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チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

香港 記の広東料理

2016年01月31日 | 香港

曇り、16度、84%

 香港島セントラルに老舗の広東料理のレストランがあります。「記」です。有名な料理はガチョウのロースト。この香港で、しかもセントラルに自社のビルを持つ創業70年の店と聞いています。道に面したドアを開けると、広東語のやかましい位の話し声、フロアー一杯のテーブルにお客がいつも一杯の店でした。ここ数年、地元の人たちはこの「記」の相続を巡るお家騒動、裁判沙汰にまでなったのを新聞で愉しんでいたと思います。

 昨日、主人が久しぶりに「記」に行こうと言います。我が家から歩いて10数分。ドアを開けると、いつもと雰囲気が全く違います。広々としたフロアーにゆったりと置かれたテーブル、ザワザワとした雰囲気は何処へやら、観光客らしい人も見当たりません。落ち着いた静かなレストランになっていました。

 私、ここのガチョウのロースト、鶏のロースト、ブタのローストも大好きです。ところが白状します、ほかのお料理を一度も美味しいと思ったことがありませんでした。純粋な広東料理ですが、盛りつけにしても、味にしても何故この店がそんなに有名か分かりませんでした。昨日だって、まあガチョウのローストと赤ワインが頂けるぐらいのつもりで出かけました。

 まずは、有名なガチョウのロースト。 脂身の具合も程よく、五香の香りが肉の奥深くから立ち上って来ます。火の通り加減もほどほどです。流石と深く頷きながら頂きます。このローストの下には、葡萄豆、大豆を甘く煮た物が敷かれているのもこの店の特徴です。

 次なるお皿は、 海老を貝柱や干しえび風味で炒めたもの。この海老の火の入り方、野菜のシャキシャキとした歯ごたえ、野菜の切り方、全てにまたしても唸ります。

 次はお豆腐の一皿。 一番柔らかなお豆腐、軟豆腐を揚げてフクロタケと炒めにしたものです。家常豆腐と広東料理では呼ばれる、お豆腐の一般的な料理ですが、メリハリがあるもののきつくない味付けに驚きます。

 最後は、酢豚ならぬ酢鶏です。 酢豚は広東料理が発祥と聞いています。早くから西欧と交渉のあった広東、ケチャップやクリーム、レモンを使った中華料理は広東料理ならではの物です。大きく切った生のパイナップルの酸味が程よく、あんかけというより、軽くあんを絡ませた仕上がりです。鶏の胸肉んを包んだ衣が噛みしめると微かに甘みを残します。

 赤ワインとゆっくりと全て平らげた私、実に久しぶりに美味しい関東料理を食べたと思いました。近頃何処もかしこもフュージョン料理が流行っています。まだ香港に来た当初は、ザワザワとうるさい大きな中華レストランで広東料理を堪能しました。大きなレストランは次第に姿を消して、北京ダックもあればショウロンポもあるような中華レストランが今では一杯です。ミッシュランの星が輝く中華レストランは油を抑えて、いいお味を出しています。この「記」の味もそんなふうに変化して来ています。

 広東料理のローストを作る人と料理を作る人とは別々です。おそらく、「記」は料理人を変え、店の雰囲気まで変えようとしているのだと思います。有名な中華レストランが随分店を締めました。それでも生き残るために、こうして店のコンセプトを大きく変える並大抵のことではないと思います。2年ほどの間に落ち着いたレストランになっていました。

 相変わらず私は食べる専門です。お支払いの時になって主人が、お味全てがお値段に反映しているよ、といいます。お値段が上げれば、団体の観光客も来なくなります。どちらを取るかはお店の選択です。こんな近くに美味しい広東料理があること、昨晩の改めての発見です。

 「記」香港セントラル地下鉄を出てすぐ、山向きに2本上がった道沿いです。どなたに聞いても知っている有名店です。香港におみえになったら、是非、ここの広東料理をお勧めします。

 


