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チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

香港の旗

2016年07月17日 | 香港

晴れ、29度、86%

 香港が中国に返還されて19年が経ちました。中国人民共和国特別行政区が正式名称です。中国の一部です。返還される前は150年以上もイギリスの植民地でした。私が香港に住み始めたのはまだイギリス領の頃です。そのまだ植民地であった頃ですら、香港には香港の旗、国旗がありました。そして今も中国の一部ですが、香港の旗があります。

 19年も経つと以前の旗がどんなものだったか忘れていました。昨日は家中をひっくり返して片付けをしていました。狭い家ですが永年住んでいますと、あれあれと思うほどにものが一杯になっています。今年38歳になった息子のものまでがまだとってあります。息子が日本に戻ったのは23年前、小学の後半、中学をここ香港で過ごしました。土日にはリトルリーグ、シニアリーグと野球をしていました。香港代表に選ばれて海外の遠征にも3度参加しています。その時のユニフォーム、帽子は直にでも使えるほどきれいな状態で残っています。 捨てるつもりはありません。もう一度畳み直していると、小さなワッペンが膝に落ちました。見出し写真の香港がまだイギリス植民地だった頃の旗です。

 このワッペンはユニフォームではなく香港チームとして移動する時のシャツに縫い付けてあったものです。しかも、このワッペンを注文にワッペン屋さんに行ったのは私ともう一方。いろんなことが思い出されます。

 イギリス領下の香港旗は、イギリスと関係のある国と同じように左上にはユニオンジャックが飾られています。この香港の国旗を振り返ってみれば、1941年から1945年の間は日の丸が国旗だった訳です。なんとも不思議な国です。現在は、 中国と同じ赤地に香港の花「ブウフェニア」が白く染め抜かれています。

 もうすぐオリンピックが始まります。香港のテレビで見るオリンピックは、8回目になるのかな、さっきから指折り数えています。入場行進のとき、香港の旗も入場します。いつも4、5人の小さなグループです。女性のヨット、自転車、卓球にはメダル保持者もいます。入場行進のとき、この香港の旗を見るとうれしくなります。白状します、日の丸の大きな団体を見る時よりもうれしいのです。もう直ぐあるオリンピックの入場行進この旗を見ては涙ぐんでいると思います。


香港で味わえる宇和島のハマチ

2016年07月10日 | 香港

雨、雷、26度、79%

 私のふるさとの博多(福岡)では、お雑煮の出しはアゴとブリでとります。残念なことに両親とも博多の生まれ育ちではないのでこれが本物の味というのは知りません。それでもアゴとブリでとっただしのすまし汁のお雑煮にかしわ(鶏肉)が入ればこれぞ博多のお雑煮です。

 出世魚と呼ばれるハマチは大きさによって呼び名が変わります。世界中で捕れる魚ではないらしく、日本の九州沿岸、南限はハワイの辺だそうで、ここ香港では魚屋に並ぶ魚ではありません。冬場の脂の乗り切ったブリの美味しさは格別です。お魚のお煮付けがあまり好きではないので、専ら塩焼きでしか食べません。分厚く切ったブリをじっくり火を通して、ホロリと身が口の中で崩れると、「あー、幸せ。」と感じます。

 大きさで呼び名が代わるブリ、最近では養殖物はハマチ、天然物をブリとも呼ぶそうです。50、60センチの小ぶりな物は日本から香港に運ばれて来ています。日系のデパートやスーパーでは切り身で売られています。ところがその切り身たるやブリジャブにするには厚すぎる、焼いたり煮たりするのは薄すぎる物で、いくら食べても食べた気がしません。日本に帰るとブリが食べたいが始まります。

 ここ数ヶ月、正真正銘のブリ(80センチ以上)がちょっと高級なシティースーパーで売られるようになりました。当初は大きいのが一匹、魚売り場のど真ん中に氷の上にのっていましたが、最近ではど真ん中に切り身で売られています。その切り身の厚いこと。日本的な塩焼きではなくグリル用の切り身です。

 昨日は、鰻を買いに出かけました。ところが何処を探しても鰻の白焼きも蒲焼きも見つかりません。お店の人に尋ねると、サーモンの横にあると教えてくれます。あるのはスモーク鰻だけです。そこで、鰻は諦めて魚売り場のブリの切り身を買うことにしました。

