たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

失敗談を語ってもしかたがないが…。松木川周辺ぶらぶら歩き。

2012年09月02日 | 足尾の山
◎2012年9月1日(土)

 足尾と日光の間にある未踏の尾根をいくつか歩いてみたくなり、手はじめに、大平山の南尾根(大ナギ沢右岸尾根)から大平山に至り、それから社山に出て、1564m標高点のある南東尾根を下ってみるつもりでいた。前者の尾根歩きのネットレポは結構あるが、後者については、南尾根はあるものの南東尾根は見あたらない。どんな尾根かは知らないが興味があった。6月に社山を歩いた際、南東尾根の様子は上から見ている。南尾根は歩きやすい尾根であったが、南東尾根を同じ感じで歩けるだろうか。こんな、未踏の尾根を歩きたい気分になったのも、おそらくは、ななころびさんのブログ記事を立て続けに拝見しているせいかもしれない。

(松木の風景。雨上がりためか全体が白く見えた)


 起き抜けから体調が悪かった。一昨日の職場の飲み会が効いたのか、昨日は終日、二日酔いの状況だった。これに、短時間の睡眠と夏バテが加わったようだ。どうしようか迷った。明日は雑用もあるし、山には今日でないと行けない。寝直したところで、汗だくで寝ている始末。すんなりと寝られるものでもない。無理して起きて出かけた。やはり便通もしこたま悪く、腹が重い。足尾に向かう間、缶コーヒーを飲んだら吐き気すらした。こんな状況では今日の予定コースの歩きは無理だろう。だが、行けるところまで行ってみよう。汗をかけば、体調も戻るかもといった甘い考えだけは残っている。銅親水公園から6時10分に歩き出す。松木川方面に向かうべく、橋を渡ってしばらく歩いてから悩んでしまった。どうせ、きつい歩きはできない体調だ。久しぶりに古道歩きで阿世潟峠まで歩いてみようか。それから先は体調次第だ。ついでに社山の南東尾根の取り付きだけでも確認してこよう。戻って、久蔵沢方面に向かう。散歩をしている地元のオバチャン2人に出会った。さっき、追い越して左に向かった人が、何でこっちに来たのといった怪訝な顔をしていた。

 分岐を右に長手沢方面に折れる。しばらく行って、また考えてしまった。今日はやはりやめておいた方がいいかな。どうせ、天気もはっきりしないし、午後からは確実に雨だろう。こういう時には決まって天気のせいにするものだ。あっさりと引き返す。幸いにも散歩のオバチャンには会わなかった。しかし、このまますんなりと親水公園に戻ったわけではない。未練たらしく、また松木川に向かってしまった。どこに行くといった目的があるわけでもなく、今のところ天気もいいし、何せ涼しい。至って気分がいいのは、蚊やアブがいないこと。しばらくはぶらぶらしていようといった程度のものだ。もっとも、彷徨を繰り返していたがために、全身、汗でぐっしょりしている。それでいて体調は、汗をかいたとてちっとも好転しない。いずれにしても、時間的に目的のコース歩きはもはや無理。

(中倉山のナイフブリッジか?こちらから意識して眺めたのは初めて)

(大平山方面)

(この先が大ナギ沢出合い=林道終点。ランクルが1台と自転車が1台置かれていた)

(あれが南尾根の末端のようだ)

(正面にジャンダルム)

(松木川奥)

(990mピーク)

(松木川を見下ろす)


 100m先を2人組が歩いている。ザックが大きいから、どこかにテント泊だろう。ゆっくり歩いている。今日は追い越したくない。こっちは目的がしかとしない。適当に寄り道しながら、距離を保って後ろを歩く。中倉山がすっきりと見える。あのナイフブリッジはあれかね。左に、いわゆるジャンダルムが出てくる。ヘリポートを過ぎ、大ナギ沢の出合い(833m地点)に着く。大平山の南尾根が眼前に見える。せっかくだから、尾根を少しばかり覗いてこようか。先に行けば、尾根末端を確認できるかもしれないが、手前の沢の方から適当に取り付けそうだ。これは甘かった。昨日の雨のせいか、土がズルズル滑る。草につかまりながら、何とか這い上がる。いやらしい感じの尾根だった。一面、背の高い草だらけ。水気をたっぷり含み、ズボンと靴があっという間に濡れた。踏み跡はそこいら中にある。これはシカ道だろう。すぐに、右手からシカ除けのフェンスが現れた。ずっと上まで続いているようだ。取りあえず、先に小ピークが見えるので、このまま登ってみようか。かなり急できつい。そして狭い。草も滑る。フェンスに沿って行けば楽かもと思ったが、フェンス沿いにシカ道はなかった。990mピークに到着。こりゃ、きつかった。この先、幾分、なだらかな感じはするが、登りが延々と続いている。はい、偵察はこれで終わり。エンドレスになっちまう。