香港60年ぶりの寒さでした。

2016年01月26日 | 香港

晴れ、9度、53%

 昨日の香港、朝から60年ぶりの寒さの話題で持ち切りです。10度を切ることすら少ない香港が土曜、日曜と最低気温2度3度を付けました。ピークや一番高い大帽山では氷点下を記録しています。大帽山ではつららが出来たり、日曜日に山の縦走に入っている人たちが凍結した道の歩き方が分からずに100名近くも消防団に救助されたとのニュースです。そのニュースを見ていると救助に向かう消防署の車のタイヤにチェーンを巻いています。消防団員は雪爪の付いた靴を履いての救助です。雪が降るかと期待していましたが、雨、ただ一部の場所では雹が降ったそうです。日曜日にお隣の深圳にゴルフに行っていた主人、見事にその雹に当たって帰って来ました。気温が低いばかりか、強風と雨で寒さに追い撃ちをかけます。

 何分にも沖縄よりはるか南の香港、寒さへの備えがありません。寒くなると事前の気象予報が出てからは、暖冬で売れなかったダウンの洋服や暖房器具が売り切れてしまったそうです。この私、外に出る時はダブルダウンに手袋までして行きました。

 今月に入って頂戴した琉球小すみれの種、発芽しています。 いくらなんでも寒いだろうと、家の中にいれました。家の中は一日ヒーターを入れています。こんな天候でも、お外でトイレのモモさん、傘さして、私も寒いものですからショートカットのお散歩でした。昨日昼間、気象台の天気を見ると、 あら、11度にまで上がっています。しかもこの画面、嬉しくなってモモさんとちょっと長めのお散歩に出る事にしました。お日様がてって暖かなこんなお天気を待ってました、とばかりに何処までも続く階段を元気に駆け上って行きます。

 今朝は9度、 今日まではお天気もいいようです。明日からは最低気温、10度を超えますがまた雨。きっと2月1日の新聞では、60年ぶりの寒さと観測史上初の降水量の一月、なんていう見出しが出そうな香港です。今日も気持ちよくお散歩にいって来ます。


香港現在3度です。

2016年01月24日 | 香港

雨、3度、83%

 香港現在、予想よりも低い気温で3度です。しかも強風、中国大陸からの北風です。家の中に居ても風がピユーピュー吹く音が聞こえます。雨も降っています。香港気象台のアプリには、昨晩から霜注意報が出ています。

 香港に来て30年近くで、二度雪が降るのを見ました。チラホラと雪が舞ったという程度です。10度を下回ることなど、年間数日しかない香港では、今回の寒気は大きな注目を集めていました。香港ばかりか、寒いはずの北京でも例年より10度近く下がって氷点下20度を記録しているそうです。この寒気、日本にも影響を及ぼしています。

 この寒気のことが取沙汰され始めて、香港では雪が降るとか雪が積もるとかうわさが流れ始めました。素人の気象家が言い始めたそうです。すると、新聞やテレビでも気象台が正式に5度ぐらいまで下がるが雪は降らないと発表しました。10度を切るか切らないか、香港に取っては大きな境目です。それが5度まで下がると言います。10度を切っただけで、路上生活者や貧しい老人の間では死者が出ます。路上生活者のために、公の施設が開放され食べ物、宿を提供します。独居生活者の老人宅には、ボランティアが毛布やカップラーメンなどを配って歩きます。家に暖房器具の備えがあるところは一部の家庭です。我が家がオイルヒーターに電源を入れるのは年間一週間ほど、考えればヒーターが絶対に必要とは言えません。数日間の辛抱です。寒さに弱い南方ですから、今回の寒さは香港人にはこたえていると思います。

 今日が寒さの底で、一日中10度以下だそうです。明日からはまた10度を上回るそうです。我が家のオイルヒーターも昨日からスイッチオン、モモさんと寒がりの主人のためです。もしかしたら香港に来て以来の寒さかもしれないなあと思います。当然のことですが、香港気象台の公式アプリには雪のマークがありません。

 今朝は気象台の予想より2度低い気温です。素人気象家が言ったように、香港の一番高い山、大帽山では雪が舞ったかもしれません。


野良猫 香港

2015年12月29日 | 香港

曇り,16度、82%

 モモさんの散歩道、私が走る道,人が住むところから程遠くない車の通りも少ない静かな道には,野良猫がいます。捨て猫かもしれません。時には子猫連れもいます。エサですか?この道を通る人やわざわざ車でエサをやりに来る人がいます。きちんとしたドライ,ウェットのキャットフードです。しかも缶を空けたままあげるのではありません。小さな器に入れ替えてあげています。蒸留水まで一緒です。私がお魚を一匹料理した後などに持って行くお魚のあらなどは見向きもしません。キャットフードのみ食べる野良猫たちです。

