◎2014年11月3日(月)
かじか荘上駐車場(6:02)……一の鳥居(6:49)……舟石新道分岐(7:41~7:47)……笹ミキ沢右岸尾根通過(8:23)……笹ミキ沢(8:29)……塔の峰尾根(9:36)……塔の峰(10:09~10:26)……日ヶ窪峠(11:10)……団子岩(11:16~11:36)……丸石沢右岸尾根分岐(11:46)……庚申林道(12:48)……駐車場(13:02)
三連休の天気予報はころころ変わった。当初は土曜日のみの晴れで、日月は雨の予報だった。そのため、日曜日は床屋に予約を入れてしまったが、その後、予報は逆転した。仕方ない。残った月曜日にどこか軽く出かけるつもりでいた。先週に引き続き、仙人ヶ岳の孤高の石燈籠がどうなったかを見に行くとするか(これは、日曜日にハイトスさんが早速済まされていたので、結果的に当分の予定はなくなった)。これ、金曜日朝までの話。
瀑泉さんの舟石新道レポを見たのが金曜日。途中の団子岩(瀑泉さん命名)から眺める黄金に色づいたカラマツは半端じゃないようだ。これは是が非でも見てみたい。ただ、舟石新道の通し歩きは勘弁願いたい。となると、手っ取り早いところで塔の峰とのセットか。確か、団子岩は日ヶ窪峠のすぐ近くだ。
そうと決まれば、ちょっとばかり忙しい。例の物を作らにゃいかん。山名板・四代目。今の三代目は設置も今年の5月。まだまだ現役で、交換する必要もないのだが、百均で買ったケバい感じの針金で山名板の価値をさらに下げている。いずれ針金交換のつもりでいたが、三代目設置に立ち会う形になったみー猫さんの弁「標高表示がないんですね」がずっと気になっていた。この際、新調するか。
金曜の夜から作業にかかり、ニス塗りも日曜日でパーフェクトだったのだが、天気もいいし、もう一回塗るかと、余計な重ね塗りをしてしまった。それが夕方になっても乾かない。ドライヤーを駆使したが、まだベタベタ感が残る。月曜日の出発時には何とか乾いてくれてほっとする。
今回の塔の峰、団子岩を回る前提でコースを立てると、笹ミキ沢本流の上流伏流部遡行はどうだろうか。笹ミキ沢本体は歩いたことがあるが、その上はまだない。沢歩きの方には面白くも何ともないだろう。庚申山寄りの到達にはなるが、これなら塔の峰尾根の付け根からの歩きになり充実感はあるかもしれない。そして、帰路は日ヶ窪峠に下って団子岩に行く。オーソドックスに丸石沢右岸尾根下りか。とにかく、舟石新道歩きは最小限にしておきたい。
(陽があたっていればなぁ)
(もう色落ちだろうか。強い陽射しで輝くかも)
(間もなく一の鳥居。朝日に輝いてきれいだ)
駐車場には、ただ今準備中の方のお車が一台だけ。まだ6時だもんな。お先にと声をかけて出発。出だしから、何やら足が重い。腹も重い。昨日まで意識しなかった坐骨神経痛がまた出てきた。塔の峰まで行けんのかねと不安になる。
林道にはまだ陽が入らない。紅葉はきれいなようだ。陽があたっている上の山の方を見ると、今、盛りの雰囲気でもある。特に山腹のカラマツなんぞ黄色になっている。
笹ミキ沢にさしかかる。素通り。右岸尾根に取り付くことも頭にはあったが、今日の体調では、初っ端から体力を使い果たしそうでやめておいた方が無難だろう。ヘタすれば、舟石新道に出て、そのまま一般道に下って帰ることになるやもしれぬ。欲張りはやめときましょう。それでなくとも右岸尾根は2回も歩いている。もういい。林道に陽が入り込み、なかなかきれいになった。一の鳥居に到着。
(一の鳥居を過ぎると、すぐに殺風景になってしまった)
ここからが、やはりきつかった。少し歩いては立ち休みの連続。今までにこんなのはなかったと思う。一の鳥居から先、紅葉も終わってしまい、見るものはなく、ただ黙々と歩き続けているせいかも知れない。余計に長く感じる。ダラダラと歩きながら、ようやく、舟石新道の分岐に到着した。すぐに石に腰かけ、腹にパンを押し込む。シャリバテかもしれないと思ってもいた。タバコを吸っていると、元気なオニイさんがすたこらと庚申山荘の方に上がって行った。荷が軽く、トレランぽい。駐車場で準備中のオッサンはどうしたんかね。
(ではと、舟石新道に入り込む)
(巨大な岩盤の下をくぐって行く)
さて、体調不良の言い訳ばかり考えていても仕方がない。舟石新道に入り込む。人が歩かないと、どんどん荒れてくるもんだ。かつての踏み跡も消えかかっていて、足元はフワフワになっている。大岩の下を回り込み、これまたでかい岩盤下のヘリを斜めになって歩いて行く。歩き出してから10分も経っていない段階で、もう嫌になってくる。30分持てばいい方だろう。瀑泉さんは通しの6時間か。気が遠くなる。余程の強靭な神経をお持ちなのか。この斜め道、下はかなり落ち込んだ急斜面になっているので、気を緩められない。この舟石新道も、舟石峠側は、まだマシの方だが、こちら側はグズグズだ。
(ここにはロープが垂れている)
(手前から見れば鳥類、向こう側からは爬虫類)
岩から水がチョロチョロと流れていた。これだ、これだ。新道のこちら側を下りで3回ほど使っているが、このロープの付いた岩場を越えたのは最初の1回だけ。残り2回はあやふやな歩きをしていて、この場所に出なかった。その先の、鳥類だか爬虫類を思わせる出っ張り岩も、残り2回時は通っていない。
また大岩の下を歩く。引っ込んだ穴状のところには、削岩機で穿ったような跡がある。例の大岩に到着。下り時、いつもここから間違った歩きをしていた。何でだかはよくわからない。おそらく、気づかぬままの舟石新道方面が危うく感じ、そちらに足が向かず、そのために間違うのではないのか。この辺になると、一般道の位置もはっきりしてくる。早いとこ出たくもなっちまう。
