建物が取り壊しになると書かれています。しかも,この建物、保存建造物に指定されているというのです。香港の質屋は,裏通りにひっそりではなく表通りにドンと店を構えています。新聞に書かれているその質屋は、2階建てトラムもバスも通るメインストリート沿いに建っています。このひとブロック先の角地にも質屋があるのですが,そちらの建物はあまり見るべき物がありません。

 質屋は「押」と香港では表します。取り壊しが決まった質屋さんの屋号は,「徳同」。4階建てのこの建物今ではビルの合間に埋もれています。質屋はどこも,赤いコウモリとダブルハッピネスの看板を掲げています。

 一昨日の午后,トンローワンに買い物に出るついでに,バスを2つ手前で降りて建物を見に行きました。あら,もう既に取り壊しが始まっています。1階部分は質屋で,その上は家族の住宅だったそうです。一階部分の道路際には柱が立てられ,その下は人が通れるようにアーケード状になっています。そして何よりこの建物,角の部分が特徴的です。角が「つの」を立てずにカーブになっています。香港に来た当初は,この角がカーブになっている建物があちらこちらに見られました。カーブの部分には円曲されたガラス窓です。天井の高いこうした唐楼は,壁一面窓を取る事で陽の光を一日に受ける事が出来るはずです。窓枠も昔のままの鉄枠です。

 香港市政局は,保存建造物を買い上げるのではなく指定するだけで,実際の土地の権限は持ち主にあるそうです。つまりここでは質屋の「徳同」さん。新聞に因れば,取り壊しの跡地に23階の商業ビルを建てるのだそうです。香港島北のオフィススペースは世界でも4番目に単位面積当たりの家賃がが高いのだとか,まして,ビクトリア湾が見えるとその値段はまだ上がるのだそうです。「徳同」さん一家は,建物を残すより,家賃収入を選んだわけです。

 ワンチャイには、保存建造物に指定され、今ではレストランとして機能している別の質屋の建物があります。建物自体は残りましたが,レストランや路面のインテリアショップは,どうもしっくりときません。建物を残す事,ただ残せばいいものでもないように考えます。

  昨日,この写真を見ながら,急に思い出したことがありました。右横のバニアンの木の下に,昔はリヤカーにバナナを乗せたバナナ売りがいつもいたのです。叩き売りしないでも,いつも人が一杯のバナナ売りでした。バナナ売りの姿が見えなくなって,10年は過ぎたかもしれません。

 この「徳同」さんの前はよく通ります。ある日来てみると,すっかり建物が無くなっていたというのではなく、壊されて行く姿を横目で見なくてはなりません。路面のアーケード状のところを、夏歩く時は,ひんやりと人心地付いた事を思い出します。日に日に変化する香港の町です。

 


香港 セントラル地下鉄D2出口

2015年07月29日 | 香港

曇り、27度、88%

 香港のセントラル,路面には世界中の有名ブランドの店が軒を連ねています。高層ビルがひとつふたつではありません。空を見ようと思えば顎までが上がります。それに,香港の一つの顔である金融,証券の中心地でもあります。 

 セントラルから地下鉄に乗る時は、D2口が我が家から一番近い出入り口です。このD2口、メインのペダーストリートとシアターレーンを結ぶビルとビルの間の路地にあります。高いビルの狭間の路地ですから,昼間でも薄暗い。その路地の長さ200mほどの間に,ふた肩幅の間口の小さな店が20軒並んでいます。 D2口から一歩外に出ると,昼までも明かりを灯した店店が目に飛び込んできます。

 夏になると汗ばんで時計の革ベルトを傷めます。良い時計の革ベルトは色や素材によっては,ベルトを代えるだけで3か月も待たされることがあります。そこで,夏場は普通の電池で動く時計に替えます。見ると電池が切れてます。私が時計の電池を替えてもらうのは,見出し写真の妹記さん。セントラル地下鉄D2出口を出て、向かって右手にあるお店です。おじいさんが修理、おばあさんが引き渡し,仲良く仕事をしています。このふたりがまだおじさんおばさんの頃から,電池はここで替えてもらいます。私が行ったのは朝の10時,丁度お店を開けているところでした。小さな店の中に,時計の修理に必要な物から,様々な機械、ふたりが腰掛ける椅子,常備薬までぎっしり詰まっています。お店を調えるまで、5分以上かかる有様。おじいさんが私の時計を見てくれている間,おばあさんは朝ご飯のパンを買いに行きました。