(シカの角)

(この縄外しに手間取った)


 大ナギ沢に下ってみよう。場合によっては、この沢を遡行してみてもいい。この大ナギ沢、沢登りを趣味とする方には、まったく面白みのない沢のようだ。素手でも歩けるみたい。ほとんどの方が丹平治沢とセットで歩かれている。まして、松木川そのものが、いつもよりも水が少なくなっている。流れ込みの沢も水は少ないだろう。尾根を下り、フェンスが倒れているところから、一旦出る。よく見ると、シカの角がフェンスにからまっていた。力づくで開けようとしたのか、もしくは、むず痒くてこすったのか。フェンスの倒れは修復。すぐ脇に、沢に下る踏み跡があった。これとて、シカ道なのかも知れない。そして、またフェンス。二重になっているようだ。固定ヒモが固くて出て戻すまで10分かかってしまった。それでいて、よく見ると、フェンスのところどころに抜けた跡とおぼしき穴があちこちに開いている。下りながら右手を見てびっくりした。血で真っ赤になっている。針金の先でやってしまった。

(大ナギ沢)

(這い上がった林道は堰堤までだった)

(梅沢を下る)

(梅沢の様子。これなら沢ド素人でも行けそうだ。いずれ南東尾根に合流できるだろう)


 沢に降り立つ。手を洗い、バンドエイドを付ける。この沢を遡行してみようと思ったが、いきなり堰堤があって、その先にもある。こうなったら、沢遊びも興味がなくなる。沢を下る。ふと、脇の上を見ると、林道らしきものが見える。ズルズルさせながら上がってみた。先に続いている。もしかして、安蘇沢林道まで延びているのかなと思って辿ってみた。あちこちに、シカ骨らしいものが散乱している。頭蓋骨は見あたらない。この林道は、堰堤の手前で終わっていた。少々がっかり。堰堤に刻された文字を読むと、ここは梅沢という沢のようだ。下ってみる。おとなしい沢だ。つまらないので、隣の尾根に登って下る。この辺は、ボランティアの植林帯のようだ。すぐにメインの林道に出てしまった。目の前はヘリポート。なんだ、あっけなかった。車が2台やってきた。こういう、通行特権を持つ人も結構いるんだね。

(奥が南尾根。大平山は雲隠れ)

(こんなのを目にした)

(木枯らしの時期にこれを見ると、わびしくなる。後ろの墓石はひっくりかえったまま)


 ヘリポートの後ろで休もうと上がってみた。何かあるようだったが、そこには石祠が安置されていた。今まで、気づくこともなかった。「文化九年三月吉日」と刻されている。松木村時代のものだろう。この山の中、開墾でできた村だったのだろうか。タバコを吸う。じりじりと暑くなってきた。体調は幾分良好に向かいつつあるようだが、もう帰るとしようか。今日も工事が入っている。警備の方に「どこに行って来たんだい?」と聞かれた。「ぶらぶらしてきただけですよ」と苦笑い。河原に下りて水をすくって飲む。ぬるい。

(横場山と中倉山)


 4時間程度の彷徨だった。後半の林道歩きは暑かった。手拭いを頭に巻いた。7月の3連休の際、三俣山に行ってみようと松木川に足を踏み入れた途端に雨が降ってきて退散した。去年の10月にも、おかしなことから退散して備前楯山に逃げた。どうも、松木川がらみでまっとうな歩きをしていないのが続いている。ちょっと気になっている。今日の歩きに関しては、身から出たサビで致し方ない話だが、いずれ起死回生を図らないことには縁が切れてしまうな気がする。

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16 コメント

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Unknown (野球親爺)
2012-09-02 13:57:10
たそがれオヤジさん こんにちは。
「彷徨」とはたそがれオヤジさんにしては珍しいですね。