(途中の大岩から銀峯と庚申山)
大岩の上にはケルン。足尾のRRさん作らしい。ここから見る銀峯の南斜面、カラマツの黄金色がちらっと固まっているだけだ。庚申山にはそれもなく、早、晩秋の景色になっている。まさか、これからではあるまい。その、まさかかねぇ。
さてと、ここまでは良かったが、立て続けに2回のルートミス。今回は律儀にマーク拾いというわけではないが、やはりこだわりは持ってしまう。だが、戻らないでそのまま適当に行って、マークにぶつかる。2回目のミスでは小尾根に乗り入れてしまった。はて、どうすればいいのか。上にさらにしっかりした尾根が通っている。行けば、少しは展望も良くてわかるのではないかと登ると、出たところは笹ミキ沢の右岸尾根で、舟石新道との合流部だった。
ここまで来れば、笹ミキ沢に下るのも楽勝なのだが、なぜか、舟石新道がクロスする場所よりもかなり下に出てしまった。少し登って、本来の合流スポットに着いた。
(笹ミキ沢を上流に向かう。向こうに見えるのが塔の峰尾根の付け根だが、遠いんじゃないのか)
(右手のこちらがまだ近い。1750mピークだろう。)
予定通りに伏流の笹ミキ沢を遡行する。でかい石がゴロゴロ。歩きづらくて、脇の笹ヤブに逃げるも、ヤブが少々うるさくて、さっさと進まない。また沢に戻る。倒木があって、それを越えると、この先が見渡せた。庚申山からの稜線が見えたが、随分と遠いんじゃないのか。右に目を向ける。沢状の斜面になってはいるが、こちらが歩きやすそうだし、塔の峰尾根に早く出られるのは確実。惑わずに計画をチェンジ。当初は歩きがいがありそうだとして、笹ミキ沢遡行コースにしていたのだ。ただ、チェンジしたルートも、あらかじめ歩けそうだなと、地図にマーカーは引いていたところではあった。
(結局、あの沢状のところを登ることにする)
記すまでもないが、テープもペンキもない。おそらくは、RRさんですら歩いたことのないルートかもしれない。見た目ほど歩きやすいと言えなかった。何せヤブが濃い。見えない倒木もある。ふと、右に細い沢の窪みが続いているのに気づき、こちらの方がヤブもなくて歩きやすい。以降、この窪みを登ることにする。
こういう、ネット情報もないようなところを歩いていると、何だかうれしくなる。自分が最初なんだと、にんまりとしたくもなる。前回歩いた、ここから東側の尾根もきっとそうだろう。両方とも自慢するほどのたいした成果ではない。自己満足に過ぎない。先日の、六林班道と鋸山道を結ぶ尾根歩きもその口だ。しつこいながら、でも、何となくうれしい。
(張り出した岩が行く手を阻む。なんて、たいしたこともないのだが)
目の前にスダレ状の岩が張り出していた。右を見れば、沢が分岐して、意外に険悪そうな沢になっている。ここは直登だろうな。手をかけると、岩肌はもろく、ポロっと落ちる。危なっかしくも、途中から立木に抱きついて、まぁ何とか越えた。ここでケガでもしたら、それっきりだなと思いながら。また窪み登りになった。右から尾根が突き上げて行く。これが前回歩いた尾根だ。こんなに見た目が急とは思わなかった。
(登って来た窪み)
(右手・東側から尾根が上がって来る)
(もう少しだ)
窪みは続く。上に空が切れて見えるところが覗いている。塔の峰尾根だろうか。やがて窪みは消え、ササ原になった。尾根に合流か?と思ったが、尾根はこのササ原斜面を登りきらないとダメだ。前回、尾根から上がった時に見た風景があった。振りかえると、確かにその時の光景だ。袈裟丸連峰と庚申山、銀峯。その先に小法師尾根。
(ここからの光景がお気に入りになってしまった)
(左側の林に間違って入り込んでしまったのでついでに休憩。塔の峰尾根は間もなく)
(塔の峰尾根。いきなり、ピンクテープが目に入った。これは助かった)
塔の峰尾根に出た。やはり東側尾根を登った時と同じ場所だった。今日のルートはむしろ楽だった。新道経由の笹ミキ沢から塔の峰尾根に出るとしたら最短ではなかろうか。東側尾根上部でのヤブこぎもまた捨てがたい。ヒラヒラのピンクテープがあった。目を凝らすと、塔の峰の方に続いている。このピンクテープ、ハイトスさん、みー猫さんと仁田元沢から上がった際に目にしていた。途中までではあったが、オロ山にまで続いているはずだ。
こういう、あまりハイカーの入らない山でのテープは、自分では「戻るための目印」と解釈している。きっと、このテープを付けた方はやむを得ず戻れなくて、先に行った方が無難と判断して回収できなかったのだろう。尾根型が明瞭で、迷う心配もないところだが、きっと、霧に巻かれそうな天候ででもあったのだろう。無事に下山できたろうか。きっと、テープの回収をできなかったこと、悔やんでいらっしゃるのではないだろうか。ピンクテープにはさまざまな思いが込められているはずだ。
(塔の峰。沢入山と、中倉山がちらっと見えている)
(こちらオロ山)
上に出たせいか、風が強くなってきた。天気予報では強風注意となっていた。ササの斜面がザワザワと鳴り、帽子が飛ばされそうになる。気にしていると歩けなくなるので、帽子はぬいだ。急に寒くなった。昨日の床屋だけに、余計に寒い。
(いつもなら、こんなところを歩かず左の林の中を上がる。テープの指示に合わせて登っているとこうなる)
(これはいくら何でもなぁ。山頂だってすぐそこなのに。まさか笑いながら付けているわけではあるまい)
