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チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

香港のキノコ

2016年05月16日 | 香港

曇り、23度、83%

 今年に入って雨が多い香港です。一年中湿度は高く、除湿機が無いと壁紙が剥がれて来ることすらあります。家の中のカビ対策は日本の梅雨よりも大変です。油断すると、靴などの革製品はうっすらとカビが付きます。

 外に出ると、風がない時はムッと湿度が地面から上がって来ます。まあ仕方ありません、ここは亜熱帯気候です。雨が降ったり止んだりの天気が続くと、こんなものが顔を出して来ます。 目を凝らさないと見えません。 こんな群生も見られます。キノコです。香港の野生のキノコは大型ではありません。大きくてもシイタケ程です。以前は、真っ赤なキノコやきつね色のキノコもよく見られました。ここ数年お目にかかっていません。キノコは空気のきれいなところに生えると何かで読んだことがあります。年々、空気汚染が進む香港、きっとキノコ達にとって住み辛い環境になって来たのだと思います。

 キノコの名前を調べようと、「香港 キノコ」で検索しました。出て来るのはキノコ料理ばかりです。細いヒョロッとしたおそらく「ヒトヨダケ」の仲間でしょうか。

 日本には自生していない白キクラゲが市場で木に付いたまま売られていました。 この生の白キクラゲ、私の手のひらに納まる程の大きさですが、お値段を聞いてびっくり、日本円で6000円ぐらいです。サルノコシカケ、普通のキクラゲは街路樹にも付いていることがあります。

 木陰の小さなキノコ、昼間雨が降らないと夕方には萎んでしまっています。翌朝、キノコのあった当たりを見回しても陰も形もありません。今朝は日差しが強くなり始めました。モモさんの散歩でキノコに会えるのもしばらくお休みです。


香港セントラルの小さな公園

2016年05月13日 | 香港

曇り、24度、83%

 香港島の北側は、急斜面に建物が建ち並んでいます。埋め立てが進んでいますから、平坦な土地が拡がって来ましたが、以前はそれこそ水際からすぐに山道があったと聞きます。ションワン、セントラル、ワンチャイ一帯は昔から人が住み続けて来た土地です。20年程前、セントラル中心部から山に向けて長い長いエスカレーターが作られました。このエスカレーターが出来る前は、山手に住む人たちは、坂を上ったり下ったり。随分便利になりました。

 エスカレーターの通っている道に平行して何本も道があります。その坂道を上り下りすると、ビルとビルの間に小さな公園がポツポツあります。公園なんていうにはほんとに小さく「休憩処」と書かれています。 最近は子供の遊具なんかも置かれていますが、以前はひさし付きの小さなベンチがあるのみでしたが、決まって木陰はあります。涼しいうちはこの小さな公園はあまり気にもならず通り過ぎますが、日に日に気温が上がり始めると、こうした小さな公園のありがたさをひしと感じます。

  向こうの道と手前に道を行き抜けるこの公園、近道ばかりではありません。高齢化の進む香港、歩き疲れたお年寄りがチョイと一休みします。

  水辺もあるやや大きめの公園もあります。 奥の四阿の中では、中国将棋をしているおじいちゃん達がいます。

 小さな公園ですが、緑の木陰で一息つく、スコールが来れば雨を凌ぐための屋根を求める、公園のおかげを蒙っています。 暑くなると外で遊ぶ子供なんかいなくなる香港です。坂の途中のこの公園は、昼過ぎには近くの工事現場のおじさん達が思い思いに昼寝をします。

 近道のために通り抜けていた小さな公園ですが、暑くなって私もおじいちゃんやおばあちゃんに混じって一休み。ふと上を見上げると、 初めてみる可愛い花がありました。友人に名前を調べてもらいました。「エラエオカルブスレティキュラックス」舌を噛みそうな名前です。

 ベンチに座ったおかげで初めての花にも出会えました。この夏度々小さな公園にお世話になりそうです。

 


香港の野スミレ

2016年04月04日 | 香港

ガス、22度、92%

 香港、今年は春の訪れが遅いように感じます。ミモザがまだ咲きません。春に葉を落とし新芽を付ける木々がまだ古い葉を付けています。例年より寒い冬だったのが原因でしょう。蝉の初鳴きもまだです。

