◎2008年7月12日(土)─4人
I男、K女の調教登山第3弾。とはいっても、巧みな手作りマニュアルを作り、テクニカルな面も加味しながら徐々にハードになっていくわけではなく、むしろ、早々にして引き返し気味な状況になっている。今回は前回同様に、軽井沢のレンタル別荘を根城に湯ノ丸山をターゲットにした。木の日程調整もつき、久しぶりの合流となり、自称「あさひ山の会」会長の直指導を仰ぐ形である。会長の他にオブザーバーとしてM女も加わったが、こちらは山にはまったく興味がなく、ベースキャンプで一升瓶を抱いて、我々の下山を、愛犬のチワワ犬namedモズクとともにひたすら待っているはずの形。M女は前夜祭で、一人で日本酒一升を開けていたが、当日は、朝早くから起き出し、かいがいしくも我々のオニギリやら朝食の準備をしてくれた。見上げた女の鏡。化け物の肝臓の持ち主。
朝から軽く飲みたいのを我慢して7時過ぎに別荘を出る。車は木のチェロキー。これが、朝の買出しでひたすらエンストを起こし、何となく気にかかる。オートマでエンストとは、どう考えても不釣り合い。聞けば、ここ3か月、エンジンをかけていなかったという。昨日はよくも軽井沢まで来れたものだ。今日のI男とK女の歩きスタイルは奇抜。I男は会長から昨日支給された木組の名前が入った手ぬぐいを頭に巻き、K女はストレットのパンツに変な半ズボンを穿いている。オーソドックスなスタイルの木とオレにとっては、どう見ても、仲間とは思われたくない格好。I男の靴もK女のストレッチパンツも、先日、池袋の好日山荘にリニューアルオープンに合わせて付き合って買ってきた。実はその後が悪かった。買い物後は打ち合わせと称して飲むハメになり、オレは車掌に起こされたうえに、籠原駅の付近に駐めてある自分の車の中で寝ることになってしまった。
さて、別に湯ノ丸山でなくてもよかったのだが、調教側が地図そのものを忘れ、コンビニにある長野県道路地図を広げて、ここなら、地蔵峠を目印に行けば、あとはハイキングコースを歩けるだろうと安易に決めた山。下調べも知識も何もない。本来なら、レッスン3として、黒斑山あたりが適当だったろうけど、地図がないのでは登山口まで行きようがない。まして、皆んな、山歩きよりも、午後からのバーベキューが楽しみといった気分になってしまっている。まぁ妥当な選択だろう。
スキー場の駐車場を8時24分出発。車が20台ほど駐まっている。セミの声。木の解説では春ゼミとのこと。リフトが動いてはいるが、乗っている人はいない。こんな時間はそうだろう。ゲレンデの急斜面を歩く。いきなりぜ~ぜ~しはじめた。I男は調教のたまものか、今のところは元気がいい。K女は遅れがち。振り返れば、向こう側のゲレンデ越しに、この間歩いた東篭ノ登山が見える。手前は西篭ノ登山。風が吹くとすこぶる気持ちはいいのだが、ぴたっと止まると、暑さも加わって極めて不快な気分。ここは放牧地のようで、牛の糞の塊があちこちにある。リフトの終点では、2人のオッサンが乗ってこないリフトの客待ちをしている。ここからは平坦。K女もほっとした気配で先に出る。気づけば、木とK女が牛と戯れている。だれかが新鮮な牛糞を踏んだのだろう。そこかしこに靴の汚物を拭った跡がある。8時51分、鐘のある広場に着く。この一面がつつじ平というところらしい。汚れかかったつつじの残骸が数本。鐘があると、クセなのか、つい叩いてしまう人がいる。木も鳴らしていたが、ここから山頂までの間に4回程聞こえた。
また上りが始まる。北の方角も広がり、田代湖も見え出した。篭ノ登の左肩には浅間山。南方は、ガスっていてはっきりは見えないが、八ヶ岳と奥秩父のシルエット。すっきり晴れ渡っていたら最高だろうな。涼しい風。またK女が遅れだした。先でI男が待ちぼうけのスタイルをとっている。山頂に近づくと人が多くなる。こんな表現は失礼かもしれないが、やはり大衆的な山。山頂直前で立ち止まって休んでいる人がかなり目に付く。もうここまで来ればK女も大丈夫だろうと、てんでに歩きはじめる。山頂にはばらばらに到着。9時25分。ちょうど1時間だった。I男は早速、他のカップルのカメラマンをしている。
