たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

そろそろ足尾の山復帰。取り急ぎ赤倉山へ。877mから北上ルートで。

2018年12月24日 | 足尾の山
◎2018年12月22日(土)

林道入口駐車地(7:50)……林道終点広場(8:05)……877m標高点付近・尾根取り付き(8:24~8:30)……一般ルート合流(10:06)……赤倉山(10:24~10:55)……1400m級小ピーク(11:14)……半月道合流(11:47~11:54)……林道終点(13:05~13:15)……駐車地(13:30)

 6月に赤倉山に山名板のメンテに行ったところ、メンテどころでは済まない状態になっていて持ち帰った。ボロボロになっていた。7月に新たな板を作り、近いうちに取り付けに行くつもりでいたが、8月の事故でそれどころではなくなった。板の裏には「2018.7」と記してある。製作年月だという言い訳も12月になっちまったら無効だろう。年内には何とかしたく、塗ったニスの上にマジックで(2018.12)と追記し、半ば強引に赤倉山に行くことにした。赤倉山といえども、まだ不完全な足では正直のところきついだろう。事故から四か月を経過しても、せいぜい備前楯が関の山の仕上がり状態だ。
 きついと言いながらも、どうせ行くなら歩いたことのないルートにしたいという気持ちが出てくる。それは単に足尾の山だからだ。これまでのリハビリ歩きは自分の頭を使って歩くことはなかった。すべて既製品コース歩きだ。それはさておき、西側からは無理でも、半月道(深沢古道)側からなら可能だろう。半月道にある877m標高点ちょい先から北上して赤倉山に至る一本尾根がある。この尾根は歩いたことがないような気がする。その手前の小尾根から南西尾根に乗ったことはある。あとは雨量計付近からの一般的な2ルートは済んでいるし、その先は下山ルートとして何本か歩いている。尾根筋ルートとしては877m起点しか残っていない。この尾根ルート、1340m付近で一般ルートに合流することになっているから、その点では安心感もある。
 下りはその場の情況次第ということになるが、予定としては大畑山(1446m)、茨倉山(1514m)経由で半月道歩きにしたい。そんなことを考えていたら、大畑山と茨倉山の山名板も欲しくなった。思いついて取りかかったのが一昨日の夜。出がけの時点でニスは乾いていなかった。まして一回だけのニス塗りの即席板では寿命も短い。欲張りはやめにした。ちなみに、今回の赤倉山の山名板、手元に置いていた期間が長かったため、5回ほどニスを上塗りし、外に吊るして風雨にさらしたりしているから、少なくとも二年は持つだろう。

 122号線の下り、今回は信号以外の特別な障害もなくスムーズに足尾に入れた。さて、当初から、林道の終点まで車で乗り入れるつもりはなかった。6月に途中から林道に下りた際、かなり荒廃が進んでいて、これじゃパンクして戻れない状態になりかねないなと思っていた。JAFを呼んでも終点まで来てくれるとは思えない。林道入口から坂を上がった3台ほどのスペースのところに車を置く。置いていいものかどうかは知らないが、南西尾根を下から登った際にここに置き、帰ったら何事もなかったようだから問題はないだろう。

(段差を避ければ右の石垣に車がこする)


(何のための土嚢なのか)


(林道終点)


 林道はやはり荒れていた。アスファルトが段差を大きくして剥がれていたり、土嚢が置かれているところもある。それでも入る車はいるようで、凍結して固くなったうっすら雪の上にはタイヤ痕がある。林道終点の広場には車が一台。普通車だ。ダッシュボードの上に大きな白い紙が見えたので、失礼ながら気になって覗くと「野生鳥獣の捕獲等実施中 入林時注意」と書いてあった。つまり、ハンターが入っているということだが、後で調べると、赤倉山の東側は狩猟可能のようだ。だが、最後まで発砲音は聞こえず、獲物は目につかなかったのだろう。

(深沢を渉る)