 これは宇和島で養殖されているハマチだそうです。 売り場横の小型テレビでは青い空の下宇和島でハマチが養殖されている様子が写し出されています。主人などはこのために日本酒をカゴに入れました。

 この二枚のほかにハラミを一枚買い求めました。三枚をスキレットでじっくりと火を入れます。やはりこの時期ですから養殖といっても脂の乗りは今ひとつですが、旨味は十分です。ハラミも思ったよりさっぱりと臭みがありません。量も充分。満足、満足。モモさんもたんと食べました。こんなおいしいハマチを日本から離れた香港で食べれるとは、冷蔵技術、輸送技術の発達のおかげです。

 こんな贅沢なお買い物、私のお財布では出来ません。たまの主人と一緒の買い物は、思いもかけず美味しいものを頂けます。これもおかげです。

 


アフリカンマイマイ 香港

2016年07月09日 | 香港

晴れ、30度、87%

 香港に来て、初めて飼った生き物はアフリカンマイマイでした。雨上がりの朝にでもなると道端の何処かしこに、日本で見るかたつむりとは色も形も大きさも違うアフリカンマイマイがウニョウニョいました。通常のもので6センチから8センチ前後、日本のかたつむりのように丸くはなくタニシを大きくしたような殻です。

 このアフリカンマイマイは非常に危険だと知ったのはつい数年前のことでした。このマイマイに毒性があるのではなく、マイマイの寄生虫が時には死に至らせる程の悪者なのだそうです。その事を知った時にはそれはそれはびっくり仰天。なぜならば、30年程前に飼っていたばかりではありません。朝走る道には夏中、このマイマイが道を這っています。一匹や二匹ではありません。よく前を見ていないと踏みつぶします。心ないジョガーはバリバリ踏んで行く程いました。道の真ん中を這っているマイマイを見つけると道の端に逃がします。「マイマイの国の王様に表彰されてもいいわ。」などとうそぶく程このアフリカンマイマイを触って来ました。今考えると、よくその悪い寄生虫を貰わなかったものだと思います。脳神経を冒す寄生虫だそうです。

 日本でも南方の島、沖縄や父島などにはこのマイマイたくさんいるそうです。名前の通り東アフリカが原産で東南アジアではごく普通の繁殖力の優れたマイマイだそうです。しかも大きいので、食用に繁殖させている所もあると聞きます。脱け殻ですがゆうに20センチを超えるものを見たこともあります。もしもそれが這っている所を見たら、やはり仰天です。

 ところがこの10年で香港の我が家の周辺のアフリカンマイマイが減りました。この夏はまだ10匹程しか見ていません。雨上がりの側溝を行列していた頃が懐かしくなる程です。10年程前、朝早く大きな缶を携えてこのマイマイをとりに来るおばさんがいました。気が付くとセントラルの市場で身体に良いといって売られていることもありました。そればかりかフレンチのビストロが大いに店を増やし始めた時期です。エスカルゴの代わりにこのマイマイを出しているなどと実しやかに言われていました。真偽の程は分かりません。

 香港島のこの一帯だけにマイマイがいなくなった訳ではないと思います。香港は岩盤地質でよく土砂崩れが起きます。そのために護岸工事をします。そのとき使う土は中国から運ばれて来ているそうです。このアフリカンマイマイに代わって最近見られるかたつむりがいます。日本のかたつむりに色も形も大きさもほぼ同じです。少し無愛想に見えるのはこの私だけでしょう。沢山いるわけではありませんが、この香港にとっては新種のかたつむり、おそらく中国の土と一緒に運ばれて来たのではないかと思います。これは私の推測です。

 このアフリカンマイマイ、戦時中は南の島での良い食糧だったようです。火を通せば寄生虫も死んでしまうのでしょう。かたつむりが好きな私は、決してエスカルゴを食べません。