さて、問題はここからの戻りコース。北に下るルートもあるようだが、本当は烏帽子岳に行きたい。しかし、K女の歩きが心もとない。下りきった鞍部から先の上りは無理なような気がする。ここから見ているだけでも、きつそうだ。風が冷たくなったのを潮時に下る。取りあえずはあの鞍部まで。きっとそこから駐車場に向かう道もあるだろう。
下り道はやや急。K女の足がすくんでいる。木に彼女を押し付けた感じで後を頼み、I男と先に下る。ところが、中々、2人が付いて来ない。しばらく休んでいたら、木とK女の笑い声。リラックスさせながら下りて来たようだ。後で聞いたら、手鼻のかみ方を教わったり、木とオレの失敗談を、主役をオレに置き換えて笑わせていたようだ。そんなものだろうとは思っていたが。
鞍部着10時15分。やはりここは分岐になっていて、烏帽子に向かう道とともに、駐車場に向かう道もあった。ここから見上げる烏帽子は、実際はそうではないだろうがきつそうに見える。ここでお終いとしよう。K女は待っていると言ったが、いくら何でもそれまでの山でもないような気がする。休憩にし、M女が作ってくれたオニギリを食べる。I男は3個も食べた。若いのは食欲も旺盛だ。ここで、木の講義がはじまった。主にキジ打ちと花摘みについて。そのスタイルをとりながらの解説だから、K女もI男も笑い転げている。烏帽子からどんどん人が下りてくる。見ていると、どうも、ここだけ登ったか、西からの尾根筋を歩いて来たようにも思える。湯ノ丸山に登り返す人はだれもいない。軽装の若い女の子が多い。早速、木が道案内するかのようにおしゃべりをはじめる。またオレのことをネタにして笑っているようだ。オンブする格好をしているから、あのオッサンは若い子ならタダでオンブして連れて行ってくれるよ、とでも言っているのだろう。
10時40分に帰り支度。あとは気持ちのよい山道歩き。この時間から入って来る人も随分といる。だんだん暑くなってきた。だらだらとおしゃべり歩き。キャンプ場に到着。I男は来週、五竜岳の近くのキャンプ場に彼女と行くとのこと。木と2人で冷やかし話。駐車場には11時20分着。車はほとんど満車。
チェロキーはやはりバッテリーがいかれていた。エンジンの始動がならず、不気味なカラカラ音を立てるばかり。I男が土産屋にブースターケーブルを借りに行く。隣の熊谷ナンバーのオジサンが気軽にバッテリーの充電に応じてくれた。本庄から来たそうだ。ようやくエンジン始動。ケーブルを返却する際、I男が土産屋からのタダ借りじゃまずいだろうと、アイスクリームを買ってきた。なぜか、熊谷ナンバーにはお礼無し。傍らにいるのに、平気な顔をしてアイスをほおばっている。途中、買い物をしながらエンストも起こさずに何とか別荘に到着。途中のホームセンターで、万一用にブースターケーブルを購入。別荘では、あさひ山の会恒例のフィニッシュ、カレーとラーメン。ともに料理上手の女性2人、かなり本格的でおいしかった。M女は結局、片付けと犬の散歩で半日を費やしたためだろう、さして疲れもでなかったためか、その日は日本酒も5合止まりだった。
チェロキーのバッテリーは、翌日には完全にダメになっていた。買ったケーブルでI男のバッテリーにつなげても無反応。結局、バッテリーの買出しになってしまい、K女、M女、モズク、そしてオレは2時間も炎天下で待たされるハメになってしまった。
帰りの車の中、木はポツリとオレにこう言った。「久しぶりに山に登ったけど、山に登った気が全然しねぇなあ~」と。