 出遅れている春は、小さな野の花達にまで及んでいます。足元に咲く花達ですから気付かずに通り過ぎる人も多いと思います。この私にとってはここ20年近くもこの花を見ると、春がもうすぐだと感じます。原種のスミレです。

 日本でもタチツボスミレと呼ばれる小さなスミレ、葉の形は違いますがスミレの原種とされています。毎月上る香港島東のマウントパーカー、600段近い階段脇の日の当たるところに咲きます。早い年は1月、遅くても3月にはこの可憐な花を見ることが出来るのに、今年はやっと4月に顔を出しました。1月には葉っぱも見えませんでした。3月にやっと葉っぱが出て来ました。そして昨日は、薄紫の花をつけていました。

 こちらは日本の原種のスミレ、「琉球小スミレ」の葉っぱです。 今年になって頂いた種を蒔きました。よく育っていますがこの春花をつけるかどうか、まだ分かりません。葉の形が丸いのが特徴です。香港のスミレは葉っぱが紡錘形。琉球と香港、台湾を挟んで距離的には近いのですが、どの辺りでこの葉の形が分かれるのか、台湾の原種のスミレを見てみたいと思います。台湾の北は丸い葉、南は紡錘形の葉、そんな想像をします。いつか台湾のスミレを調べてみましょう。

 スミレの近くにはタツナミソウも花をつけていました。 いつもならまだまだ沢山の花が見られる4月です。

 朝から一日ガスっています。気分が重たくなりがちですが、 こんな幻想的な風景を見ると、このガスが多い香港もよく思われるから不思議です。

 昨日は昼間は27度まで気温が上がりました。あっという間に夏になります。香港の短い春、遅い足取りで夏と一緒にやって来そうです。


ハリネズミとヤマアラシ 香港

2016年03月22日 | 香港

雨、16度、97%

 香港島は小さな島です。北側のビクトリア湾を望む一帯は、ご存知のように高層ビルが林立しています。南側は、密集しているわけではありませんが高層のマンションが建っています。島の中央はさほど高くない山が東西に走っています。皆さんがきっと思っているよりは山の自然、海の自然が身近にあるのが香港です。

 先月、夕方の地元のニュースを見ていると、香港島北側、ホテルやショッピングセンターがある金鐘にイノシシが出たと言っています。金鐘から山に向けては香港動植物園があります。更に上がると亜熱帯の鬱蒼とした木立です。香港島にイノシシがいた事実に驚きました。ビクトリア湾を渡って中国との地続きの新界の山の中では、二度ほどイノシシに遭遇しています。でもまさかこの香港島にイノシシがいたとは。私はこのイノシシが出たところから少し上にある道を朝走ります。

 それからしばらくして出た地元英字新聞の記事によると、土地開発が進む中で野生の動物の棲息地域に変化が起こっていると書かれています。ジャコウネズミ、ハクビシン、野生の鹿、ヤマアラシ、イノシシ、野生の豚、今までならひと目に付かないところで生活していた動物がひょっこり姿を現すようになったというのです。

 私はそろそろ20年、同じ道を走っています。リスはさておき、最初に出会った野生の動物はハクビシンでした。木の上からこちらを見ています。これには驚きました。季節は一年中、ハクビシンに会うことが多くなった頃、ハクビシンが交通事故で亡くなるケースを新聞で目にするようになりました。4年ほど前でしょうか、全長1メートルほどの針をふさふさ付けた動物に出くわしたのは。てっきりハリネズミだと思っていました。今回のイノシシ騒ぎで私がハリネズミだと思っていたのは、実はヤマアラシだと知ります。大きさが違うのだそうです。ハリネズミは、せいぜい40センチほどの小柄動物だそうです。

 4年ほど前ポツポツ現れたヤマアラシ、その頃からハクビシンの姿がすっかり見えなくなりました。ヤマアラシは私が走る道沿いで繁殖していました。親子3人連れのヤマアラシにも出会います。時にはゴミ箱を漁っています。私も段々警戒心がなくなって、平気で横を走ります。間近で見るヤマアラシは針の目が粗く、ワサワサ音を立てて歩きます。