ピンクのテープは律儀に正当なルートを歩いている。自分ならこんな歩きはせずに適当なところでショートカットを繰り返す。付けた方はしっかりした歩きをされている。ササヤブでは下に踏み跡が続いていた。この付近の山の歩きに慣れた方だろう。2m四方に4本ものテープが付いているところがあった。随分と賑やかだ。おそらく、ガスが濃くて、あるいは徘徊したのだろうか。いずれにしろ、これなら迷いもせず、ルーファンも必要なく、ピンクに従って歩けばピークに安心して至れる。そういう楽しみ方もあるだろう。
(中倉尾根側)
(改めて中倉山。ここからでは名物ブナが見えない)
(そして塔の峰山頂)
左手にオロ山やら男体山が見えてきた。男体山の頭には雲。見渡せる山の斜面に色づきの気配はない。もう終わったのだろう。上に行くにつれ、風が強くなってきた。
塔の峰に到着。風がさらに強くなって、ゴーゴーと音を立てている。寒い。身体も揺らされてやや不安定気味。みるみる体感0度レベルになった。さすがに今日はみー猫さんやら他のお客さんもいない。皇海山の頭も隠れている。ウワサで聞いてはいたが、標石の上に大胆な手書きの山名板が結わえられていた。こんな意気込みは自分にはできない。あくまでもさりげなく。自分なら他に山名板があったら、取り付けはしなかったろうし、これからもちょくちょくと寄りそうな山でしか設置はしない。同種類の山名板をオロ山と沢入山でお見かけした。人生いろいろ、考え方もいろいろだ。
(お疲れ三代目)
(本日新調の四代目。せめて一冬越してくれ。この木が揺れてしょうがなかった)
ザックをおろし、道具一式を取り出し、山名板四代目の設置作業に入ろうとしたが、地べたに置いたザックが強風で飛ばされそうになった。また背負う。三代目を手際よく外したはいいが、四代目の設置に手間取った。風で木が根元からグラグラと揺れている。ボキッとなっては元も子もなくなるから力もかけられない。とにかく寒くて急いで取り付けた。山名板が曲がってしまった。直そうとしたが斜めのまんま。とにかく木が揺れる。果たして山名板が持っても、この木がこの冬、越せるだろうか。この風でこの始末だ。確か瀑泉さんが近々に塔の峰にいらっしゃるはず。斜めの矯正は瀑泉さんにお任せとしておこうか。
三代目の労をねぎらい、四代目に願をかけ、ゆっくりと皇海山を眺めながらのランチタイム予定だったが、長居も出来ずにそそくさと下る。いつもの好きな光景があるにはあるのだが、今日は寒々としている。
(テープに合わせて下ったら、ササの下にはしっかりした踏み跡があった)
(ここからは、カラマツの黄金色がチラとも見えない)
(日ヶ窪峠)
下る。ピンクテープが相変わらず続く。これを辿れば安心だ。心強い。間違いなく日ヶ窪峠に着くだろう。コンパスもGPSも要らない。果てまた地図は頭の地図だけでいい。ここも、テープコースの下にはしっかりした踏み跡がある。こんな踏み跡の存在は知らなかった。やはり、この辺に精通されている方だろう。赤の巻きテープやら、ボサボサの荷造りテープのところにも垂れている。テープの紙芯も一緒に結わえているのもあったが、これはご愛嬌だろう。さて、このテープ、どこまで続くのだろうか。瀑泉さん情報では、大石沢右岸尾根らしいが…。今日の予定の下りコースだ。ただ、テープを追っての歩きもかなりの不安になる。テープを見つけるだけの歩きになってしまい、周囲やら景色が目に入らない。脇道に逸れてテープを見失ったら、路頭に迷って遭難も有り得るな。やはり、こんなところの歩きは、地図とコンパスは最低限の必携だ。
次第に風は薄らいできた。山頂はまだ強風だろうか。そろそろ日ヶ窪峠に着く。笹の音はザワザワからサワサワになった。尾根が二股になった。小尾根の方にも、本尾根にもテープがあった。ここは迷うところだが、経験から本尾根を下って日ヶ窪峠へ。2つの尾根に付けるとは、ピンクのテープは複数人数で取り付けたのだろうか。あるいは「間違った場合」を想定してのことか。何ともやさしいご配慮だ。
(団子岩)
(これは確かに素晴らしい! 舟石新道は黄金色の上を通っている)
(左側は先週までだったのかなぁ…)
では、ここから団子岩に向かう。一瞬の間だが、ピンクテープが消えた。たちまち不安になるが、ここにはブリキプレートがある。舟石新道は、以前知っている頃よりも、年月の分相応に悪化していて、明瞭の道も、遠目で見ないとわかりづらくなっている。この新道、絶えず遠目で先を追うようにして歩かないと、行き詰まってしまう。
数分で団子岩。例の黄金色のマラマツを眺められるスポットに到着した。おっ、これはいい。浅間山ほどではないにせよ、なかなかじゃないか。さっき、銀峯の南斜面の黄金色を眺めていただけに、この広がりは実にいい。こんなスポットがあったとはなぁ。前にここを通過した際、ここはナイスな展望地だなと思ってはいたが、カラマツの紅葉に出会えるとは。惜しむらくは、本当に惜しむらくはのことだが、こちら側斜面はともかく、Vの字向かい側の斜面の黄金色がくすんでしまっている。瀑泉さんの写真は両面ともに賑わっていた。陽の当たりの関係だろうか。もしくは、一週間の遅れであろうか。
岩の上でのんびりランチ。真下に沢がある。ここも笹ミキ沢の支流だろう。やはり風は冷たい。タバコを吹かす頃には寒くなってきた。今日はジャージを着てきたが、いまだに脱ぐことがない。
(丸石沢右岸尾根を下る)
日ヶ窪峠に一旦戻り、帰路につく。ここもまた数分で丸石沢右岸尾根の取り付きに着いた。ここで舟石新道は鋭角的にカーブしている。そういえば、瀑泉さん、この辺のピンクテープを撤去されたようだ。とてつもなく不安だったが、別に迷うことはなかった。新道区間、踏み跡はしっかり残っている。