 深沢の水は少なく、特に場所を選ばずとも渉れた。今日は、ここがあったので、スパ長にしようか迷っていたが、結局は登山靴で正解だった。後で、登山靴よりもスパ地下が賢明だったことを知ることになるが、地下タビはまだ履けない状態だ。いくらかしぼんできてはいるが、まだ左足首がやや太い状態で、無理に履いて石にでもぶつけたらガードが弱過ぎる。選択からは外している。まして、この時期は布製タビでは足首が冷えもする。

(落葉の堆積も薄く、この辺は注意すれば問題はなかったが)


(ここになると深いところでヒザまできた)


 半月道に入る。いきなりの乗り上げだが、しばらく石ゴロのうちはよかった。注意して歩ける。やがて落葉堆積の道になった、これにはまいった。基本的には石ゴロの上に落葉が積もっている。ヒザまでくるところもある。普通はフカフカでも、ここは気が置けない。右足ならいいが、左足に落葉の中の石につまずいたら、不安定な側だから、ついくじくことになる。要注意でもぶつかる。何回か左足にあたって軽く足首をひねった。ひねると、脚の中に埋めた金属が、骨の代わりになりつつあるのに曲がってしまうような感じになり、身体はともかく、気分的に痛み出す。嫌な気分だ。余談だが、埋め込みの金属プレートは踝外側で、これは骨(腓骨)代わり。内側はボルト固定だ。後で外すことはないようだから、以降、飛行機に乗る度に金属探知でひっかかることになるだろう。国際便搭乗で問われたら何と言えばいいのか。今から覚えておかないといけないな。もうそんな機会はないかもしれないが。

(標高点877m付近。半月道はここからやや左にカーブして南尾根の末端を通過する。取り付きはここにした)


 植林が見え出すと落葉も軽くなって、余計な気遣いも要らなくなった。そして877m付近。登る尾根が見える。ヤマレコだったか、ブログで見たことがある。末端から登ろうとしたら、岩々で登れそうもないので先に行って雨量計から登ったとあった。自分がここから登ろうと意識したのは今回初めてのことだが、半月道を通うと、確かに尾根末端は岩々になっているのは知っていた。そのヤマレコの方、何でまた末端から律義に登ろうとしたのか、自分には理解できない。謙虚に巻くことを考えはしなかったのだろうか。手前から取り付いて尾根に出られるのに。ガツガツ登ろうとしたのかなぁなんて思ったりする。まぁ人様のお歩きだ。それぞれのこだわりもおありだろう。ただ、正面だけ見てあきらめるのではもったいない。引き返すか、先に行って様子見するのが普通だとは思う。
 落葉での足首ひねりの癒しも含めて休憩。尾根への斜面を観察する。かなり急だ。もちろん、ここでストックを出す。これまでしばらくはステッキ型のTグリップを使っていたが、今回はIグリップ式のストックに戻した。地形図を見て、踏ん張るには使いづらいT型では無理かなと思っていた。

(急な斜面の上に南尾根が見える)


(尾根に上がって見下ろす。大岩の頭が見えている)


 いざ出陣といった感じで登った。歩きやすそうなところを選んでジグザグに登る。ただの急な斜面だが、転がり落ちるほどではない。何とか尾根に出ると、右下に大きな岩が見えた。この先に岩は見えない。岩々は末端部だけのようだ。斜面の傾斜は若干緩やかになった。

(こんなさっぱりした尾根。春を過ぎれば薄暗かろう。決してなだらかではない)


(ところどころに岩)