 この並びには、 印鑑屋さんが2軒。印鑑といっても会社の社判のような物です。 電気の配線の修理もやってくれる電球などを売る店。 4軒ある靴の修理屋さん。 スペアーキーを作ってくれる店が2軒。洋服の穴を塞いでくれる繕い物屋さんが1軒,まだお店が開いていませんでした。

 D2出口の店の並びは,お分かり頂けるように,あれ困った時の救世主ばかりです。簡単な靴の修理、主人の靴の紐,鍵をなくせばちょいともう一つ。この小さな路地のお店には,お世話になっています。いつも見慣れた風景です。お世話になっている事すら忘れるくらい,何かあればここに足が向かいます。

 よく考えると,香港らしいこの路地ですが,香港でもこれだけ店が並んでいる路地はここしかないように思います。初めて,この路地に感謝したいような気持ちに駆られました。

 路地をメインのペーダーストリート側に出ました。 顎をあげて見上げた空。ランドマークのガラスの壁面にも空が映っています。ひょいと視線を下げれば,ルイビトンの字が目に入ります。D2口のこの路地,まるで小さな別世界です。そして思います,やっぱり香港だわって。

 


香港天文台 天気アプリ

2015年07月23日 | 香港

雨,28度、85% 

 香港の天文台から出される天気予報をスマフォで受け取るアプリは全部で10週類あります。 どれも無料です。天気を教えてくれる物ですから、どれをとっても簡単明瞭にその時々の天気が画像を見れば分かります。私は,右下の「KIDZTORY」と名前のついたアプリを使っています。時折このアプリの画面をアップすると,皆さんが可愛いと言って下さいます。そこで,天気に因って違うこの画像を撮り溜めました。ほぼ全画面アップできていると思います。ただし,ここ香港です,元々雪の日の画面はないものと思われます。私が香港い住んでいる30年近くの間に,雪ではなく,雹が2回降っただけです。しかも短時間。

 季節に因って,よく見る画面は違いますが,昼バージョンと夜バージョンがあります。 お昼間の一番晴れているときは,このひよこさんが登場します。 夜の一番晴れているときはライオンが寝ています。

 晴れたり曇ったりのお昼間は、 ネズミさんの登場です。一方、 夜間の晴れたり曇ったりは、オオカミと7匹の子やぎ。「KIDZTORY」は。子供のお話からで来ているアプリです。 これは,夜間に出る天気はいいけど,風が強い時。

 亜熱帯性の天気ですから,雨はいろいろな降り方をします。見出し写真は、昨日ほぼ昼間中でていた画面です。雷注意報、大雨注意報も一緒です。三匹の子豚。雨の降り具合に因って,微妙に違う2つです。 少なめの時。 こちらはスコールに近い時。夜の雨のときは、 この画面。なぜか,これが一番好きで,LINEのアイコンに使っています。そして,極めつけが、 こちら。夜間,香港の高層ビルの合間を雷が走るような時に出されます。これはなかなかお目にかかれません。

 あと一つ、香港の気象上、特記するとしたら,「ガス」です。2月ぐらいから5月まで、朝から晩までどんよりとガスっています。ひどい時は湿度が100%です。 この画面が出ている間は気持ちが塞ぎます。

 このほかに、 大きな台風もやって来ますから,台風進路も必要です。左下の薄いブルーの中心が香港です。このブルーに圏内に台風が来ると、台風シグナル1が灯ります。香港より800キロの距離です。その内側の紺の線は香港から300キロ,この圏内に台風が入って来るとシグナル3が灯ります。右上には今日本に向かっている台風「HALOLA」の進路が出ています。