 動物保護協会の人の話によると、こうした野生動物を怖がる人たちが傷つけたり殺したりする事件も起こっているそうです。野生動物を保護する動きが出て来ています。山を切り開いてマンションを建てる、動物達が安心して生活出来る場所を人間が取り上げて、挙げ句には傷つけかねない現状です。

 イノシシ事件がなければ、私はヤマアラシをずっとハリネズミだと思い込んでいたに違いありません。ここひと月、ヤマアラシに会っていません。新聞によると捕獲、保護をはじめると書いてありました。安全なところに連れて行かれたのならいいのですが。今度会ったら、「ヤマアラシさん、おはよう。」と声をかけてやるつもりです。


浅水湾(リパレスベイ) 香港

2016年02月18日 | 香港

小雨、11度、96%

 例年のことですが、香港、2月に急に気温が上がると町中が結露します。道路もじっとりと濡れます。ビルのコンクリートの壁でさえ、結露で濡れます。雨よりも質が悪く、うっかりすると滑ります。お天気が良ければまだ凌げますが、朝からどんよりと曇って、ほんの目の前の隣のビルすら姿が見えない日が続きます。そんな天気の日、香港島の南側、浅水湾に行きました。

 香港島は中央東西にやや高い山があります。南側に行くには、北側から山越えかトンネルを抜けます。香港島の北側がジトジト天気でも、トンネルを抜けると青空が拡がっていることもあるほど、北と南では天気が違います。南は南シナ海に向かって拡がります。香港で一番大きな魚市場があるのも南側、また、英国領時代から欧米人が多く住む高級住宅地もこの南側です。

 作家森瑶子の「浅水湾の月」の浅水湾です。山手には、海を見渡すマンションやロッジが建ち並び、広い砂浜が拡がっています。3月頃から11月頃まで砂浜は泳ぐ人、日光浴の人で賑わいます。この広い砂浜は、実は人工の浜です。人為的に拡げられた砂浜です。ちょうど息子達がこの砂浜でマラソン大会をした頃、埋立てられましたから、かれこれ20数年前のことです。

 トンネルを抜け、海が見え始めると、あれ、海の上まで蒸気が立ち込めて、海面が見えません。 一番手前が砂浜、水際を歩く人たちと山の中間は海です。海にすっぽりと霧が立ち上がっています。

 浅水湾の東の端には、古い廟がありました。海を鎮めるための廟です。その廟のまわりにけばけばしい観音様や広州の守り神5匹の羊の像が建ったのも、ちょうど砂浜が拡げられた時期のことです。 日本の仏像では考えられないような色遣い、アメリカの人がこの廟のことを表して、珍奇なと書いているのを読んだことがあります。確かに摩訶不思議な世界です。 

 一時間ほどもいたでしょうか、少しずつ霧が晴れ始めました。 小さな島々が姿を見せて来ました。それでも、海の向こう霧の中から行き交う船が汽笛を鳴らしているのが聞こえます。私が「汽笛。」と言うと主人が「霧笛。」だよと訂正してくれました。

 見出し写真、どう見ても中国的な色合いのこの廟の海に突き出た見晴らしです。夏ともなれば、ここに独り乗りボートが並びます。

 海と霧、こんな幻想的な姿も香港です。


獅子舞 香港

2016年02月16日 | 香港

曇り、11度、70%

 旧正月が明けてそろそろ10日になります。学校も始まりました。中国からの観光客も減って来たように思います。町は通常に戻ったかのようですが、町の何処かで太鼓の音が聞こえます。獅子舞の太鼓です。

 獅子舞の太鼓の音が聞こえても、もうこの時期当たり前ですから見にも行きません。数年前までは、モモさん、この太鼓の音が聞こえると家中を走り回って、興奮していました。実際に獅子に出会ったときなど、歯を剥いて向かって行ったほどでした。ところが、モモさんもこの太鼓の音に慣れたのか、いえ、お歳でしょうか、ずっと寝ています。