尾根を下り出す、ピンクテープがまた出てきた。やはり、庚申林道→丸石沢右岸尾根→塔の峰→オロ山(→中倉山?)の大周回をされたようだ。これではテープ回収に戻るに戻れないわけだ。しかし、この丸石沢右岸尾根、尾根が複雑に入り組んでいるわけでもなく、植林帯が続くものの、作業道もあって、下から登る分には、上に向かうだけだから、迷うところはないのだけどね。植林帯のピンクテープは、普通、作業用と思いがちだから、あまり意味もないし、仕事関係者にはまずいんじゃないのかなぁ。
(作業道を辿ってみた。自分は、これが笹ミキ沢左岸尾根に出ると信じている)
(別口でこんな作業道も。これは以前確認済みの作業道)
明るい自然林の中の歩きは気持ちがいい。以前、ここを下った時は紅葉もきれいだったが、今は終わったのか、色づきは悪い。やがて急斜面の植林に入り込む。しばらく下って、脇に逸れた。確か、作業道があるはずだ。植林の端に出る。あった。しっかりした作業道。時間もあるし、ちょっと辿ってみた。また植林の中に入った。石垣も見かけた。暗い植林の中だ。これ以上の探索は不要と切り上げる。
(枝沢の小滝。この落葉の上に着地しようとしたが、水に浮いているのだと知って慌てた)
尾根の植林に戻る。下に来ると、そろそろ明瞭な踏み跡が続く。ピンクテープはとうに見失っていた。植林の中はうっとうしく、少し下って、植林の外に出る。また作業道。植林の際を適当に下る。ここも急だ。下に沢が見えてきた。大石沢に合流する沢だ。沢に下りると、先に庚申林道がちらっと見えた。沢を対岸に渡って登り返す。この辺、踏み跡がうっすらとついている。迷うとすれば、踏み跡が目に付かずに八方ふさがりになる程度のことだろう。不思議にピンクテープはなかった。
(林道の紅葉1)
(林道の紅葉2)
(林道の紅葉3)
(林道の紅葉4)
(そして、しつこく5)
庚申林道に出た。おう、すげぇの一言。林道の紅葉は盛りになっている。陽の照っていない朝とは大違いの光景だ。山の方も賑やかになっていて、山が笑っているといった感じだ。今日あたりは、わざわざ庚申山に行かずとも、一の鳥居までの歩きで紅葉狩りを満喫できそうだ。
(到着。この分では、備前楯も見ごろだったろう)
もっとしばらく歩き続けたかったが、大石沢出合いからかじか荘まではあっという間だ。ほんのひと時を楽しんだ。駐車場には車が7台。出がけに準備中の方の車はまだあった。まだ1時過ぎ。庚申山を往復したとて、まだ戻って来ていない時間だろう。象山の紅葉を期待したが、正面は西側斜面のため、あと数時間しないと映えた紅葉も見られないだろう。
歩き足りない気分ではあったが、明日は平日、まして神経痛病みの足にはちょうどいい7時間だったとも言えようか。
三連休の最終日だけあって、国道は混んでいて、家に帰るまで、結構な時間がかかってしまった。
(そして、本日のお片付け。自分で何もせずに、これからいらっしゃる予定の瀑泉さんに掃除を依頼するわけにもいくまい。ある程度は撤去はしたが、見落としはかなりあるかも。本日ストーリーのオチみたいなもの。まぁ、オイラの山を汚すなよといったところだ)
かじか荘上駐車場(6:02)……一の鳥居(6:49)……舟石新道分岐(7:41~7:47)……笹ミキ沢右岸尾根通過(8:23)……笹ミキ沢(8:29)……塔の峰尾根(9:36)……塔の峰(10:09~10:26)……日ヶ窪峠(11:10)……団子岩(11:16~11:36)……丸石沢右岸尾根分岐(11:46)……庚申林道(12:48)……駐車場(13:02)
三連休の天気予報はころころ変わった。当初は土曜日のみの晴れで、日月は雨の予報だった。そのため、日曜日は床屋に予約を入れてしまったが、その後、予報は逆転した。仕方ない。残った月曜日にどこか軽く出かけるつもりでいた。先週に引き続き、仙人ヶ岳の孤高の石燈籠がどうなったかを見に行くとするか(これは、日曜日にハイトスさんが早速済まされていたので、結果的に当分の予定はなくなった)。これ、金曜日朝までの話。
瀑泉さんの舟石新道レポを見たのが金曜日。途中の団子岩(瀑泉さん命名)から眺める黄金に色づいたカラマツは半端じゃないようだ。これは是が非でも見てみたい。ただ、舟石新道の通し歩きは勘弁願いたい。となると、手っ取り早いところで塔の峰とのセットか。確か、団子岩は日ヶ窪峠のすぐ近くだ。
そうと決まれば、ちょっとばかり忙しい。例の物を作らにゃいかん。山名板・四代目。今の三代目は設置も今年の5月。まだまだ現役で、交換する必要もないのだが、百均で買ったケバい感じの針金で山名板の価値をさらに下げている。いずれ針金交換のつもりでいたが、三代目設置に立ち会う形になったみー猫さんの弁「標高表示がないんですね」がずっと気になっていた。この際、新調するか。
金曜の夜から作業にかかり、ニス塗りも日曜日でパーフェクトだったのだが、天気もいいし、もう一回塗るかと、余計な重ね塗りをしてしまった。それが夕方になっても乾かない。ドライヤーを駆使したが、まだベタベタ感が残る。月曜日の出発時には何とか乾いてくれてほっとする。
今回の塔の峰、団子岩を回る前提でコースを立てると、笹ミキ沢本流の上流伏流部遡行はどうだろうか。笹ミキ沢本体は歩いたことがあるが、その上はまだない。沢歩きの方には面白くも何ともないだろう。庚申山寄りの到達にはなるが、これなら塔の峰尾根の付け根からの歩きになり充実感はあるかもしれない。そして、帰路は日ヶ窪峠に下って団子岩に行く。オーソドックスに丸石沢右岸尾根下りか。とにかく、舟石新道歩きは最小限にしておきたい。
(陽があたっていればなぁ)
(もう色落ちだろうか。強い陽射しで輝くかも)
(間もなく一の鳥居。朝日に輝いてきれいだ)