 レーダーで雲の動きも観察できます。 昨日の昼間です。黄緑の下が香港です。この雲のおかげで昨日は一日中雨でした。

 現在の画面は、 カメさんの登場です。雨脚は弱まりましたが,まだ降り続いています。やれやれ,このお天気あと数日続くようです。

 


香港スターフェリーと台風

2015年07月10日 | 香港

雨,26度、95%   シグナル3

 昨日,ちょっと用事を思い出し中国と地続きの九龍サイドに行こうと思いました。行き先チムサッチョイは九龍半島の先端、観光客ののメッカです。町も大きいので,チムサッチョイの西に行くか東に行くかで、スターフェリーを使うか,地下鉄を使うかが決まります。西側のショッピングセンーに用事です,そこでスターフェリーを選びます。

 お昼過ぎ、台風マークは既にシグナル3がでていました。夕方にはシグナル8になるというので、午后の学校はお休みです。シグナル8がでると,香港中の交通機関は殆どストップします。香港サイドのスターフェリー乗り場は数年前に新しく埋立てた場所に移りました。おかげで,スターフェリーまで歩く時間が長くなりました。シグナル3がでていますが,風も雨もありません。久しぶりにビクトリア湾の上の風を楽しみに出かけます。

 スターフェリー,凡そ4,5分間隔で行き来しています。海の上にいるのは,7分ほど。観光案内を見れば、必ずスターフェリーに乗ることを勧めています。観光ルートの一つです。香港島と九龍サイドを結ぶ橋はありません。地下自動車道が3本,一番古い地下自動車道路が出来たのは1972年だそうです。それまではこのスターフェリーが唯一香港島と九龍サイドを結ぶ交通機関だったわけです。

 スターフェリーに乗っていると,観光客ばかりでなく私のように地元の人もたくさん乗っていることに気付きます。未だに,スターフェリーは地元の人の足なのです。片道$2、40円ほど。バスや地下鉄,車を使って行き来するより遥かに安いのも魅力です。船を使う生活が,こんなに普通に浸透している町も少ないだろうと思います。

 香港側スターフェリーの乗り場の並びには、全部で10の埠頭があります。香港,200以上の島があります。その島々から,仕事に学校にとフェリーを使います。大きな台風が近付いて来ると,飛行機の離着陸の情報、島々へ渡るフェリーの最終便の情報がテレビやラジオで流れます。シグナル8はその警報を数時間前から何時に出すかを市民に知らせます。シグナル8がでる前には勤め人もみんな家に帰れるようにするためです。夏になると,台風接近の度に香港の町は慌ただしさを増します。それもまた,この香港らしさです。

 用事が済むと,またスターフェリーを使って香港島に戻ります。見出し写真は,九龍サイドから香港島を眺めたものです。右の白い大きな船は毎晩出航する観光船です。夕方香港を出て一晩南シナ海を回遊して、翌朝香港に戻ってきます。台風ですから,今日の航海は取り止めのようです。シェルターに向けて舵を取っています。

  左手のグリーンの船がスターフェリーです。スターフェリーは全部,星の名前が付いています。私が乗ったのは行きも帰りも「北星」でした。

 夕方には台風シグナル8が出ました。雨は少し、風がやや強い程度でした。夜中過ぎ,シグナルは3に下りていました。大したことない台風だわと思っていると,つい先程から,激しい雨が降り出しました。

 香港島からスターフェリーに乗った時に,「こんなにフェリーなんかにすぐに乗れるのは島暮らしでもしてないと無理だわね。」と200ほどもある小さな島々を思い浮かべていました。自分が島暮らしをしていることをすっかり忘れています。香港島は島のくせにまるで香港の中心みたいな顔をしています。いえ、単なる香港で2番目に大きな島です。私も時にはフェリーに乗って,島暮らしをしている自分に気付かなくてはと思う始末です。現在の香港天文台から出されている天気情報は、 こんな状態です。

 