 随分以前のことですが、こうした猫をバスケットに入れて連れて帰る女性がいました。家で飼うことにしたのかな,と思っていると,またしばらくしてその猫を道に連れて来て放します。そんな光景を数回見ました。彼女は,毎朝猫にご飯を携えてやって来ます。彼女の気配で猫たちは薮から出て来るほどでした。しばらくして彼女の姿は見えなくなりました。私が,何故その女性が猫を連れ帰っていたか,その理由に気付いたのは,随分後になってからのことです。メス猫の避妊のためです。自費で手術して,元気になったら道に戻してやっていたのだと思います。

 モモさんの散歩道に2匹の猫の姿を見るようになったのは,この春先です。姿や大きさからきっと兄弟です。 いつも2匹一緒に寝ています。 そして2匹の寝床の近くには,いつも誰かがエサを置いてくれています。この2匹のうちの一匹は、 とても敏感です。小さな物音にもすぐに反応して目を覚まします。もう一匹をかばっているようです。

 この道に犬の散歩でくる方が,気を付けないと引っ掻くよと教えてくださいました。事実,連れてる犬には鼻先に傷がありました。

 段々、香港ですら寒くなり始めました。枯れ枝の上で寝ている姿は見られなくなりましたが,エサを食べに出て来る時に出くわします。小雨が降る夜など急にこの猫たちのことを思い出します。きっと2匹で丸まって,お互いに温め合いながら寝てるんでしょうね。


「星の王子さま」 香港

2015年12月09日 | 香港

雨,17度、93%

 たまたま通りかかった香港金鐘のパシフィックプレイス、今年のクリスマスのデコレーションはどんな物かしらとコンコースを通ります。人の行列が見えます。「星の王子さま」のディスプレイが見られる、 こんな入り口。ここで初めて,この12月24日から「星の王子さま」の映画が香港でかかることを知りました。

 「星の王子さま」岩波書店の内藤濯の訳本を小さい頃から読み聞かせてもらい,自分でも何度も読んだ本です。先を急いでいましたが,ちょっと覗く事にしました。中は真っ暗、 その中に「星の王子さま」に出て来るキャラクターの白い像がLEDの明かりに照らし出されています。 バオバブの芽も バラときつねも。 体裁ばかりを考える王様。 うぬぼれ屋も。 点灯夫も。 お金の計算しかしない実業家。 地球に行くように王子様に勧めた地理学者。

 懐かしいなあ,本の中で平面でしか接したことのない物を実際三次元で見ると身近に感じます。暗闇から出て来ると,外には彩色された人形たちも待っていました。

          

「星の王子さま」、フランスのパイロット、サンティグジュベリの作品です。ティグジュベリはこの本を子供たちのために書いたのではないと聞いたことがあります。王子様を含めて出て来る人たちの持つ悩みや心持ちを分かるのは大人になってからです。幾度も読んで,だんだんとこのお話の持つ意味が分かるようになりました。

 バオバブの芽やきつねやへびが出て来るので子供向けと思われたのでしょうか,子供の頃この本を読みながら,楽しいと思ったことがありません。それなのに幾度も読みました。どちらかというと寂しい空気を感じていました。子供が寂しいと感じながらも幾度も読む本は,やはり名作です。

 沢山の実家の本を整理し捨てました。ガラス張りの大きな書棚はスカスカです。その中にこの「星の王子さま」ちゃんと仕舞われています。挿絵は白黒でした。次回帰国したら手に取って読み直しましょう。

 映画も子供向けに作られているそうです。これほど「星の王子さま」に久しぶりに会えて嬉しかった私ですが,映画は観に行かないと思います。


香港ぐっと涼しくなりました。

2015年11月27日 | 香港

晴れ,16度、53%

 この11月の香港の平均気温は24度、観測史上初の高い気温で推移したそうです。11月に入るとエアコンを付けないのですが、今年は何度かスイッチオン。やっと昨日から朝の気温が20度を切りました。といっても16度。雪が降っている地方の方にはないやら恥ずかしく思います。