私はと言えば週末の天候がすっきりせず、消化不良の歩きを繰り返しています。というか前日に天気予報を見た時点でテンションが下がり歩く気が失せてしまいます。
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野球親爺さん (たそがれオヤジ)
2012-09-02 14:22:09
こんにちは。
今日も、ここ群馬は朝から雨が降ったりやんだり、時にはバケツをひっくり返したような雨になったり、晴れてはかーっと暑くなったりしています。おそらくは栃木も同じようなものでしょう。まったく、おかしな天気続きですね。
野球親爺さんのように、消化不良の歩きを繰り返されているだけでもいいですよ。私の場合、体力がついていけないような、おかしな夏バテ状態がずっと続いていますよ。何とかしないと。
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還暦近くになると (俺だ)
2012-09-02 17:02:16
肝機能も○機能、聴力、視力、体力そして毛髪も落ちてくる。でも、モチベーションだけは落とさないでくれ。
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俺だへ (たさがれオヤジ)
2012-09-02 17:48:10
言っていることがよく分からんが、まっ、ありがとうよ。
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松木川 (みー猫)
2012-09-02 18:03:26
こんばんわ。
スタートで遅れると中途半端になりがちですが、天候が読めないのもなおさらですね。先日やっと錫まで行って、入り口まで来たなあというところで、今後、松木川からみをどうルート取りするか考え中です。たそがれさんのご計画?のルートを参考にしたいと思っております。先日の丹後-大水上は夏バテではないでしょ・・・お気のせいでは?毎回、前日入りくらいのテンションを持ち続けないといけないでしょうかね?
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みー猫さん (たそがれオヤジ)
2012-09-02 18:34:13
確かに、足尾だからとはいえ、前日入りのテンションを持ち合わせていないと、こんな歩きになっちまうかもしれませんね。まして、少しぐらいの体調不良もカバーできたでしょう。正直のところ、テンションの無さを、体調不良の理由で隠していなくもないのですよ。

みー猫さんも、この界隈に目を向けてきましたね。怖い存在です(笑)。今回の私の机上ルートは、実際に歩いたわけではないので参考にもなりませんよ。最終的には、国境平と三俣山間を攻略(そんな大げさなものではないのですが)したいのです。そのための机上ルートもすでに念頭にあるのですが、いかんせん、そのテンションがどうも…。
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松木沢周辺 (ななころび)
2012-09-02 23:12:57
こんにちは、松木川周辺の彷徨お疲れ様でした。途中からしかと目標が無くなった山行でもこれだけ興味深い歩きは、さすがたそがれさんならではと関心します。いつもより増してたそがれさんのレポらしいと言うか・・・。
本文で出し5行めの私の事が出てくる下り、恐縮かつ感激ですが、はっきり言って過大にお褒めいただきすぎと思います。なんせ女峰2209m峰への尾根で精神的にいっぱいいっぱいの2歩くらい手前の状態ですから。
9・01は私は姪の通う宇都宮女子高校の学園祭に行き彷徨しておりました。高校生達の素晴らしいパフォーマンスに胸を洗われる感動もいただいてきました。9・02は私の友達の初心者お母さんとお子ちゃま達と日光山行の予定も天気NGの為中止、今回は体を休めて秋山突入です。しばらくは紅葉見物人と化します。
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ななころびさん (たそがれオヤジ)
2012-09-03 05:27:41
私らしいレポですか…。何とも複雑な思いですね。
いや、ななころびさんのブログ記事に触発されているのは確かで、日光足尾方面にまた戻りつつあります。
今回はどうなさったのかと思っておりましたが、宇女高の学園祭と雨の歩かれませんでしたか。もしかして、予定は日光白根だったでしょうか。昨日、野球親爺さんが白根を目指して、雨のため座禅山に変更して歩かれていましたね。あの雨ではね。
女子高校生のパフォーマンスを口開けて感動していたら、ちょっとやばそうな感じになりますよ。注意しないと。
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社山南東尾根 (烏ケ森の住人)
2012-09-03 06:57:48
たそがれオヤジさん  はじめまして(多分)。

いつも興味深く記録を読ませていただいています。
社山南尾根は、たそがれオヤジさんご指摘の通り、記録は多数あります。でも、南東尾根の記録は見つかりません。足尾から阿世潟へ歩いていると、南東尾根の東斜面は尾根上から谷まで崩落している箇所を多く見かけます。
稜線上に問題箇所があるのかもしれません。
私の経験では04年5月に長平沢林道(正式名は不明)から南東尾根に取り付いたところ。標高1200のヤセ尾根部はガレていて、危険を感じ渡るのを諦めて戻ったことがあります。当時は経験不足と高所恐怖症(これは今でも)で、今なら大したことはないのかもしれませんが。
この尾根を通るのなら、エスケープしづらいので、登りに利用されることをおすすめします。
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烏ケ森様 (たそがれオヤジ)
2012-09-03 08:52:02
コメント恐れ入ります。『日光連山』はいつも拝読させていただいております。かつ、常に参考にさせていただいてもおります。ある意味、自分にはバイブルのようなものです。
ただ、あまりのレベルの高さに、近づきがたい存在でありました。そういうベテランの方に、役にも立たない、稚拙なブログ記事をさらして恥ずかしい限りです。

さて、社山南東尾根の情報、ありがとうございました。実は烏ケ森さんがお歩きになったご様子がないので不思議ではいたのです。あるいは、見逃してしまったのか。そうですか、結構、やばい尾根なのですね。取りあえずは上り時使用ですね。様子を見がてら、いずれ行ってまいります。

ところで、最近、烏ケ森さんが行かれた佐武流山ですが、詳細な記事のアップを確認してから行こうと思っておりました。参考にさせていただきます。ありがとうございました。
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