駐車場には、ただ今準備中の方のお車が一台だけ。まだ6時だもんな。お先にと声をかけて出発。出だしから、何やら足が重い。腹も重い。昨日まで意識しなかった坐骨神経痛がまた出てきた。塔の峰まで行けんのかねと不安になる。
林道にはまだ陽が入らない。紅葉はきれいなようだ。陽があたっている上の山の方を見ると、今、盛りの雰囲気でもある。特に山腹のカラマツなんぞ黄色になっている。
笹ミキ沢にさしかかる。素通り。右岸尾根に取り付くことも頭にはあったが、今日の体調では、初っ端から体力を使い果たしそうでやめておいた方が無難だろう。ヘタすれば、舟石新道に出て、そのまま一般道に下って帰ることになるやもしれぬ。欲張りはやめときましょう。それでなくとも右岸尾根は2回も歩いている。もういい。林道に陽が入り込み、なかなかきれいになった。一の鳥居に到着。
(一の鳥居を過ぎると、すぐに殺風景になってしまった)
ここからが、やはりきつかった。少し歩いては立ち休みの連続。今までにこんなのはなかったと思う。一の鳥居から先、紅葉も終わってしまい、見るものはなく、ただ黙々と歩き続けているせいかも知れない。余計に長く感じる。ダラダラと歩きながら、ようやく、舟石新道の分岐に到着した。すぐに石に腰かけ、腹にパンを押し込む。シャリバテかもしれないと思ってもいた。タバコを吸っていると、元気なオニイさんがすたこらと庚申山荘の方に上がって行った。荷が軽く、トレランぽい。駐車場で準備中のオッサンはどうしたんかね。
(ではと、舟石新道に入り込む)
(巨大な岩盤の下をくぐって行く)
さて、体調不良の言い訳ばかり考えていても仕方がない。舟石新道に入り込む。人が歩かないと、どんどん荒れてくるもんだ。かつての踏み跡も消えかかっていて、足元はフワフワになっている。大岩の下を回り込み、これまたでかい岩盤下のヘリを斜めになって歩いて行く。歩き出してから10分も経っていない段階で、もう嫌になってくる。30分持てばいい方だろう。瀑泉さんは通しの6時間か。気が遠くなる。余程の強靭な神経をお持ちなのか。この斜め道、下はかなり落ち込んだ急斜面になっているので、気を緩められない。この舟石新道も、舟石峠側は、まだマシの方だが、こちら側はグズグズだ。
(ここにはロープが垂れている)
(手前から見れば鳥類、向こう側からは爬虫類)
岩から水がチョロチョロと流れていた。これだ、これだ。新道のこちら側を下りで3回ほど使っているが、このロープの付いた岩場を越えたのは最初の1回だけ。残り2回はあやふやな歩きをしていて、この場所に出なかった。その先の、鳥類だか爬虫類を思わせる出っ張り岩も、残り2回時は通っていない。
また大岩の下を歩く。引っ込んだ穴状のところには、削岩機で穿ったような跡がある。例の大岩に到着。下り時、いつもここから間違った歩きをしていた。何でだかはよくわからない。おそらく、気づかぬままの舟石新道方面が危うく感じ、そちらに足が向かず、そのために間違うのではないのか。この辺になると、一般道の位置もはっきりしてくる。早いとこ出たくもなっちまう。
(途中の大岩から銀峯と庚申山)
大岩の上にはケルン。足尾のRRさん作らしい。ここから見る銀峯の南斜面、カラマツの黄金色がちらっと固まっているだけだ。庚申山にはそれもなく、早、晩秋の景色になっている。まさか、これからではあるまい。その、まさかかねぇ。
さてと、ここまでは良かったが、立て続けに2回のルートミス。今回は律儀にマーク拾いというわけではないが、やはりこだわりは持ってしまう。だが、戻らないでそのまま適当に行って、マークにぶつかる。2回目のミスでは小尾根に乗り入れてしまった。はて、どうすればいいのか。上にさらにしっかりした尾根が通っている。行けば、少しは展望も良くてわかるのではないかと登ると、出たところは笹ミキ沢の右岸尾根で、舟石新道との合流部だった。
ここまで来れば、笹ミキ沢に下るのも楽勝なのだが、なぜか、舟石新道がクロスする場所よりもかなり下に出てしまった。少し登って、本来の合流スポットに着いた。
(笹ミキ沢を上流に向かう。向こうに見えるのが塔の峰尾根の付け根だが、遠いんじゃないのか)
(右手のこちらがまだ近い。1750mピークだろう。)
予定通りに伏流の笹ミキ沢を遡行する。でかい石がゴロゴロ。歩きづらくて、脇の笹ヤブに逃げるも、ヤブが少々うるさくて、さっさと進まない。また沢に戻る。倒木があって、それを越えると、この先が見渡せた。庚申山からの稜線が見えたが、随分と遠いんじゃないのか。右に目を向ける。沢状の斜面になってはいるが、こちらが歩きやすそうだし、塔の峰尾根に早く出られるのは確実。惑わずに計画をチェンジ。当初は歩きがいがありそうだとして、笹ミキ沢遡行コースにしていたのだ。ただ、チェンジしたルートも、あらかじめ歩けそうだなと、地図にマーカーは引いていたところではあった。
(結局、あの沢状のところを登ることにする)
記すまでもないが、テープもペンキもない。おそらくは、RRさんですら歩いたことのないルートかもしれない。見た目ほど歩きやすいと言えなかった。何せヤブが濃い。見えない倒木もある。ふと、右に細い沢の窪みが続いているのに気づき、こちらの方がヤブもなくて歩きやすい。以降、この窪みを登ることにする。
こういう、ネット情報もないようなところを歩いていると、何だかうれしくなる。自分が最初なんだと、にんまりとしたくもなる。前回歩いた、ここから東側の尾根もきっとそうだろう。両方とも自慢するほどのたいした成果ではない。自己満足に過ぎない。先日の、六林班道と鋸山道を結ぶ尾根歩きもその口だ。しつこいながら、でも、何となくうれしい。
(張り出した岩が行く手を阻む。なんて、たいしたこともないのだが)