I男、K女の調教登山第3弾。とはいっても、巧みな手作りマニュアルを作り、テクニカルな面も加味しながら徐々にハードになっていくわけではなく、むしろ、早々にして引き返し気味な状況になっている。今回は前回同様に、軽井沢のレンタル別荘を根城に湯ノ丸山をターゲットにした。木の日程調整もつき、久しぶりの合流となり、自称「あさひ山の会」会長の直指導を仰ぐ形である。会長の他にオブザーバーとしてM女も加わったが、こちらは山にはまったく興味がなく、ベースキャンプで一升瓶を抱いて、我々の下山を、愛犬のチワワ犬namedモズクとともにひたすら待っているはずの形。M女は前夜祭で、一人で日本酒一升を開けていたが、当日は、朝早くから起き出し、かいがいしくも我々のオニギリやら朝食の準備をしてくれた。見上げた女の鏡。化け物の肝臓の持ち主。
朝から軽く飲みたいのを我慢して7時過ぎに別荘を出る。車は木のチェロキー。これが、朝の買出しでひたすらエンストを起こし、何となく気にかかる。オートマでエンストとは、どう考えても不釣り合い。聞けば、ここ3か月、エンジンをかけていなかったという。昨日はよくも軽井沢まで来れたものだ。今日のI男とK女の歩きスタイルは奇抜。I男は会長から昨日支給された木組の名前が入った手ぬぐいを頭に巻き、K女はストレットのパンツに変な半ズボンを穿いている。オーソドックスなスタイルの木とオレにとっては、どう見ても、仲間とは思われたくない格好。I男の靴もK女のストレッチパンツも、先日、池袋の好日山荘にリニューアルオープンに合わせて付き合って買ってきた。実はその後が悪かった。買い物後は打ち合わせと称して飲むハメになり、オレは車掌に起こされたうえに、籠原駅の付近に駐めてある自分の車の中で寝ることになってしまった。
さて、別に湯ノ丸山でなくてもよかったのだが、調教側が地図そのものを忘れ、コンビニにある長野県道路地図を広げて、ここなら、地蔵峠を目印に行けば、あとはハイキングコースを歩けるだろうと安易に決めた山。下調べも知識も何もない。本来なら、レッスン3として、黒斑山あたりが適当だったろうけど、地図がないのでは登山口まで行きようがない。まして、皆んな、山歩きよりも、午後からのバーベキューが楽しみといった気分になってしまっている。まぁ妥当な選択だろう。
スキー場の駐車場を8時24分出発。車が20台ほど駐まっている。セミの声。木の解説では春ゼミとのこと。リフトが動いてはいるが、乗っている人はいない。こんな時間はそうだろう。ゲレンデの急斜面を歩く。いきなりぜ~ぜ~しはじめた。I男は調教のたまものか、今のところは元気がいい。K女は遅れがち。振り返れば、向こう側のゲレンデ越しに、この間歩いた東篭ノ登山が見える。手前は西篭ノ登山。風が吹くとすこぶる気持ちはいいのだが、ぴたっと止まると、暑さも加わって極めて不快な気分。ここは放牧地のようで、牛の糞の塊があちこちにある。リフトの終点では、2人のオッサンが乗ってこないリフトの客待ちをしている。ここからは平坦。K女もほっとした気配で先に出る。気づけば、木とK女が牛と戯れている。だれかが新鮮な牛糞を踏んだのだろう。そこかしこに靴の汚物を拭った跡がある。8時51分、鐘のある広場に着く。この一面がつつじ平というところらしい。汚れかかったつつじの残骸が数本。鐘があると、クセなのか、つい叩いてしまう人がいる。木も鳴らしていたが、ここから山頂までの間に4回程聞こえた。
また上りが始まる。北の方角も広がり、田代湖も見え出した。篭ノ登の左肩には浅間山。南方は、ガスっていてはっきりは見えないが、八ヶ岳と奥秩父のシルエット。すっきり晴れ渡っていたら最高だろうな。涼しい風。またK女が遅れだした。先でI男が待ちぼうけのスタイルをとっている。山頂に近づくと人が多くなる。こんな表現は失礼かもしれないが、やはり大衆的な山。山頂直前で立ち止まって休んでいる人がかなり目に付く。もうここまで来ればK女も大丈夫だろうと、てんでに歩きはじめる。山頂にはばらばらに到着。9時25分。ちょうど1時間だった。I男は早速、他のカップルのカメラマンをしている。