 どこにでもある単調な尾根だ。樹々の葉はすべて落ち、からっとした中を登る。尾根型は明瞭で幅も適度だ。ポツンポツンと岩が点在し、相応の景色の変化にはなっている。テープもなければ踏み跡もない。たまにシカフンが目につく。自分には好みの尾根だが、展望は周囲のみというのが残念だ。
 この尾根の様子をダラダラと記すほどのことはない。緩くなってほっとすると、正面が急斜面といった繰り返しだ。ここで、やはりスパ地下が最適だったことを知る。ストックも、先端にゴムキャップをしている限りは滑りまくってあまり効果的ではない。さりとて、キャップを外すというのも穴ぼこを作りながら歩くことでもあるし、ためらってしまう。そんなことはどうでもいいか。尾根の様子だが、ここはヤブ尾根のようだ。今だから葉も落ちてはいるが、枝のヤブが何度も現れる。枝を払いながらの歩きは次第にうんざりとしてくる。これが緑の季節なら、通過がかなりつらくなるかもしれない。幸いにもナゲヤブはない。

(もはや伐採地跡といったところだ)


(こんなヤブが何度か出てくる)


(見下ろして。急さもわかるかと)


(右手向こうに一般ルートのある尾根)


 左がかなり以前の伐採跡となって、少しは西側の展望が広がる。右手からは、この先で合流するはずの一般ルートの尾根が近づいてくる。その奥には、半月山なのかしかとはわからないが、その周辺の稜線が見えている。そして正面にはピーク。あれが赤倉山なら近すぎる。地図を見てもピーク形状の高低はない。

(正面ピークが近づく)


(古河印の標石)


 標石が現れた。ぼんやりとしているが古河のマークの山一に似た彫りがある。この辺も古河の山らしい。どうでもいい話だが、韓国の「強制連行」の問題で、日本の数社が訴訟の対象になっているらしい。確認をしてはいないが、古河もまたその中に含まれているのではないだろうか。

(今だから先も見えて登れるがうっとうしい)


(尾根上唯一のアクセントといったところか)


(ササが出てくる)


 ピークが近づき、錆びたワイヤーを目にする。そして、今度は明瞭な古河マークの標石。左は一時的なヒノキの植林。雑木混じりの混沌とした枝ヤブをかきわけて登る。詰めて押し込んだような角張った岩の脇を通過すると、低いササが出てくる。もう一般ルートとの合流は近いはず。右手の尾根はもううやむやになってきている。

(左に袈裟丸連峰)


(ここで一般ルートに合流。見下ろして。正面から登って来た。一般は左からになる)


 登り詰めて行くと、ようやく袈裟丸山が見えてきた。山肌には雪の筋が見える。奥袈裟の方は雲がかかって雪なのかもしれない。すでに汗をかき、途中でウインドブレーカーは脱いでいるが、あれを見ると寒気がしてくる。
 標高1350m付近手前で赤テープが目に入る。右下にはかすかな踏み跡。ここで一般ルートと合流したようだが、先に見たピークへの登りはまだダラダラと続いている。現に、目の前にピークらしきものがまだ見えている。

(さっきから見えていたピークはこれだったようだ)


(ササの斜面になる)


(足尾の町が見える)


(アップして。真ん中の低い尾根。よくもあんなところにこだわって歩いたものだと感心する。手前の小ピークが945.2m三角点ピーク)


 岩が点在し、やや緩くなったところでピークは過ぎたようだ。その先の下りはほんの気持ち程度のもの。傾斜が和らぐとササ一面の斜面が待っていた。足尾の町が見える。そして、マニアックに歩いてみた122号線と本山地区を挟む尾根が何とも低く見えている。右には備前楯が視界に入り、これはいい景色だと気にいってしばし見入った。

(まだかまだかで)


(ようやく赤倉山)


(ひっそりと三角点)


 一般ルートとはいってもササの中の道はか細い。踏み外すとヤブこぎになってしまう。細心の注意が必要だ。ここにもニセピークが続き、その都度にがっかりしながらようやく赤倉山山頂に達した。877mから2時間か。足が悪いだのと身体の不調を理由にしなければ1時間半もあれば着くだろう。

(山名板の取り付け完了。これで今日の用事は済んだ。板は少し大きめ)


