先日、近隣で工事があるために業者さんがご挨拶にいらっしゃいまして、工事概要と騒音などをお話しされました。
その際にタオルをいただきました。
のしのくずし字。
ニヤニヤ笑いながら、私がMIFさんに「何て書いてあるか分かる?「ご挨拶」ではないよ」と尋ねてみました。
すると「分からない」とのこと。
答えは漢字で「御多越留」、くずし字をひらがな読みすると「おたをる」。
私はこういうタオルは「ご挨拶」と書いたモノしか見たことがなかったので、珍しいと思いました。
「おたをる」ならば、どんなシチュエーションでも使い回せるから、これもありなんだと知りました。
くずし字としては非常に読みやすいのですが、くずし字に興味がないと読めませんね。
そこでちょっとネットで調べたら、この文字を「御多織留」で「おたおる」と紹介している記事を発見。
「織」はくずし字では全然文字が違うことと「織」はくずし字で「お」とは読みません。
しかも、もっともらしい解説をしていますが、くずし字から言うと全然違うトンチンカンな解説をしていて、ああ、このネット記事を書いた人は全然分かってないどころか、くずし字が全く読めない人なんだ、と。
こうやって誤った読み方と解釈が広まって失礼クリエーターが発生するのか、と目の当たりにしました。
美しい日本語は、同じ音の文字を避ける歴史があります。
「おたおる」では、「お」が2つあります。
そのため「お」を「を」に置き換えて「おたをる」になります。
「を」を表す文字はいくつかありますが、「越」を用いることが多いです。
あと5年もすれば、エンドユーザー向けのくずし字AIが登場するでしょうから、この失礼クリエーターが大恥をかくことになるでしょう。
ネット記事がどれだけいい加減で、自分で真贋を見極めることが大切かを、今更ながら思い知らせてくれた文字でした。