目の前にスダレ状の岩が張り出していた。右を見れば、沢が分岐して、意外に険悪そうな沢になっている。ここは直登だろうな。手をかけると、岩肌はもろく、ポロっと落ちる。危なっかしくも、途中から立木に抱きついて、まぁ何とか越えた。ここでケガでもしたら、それっきりだなと思いながら。また窪み登りになった。右から尾根が突き上げて行く。これが前回歩いた尾根だ。こんなに見た目が急とは思わなかった。
(登って来た窪み)
(右手・東側から尾根が上がって来る)
(もう少しだ)
窪みは続く。上に空が切れて見えるところが覗いている。塔の峰尾根だろうか。やがて窪みは消え、ササ原になった。尾根に合流か?と思ったが、尾根はこのササ原斜面を登りきらないとダメだ。前回、尾根から上がった時に見た風景があった。振りかえると、確かにその時の光景だ。袈裟丸連峰と庚申山、銀峯。その先に小法師尾根。
(ここからの光景がお気に入りになってしまった)
(左側の林に間違って入り込んでしまったのでついでに休憩。塔の峰尾根は間もなく)
(塔の峰尾根。いきなり、ピンクテープが目に入った。これは助かった)
塔の峰尾根に出た。やはり東側尾根を登った時と同じ場所だった。今日のルートはむしろ楽だった。新道経由の笹ミキ沢から塔の峰尾根に出るとしたら最短ではなかろうか。東側尾根上部でのヤブこぎもまた捨てがたい。ヒラヒラのピンクテープがあった。目を凝らすと、塔の峰の方に続いている。このピンクテープ、ハイトスさん、みー猫さんと仁田元沢から上がった際に目にしていた。途中までではあったが、オロ山にまで続いているはずだ。
こういう、あまりハイカーの入らない山でのテープは、自分では「戻るための目印」と解釈している。きっと、このテープを付けた方はやむを得ず戻れなくて、先に行った方が無難と判断して回収できなかったのだろう。尾根型が明瞭で、迷う心配もないところだが、きっと、霧に巻かれそうな天候ででもあったのだろう。無事に下山できたろうか。きっと、テープの回収をできなかったこと、悔やんでいらっしゃるのではないだろうか。ピンクテープにはさまざまな思いが込められているはずだ。
(塔の峰。沢入山と、中倉山がちらっと見えている)
(こちらオロ山)
上に出たせいか、風が強くなってきた。天気予報では強風注意となっていた。ササの斜面がザワザワと鳴り、帽子が飛ばされそうになる。気にしていると歩けなくなるので、帽子はぬいだ。急に寒くなった。昨日の床屋だけに、余計に寒い。
(いつもなら、こんなところを歩かず左の林の中を上がる。テープの指示に合わせて登っているとこうなる)
(これはいくら何でもなぁ。山頂だってすぐそこなのに。まさか笑いながら付けているわけではあるまい)
ピンクのテープは律儀に正当なルートを歩いている。自分ならこんな歩きはせずに適当なところでショートカットを繰り返す。付けた方はしっかりした歩きをされている。ササヤブでは下に踏み跡が続いていた。この付近の山の歩きに慣れた方だろう。2m四方に4本ものテープが付いているところがあった。随分と賑やかだ。おそらく、ガスが濃くて、あるいは徘徊したのだろうか。いずれにしろ、これなら迷いもせず、ルーファンも必要なく、ピンクに従って歩けばピークに安心して至れる。そういう楽しみ方もあるだろう。
(中倉尾根側)
(改めて中倉山。ここからでは名物ブナが見えない)
(そして塔の峰山頂)
左手にオロ山やら男体山が見えてきた。男体山の頭には雲。見渡せる山の斜面に色づきの気配はない。もう終わったのだろう。上に行くにつれ、風が強くなってきた。
塔の峰に到着。風がさらに強くなって、ゴーゴーと音を立てている。寒い。身体も揺らされてやや不安定気味。みるみる体感0度レベルになった。さすがに今日はみー猫さんやら他のお客さんもいない。皇海山の頭も隠れている。ウワサで聞いてはいたが、標石の上に大胆な手書きの山名板が結わえられていた。こんな意気込みは自分にはできない。あくまでもさりげなく。自分なら他に山名板があったら、取り付けはしなかったろうし、これからもちょくちょくと寄りそうな山でしか設置はしない。同種類の山名板をオロ山と沢入山でお見かけした。人生いろいろ、考え方もいろいろだ。
(お疲れ三代目)
(本日新調の四代目。せめて一冬越してくれ。この木が揺れてしょうがなかった)
ザックをおろし、道具一式を取り出し、山名板四代目の設置作業に入ろうとしたが、地べたに置いたザックが強風で飛ばされそうになった。また背負う。三代目を手際よく外したはいいが、四代目の設置に手間取った。風で木が根元からグラグラと揺れている。ボキッとなっては元も子もなくなるから力もかけられない。とにかく寒くて急いで取り付けた。山名板が曲がってしまった。直そうとしたが斜めのまんま。とにかく木が揺れる。果たして山名板が持っても、この木がこの冬、越せるだろうか。この風でこの始末だ。確か瀑泉さんが近々に塔の峰にいらっしゃるはず。斜めの矯正は瀑泉さんにお任せとしておこうか。
三代目の労をねぎらい、四代目に願をかけ、ゆっくりと皇海山を眺めながらのランチタイム予定だったが、長居も出来ずにそそくさと下る。いつもの好きな光景があるにはあるのだが、今日は寒々としている。
(テープに合わせて下ったら、ササの下にはしっかりした踏み跡があった)
(ここからは、カラマツの黄金色がチラとも見えない)
(日ヶ窪峠)