 早速、山名板の取り付け作業。今回は四隅に事前に針金を巻いてきたから、意外と迅速に済んでにんまり。この山名板、出来栄えには不満足なところがある。透明クリアのニスを選んだつもりが、なぜか発色が薄茶系で、赤ら顔の板になってしまった。どうせ恥かき板だからそれでもいいと思えばそれまでだが、手元に長期間置いたのを考慮すれば、やはり色塗り失敗としかいえない代物だ。こんなでも、意外に見つけるのに手こずる三角点しかない殺風景な山頂よりは少しは印象も違うと思われるのを期待したい。
 シートを広げ、山名板を眺めながらオニギリを2個食べる。じっとしていると寒くなる。見上げると雲は黒ずんできている。さて、ここからどうするか。同じところを途中まで下って一般ルート下りも考えたが、どうせならこれもまた歩いたことのないルートで下りたい。茨倉山経由は山名板持参の時でいいだろう。しばらく地図を広げて眺めた。
 この先の1446m大畑山手前に1400mクラスの丘状の小ピークがある。そこから東に下る尾根は等高線がなだらかで、いつも七曲がりを下る際に、ここから赤倉山稜線に出られるだろうなと思っていたところだが、そこを下ってみようか。半月道歩きが長くはなるが、初めて歩きの方に魅力を感じる。何といってもなだらかな感じが好印象だ。

(雲に隠れた男体山)


(下る)


(沢入山方面)


 山名板を手で撫で、これからの寒い中ガンバレヨとつぶやいて別れる。雪がうっすらと付いているササの中の道は明瞭だ。往路の一般ルートよりもはっきりしている。みんな、いったいどこから登って来るのだろうか。南西尾根を末端から登るのは変わり者だけだ。次のピークに出ると、沢入山方面が見えた。奥の皇海山は頭が隠れている。ここから見るオロ北は真っ平だ。雪の付いた山肌が、かなりの厳しさを感じさせる。

(ハイライトが近づく)


(ここがお気に入りスポット)


(赤倉山)


(横根山方面)


(あれは高さからして茨倉山でしょう)


(1400m級小ピークここから右に)


 ピークから下って行くと、自分にとってお気に入りのビュースポット。草原状のなだらかな大地越しに地蔵岳、夕日岳の山並みが望まれる。こんなところにテントでも張って一晩明かしたいものだといつも思う。足尾の山中では地味かもしれないが、自分には好きなところだ。これを見たいがために、敢えてこちらルートを選んだところもある。
 先に行くと、右手に横根山周辺に電波塔もかすかに見える。方塞山だろう。1400mの丘に着いた。大畑山自体は左手先すぐに見えている。ここは右に分岐して下る。意外にもササの中に踏み跡が続いている。歩く人もいるようだ。もしかしたら、茨倉山に行こうとして、方向違いに下ってしまう人がかなりいるのかもしれない。ここまで歩けば、ついその延長で右手に入り込んでしまうパターンだ。

(1400m級ピークから。あちら方向に下る)


(尾根の感じは良い)


(左に二重の尾根)


 確かに緩やかな尾根だ。安心しきってノホホンに歩いていたら、凍結に滑ってひっくり返った。瞬間、足首に痛みが走ったがすぐに落ち着いた。気を許すと危ない、危ない。でもつい気を許してしまう。左手は二重の尾根で、ここから次の尾根の間の谷間も浅い。どこでも歩ける感じの雰囲気はなかなかだ。

(遠くから見てクマかと思った)


(部分的に倒木が多い)


 前方に黒い塊が見えた。立ちすくんだ。もしかしてクマだったりして。じっと様子を見ると微動だにしない。今回久しぶりに付けたスズを鳴らしながら恐る恐る近づくと倒木のうろだった。こういうことはよくあるが、結果を知れば、驚かせないでよということになる。
 この尾根は1330mあたりで二分する。南東方面に下ってもいいが、できるだけ七曲がり下に出たいのでそのまま東進する。踏み跡は南東方面に下り、古いテープもそちらに誘っている。ここはテープを無視。
 しばらく倒木が目立つようになる。このあたりは雷が集まるのだろうか。まだ傾斜は緩くて尾根も広い。快適に下って行ける。今だからなのか、もしかしたら、春になれば緑で薄暗くなるのか。ただ、ここは雑木の疎林だ。