 日本でも獅子舞は見られます。長崎のおくんち、唐津のおくんち。九州北部の秋祭りには獅子舞がつきものです。日本の獅子と香港の獅子、顔つきがかなり違います。中華街がある町なら、もちろん旧正月に獅子舞。

 昨日、セントラルのIFCに買い物に出ました。また太鼓の音です。階上から見下ろした獅子舞、なかなか本格的な獅子舞です。香港中に獅子舞をやっているグループは数にしてどの位あるのか知りません。旧正月でなくても、大きなビルの開業、中華レストランの開店にも獅子舞はやって来ます。いつもいつも獅子舞の仕事があるわけではありません。以前、香港のテレビ番組が獅子舞のグループの練習風景を流していました。殆どはプロではなくて、街街の地元の若者のアルバイトのようです。

 昨日見た獅子舞、服装も舞も素人っぽさがありません。流石一流のショッピングモールです。 

 お店一軒一軒を廻りますから、かなりの時間あのうるさい太鼓の音が聞こえます。店に依って、獅子の対応も違います。お店の中まで入れるところもあれば、大事な門口だけで挨拶をする店もあります。久しぶりに珍しい光景を見ました。 店の門口に吊り下げられた縁起物を伸び上がって頂くこの様子です。 旧正月前になると市場にはこうして根付きの野菜を束ねて売っています。来る年の無病息災、商売繁盛を願う縁起物です。家庭でも門口の神様に祀ったり、神棚に吊り下げるそうです。

 黄色い獅子も白い獅子もいますが、やっぱり旧正月は赤い獅子が似合っています。久しぶりに立ち止まって見た獅子舞です。獅子の横に立つ女性、大きな赤い布袋を肩から下げています。店店から心付けが渡されます。大きく膨らんだ袋でした。香港の町、あと数日は何処からともなく太鼓の音が聞こえます。


堅尼地城(ケネディータウン)香港

2016年02月13日 | 香港

ガス、22度、94%

 マカオからフェリーに乗って、香港島に帰って来ます。小さな島を抜けながら、遠くに香港島の島影とともに見えるのが3本の煙突です。この3本の煙突が香港島に戻って来たと教えてくれます。3本の煙突の一帯はさほど高くない古いビルが建て込んでいます。この煙突の前を通り過ぎると、香港島セントラルの超高層のビル群が目映いばかりに目の前に拡がります。今から10数年前までの話です。

 この3本の煙突のある町の名前は、ケネディータウン、もしくは西環。香港島北側の西の端に位置する町です。セントラルから車で20分ほど、町の様子も町の匂いも全く違います。2000年に入る頃からこの町の再開発が始まりました。 その当時、この同じ場所に立つと、2階建てトラムの向こうに見えるのは海でした。埋め立てが進みその上には広い公園、そのまだ海側には自動車専用道路が出来ています。防波堤もなかったあの頃、風の強い日にはトラムは波を受けていました。

 並んで建っていた3本の煙突は、香港島のゴミ処理場の煙突と場の煙突でした。中国から電車で生きた牛や豚が九龍サイドのホンハムまで運ばれて来ます。そこからトラックに乗せられて、このケネディータウンまで連れてこられます。香港島内だけの市場に卸される牛や豚でした。今では中国から入ってすぐの町に近代的な場が出来て、香港中のを行っています。

 ゴミ処理場や場があったこのケネディータウン、どんな天気のいい日でも何か重い空気が流れていたような記憶があります。  場が無くなった今でも、肉を扱っていた組合の看板が町には残っています。

 車で通り過ぎるばかりのこの町、西欧人が道を行くのを見かけます。以前だったら、考えられない光景です。 洒落たレストランも出来ています。 昨年、地下鉄がこの町まで延長されました。場の跡地には、 こんな高層のマンションが出来ていました。ここからの景色、海が前面、ディズニーランドも見えるはずです。