 中秋の頃にはまだ暑さが残る香港です。この時期になってやっと,冴え冴えとした月を仰ぐ事が出来ます。寒空に浮かぶやや青白い月は,気高くみえます。冬の月はなんとも好ましい。こんな急に気温が下がった朝は,モモさんお散歩を渋るのではと懸念します。2年前の冬に一度,行きたがらないことがありました。まあ,無理はさせません。ところが16度ぐらいだからでしょうか,快調にお散歩に出発。しかも一番遠回りの道を選びます。夏の頃と同じように,ここで休憩。 「お腹が冷たくありませんか?モモさん。」

 家に戻ってしばらくすると主人が散歩から戻りました。何やらニヤニヤ,「手を出してごらん。変なものじゃないから。きっと、ありがとうっていうよ。」とおっしゃいます。おそるおそる出した手のひらに、 下鴨神社の足のお守りです。モモさんの足を気にしてくれる友人からこの夏2度目のお守りが届きました。リーシュに付けているとモモさん臭くなりますから,お散歩用の袋の持ち手に付けていたのにどこで落としたのかしら。幾度か重なるモモさんの後ろ足の不調も大事に至らずに来ました。このお守りのかげだと思います。仕事に出かける主人を見送っていると,玄関前を指差して,「ここに落ちてたよ。」きっと鍵を探していて何かの拍子に外れたのでしょう。よかった人に踏まれることもなかったようです。

 お守りを送ってくれた友人もお月様が好きな人です。京都の空に浮かぶ月を見ているに違いありません。香港らしい同じ日の月の写真です。 お月様の右上には小さく飛行機の尾灯が見えています。寒い冬の月は,山を後ろにしても,ネオンサインを後ろにしてもなんともいい風情です。


大澳 タイオー 香港

2015年11月11日 | 香港

雨,21度、87%

 毎年11月の秋の空が香港に戻って来ると行きたくなるところがありました。こんな狭い香港ですが,島に渡るには時間もかかります。行きたいなと思いながらもう,10数年も行かずまま。今年の香港11月になっても,秋空が拡がりません。ちょっとの青い空を捕まえて、出かける事にしました。

 香港で一番大きな島ランタオ島の西の端、大澳です。30年ほど前は,このランタオ島には,寶林寺という禅寺しかありませんでした。海水浴場と禅寺,それが島の山頂には大仏像が出来ました,飛行場も出来ました,橋が架かりました,大仏に行くためのロープーウェイも出来ました、そしてディズニーランドまで出来ました。牛がのんびりと歩く道は,車の行き来も多くなり、こんなところにと思うようなところにまで西欧人が住むようになりました。

 大澳は島のはずれ,大仏から山を下りた海沿いの村です。生業は漁業。なんとものんびりとした空気が流れています。海の匂いのする村です。小学生の息子も一緒に親子で来た事も,主人と二人で来たこともあります。香港の中でも私の好きな村のひとつです。大澳は河口を挟んで小さな島に渡ります。以前は、私が立っているところから 犬が上っている階段までのほんの数メートルの距離を筏のようなもので渡しをしていました。 これが30年前の渡しです。随分前にこの渡しが無くなって橋が架かった事を知りました。 初めてこの橋を渡ります。 向こうからは先程の犬がやって来ました。この河口の両側には、 棚屋、と呼ばれる海に足を建てた家が並んでいます。この日は引き潮でした。脚高に見えます。河口と反対を眺めれば、 ランタオトレイルの最後のポイントが眺められます。

 私がこの村に着いたのは,朝の8時過ぎ,まだ観光客もやってこない地元の人たちだけの時間です。市場は開いています。朝早くから飲茶の店も開いています。 

 香港は海辺の町には海の守り神を祀る天后廟が必ずあります。 向かって右になぜかポストが、 ノックしてみたら木で出来ています。郵便局もありますが,昔の名残のポストでしょう。

  海の色や拡がりが香港島から眺めるそれとは趣が違います。海鮮物の乾物も作られますが、 アヒルの塩卵の黄身を干している光景もここの名物です。これは月餅のあんにも入れますが,ブタのひき肉と一緒に蒸し物にする香港の貴重な調味料のひとつです。 小さな路地の向こうからは人の営みの匂いがして来ます。 こちらも香港の大事な調味料、陳皮。みかんの皮を干しているところです。この季節ならではの光景です。 真ん中の信箱、郵便受けです。こんな郵便受けをすっかり見なくなりました。家と家の間から、 海が見えます。海に支えられ,海と共に生活する人の村です。 昔の日本の海辺の町でも売られていたような貝殻細工。棚屋の家で内職で作っているものでしょうか。懐かしい。