下る。ピンクテープが相変わらず続く。これを辿れば安心だ。心強い。間違いなく日ヶ窪峠に着くだろう。コンパスもGPSも要らない。果てまた地図は頭の地図だけでいい。ここも、テープコースの下にはしっかりした踏み跡がある。こんな踏み跡の存在は知らなかった。やはり、この辺に精通されている方だろう。赤の巻きテープやら、ボサボサの荷造りテープのところにも垂れている。テープの紙芯も一緒に結わえているのもあったが、これはご愛嬌だろう。さて、このテープ、どこまで続くのだろうか。瀑泉さん情報では、大石沢右岸尾根らしいが…。今日の予定の下りコースだ。ただ、テープを追っての歩きもかなりの不安になる。テープを見つけるだけの歩きになってしまい、周囲やら景色が目に入らない。脇道に逸れてテープを見失ったら、路頭に迷って遭難も有り得るな。やはり、こんなところの歩きは、地図とコンパスは最低限の必携だ。
次第に風は薄らいできた。山頂はまだ強風だろうか。そろそろ日ヶ窪峠に着く。笹の音はザワザワからサワサワになった。尾根が二股になった。小尾根の方にも、本尾根にもテープがあった。ここは迷うところだが、経験から本尾根を下って日ヶ窪峠へ。2つの尾根に付けるとは、ピンクのテープは複数人数で取り付けたのだろうか。あるいは「間違った場合」を想定してのことか。何ともやさしいご配慮だ。
(団子岩)
(これは確かに素晴らしい! 舟石新道は黄金色の上を通っている)
(左側は先週までだったのかなぁ…)
では、ここから団子岩に向かう。一瞬の間だが、ピンクテープが消えた。たちまち不安になるが、ここにはブリキプレートがある。舟石新道は、以前知っている頃よりも、年月の分相応に悪化していて、明瞭の道も、遠目で見ないとわかりづらくなっている。この新道、絶えず遠目で先を追うようにして歩かないと、行き詰まってしまう。
数分で団子岩。例の黄金色のマラマツを眺められるスポットに到着した。おっ、これはいい。浅間山ほどではないにせよ、なかなかじゃないか。さっき、銀峯の南斜面の黄金色を眺めていただけに、この広がりは実にいい。こんなスポットがあったとはなぁ。前にここを通過した際、ここはナイスな展望地だなと思ってはいたが、カラマツの紅葉に出会えるとは。惜しむらくは、本当に惜しむらくはのことだが、こちら側斜面はともかく、Vの字向かい側の斜面の黄金色がくすんでしまっている。瀑泉さんの写真は両面ともに賑わっていた。陽の当たりの関係だろうか。もしくは、一週間の遅れであろうか。
岩の上でのんびりランチ。真下に沢がある。ここも笹ミキ沢の支流だろう。やはり風は冷たい。タバコを吹かす頃には寒くなってきた。今日はジャージを着てきたが、いまだに脱ぐことがない。
(丸石沢右岸尾根を下る)
日ヶ窪峠に一旦戻り、帰路につく。ここもまた数分で丸石沢右岸尾根の取り付きに着いた。ここで舟石新道は鋭角的にカーブしている。そういえば、瀑泉さん、この辺のピンクテープを撤去されたようだ。とてつもなく不安だったが、別に迷うことはなかった。新道区間、踏み跡はしっかり残っている。
尾根を下り出す、ピンクテープがまた出てきた。やはり、庚申林道→丸石沢右岸尾根→塔の峰→オロ山(→中倉山?)の大周回をされたようだ。これではテープ回収に戻るに戻れないわけだ。しかし、この丸石沢右岸尾根、尾根が複雑に入り組んでいるわけでもなく、植林帯が続くものの、作業道もあって、下から登る分には、上に向かうだけだから、迷うところはないのだけどね。植林帯のピンクテープは、普通、作業用と思いがちだから、あまり意味もないし、仕事関係者にはまずいんじゃないのかなぁ。
(作業道を辿ってみた。自分は、これが笹ミキ沢左岸尾根に出ると信じている)
(別口でこんな作業道も。これは以前確認済みの作業道)
明るい自然林の中の歩きは気持ちがいい。以前、ここを下った時は紅葉もきれいだったが、今は終わったのか、色づきは悪い。やがて急斜面の植林に入り込む。しばらく下って、脇に逸れた。確か、作業道があるはずだ。植林の端に出る。あった。しっかりした作業道。時間もあるし、ちょっと辿ってみた。また植林の中に入った。石垣も見かけた。暗い植林の中だ。これ以上の探索は不要と切り上げる。
(枝沢の小滝。この落葉の上に着地しようとしたが、水に浮いているのだと知って慌てた)
尾根の植林に戻る。下に来ると、そろそろ明瞭な踏み跡が続く。ピンクテープはとうに見失っていた。植林の中はうっとうしく、少し下って、植林の外に出る。また作業道。植林の際を適当に下る。ここも急だ。下に沢が見えてきた。大石沢に合流する沢だ。沢に下りると、先に庚申林道がちらっと見えた。沢を対岸に渡って登り返す。この辺、踏み跡がうっすらとついている。迷うとすれば、踏み跡が目に付かずに八方ふさがりになる程度のことだろう。不思議にピンクテープはなかった。
(林道の紅葉1)
(林道の紅葉2)
(林道の紅葉3)
(林道の紅葉4)
(そして、しつこく5)
庚申林道に出た。おう、すげぇの一言。林道の紅葉は盛りになっている。陽の照っていない朝とは大違いの光景だ。山の方も賑やかになっていて、山が笑っているといった感じだ。今日あたりは、わざわざ庚申山に行かずとも、一の鳥居までの歩きで紅葉狩りを満喫できそうだ。
(到着。この分では、備前楯も見ごろだったろう)
もっとしばらく歩き続けたかったが、大石沢出合いからかじか荘まではあっという間だ。ほんのひと時を楽しんだ。駐車場には車が7台。出がけに準備中の方の車はまだあった。まだ1時過ぎ。庚申山を往復したとて、まだ戻って来ていない時間だろう。象山の紅葉を期待したが、正面は西側斜面のため、あと数時間しないと映えた紅葉も見られないだろう。
歩き足りない気分ではあったが、明日は平日、まして神経痛病みの足にはちょうどいい7時間だったとも言えようか。
三連休の最終日だけあって、国道は混んでいて、家に帰るまで、結構な時間がかかってしまった。