 香港のいろいろな町が近代化するのを見て来ましたが、なんともこのケネディータウンほど様変わりした町はないのではと思います。まだ様変りの途中です。

高層ビルの手前は古い町並みが残っています。 昔から続くおかゆ屋さん。 こんな果物やさんもまだあります。 こんなスタイルの雑貨屋さんはもう見られなくなりました。よく見ると、左上、藤で編まれた枕の上段にねずみ取りが売られています。そうです、昔のケネディータウンはねずみ取りが必要な街でした。まだ、新しい物と古い物が共存しています。 香港島北側側の急斜面、昔ながらの階段とその横にはエレベーターが出来ています。

 こうして少しずつ少しずつ、懐かしい景色が消えて行きました。


「利是」中国のお年玉

2016年02月09日 | 香港

晴れ、13度、42%

 昨日が旧正月の元旦、今日が初二、明日が初三。お正月の三が日を祝うのは中華圏も同じです。暦では、この3日間がお休みです。

 同じといえば、お年玉があるのも同じ。日本なら家族内、近くの親族の子供に上げるお年玉ですが、ご祝儀というか、心付けというべきなのか、マンションの管理の人や掃除をしてくれる人にまでお年玉、「利是」を上げます。「利是」と書いて、レイシーと読みます。中にいれる金額は相手によって様々です。通称赤袋ともいいます。

 昨日、初一にも関わらず、モモさんの朝散歩に「利是」を持たずに家を出ました。マンションの入り口には夜勤の管理の人たちが数名立っています。「恭喜發財」と言って両手を握る仕草をします。お正月の挨拶です。お金が入って来るようにという意味です。ここで、「利是」を渡さなくてはなりません。おっと、忘れています。この私、「あとでね。」と言って散歩に出ました。

 ちょっと顔見知りの子供がいてもこの「利是」を渡します。頂けそうだなと思うと、子供も大人もニコニコと「恭喜發財」や「身体健康」、「年々有余」、「万事如意」などと言って寄ってみえます。沢山の旧正月の挨拶の四字熟語があります。この赤袋を持たずしては一歩も外に出られません。

 日本は通常に動いている昨日、主人は香港の事務所に仕事に出かけました。出かける前にもちろん「利是」の袋を持って出ます。私にも人に渡すようにといって、置いて出かけます。主人が出かけた後のデスクの上、 大きな赤い袋の束は持って出かけた後です。主人は、金額によって袋を変えています。最近は封筒状の縦長の赤袋も出て来ましたが、スタンダードな大きさ形は、下の真ん中の小さな赤袋です。この赤袋の山、実は香港ドルと中国の人民元とに分かれています。主人は香港の事務所の人たち深圳の事務所や工場の人たちに渡さなくてはなりません。袋ごとに入れる額が違うとはいえ、入ってる貨幣の種類も違います。ちゃんと区別がつくのか不思議です。

 中にいれる紙幣は全て新札です。旧正月前には銀行で新札に替えてもらうために並びます。そして赤袋に入れます。ここ10年ほどは、主人の会社の人がやってくれますが、以前は、新札に替えるのも袋詰めも主人と私の仕事でした。旧暦の大晦日は、袋詰めで追われました。

 赤袋、大きな家では自分の家の氏名を入れた物を作ってもらいます。取引先の銀行から配られることもあります。最近では色も赤ばかりか金色も出て来ました。日本のお年玉袋に比べれば、買ってもお安い赤袋です。

 一月の終わりごろ、香港のセレクトショップ「JOYCE」から手紙が届きました。中を開けると、 その中に入っていたのが、見出し写真の「利是」の袋です。お店の名前を喜びの言葉「JOY」にかけたのだと思います。いい紙でしかもこんなに洒落た赤袋を見たのは初めてです。これは使わずに大事に取って置きます。

 「利是」を渡すのは、元旦から2週間とも3週間ともいわれます。家から出るときは、バックに赤袋を忘れないように持ち歩きます。厄介な習慣です。さあ、赤袋を持ってモモさんと朝散歩に出かけます。


香港 旧正月の準備 

2016年02月05日 | 香港

晴れ、12度、83%

 一昨日の夜、香港に戻って来ました。寒い日本で用事を片端から片付けて行きます。香港に帰った翌日は、こんな私でも少しスローなペースになります。ところが中華圏は来週の月曜日から春節、旧正月のお休みです。しかも今年は大晦日が日曜日と重なっています。食糧の買い出し、銀行の用事やらこれまたすること一杯です。