(このまま行けるかと思ったが)


(この先は急になっていたので)


(左に下った。その先に七曲がりがあるはず)


(あそこを下って来た)


 そのまま尾根伝いに下ろうとしたら行き詰った。下が見えない斜面になった。地形図の等高線間隔ではすんなり半月道に出られるはずだったが。下れなくもないだろうが、ここは無理せずに左の谷側に下る。緩いから下れるし、樹にシカ除けの囲いが巻かれたりして、七曲がり下から見上げた光景がそこにあったから安心して下れる。

(深沢)


(半月道に合流)


 沢に下りると、錆びた一斗が目に入ってほっとする。深沢沿いにうろうろしながら歩いて行くと赤テープが目に付いた。そちらに向かうと、半月道の標識。わりとあっけなく半月道に出た。ほっとしたところで一服。まぁ、今日は短時間ながらも自分なりに満足した歩きができたか。往路、復路ともに初尾根を歩けたことだし。

(あの腐りかけの木橋を渡るとどういうことになるのか)


(今の深沢古道はこれが現実だ。ネタがなくなってここに入り込んだのか)


(深沢の水量はかなり少ない。下のダムにも水は溜まっていなかった)


 後は道型のままに消化歩きだが、時間的な余裕もあるので深沢大滝でも立ち寄ろうか。ただ、沢の水量はかなり貧弱だ。見栄えは期待できないだろう。しかし、この古道、不明瞭なところも出来てきてはいるが、新しい赤テープがやたらと付いているのには興ざめだ。道型明瞭な50mの視界の中に3本も垂れているところもある。こんなにマークだらけでは、歩いていても道探しの楽しみもなく面白みもないような気がする。確実に歩けはするだろうが、景色を見ることなくテープばかりを追っているのではなぁ。そんな歩きを一概に否定はしない。現に崩壊しているところの導きとしては助かる。

(大滝に行くにはこの辺から左に下るべきだったようだ。通り過ぎている。写真は意識にもないままに撮っただけ)


 いつしか沢側左手に植林が見えてきた。あれっ、古道から覗ける大滝上のスポットには気づかずに通り過ぎたのか。まぁいい。この先で植林に入り込み下れば大滝の下部に出られる。確か、樹に赤テープの目印が巻かれていた。
 まさかとは思ったが、古道を親子かと感じる2人組が登って来た。お互い、こんな時期に、こんなところでという話になったが、聞くと、大滝がもしかして氷瀑になっているのではと見に来たらしい。栃木なまりがあったから地元の方っぽい。地図を広げて、滝マークに「深沢の大滝」と記してある。今、この辺ですよねと言いだし、滝は見えましたかと問われた。上から覗くつもりだったのだろうが、こちらは滝に気づいていないから、来過ぎではないですかと答えた。そして、余計なことを言ってしまった。私はこの先から滝の下に出ようと思っているんですけどと。お互い、首を傾げながら別れたが、オレの認識の方が誤っていた。左の植林はすぐに切れ、雨量計に出てしまった。分岐も含めてとうに大滝は過ぎていた。というか、滝下への分岐はちょい先だったらしい。確実に見落としている。恥をかいた気分だ。そしてあの2人は大滝を見られたのか。あの沢水の量からして氷瀑どころではなかったろう。

(雨量計)


(見るべきもの1)


(見るべきもの2)


(見るべきもの3)


(見るべきもの4)


 雨量計のあるところで見るべきものは見る。茶屋跡。そして、仏像2体。コンクリ製だから昭和に入ってからのものだろうが、これを見るのがここの茶屋跡での楽しみだ。

(南尾根。向こうからあの岩の上に出た。こちらからの方が楽だったみたい)