香港上空からの景色

2015年07月05日 | 香港

曇り、27度、86%

 昨晩、香港に戻ってきました。日本の梅雨前線は、台湾北部あたりまで続いています。雨が降り出した福岡を飛び立って、しばらくは雲海の上を飛びました。 厚い雲がたれ込めていても、その雲の上はこうして晴れています。珍しく私は窓際の席でした。香港福岡便は、人気の高い路線で直通便をとるのも一苦労、私が予約を入れたときは通路席は全て埋まっていました。たまには窓際の席もいいものです。

 福岡を発ったのは夕方の5時前、一時間の時差がある香港には約3時間の飛行で午後7時過ぎには着きました。香港の気温は34度、聞いただけで首に巻いていたスカーフを外しました。台風の影響はまだ出ていないはずですが、気流の悪い箇所が続きます。台湾を抜けて、海上に出ました。このまま海上を飛行します。雲も晴れて来ました。今年の香港6月の気温は130年の観測史上初の高温を記録したといいます。月の平均気温29,7度だったそうです。晴れの日が続きました。

 海の上に出ると、香港が近くなったことに胸が躍ります。モモさんお待ちかねです。香港のランタオ島にある空港へは飛行機の侵入経路が幾つかあります。昨日は、ビクトリア湾、つまり香港島と九龍サイドを見渡せるルートです。 手前が九龍サイド、ビクトリア湾を挟んで香港島が見えています。そして、その向こうラマ島まで見渡せます。香港島の明かりが灯り始めています。この時間まだネオンがきれいな時間ではありません。左よりトンローワン、ワンチャイ、セントラルと華やかです。九龍サイドにはライトアップが見えないようですが、ビクトリア湾に向かってキラキラした照明が付いてるはずです。

 西へランタオ島の空港に向けて飛びます。見出し写真が、ビクトリア湾西側の景色です。手前に見える一瞬夕日に輝いたICCビルは、世界で4番目に高いビルと聞いています。 少し見辛いのですが、ICCが出来るまで香港で一番高かったIFCのビルが香港島側に建っているのが見られます。そのIFCの後ろに見えるビルの何処かにモモさんと主人が待ってくれています。この景色をあとに、5分もすれば着陸です。

 久しぶりに自分の住む町を空から眺めました。私たち夫婦にとって一番長く住んでいる町です。実はこの景色を見せてあげたい人がいました。

 私より若く50代初めの彼女、23年ほど香港に住んでいます。香港人の方と結婚して香港で仕事をしています。その彼女が病を得て、病状が思わしくなくなり治療のために日本に戻ったのはこの旧正月前でした。

 一昨日、福岡の人ごみの中を歩いていると電話が鳴ります。とると、彼女が息を引き取ったという知らせでした。幾度か山がありましたが、私は彼女の生命力の強さを信じていました。

 私と同じくらい香港が好きな彼女です。療養もこの地でとがんばっていた彼女です。ご家族に見守られて静かに逝かれてと聞きます。

 この香港の景色を、今一度彼女に見せたかった。そう思いながらほんの数分の香港上空で、彼女のちょっと早口な「真奈さん。」という声が聞こえた気がしました。この景色を私に見せてくれたのは彼女かもしれません。


端午節 ちまき  香港

2015年06月20日 | 香港

晴れ、29度、84%

 今日は旧の5月の5日、端午節です。今日は珍しく晴れ上がりました。香港では有名なドラゴンボートのレースがあります。そして、祭日。

 日本でも、男の子のお節句にやはりちまきを頂きます。青青とした竹笹で巻くあの蒸したちまきです。香港でも、ちまきはこの端午節の行事食です。笹の葉で巻くのは同じですが、甘いちまき食事にもなるちまき、種類が豊富です。その上巻き方も違います。香港では立派な笹が採れないので、中国からの輸入した乾燥の笹を使います。日本のようにきれいな緑のちまきではありません。今年は初めて新鮮な笹を売っているのを見つけました。 お店の人に聞くと上海から入って来たのだそうです。