中国のキューピーマヨネーズ

2016年07月05日 | 香港

雨、雷、26度、94%

 香港の地元のスーパーマーケットで日本製のお醤油、ごま油、わさびが買えます。お醤油、胡麻油は中国人もよく使う調味料です。日本製のお醤油、胡麻油の品質の高さが値段の高さより売られる理由です。わさびは鮨の流行が原因です。そして、お醤油、胡麻油よりもどんな食料品店でも置いてあります。昔は日本の調味料は、日系デパート、スーパーでしか手に入りませんでした。

 今でも、日本の物は高値です。お金がなかった昔はキッコーマンのお醤油はシンガポール製を使っていました。地元のお醤油は煮物に使うには癖があります。お味噌は日本のものを買うしかありません。ケチャップはマレーシア産のデルモンテです。マヨネーズもアメリカ産のベストフードのものを使っていました。海外に住んでいる日本人なら誰もが経験するこうした遣り繰りです。日本の普通の食事を作るためには工夫します。中華圏ならお米もお醤油もあるのでまだ楽な方だと思います。

 キューピーのマヨネーズが地元のスーパーの棚に並んだのはもう随分前のことでした。200gぐらいの小さなチューブ入りです。あらっ、と手に取りました。裏を見ると中国製です。今では日系のスーパーに行くとマヨネーズは日本並みに揃っています。ハーフカロリー、減塩何でもあります。味の素のマヨネーズが我が家の定番です。

 キューピーの瓶入りマヨネーズが近くのスーパの棚に並びました。私が小さい頃はチューブではなくてこのちょっと太めな瓶入りでした。懐かしいなあ、いつか買おうと思います。日本製に比べるとずっとお安い中国製のキューピーマヨネーズを先日求めました。お味は、うわさに聞いていたように甘めです。中華圏の人たちは野菜を生で食べる習慣がありません。中国のキューピーはこの味を作るのに工夫したと聞きます。現在中国に3カ所工場があるキューピー、最近ではドレッシングも作っています。香港に入って来るのは杭州の工場生産のものです。

 甘すぎるから食べ上げれるか心配なマヨネーズ、昔ながらのすっきりしたこの瓶のスタイルは見ているだけ十分です。小さなゴムベラを使えば最後の最後まで食べられます。

 


7月1日は中国返還記念日

2016年07月02日 | 香港

雨、27度、88%

 19年前、香港はイギリスから中国に返還されました。イギリスの統治下と現在と何が変わったのかと思います。イギリス人の高官がいなくなって、確かに中国寄りになっていますが、住んでいる人たちに何ら変化が見られません。返還前、まるでなにかに憑かれるようにカナダやオーストラリアへ移住して行った人たちもその土地での市民権を得るや香港に帰って来ていると聞きます。香港人は逞しい、そう思うのは私ばかりではないはずです。昨日の新聞で、中国に返還されたこと、つまり中国籍を持ったことを好もしく思っている香港人は3分の1にも満たないと書かれていました。この人たちを側で見ていると、確かにそう思います。自分たちは中国人では無いという意識が何処そかに見え隠れしています。よそ者の私等から見れば、中国人も香港人も同じですが、頑として自分たちは香港人なのです。善し悪しは別として、私はそういう香港人が好きです。

 ありがたいことにこの香港にイギリス統治下から30年近く住んでいます。狭い土地に何らかの活路を見つけて生活していく香港人、住む所は香港ばかりではありません。ここがチャンスと思う所に自由に動きます。おそらく海外留学をする人は日本より多いかもしれません。イギリス統治下であったばかりでなく、こういう海外経験の多い香港人は、明らかに中国人とは違うかもしれません。そうはいっても中国の近年の経済成長力には追従しています。

 私が香港に来た当初は、日本が好景気の時代です。日本人観光客が旗を立てて団体でやって来た時代です。当時は、有名ブランドのお店は、日本人向けの商品を揃えていました。日本のゴールデンウィークの前ともなると商品の品揃えが良くなります。今や中国人向けの品揃えです。有名ブランド自体が中国を意識した商品を作っているようにすら感じます。そういう旗色を読むのは得意な香港人、この土地が面白い歴史を持っているのと同じように住んでいる香港人も面白い気質の持ち主です。