(古道に面した末端部。登れなくもない)


 877m末端尾根にさしかかる。上には切り立った大岩。そして、鋭角的に大きく切ったかのような岩がゴロゴロと居座っている。確かに、これを見れば、末端から登ろうとするのは無謀だろう。だが、件のヤマレコの方、これしか目に入らなかったわけではあるまい。繰り返しにはなるが、その手前の植林帯から巻いて登れるだろうことは考えなかったのか。山頂に行くことだけを目的にすれば、南尾根を行く、行かないは些細なことだろうが、登る尾根にこだわれば登り方も多々にある。

(恐怖のフカフカ)


(到着)


 とうとう自分には危険な落葉堆積エリアに入り込んだ。要注意でも座頭市のような器用な歩きはできやしない。やはり何度か足首をひねり、落葉が消えてようやくほっとした。左足首は痛みはないものの、神経疲れもあってかかなりくたびれている。沢を渉り、林道終点の広場に出て石に腰かけて人心地がついた。ハンターらしき車はすでにない。

(思うに、あの真ん中を登ったようだ。奥の高いピークが赤倉山だろう)


(林道下り)


(ギザギザの南西尾根。左ピークから回り込んで中のピーク、さらに回り込んで右の尖がり1004m標高点の上に出た。その際の記事では「南尾根」としたが、今回のが南尾根で、そちらは正確には南西尾根または南南西尾根になる)


 林道とはいえ、下りなのに往路時と同じ時間を費やしてしまった。落葉歩きで足の気分が消耗している。自然に足を引きずる歩きになっても仕方あるまい。林道途中で地元ナンバー(とはいっても宇都宮は範囲が広い。足尾ですら宇都宮ナンバーだ)の車が工事用の路肩に置かれている。きっとあの2人組のではあるまいか。自分と同じ車種だが、オレはここまで来ることさえためらっていた。やはり地元の方は感覚が違うものだ。
 汗を結構かいた。厚着のせいもある。フリースの前チャックを外して歩いたが、やはり流れる風は冷たく、ぞくっとしてしまう。

(はい、着きました)


 駐車場に着いて登山靴を脱ぐ。左足はやはり着脱がきつくなっている。ウールの靴下を履いているから余計だが、左右ともにかかとに穴が開いてしまった。縫い付けてもせいぜい一回しか履けないだろう。いさぎよく捨てるしかないな。
 サンレイク草木にでも寄って風呂に入るつもりでいたが、いざ帰路に就くと面倒になってきた。田元から町内に入り込むと、運悪く日光からのバスが先行。20kmの低速で走っている。その分、ゆっくりと町の中を見ながら走れたが、何十年経っても街並みの風景に変わりはない。ホルモン末広は締まっていた。そして、英語を教えていた先生の下駄屋も今はない。
 帰路も快適に60~70kmほどで走れたが、それは途中までで、草木ダムを過ぎると軽ワゴンが30~40kmで引っ張る形になり、これまで車間距離をとってカーブでもブレーキを踏むことがなかったのに、前車との車間も詰まり、大間々まで断続的にブレーキを踏む走りになってしまった。いつかは大間々まで信号以外はノンブレーキで走りたいと思っているが、必ずこういった邪魔が入ってしまう。でも、これは日中の話で、実は夜中に足尾に向けて70kmで走っていても、結構あおられて抜かれてしまうのだ。

(参考まで。山名板の裏面右下の署名。<G>の下のギザギザは針金。無理に裏を見ないようにご注意ください。固定の針金が緩んでしまいますので)


コメント (18)    この記事についてブログを書く
« 一の鳥居からオーソドックス... | トップ | 笠間・宍戸アルプスの一角を... »