さて、問題はここからの戻りコース。北に下るルートもあるようだが、本当は烏帽子岳に行きたい。しかし、K女の歩きが心もとない。下りきった鞍部から先の上りは無理なような気がする。ここから見ているだけでも、きつそうだ。風が冷たくなったのを潮時に下る。取りあえずはあの鞍部まで。きっとそこから駐車場に向かう道もあるだろう。
下り道はやや急。K女の足がすくんでいる。木に彼女を押し付けた感じで後を頼み、I男と先に下る。ところが、中々、2人が付いて来ない。しばらく休んでいたら、木とK女の笑い声。リラックスさせながら下りて来たようだ。後で聞いたら、手鼻のかみ方を教わったり、木とオレの失敗談を、主役をオレに置き換えて笑わせていたようだ。そんなものだろうとは思っていたが。
鞍部着10時15分。やはりここは分岐になっていて、烏帽子に向かう道とともに、駐車場に向かう道もあった。ここから見上げる烏帽子は、実際はそうではないだろうがきつそうに見える。ここでお終いとしよう。K女は待っていると言ったが、いくら何でもそれまでの山でもないような気がする。休憩にし、M女が作ってくれたオニギリを食べる。I男は3個も食べた。若いのは食欲も旺盛だ。ここで、木の講義がはじまった。主にキジ打ちと花摘みについて。そのスタイルをとりながらの解説だから、K女もI男も笑い転げている。烏帽子からどんどん人が下りてくる。見ていると、どうも、ここだけ登ったか、西からの尾根筋を歩いて来たようにも思える。湯ノ丸山に登り返す人はだれもいない。軽装の若い女の子が多い。早速、木が道案内するかのようにおしゃべりをはじめる。またオレのことをネタにして笑っているようだ。オンブする格好をしているから、あのオッサンは若い子ならタダでオンブして連れて行ってくれるよ、とでも言っているのだろう。
10時40分に帰り支度。あとは気持ちのよい山道歩き。この時間から入って来る人も随分といる。だんだん暑くなってきた。だらだらとおしゃべり歩き。キャンプ場に到着。I男は来週、五竜岳の近くのキャンプ場に彼女と行くとのこと。木と2人で冷やかし話。駐車場には11時20分着。車はほとんど満車。
チェロキーはやはりバッテリーがいかれていた。エンジンの始動がならず、不気味なカラカラ音を立てるばかり。I男が土産屋にブースターケーブルを借りに行く。隣の熊谷ナンバーのオジサンが気軽にバッテリーの充電に応じてくれた。本庄から来たそうだ。ようやくエンジン始動。ケーブルを返却する際、I男が土産屋からのタダ借りじゃまずいだろうと、アイスクリームを買ってきた。なぜか、熊谷ナンバーにはお礼無し。傍らにいるのに、平気な顔をしてアイスをほおばっている。途中、買い物をしながらエンストも起こさずに何とか別荘に到着。途中のホームセンターで、万一用にブースターケーブルを購入。別荘では、あさひ山の会恒例のフィニッシュ、カレーとラーメン。ともに料理上手の女性2人、かなり本格的でおいしかった。M女は結局、片付けと犬の散歩で半日を費やしたためだろう、さして疲れもでなかったためか、その日は日本酒も5合止まりだった。
チェロキーのバッテリーは、翌日には完全にダメになっていた。買ったケーブルでI男のバッテリーにつなげても無反応。結局、バッテリーの買出しになってしまい、K女、M女、モズク、そしてオレは2時間も炎天下で待たされるハメになってしまった。
帰りの車の中、木はポツリとオレにこう言った。「久しぶりに山に登ったけど、山に登った気が全然しねぇなあ~」と。
次回の調教登山は?
みんなによろしく言っておいてくれ。
M子のPCはネットが繋がっていないのでプリントアウトを送っておきました。彼女もモズクも楽しんだそうです。I男は月曜日にグリーン車で出勤なほど疲れたようでした、でも1週間頑張っていましたよ。私も何となく疲れは残ったけど、乗り切った週でした。
山の暑さには参りますね、こんなに堪えると思っていなかったです。
頂いた野菜と焼餅、とても美味しかったです、ありがとうございました。製作者のご両親にお礼を言っておいてください。