 日本人ですので、暦のお正月は日本式に迎えます。なのに旧正月も地元の人に倣って、少しばかりまねごとをして来ました。まずは、お花を求めに花市に。こんなに押し迫って花市に出向いたのは初めてです。九龍サイド、太子の花市以外にも年末は大きな公園がすっぽり花市になるほど、香港人、旧正月にお花を欠かしません。香港島のビクトリア公園の花市は規模からいうと大きいのですが、花の種類を問うならば、やはり九龍サイドまで足を伸ばすことにしました。

 地下鉄の駅を出るとおまわりさんが整理するほどの人の流れです。 黄色いみかんの鉢植えが何処までも続きます。黄色いもの、丸い物は子宝、金運を意味して縁起がいいとされています。 水仙の鉢植えです。白く香りのいい水仙も旧正月の花です。水仙の球根の水栽培は、例年年明けとともに各家庭でも作ります。私も数回挑戦しましたが、真っ直ぐに葉を茂らせるのには、こつがあるようでいつも失敗でした。 真っ直ぐに上に力強く伸びる物に、その年の運勢をのせるのも中国的な考えです。ピラミッド状の開運竹。 真っ直ぐに背高く伸びるグラジオラスは昔から人気の花です。 もちろん百合も香りがよく大振りな物が一斉に地元の花農家から出荷されます。

  桃の木は、平和のシンボル。小ぶりな木は家庭用。大きな木はショッピングモールやホテルの入り口に飾られます。見出し写真は、五家一堂ともいわれる木の実です。五世代が一緒に生活する幸せを願う物だそうです。中国人は家族の和を重んじます。ことあるごとに、大きな円卓を囲み家族全員が集まって食事をする光景にこの五家一堂の実を重ね合せて思います。 ネコヤナギはこれまた子宝の象徴です。赤や黄色に彩色されたネコヤナギ。私的には色など付けないで欲しいのですが。

 人の多さに呆れながら、結局私が選んだ花は、 コデマリ。日本の福島から輸入された物です。コデマリを見つけると買わずにはいられないほど、コデマリが好きです。枝一杯に花が付くのを待ちましょう。そして、 今年の新色だという百合。つい先日、父の法要には白ユリを求めました。お祝いの旧正月、新色の紅百合が開くのが楽しみです。

 さあ、今日から食糧の買い出しです。


赤い提灯 香港の旧正月

2016年02月01日 | 香港

曇り、9度、64%

 先月末、気がかりなことが多くてふと気が付くと町中が赤一色になっています。やっと、あと一週間で旧正月だと気が付きます。中華圏にとって、ほんとのお正月です。お店も締まります。食料品の買い溜めもしなくてはいけません。香港が一番静かな時間を迎えるのが旧正月です。

 お祝いには赤い色。結婚式のお嫁さんの衣装も赤です。白は中華圏ではお葬式の色。赤い大きな提灯が建物の入り口を飾ります。初めてこの旧正月を香港で迎えた時、この赤い色がとても気に障りました。お祝いの言葉を書いた貼り紙も赤です。利是と呼ばれるお年玉を入れる袋も赤。挙げ句に下着まで赤を着るのだそうです。

 数十年、この赤い色に馴染んできました。赤い提灯に灯が入ると、嫌が上でも町は明るくなります。それなのに、赤い提灯を見ると寂しい気持ちになることがありました。以前は、この旧正月のお休みが2週間、3週間と続きました。日本も昔そうだったのと同じです。お店が長く締まるこの季節、町は静かになりますが私は寂しく感じていました。流石にここ10年は、どんなに長く休むお店でも10日です。旧正月の寂しさが私の中から消えて行きました。でも、日本人ですからお正月は暦通りのお正月。旧正月をお祝いとは思えずにいます。

  赤い提灯に灯が入ると、写真では白く写ります。こうして見るときれいな眺めです。日本の注連縄、門松とは、全く趣が違うお正月の飾りです。桃の木、金柑の植木鉢、黄色い菊の花。香港の旧正月、やっと身に沁みて来ました。