18 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ふみふみぃ)
2018-12-25 06:46:29
やはり三連休前半に山名板つけられましたね。
早速過ぎますが昨日NEW山名板を見てきましたよ(笑)。
ニスも厚いし四方もしっかり固定されているので数年持ちそうですね。ただ裏側が隠れて署名の最後、"reG"しか読み取れませんでしたが。
七曲がりに下りる方の尾根、踏み跡があり気になりましたが二日前にたそがれさんが歩いた後だったとは。
茨倉山の方で雪の上に足跡があり、これたそがれさんかなと思ったのですがこれは別人だったようですね。赤倉山もそれなりに訪れる人がいるようで。
ひらひらしたやつ、七曲がりの上からずっとひらひらしていて眩しかったので間引いてしまいましたよ。
返信する
ふみふみぃさん (たそがれオヤジ)
2018-12-25 13:12:47
ふみふみぃさん、こんにちは。
これはこれは、赤倉山にようこそといった感じですね。
中一日置いた、設置まもなく、ふみふみぃさんに早速山名板を見ていただいたというのは、奇遇というか、光栄でもありますよ。
こんな文章にしてしまうと、だれしもつい板の裏側を気にしたがる。それをやられると、針金の耐久も悪くなるので、後で裏の落款部分の写真を追加しておきますね。
しかし、ふみふみぃさんが赤倉山とは、よほどにネタがなかったのではありませんか。私とて、板の件がなかったら行くことはなかったでしょう。この時期に赤倉山といったイメージが自分の中ではどうもつながりません。まぁ、どういうルートで登られたのか、かなり気になるところです。
茨倉山方面に足跡ですか…。滝見のお二人が茨倉山に行くとは思えないし。登山靴ではなくスニーカーまがいの靴でしたからね。もしかしたら、私が下った際にすでにいなかったハンター氏かもしれません。あくまでも、翌日の日曜日にだれも赤倉山には行っていないという前提ですが。
半月道のヒラヒラについては、私は手を出しませんでした。初心者も歩くところだろうし、私自身も一般道とみなしていますので、うるせぇなと思いながらもそのままにしていました。いずれ瀑泉さんが掃除してくれると思ってもいましたしね。
返信する
Unknown (瀑泉)
2018-12-26 18:21:24
いよいよ足尾の未踏尾根に復帰され,満足のいくお歩きが出来たようで何よりでしたネ。それにようやく赤倉山の山名板も交換できたようだし。
まぁ,南西尾根は,端から歩く気はありませんが,今回の往路は,昔,新ハイクだか何かで見た記憶があるし,復路は,大畑山に向かう途中,油断したら引き込まれそうになった尾根だし,以前から気になっていたので,今度,新しい山名板を拝見する時にでも,歩かせていただきますヨ。
それはさておき,地下足袋でのお歩き。まぁ,まだ足が完全な状態で無いなら,落葉が堆積しているうちは,止めておいた方が無難でしょう。
怪我をしているワケでもない自分でも,落葉ラッセルはやはり怖いですからネ。まぁ,雪さえ無ければ底冷えは平気ですが,落ち葉ばかりは油断なりません。
ところで金属プレート,後で外すのかと思っていましたが,外さないのですか。それだと寒い時季は痛みが出るだろうし,大変でしょうネ。
返信する
瀑泉さん (たそがれオヤジ)
2018-12-26 19:17:35
瀑泉さん、こんにちは。
そうですか。往路ルートは新ハイに出ていましたか。やはり、だれでも歩きそうなところを避ける方もいるんですね。南西尾根に比べたらかなり地味ですが、テープも踏み跡もなく静かな歩きは楽しめますね。ただ、あの枝ヤブからして、葉が付いた時季にはかなりうっとうしくなるかもしれませんよ。
復路のコースは古いテープをたまに見かけますが、ちょっと不思議に思ったのは、踏み跡が意外に途中まで濃いことです。ということは、大畑山に向かおうとして、そのまま入り込む人がかなりいるということでしょう。鋭角的な曲がり方ではなく、むしろ赤倉山方面から来れば、そのまま行ってしまいそうなルートですし、いずれは半月道に出ますから、地図さえ持っていれば、慌てふためくこともなく、あきらめてそのまま下ってしまうところでしょう。