  これは市場のお惣菜屋さんの前に並んだちまきのサンプル、本物を切って中を見せてくれています。餅米を笹に包みその芯に、小豆のあん、蓮の餡を巻くと甘いちまきです。味を付けた鶏や豚肉を芯に巻くと食事代わりに頂けるちまきが出来ます。 トマトの横に並んでいるテトラパックの形のようにちまきは巻かれます。そして蒸し上げるのではなく、茹で上げます。見出し写真のように、しっかりと結わえられた状態で、梘水の入ったアルカリ液で茹でます。このちまき、端午節のひと月前ぐらいから、店先を飾ります。ケーキやさん、果物やさん、八百屋さん、お惣菜屋さん、皆さん自家製ちまきをこの時期は売り物にしています。

 さあ、我が家は例年のように、蓮ちまきを作りました。 蓮ちまきは、香港の朝飲茶の定番、大きな鶏の切り身が入ったうるち米で作ります。労働者にとっては実に腹持ちのよいちまきです。我が家が作る蓮ちまきは、行事食ではありませんが、家庭で作るハレの日のごちそうちまきです。香港に来る前から作っていますからかれこれ30数年。横浜の中華街で高い高い蓮の葉っぱを買って作っていました。

  この時期、青い蓮の葉っぱも香港で手に入りますが、乾燥の蓮の葉を使います。青い蓮の葉は、魚などをのせて蒸します。中は餅米。自家製のチャーシュウ。 貝柱。 干しえび。銀杏や栗やうずらの卵を入れて作ります。 30センチより大きな我が家の蒸籠はまるでちまきの為にあるような物です。飲茶の蓮ちまきも茹でずに蒸して作ります。もう長く作り続けていますから、適当な作り方です。しかも、年々味付けが薄くなっています。 蒸し上がった餅米を、40センチほどの蓮の葉に包んで、もう一度頂く前に蒸し上げます。

 ちまきを頂く度に、笹の結びを切ったその瞬間、蓮の葉を開けたその瞬間、それはそれはいい香りです。笹は清涼な香りがします。蓮は非常に複雑なまろみを持った香りです。葉っぱで包んだ食べ物は、葉っぱの殺菌作用で長持ちすると言われています。私は、香りの食べ物だと思っています。


ポップコーン屋さん

2015年06月17日 | 香港

晴れ、29度、84%

 我が家の住む一帯、香港島のセントラルから上向きに歩いて20分ほどの、住宅街です。住宅街といっても一戸建てはありません。高層のマンションが建ち並んでいます。道の脇には不動産屋がずらり。流石にここにはSOHOのようなレストランは見られなくなります。そんな町に、ポップコーン屋さんがオープンして半年ほどになります。

 ポップコーンを朝から食べる人はまずいないでしょうから、お店が開くのはお昼過ぎ。住人の多いこの町ですがその店はなぜか人通りの少ない場所に店を構えています。道を挟んで反対は人がよく通ります。わざわざ道を渡ってポップコーンを買いに行く人もいないのか、お店にお客さんがいるのを見たことがありません。

 ポップコーンも昔と違いバター味ばかりか、キャラメル味、チーズ味様々出てきました。私がポップコーンを初めて食べたのは、映画館ではありません。アルミホイルのお皿とお皿の間にまだはじけていないコーンが入っていて、柄が付いている容器に入ったアメリカ製の家庭用ポップコーンです。ガスレンジで揺すりながら作るポップコーンです。私がまだ小さい頃は福岡には米軍の基地がありました。その基地に用事で出かけた父が、このポップコーンやら日本のガムとは味の違うチューインガムや缶詰をもらって来たのです。父と一緒にこのポップコーンをレンジにかけました。蓋になっている方のアルミホイルが、加熱と同時に大きく膨らんで、中では、コーンがバチバチ跳ねています。蓋が破れると、熱々のコーンが飛び出て来るので危険です。父は、遠巻きに見ているように言いました。出来上がったポップコーン、焦げ目付き、中には充分はぜていないコーンもありましたっけ。私はポップコーンより、あのバチバチ大きな音を立てるのが怖かった思い出です。