 30年近く上り続けている香港島東のマウントパーカー、昨日早朝の景色です。 九龍半島東側のこの景色は昔とは違います。山の緑が美しく、海鮮料理で有名なレイユウムンに行くのも小舟でした。それが今では高い高いマンションが建ち、道路が張り巡らされています。 南シナ海を望むこの景色だけは変わりません。いろいろな思いを胸にこの山に登り、この南シナ海の拡がり行く景色に心を洗われました。昨日は、上る途中で大雨、この後ズカッと晴れ上がりました。

 見出し写真は香港島の中心部です。ビルの高さは上に上に伸びています。マカオに向かうフェリーが小さく見えます。長く住んだもんだわ、と大きく深呼吸をします。結局、外面は変わっても、土地も人も変わってはいないのだと妙な安心感が胸に拡がりました。


スターフェリーに乗るつもりじゃなかったのに

2016年06月28日 | 香港

雨、雷、26度、96%

 昨日、香港島セントラルのフェリー乗り場にある海事博物館に行きました。見て置きたいものがひとつあったからです。海事博物館を出ると、ビクトリア湾からの風を感じます。ここ数日、香港は晴天真夏日です。この天気この暑さこそが香港らしさを物語っています。 海事博物館の外に停泊している帆船を見ていると、九龍サイドからカラフルなスターフェリーがやって来ました。急にそのカラフルなスターフェリーに乗りたくなりました。九龍サイドに用事はありません。たかだか片道8分、片道日本円で40円の船の旅です。

 香港島と九龍サイドの間のビクトリア湾、亡くなった作家の邱永漢がこの湾のことを書いています。冬の寒い中、ビクトリア湾に潜って海老採りをする男の話が記憶に残っています。香港に住むなんて思ってもいなかった頃読んだ本です。しばらく香港に住んだ邱永漢、風景描写に生まれの台湾ではなく香港を多く使っていると気付きます。

 このスターフェリーは観光用ではなく庶民の足です。トンネルが出来る前、もちろん地下鉄も出来る前、スターフェリーは唯一の香港島と九龍サイドを結ぶ交通手段でした。今では、観光客の方が多く乗っています。ビクトリア湾の中央にさしかかると、 西を望めばマカオに向かうターボジェットや漁船が波頭の向こうに小さく見えます。幾度西を目指してフェリーに乗ったことやら、香港を取り巻く島々が多く点在するのもこの先です。  東を望めば、海の先に一連の白いマンション群に見えるのですが、右側は古くからの香港島のマンション、左は山を切り開いて新たに作られた九龍サイドのマンションです。この東の眺めは、私がいるこの30年で大きく変わりました。海の上で振り返れば、 やっぱりきれいな香港島です。この暑いのに観覧車に乗る人の行列ができていました。九龍サイドには、 イタリア船籍のコスタビクトリアが停泊中です。アジアコースのクルーズでしょう。日本に向かうのかもしれません。

 今日は打って変わって、朝から雨模様。このスターフェリーは台風等で運行が取り止めになります。一度台風警報が出たすぐ後、運行停止前の最後のフェリーに飛び乗りました。波は荒く、雨風がありますが波除のビニールシートも外されています。シートで抵抗を大きくすると転覆する可能性があるからです。船に乗っているのに、波は上がって来ます。風も吹き荒んでいます。雨も降り込んで来ます。乗客は、船の中央に一列に立っていて、皆、傘をさしていました。もちろん私もその一人です。思い出してもワクワクするような経験でした。

 今日のようなしっとりした雨の日にスターフェリーの乗れば、雨に煙る靄の中を心静かに短い船旅を楽しむことが出来ます。


bookshop 香港

2016年06月26日 | 香港

晴れ、29度、84%

 先日の帰国の時、飛行機の中で読む本を持たないで家を出ました。飛行場のbookshopは米英の新刊が一番先に出ます。香港の空港もほかの都市空港のように、ビックブランドがお店を拡張しています。香港の繁華街と同じブランドばかりです。飛行機の待ち時間はbookshopを覗きます。通関を過ぎて、さてお目当てのbookshopを目指します。お店がありません。広い空港ですから、なん軒かbookshopがあります。くまなく廻りました。今までの米英の本を主体に売っていた本屋は全てありませんでした。中国語の本と英米の本が半々の「中華書店」という新しい店がまるでスナックでも扱っているような狭いスペースで本を扱っています。この前空港に来たのはほんの2ヶ月前、あっという間の変化でした。