 バス停に着くと、 この看板が出迎えてくれました。この看板が見えると大澳だと思ったものです。昔はここまでくるのにフェリー、バスを乗り継いで4時間近くもかかったと記憶しています。バス停も広くなりました。降り立った私は,この看板を探します。ありました、 すっかり絵がはげてしまっています。そうですね、10年以上も来ていませんからね。

 今では電車とバスを乗り継げば2時間ほど,随分近くなりました。また来ますね。


ハリネズミ 香港

2015年11月01日 | 香港

曇り,23度、82%

 香港、高層ビルが建ち並ぶアスファルトだらけの都会のように思われている節があります。確かにそうです。狭いこの土地に沢山の人が住んでいます。それでも離島や中国国境近くに行けば緑豊かな土地です。

 私が住むのは,高層ビルが建ち並ぶセントラルから山向きに上がったところです。窓からビルばかりが見えています。家の裏側は,観光名所のピーク(太平山)が望めます。この家から走って10分ほどのボーエンロードにほぼ毎朝走りに行くようになって,そろそろ20年になります。片道4キロのこの道、途中までしか車が入れません。すっぽりと木に覆われた山沿いの道です。

 このボーエンロードに住む野生の生き物もこの数年で生態が変わって来ました。随分昔には主人はこの道でコブラに出くわしています。蛇はちょくちょく見かけます。大きなトカゲは姿を消しました。大きな生き物はハクビシンが常連です。秋になると出て来るホタルも昨年から再び登場です。野良犬や野良猫は後を絶ちません。新参者の生き物,結構な大きさです,それがハリネズミ。

 ハリネズミに出会ったのは,3年ほど前の事でした。狭い道をのんびりと横切っています。いやはやこの私びっくりです。立ち止まって,草むらに戻って行くまでじっとしています。初めて見た時は1匹。次に会った時は,3匹,親子だったと思います。大中小,並んで歩いています。とにかく脅かさないように,ハリネズミたちが行ってしまうまで立ち止まって見送ります。

 ハリネズミは本来冬眠するそうですが,ここは東南アジアの香港,最低だって10度前後の気候です。ハリネズミを一年中見かけます。時には人間のゴミ箱近くでゴソゴソしている事すらあります。真夏はもっと上のピーク近くにいるかと思えば,この夏は上に上らずボーエンロードにとどまっていました。

 ガサゴソと音がすると,辺を気を付けて見回します。たいていは早起き鳥たちですが,ハクビシンやハリネズミのこともあります。やはり,ハリネズミを見かけると私の心臓ドキドキとします。早く私に気が付いて,どっかに行って欲しいのですが,なかなか悠長なハリネズミです。

 先日,月が欠け始めた空を見上げて走っていました。何やらすっとふくらはぎの辺に触ります。足元を見るとなんとハリネズミが真横にいます。体中の毛は逆立って、凄く大きく見えます。逆立っている時は普通の時の倍くらいに見えます。敵に体を大きく見せて、威嚇しているのです。もう動けません。みるともう1匹,すぐ目の前にいます。驚いたのは私ばかりか,このお二人もきっと仰天していたのだと思います。仲良く並んで走り始めました。やれやれ。「驚かせてごめんね。私は悪い人ではありませんよ。」走るといっても,この体です。 ノチノチと走ります。

 小さい方が後れると,大きい方がかばうように走ります。走り去る2匹の後ろ姿を見ていると,なんとも微笑ましくなりました。おそらくボーエンロードにいるハリネズミはこの2匹だけではないと思っています。また春になると子供を連れたハリネズミに会う事が出来るはずです。都会の真ん中で出会う野生の生き物,香港のハリネズミです。


香港のブーケ

2015年10月24日 | 香港

曇り、24度、84%

 スーパーマーケットの一角に小さな切り花コーナーがあるような日本のお花屋事情とは異なる香港です。町中にはお花屋さんが少ないのですが,市場に行けばひとつや2つの花を売る店が見られます。お花も世界中から入って来ますから,一年中,同じような花ばかりです。フラワーアレンジ、生け花も盛んです。バレンタインデーには大きな花束を抱えた花の配達人が,町を行き来します。旧正月前はきれいに調えた家に花を飾る様子を見ると,花も言葉を超えた気持ちの現れだと感じます。