 ある日、このポップコーン屋さんの前を通ると、白人のお姉さんが一人手持ち無沙汰に店番をしています。次に通った時には、そのお姉さんと目が合ったのでニッと笑って挨拶しました。次に通ったら、そのお姉さん入り口に背を向けて、なんとポップコーンを作っています。片手には、糖度計を握って作っている所を見るとなかなか本格的です。ある時通ると、お姉さんはお店にいないのに、ポップコーンが大きな機械の中ではぜていました。バチバチ音は聞こえませんが、ガラスのフードの中で、楽しそうにポップコーンが舞っています。

 実はこのお店の前を私自身は用事がないので通る事はありません。この店の前を最近好んで通る方が引っ張って行くので通ります。頑としてお散歩は自分の好きなように行く方です。このポップコーン屋さんの少し手前で必ず用を足します。はい、モモさんです。おかげで夕方の散歩は、この所ポップコーン屋さんと決まっています。

 こうして毎日のように前を通るようになっても、やはりお客さんはいません。日曜日なんかもお休みです。小さな店ですが、洒落た作りです。特別ポップコーンを食べたいとも思わないので、お店に入ったこともありません。バチバチ大きな音がしていたら怖い気もします。先日、店先にディスプレイされているこんな物に目が留りました。 ティーバックです。「ポップコーンティー」と書かれています。お店がお休みなのでこのティーバックに顔を近づけてみると、白いポップコーンのような物がティーバックに入っています。でも、これって玄米茶じゃないかしら。茶色の玄米の炒った物だって入っています。よくラベルを見ると、「日本人のおもてなしのお茶」と書かれています。思わずニンマリ。「ポップコーンティー」のネーミングにもニンマリ。果たしてポップコーンと玄米茶って相性いいのかなと口の中で想像します。

 昨夕もお散歩の時モモさんがこの店の前に連れて行ってくれました。お姉さん、ポップコーン造りに励んでいて私に気が付きません。最近気が付いたのですが、ここで作ったポップコーン何処かに卸しているのでしょう。「ポップコーンティー」に惹かれて、急にぐっと身近に感じるポップコーン屋さん、今度はお店に入って、ポップコーンを買ってみようと思っています。


食虫植物 香港

2015年06月16日 | 香港

曇り、27度、86%

 香港に来た当初、そうです30年近く前の事、初めて行った山は、私が毎月登る山、マウントパーカーです。当時は小さな滝壺みたいなものもあり、なんと夏ともなればそこで泳ぐ人もいました。私も泳いだ一人です。滝壺の岩壁には湿度が高い香港ならでは、きれいな苔が生しています。その中に見えるのが、見出し写真の「ハエ取り草」でした。食虫植物の自生を見たのは初めての事、歯のように見えるギザギザまでも可愛く思います。

 山を上がれば、ジメジメした岩には、苔に混ざって、こうした食虫植物がひっそりと生えています。 こちらもその代表格、ストンと長い空洞に虫を落とし込むタイプの食虫植物です。香港名「海角瓶子草」。私の植物図鑑は、香港のものなので、生憎、英語名と中国名しか分かりません。「海角瓶子草」は英名はサラセニアです。食虫植物には2通りの虫の摂り方があるそうで、一つが「海角瓶子草」のように、虫を落とし込んで出られなくする筒状の長い空洞を持つものです。

  こちら、私が「虫取りひょうたん」と呼んでいる、和名「ウツボカズラ」もそのタイプ。この「ウツボカズラ」は、かなり深く山に入ると見られます。やはり水の流れがある辺にブランと生えています。しばらく深い山に入っていませんが、この「ウツボカズラ」を売り物にする人が採っているのを見たことがありました。香港は郊外公園での植物採取は禁じられています。罰金$1500です。

 一番身近に見られた「ハエ取り草」、こちらは寄って来た虫を口の中に誘い込み、パッカリと口を閉じて、何やら溶液を出して虫を溶かすそうです。和名「ハエ取り草」、香港では「捕蝿夾」と言います。