 香港の町中にある世界的なチェーン店のbookshopも店を締めました。理由は家賃の高騰です。もちろん活字離れもひとつの理由かもしれません。そして残っているbookshopは私が香港に来た時からある香港の老舗ばかりとなりました。香港の本屋は、英米の本を扱う店と中国のものを扱う店に分かれます。英米の本を扱う店の雰囲気は、昔からアメリカのそれではなくイギリスの本屋の匂いです。カフェなんて付いていません。子供の遊び場もありません。静かな空間です。

 昔はハシゴが置いてあり、天井まで本がびっしりとありました。bookshopの匂いもややカビ臭く、そこがまた私の好きな所でした。あの当時は、本の在庫を調べるのもPCではなく問い合わせのレターだったと記憶しています。

 香港島セントラルのアイスハウスストリートにあったこのbookshopは20年程前に金鐘のショッピングセンターに入りました。もう長い付き合いのbookshopです。ちょっと奥まった所に引っ越ししましたが、充分なスペースがあり本のディスプレーも随所に心配りが感じられます。先日行ったら料理の本のコーナーにはアクリルで作られた大きな書見台が置かれていました。美術書の所には木製の書見台です。重い本をめくるのに片手では持てません。本を大事にする気持ちが伝わります。日本の本屋のように本を並べるのではなく、ディスプレーする、より良く見せようとしています。 この訪れた日には、コーナーでアメリカの経済学者が小さな講演をしていました。そんな時はお店のドアは閉まっていて、お店の人が顔を見ては開けてくれます。

 ドルチェアンドガッパーナ、マックスマーラにはさまれたbookshopです。お店で働く人も皆さんかなりのお歳です。ここのドアを入る度にここはbookstoreではなくbookshopだと思います。


鳳凰木と羽アリ、香港の夏を告げています。

2016年05月25日 | 香港

晴れ、25度、90%

 香港島の北と南では不思議なくらいにお天気が違います。南は南シナ海に面して海が拡がり、高い建物も少ないので空も拡がっています。北側がどんよりと曇っていても、南側は青空が見られます。湿度も低く、気温は高めです。南側のポッフラム道の街路樹はいち早く季節の移り変わりを知らせてくれます。5月に入ると、花は見えませんがこの道を窓を開けて車で走っていると、アカシアの花の香が満ちています。ああ、春が来た、この濃密なアカシアの香りはうっとりとさせてくれます。ところがそれから10日もすれば、赤いこんもりととした高木がこの道を彩ります。鳳凰木です。

 鳳凰木の赤い花が咲くと夏の訪れです。信号停車のとき撮った写真、花の一つ一つは見えませんが、ランのような花形です。そして暑い、暑い夏中花をつけています。香りはありません。この花と青空とのコントラストは、亜熱帯の香港の夏です。この鳳凰木は、木ですが豆科の植物、秋も深まると30センチもの長いナタのような豆のさやを付けます。赤い花は散って、茶色いナタ豆がぶらりと下がる頃には香港も寒くなり始めます。

 ちょっと迷惑な夏を告げる虫がいます。セミではありません。セミは4月ともなれば鳴き始めます。夏に入る前大量に発生するのが羽アリです。ほんの数日ですが、その数は荒ましい。 外灯に群がる羽アリです。家の窓を開けていると、もちろん闖入して来ます。そして夜も明けると、羽を落としてアリに変身。外灯の下は出来立てのアリと無数の羽で異様な風景となります。この羽アリの洗礼がなくては、香港は夏に入れません。

 日増しに気温が上がり始めました。数字からすると、日本の方が高めですが、いやはや湿度の高さで暑さは倍に感じられます。5月も終わりに近付くと、いよいよ青空にムクムクした雲が拡がります。


ペットショップ 香港

2016年05月24日 | 香港

曇り、24度、92%

 つい先日の新聞では、香港でも犬の繁殖に関する規制が法律化されると書かれていました。日本と同じ頃、生きた動物の店頭販売の時間が規制され始め、最近では犬猫を店頭で販売する店が減りました。まだ産まれて数ヶ月の動物を夜遅くまで電灯の明かりに晒すのは忍びないことです。思い出せば11年程前、9ヶ月になってもまだ店頭にいたのはモモでした。そのまま見過ごすことは出来ませんでした。