(そして、本日のお片付け。自分で何もせずに、これからいらっしゃる予定の瀑泉さんに掃除を依頼するわけにもいくまい。ある程度は撤去はしたが、見落としはかなりあるかも。本日ストーリーのオチみたいなもの。まぁ、オイラの山を汚すなよといったところだ)
先週は,手前の木々も葉が残っていたし,何より銀峯のカラマツや一の鳥居周辺も,先週は色付いてましたしネ。その分,庚申林道周辺は明らかに良くなってますから,下がってきたのでしょうネ。
搭の峰の山名板,3代目を拝見する前に,4代目になってしまいましたか(驚)。
それにしても,あの強風の中での作業,ご苦労さまでした。斜めを矯正するためにも,早いとこ訪ねなければなりませんネ(笑)。
ちなみにピンクテープ,自分が撤去したのは,丸石沢右岸尾根の鞍部から日ヶ窪峠にかけての新道部分がメインでして,時間も無いので,次回,搭の峰に登る際に,今回,たそがれオヤジさんが下山に使ったルートを歩いて回収しようと思っていたワケですヨ。なので,見落としたワケではありませんヨ。
黄金色のカラマツ、楽しませていただきました。貴重な情報、ありがとうございました。来年から、楽しみになりました。残念ながら、一週間の遅れでしたが。
さて、例のピンクテープの件、誤解なく願います。
瀑泉さんのお掃除エリアは丸石沢右岸尾根取付きから日ヶ窪峠だったということは存じております。
「見落とし」したのは私でして、塔の峰から下って来ると、峠の手前で、尾根が微妙に二股になります。その両方にピンクテープがあったわけですよ。どっちをとるか迷ってしまい、とりあえずはメインから離れた小尾根を下って、目に付くテープを回収し、トラバースして本尾根に戻って、さらに回収となった次第です。
そのため、小尾根から新道までの区間、本尾根からトラバースした区間がブランクのままで、回収もあるいは「見落とし」があったかもしれないということなのです。
ですから、瀑泉さんの塔の峰では、その辺の回収をお願いいたしますよ。きれいなままにしたいですからね。
やはり風も強く気温も低かったのですね。
稜線歩きしなくてよかったです(^^)
新たな山名板、大きすぎません?
今度はみー猫さんに代わって「大きすぎる」と洗脳しましょう(笑)
すぐに5代目になったりして・・冗談ですので気にしないでくださいネ。
でんさん、さすがですね。この日は低山が正解ですよ。
おそらく、社山も大平山も、条件は同じでしたでしょう。さらに標高も高いし。子供なら、木につかまっていないと危ない状態でしょう。
山名板、今度は大きい?山名の文字はほぼ同じで、標高を加えただけですが。標高の下の部分、影も写っていますから、その分、「大きく見える」程度にしておいてくださいな。
文字を細かく彫る技術があればいいのですが、素人ですから。「大山」だの「中山」だのだったら、いくらでも小さくできますが、「峰」の字があるとどうもね…。
寒い中、4代目の山名板の設置と清掃登山お疲れ様でした。前回取りきれなかったので心残りでしたので、すっきりした気分になりました。銀峯含め、そのうち拝みに行きたいと思います。林道ふきの紅葉も素晴らしいの一言ですね!
みー猫さんの標高表示コメントのおかげで、以降の山名板(とはいってもオロ北大地と銀峯だけですが)は注意していたのですが、この三代目だけはそのままになっていたので、早いとこ、と思っておりました。
みー猫さんがいらっしゃる時に、まだ残っていればいいのですがね。どうも木が倒れてしまいそうな気がするのですよ。
林道付近の紅葉も、ピークを迎えているというよりも、そろそろ終わりかけの気配がありましたね。だとしたら、もうちょっと上まで歩いてみればよかったようです。
それにしても、皮肉の文章もうまいですね。いつもながら特別な才能をお持ちなんだとつくづく感心いたします。あとは、これで少しは効果があればいいんですけどね。
あんな四代目でよかったら、ついでの折りにでもいくらでも拝んできてくださいよ。きりんこさんに見ていただければ冥利に尽きます。
舟石新道の件ですが、雪の時期に歩くと、なぜか道筋がしっかりと見えます。さらに、シカ道にもなりますしね。ただ、道はずっと斜めになっていますから、滑りに要注意です。まさか、瀑泉さんのように一回通しではないでしょうね。塔の峰をかけたら、かなり厳しいですよ。
ピンクのテープ、足尾の山のメインルートにはほぼあるようですね。
中倉山の一般ルート、オロ山周辺、私、ほぼ根絶やしにしたつもりなのですが、また賑わっているようですね。一体、何なんですかね。ムキになってやっているとしか思えませんよ。
またしても塔の峰へお出かけされたのですね。
四代目も良いですね。
今回のもので納得されたのではないですか。
塔の峯はこの時期から風邪が強い日が多くなるような気がします。
自分も山名板を取付に行ったときはとんでもない風でした。
体を持って行かれそうになるは、手はかじかんで取付に苦労した覚えがあります。
お掃除もお疲れ様でした。
四代目で納得は納得なのですが、取り付けた木が風で倒れるか折れちまったのでは、振り出しに戻ります。一冬、越せるかなと心配です。
木が倒れていたら、どなたか、山名板を別の木に取りつけていただけたらなと願わずにはいられませんよ。
そういえば、ハイトスさんの山名板の取り付けも寒い頃でしたねぇ。あの風の強さ、どこでも同じでしょうが、半端じゃないような気がします。
冬の様子もまた見に行きたいのですが、ほとんどのコース(といっても、無理やりに自分でつくったものですが)を歩いていますので、新たなルートの考案、苦慮しますよ。