 「ウツボカズラ」「ハエ取り草」「海角瓶子草」この3つは香港でもよく見る事が出来た食虫植物でした。でも、ここ20年、山に行ってもも殆ど姿を見ません。人が持って行くためでしょうか。私もまだ息子がいた頃「ハエ取り草」をちょいと頂いて来たことがありました。家で虫などを与えてみましたが、短命です。虫を糧にするよりは、大事なのは生活環境らしく、乾燥が一番の大敵なのだそうです。

 今では、これらの食虫植物、植木屋さんで売られています。地元の物かと思ったら、マレーシアから輸入しているそうです。こちらも輸入もの、 「ハエ取り草」と「海角瓶子草」を合わせたようなヒョンキンな顔をしています。

 ちょっと冷やっとする岩肌に、こんな植物が張り付いていた頃の香港が懐かしく思い出されます。


中環(セントラル)  香港

2015年06月09日 | 香港

晴れ、29度、81%

 先月の下旬、香港シティホールで「國際古玩展」が開かれ、日本からの参加者がある事を日本にいる友人が案内してくれました。先月観に行った「コルビジェ展」と同じ会場です。昨日の午后時間が出来たので行く事にしました。シティーホールまでは歩いて20分の距離ですが、人通りの多い所を通ります。服も靴もバックの着替えて出かけました。

 2週間前に来ていますから、勝手知ったるでトントンと2階へ階段を上がります。3階建てのこのシティーホール、エレベーターが付いていません。あれ?「國際古玩展」既に終わって別の催しが始まっています。聞くと先週で終わりだったとか。がっかりです。それに少し時間がポカンと空きました。

 シティーホールでは様々な催しがあっています。京劇、パントマイム、室内音楽の夕べが昨日のプログラム。

 セントラルからは公園を抜けて入ります。 公園の門にはこんなエンブレムが、西と東が出会った町、香港ならではの意匠です。 香港の公共施設のトイレがこんなにモダンになっています。 こちらはホールの正面玄関。以前はビクトリア湾に面していましたが、今では埋め立て地に出来たバイパスが目の前を走っています。隣接する公園には、 紫の睡蓮が咲いています。今日はゆっくりとセントラルを歩いてみましょう。

 考えれば地元セントラル、私の生活の場ですからいつも何か用事を抱えています。空を見上げたり、脇道を覗いたりそんな余裕のない生活圏です。見出し写真はシティーホールの公園からビクトリア湾側に建つビルを眺めたものです。このシティーホールの横には大きな私営の駐車場があります。そこは一番多くの電気自動車用の充電設備があると聞いていました。あります、あります。全部で20台分。ところが実際充電していたのは、この2台だけ。 アメリカのテッセラのロードスターの色違いです。  まだまだ燃費の悪い車を手放すわけではありません。電気自動車には、とても興味があります。この所いっきに増えて来たテッセラの車です。

 セントラルにはたくさんのショッピングモールや金融、証券のビルが建ち並んでいます。そしてこのビルとビルが、フートブリッジ(渡り廊下)で結ばれています。 2階建てバスが通りますから高さもあります。この写真奥にも一本渡り廊下が見えています。 フートブリッジを渡ればこの暑い最中でも冷房の効いた中を移動できます。非常に便利です。

  右から香港上海バンク、長江ビル、その間に低い昔の中国バンク、左端が新しい中国バンクのビルです。家からはこのビルの裏側を見ています。 たくさんの人に高いビル、その間を見上げれば小さな空。こんな景色の中で生活しています。

 海外に行けば、ポスト、ポストと写真を撮るのに、灯台下暗し、中国返還後の香港のポストの写真が一枚もありません。 中国と同じグリーンに変わりました。以前はイギリスと同じ赤でした。大型郵便と普通のポストが並んでいるのは、ここセントラルだけ。久しぶりに、自分の足元をゆっくりと見てみました。

 アンチーク展は見そびれてしまいました。日にちを確かめておくべきでした。私、こんな町に住んでいます。