 最近の香港のペットショップは、フードからお洋服、おやつ、しっかりしたところはトリミングもしてくれます。このフードもお洋服も二分化が甚だしく、どれも輸入品ばかりですがタイやマレーシア、中国から入って来る安いもの、日本、アメリカ、イタリア、フランスの値段の高いものに分かれます。

 滅多にペットショップを覗きません。おやつは私と一緒だし、ハーネスなんか7年も同じ物を使ってます。お洋服不要な香港です。年に数回、ロイヤルカナンのパグの絵の付いたドライフードを買いに行きます。

 昨日、ちょっと思い立って出かけました。ここは、ビルの10階にある犬猫連れでも来れるお店です。広い店内、南シナ海に向かってのバルコニーは犬たちに解放されています。小さなドックランです。 これは3月にモモを連れて行った時の写真です。昨日はお留守番。

 この店は広いばかりか、品揃えがしっかりしていて安心してものが選ぶことが出来ます。 アメリカのNUTROのドックフード、パグの絵が付いているのでよく見ると、体重をコントロールするためのフードです。パグは太り易いですからね。 日本の方達がヒマラヤンチーズと言って歯磨き代わりに与えているチーズもはじめてみました。 ここではヒマラヤにかけて、イエティー(雪男)です。いいお値段です。日本の物は、この店では殆ど扱っていなくて紙おむつのみでした。

 メッシュのハーネスのモモサイズはなかなか見つかりません。やっぱり寝てるモモさんを起こして連れて来るべきでした。

 昨日は午後から、子犬の里親会がありますとおねえさんがおっしゃいます。飼えなくなったちょっと大きめの子も中にはいるそうです。みんな貰われて行きますように。

 そうそう、モモさんお写真の後ろの犬たちはここで里親が見つかった犬達です。躾けに自信がない人のために、トレーナーの人がアドバイスをします。アフターケアーもしっかりしています。


桜鯛の季節 香港

2016年05月22日 | 香港

曇り、25度、84%

 春から夏にかけて、香港の市場の魚屋さんの店先も賑やかになります。お野菜、果物は世界中から入って来ますから季節感がありません。それに比べて、お魚は季節を教えてくれます。回遊しているサバの子供が市場に並ぶのは春先、日に日にそのサバ子も大きくなり成長すると脂が抜けたパサパサのサバになります。美味しいのは10センチ程のサバ子です。日本のかつおより小振りのかつおも出ますが海水の温度の違い、ちっとも美味しくありません。鰆は一年中あります。イトヨリダイも一年中あります。私のこの季節の楽しみは、なんといっても桜鯛。小ぶりなチヌ(クロダイ)よりやや大きい30センチ程の桜鯛が魚屋の店先に並ぶと喜ぶのは、やはり私が日本人だからでしょうか。

 鱗取りが大変な鯛、魚屋のおじさんに丁寧にとってもらうように頼みます。お腹を出してもらうとき、おじさんの手元を見ていると用心深く大きな釣り針を抜き脱しています。鯛はやはり一本釣りです。さて家に持ち帰り、何の料理にするか考えます。日本ならお刺身だって食べれますが、香港の近海魚、お刺身だけはこの私でも遠慮します。一匹買いすると、薫製がいいか、酒蒸しがいいか、グリルがいいか?と悩みます、主人に尋ねれば、最近のお好みでグリルとおっしゃいます。

 酒蒸しだって、薫製だって、グリルだって、一匹丸のままの料理は簡単で主婦に取ってはありがたいものです。 オリーブオイルを薄く塗って、沢山赤いパプリカをしいた上に鯛をのせます。お腹の中に内緒で梅の清酒を振り入れました。軽くエクサンプロバンスの香草を振って、たっぷりオリーブオイルを垂らしてオーブンに。お魚ですから、焼き過ぎにご注意。

 トロトロになったオリーブオイルと鯛の汁をすった赤いパプリカが白身の魚のいいソースになります。

 もうひと回り小振りの鯛ならやっぱり鯛めしだわねと、丸々一匹をのせた鯛めしを思い浮かべているところです。