 花束を頼む時,自分でこの花あの花と選ぶのよりも,パンフレットの写真から予算を伝えて作ってもらうのは、日本と同じです。市場のお花屋さんでは見られない光景ですが,九龍サイドの大きな花市の花屋には年中,出来合いの花束がずらりと飾られています。その出来合いの花束の色合い,リボンや包み紙の選択,時には花束の真ん中に熊のぬいぐるみなどが入っているのを見ると,花束ひとつにもお国柄が見られます。

 昨晩は,主人の会社の香港事務所の20周年記念の内輪の会がありました。会社立ち上げから今までずっと主人に任された会社です。内輪といっても日本本社から創立家族の会長や重役の方もおみえです。香港のスタッフから会長に手渡された花束,今日には日本に戻られますから,私が頂戴しました。

 薄いピンクのアマリリス,緑の秋色紫陽花,燕脂のアリストロメリア,ハランの葉っぱもうまくアレンジされています。花の寄せ方は随分あか抜けて来ましたが,ラッピング、リボンが今ひとつ。全方向から見る事が出来る花束よりも、最近はこうした縦長のアレンジが香港の流行です。

 さあ,今からリボンをほどいて活け直しましょう。


香港グレナリーの秋

2015年10月21日 | 香港

曇り、23度、66%   重陽節

 香港島のセントラルから山向きにのぼる道は沢山あります。言い換えると,我が家からセントラルに下りる道はチョイスがいっぱい。晴れた日にセントラルの中心部に行きたい時にはグレナリーを歩きます。雨が降ると坂道でスッテンコロリンとなるので危険です。もちろん、ハイヒールなどは禁物です。

 歩くには心地よい秋空です。香港紅葉はありません。秋空の下,緑の深い車が通らないグレナリーを歩きます。正確にいうとグレナリーロード、香港動植物園の脇道です。見出し写真の右オーバーフローを下ってビルの建ち並ぶところまで下りて行きます。この秋は雨が多いので,水門から水が放出されています。 例年はカラカラの水路です。 動植物園の入り口です。グレナリーはほんの一部ですが全く車が通りません。実は人もあまり通りません。もっと涼しくなると,モモさんの遠出の散歩道です。ケインロード近くに下りると,右手に香港島で一番大きなカソリック教会が見えます。 ここで,振り返って下りて来た道を見上げると、 いかに緑が深いか改めて感じます。この教会脇には,見上げても一番上が見えないほどの大きさの白蘭の木があります。 この木には白いいい香りの花がひと夏中咲きます。この木の下を通れば、天から微かにいい香りが舞い降りて来ます。

 ケインロードを渡るには地下道を、 この地下道をくぐると,車が通るグレナリーに出ます。このトンネルを抜けただけで,急にあのビルの建ち並ぶ真ん中に出てしまいます。 フリンジクラブのユニークな建物が見えれば、もうすぐセントラルです。坂を上ったり下りたり、 こんな小さな階段が幾箇所もあります。殆どセントラルの真ん中、オンラムストリートを右手に入ります。あくまでも人通りの少ない場所を選びます。  日本のSAKAIが最近路面店を出したばかりです。この一帯、JYUNNYA WATANABEやコムデギャルソンのお店が並んでいます。オンラムストリートはゼットランドストリートに行き当たります。山側を見れば、 この道を下れば、 セントラルランドマークのマンダリンホテルの前に出ます。我が家を出てから20分弱。

 ランドマークの噴水のまわりには,アマリリスが飾られていました。 あとひと月もすれば,クリスマスの飾り付けが始まります。

ランドマークを抜けて、シャター公園に入ります。 こうして見ると,やっぱり香港。 町の真ん中ですが水の流れとヤシの木が見えると亜熱帯の景色です。

 この後は人ごみ,車ばかりの道を通ってワンチャイまで歩きました。帰りミニバスに乗っていると、見知らぬ日本人の方から声をかけられました。香港にアメリカから赴任してみえたばかりの方でした。香港の緑の多さに驚いていらっしゃいます。確かにセントラルのビルばかり思い浮かべると,その後ろにある緑の深さには驚きを隠せません。その緑に毎日お世話になっています。