落葉ラッセル、瀑泉さんも怖いですか。私のイメージでは、落葉ラッセルといえば舟石新道ということになりますが、そのイメージが強くて、その中に石の塊がかなり埋まっていたというのは初めてだったのかもしれません。確かに、地下足袋ではひねるどころかくじいていたでしょう。今回のことがあって、ちょっと気安く歩けなく気分になっています。
金属プレートは、私の場合は外せないようです。骨代わりですから。知人の整骨屋に聞くと、腓骨がなく普通に歩いている人もかなりいるとのことでしたが、その辺は眉唾です。
今のところ痛みはありませんが、今日あたり、ブロックを2個重ねで18段の階段を3往復したら、さすがに下半身全体が痛くなりましたよ。まだまだ無理はできません。
ところで、瀑泉さんのブログ表紙の写真が雪山になって、そのまま更新なしの状態ですが、今夜あたりにアップでしょうかね。何やら寒々とした写真ですけど。
返信する
Unknown (ぶなじろう)
2018-12-26 22:10:30
今晩は。
いやはや、早くも未踏ルートにお出かけですか!もうしばらくは一般ルートの山を歩くのだろうな、と思っていましたが・・・。やはり、抑え切れない、思いがおありのようで。
自分の場合、見えている石ゴロでも、足首がカック~ンとなってしまいますのですワ。まして落ち葉の下の岩ゴロとなるとねぇ~。足をやられていると、ホント神経使いますね。
ところで、Gとはいかがな思いからなのか。単純にたそがれオヤGですよね。
返信する
ぶなじろうさん (たそがれオヤジ)
2018-12-27 07:04:47
ぶなじろうさん、こんにちは。
Tasogare GのGはGBのGですよ。正確にはJでしょうかね。私、パソコンの入力はかな入力ですから。ローマ字にすると、感覚的にGとJをつい混乱してしまいます。ですから、GB隊も本当はJB隊なんでしょうけど。TasogareGは最近の山名板の署名です。以前はTasogareOでしたけど、もうOでもないでしょう。ブログのタイトルでさえ変えたいと思っているこの頃です。
今回は山名板のこともあって、山名板はよく行く山にしか対象にしないのですが、行くなら未踏尾根ということで歩きました。さして厳しいルートでもないので歩きましたけど、赤倉山あたりは一般道の半月道ですら荒れている。むしろ、そちらが石ゴロでまいりました。こういうところはしばらくは避けたいです。
山名板も取り付けしたし、またしばらくは地味な低山の一般道歩きを続けるつもりでいます。
返信する
Unknown (きたっち)
2018-12-27 09:50:12
こんにちは。
今回の歩きからして「お帰りなさい」と言っても差し支えないような感じですね。金属プレートは一生モノですか、この先上手く馴染んでくれればいいですね。

往路の尾根は藪めいてますか、時期を選んで歩いてみたいと思います。復路尾根は途中で南進ルートを試したいかな。前回歩いた時に気になっていました。

そう言えば、駐車地点周辺の柱関係、撤去しました。スッキリしたと思います、気がつかれましたか?
返信する
Unknown (みー猫)
2018-12-27 20:41:36
こんばんわ。
ふみぃさんのヘッダー写真を見て、行かれたなと分かりました。てっきり一緒に式典と思ったのですが、お一人だったのですね。往路の尾根は自分がたぶん初めて行ったときの尾根かなと思いましたが結構急だったような・・・それほど雪が見えないなかで黒で塗りつぶしたような塊があると反射的に熊さんと思ってしまいます。話は違いますがGBって略語ですよね。ググってもピッタリはまるような言葉が見当たらなくって、経験あるが御年輩で連れ歩いているようなパーティと思っているのですが。もしかして爺&婆?・・・自分の親父もかな入力です。よくぞ50音もランダムに並ぶキーを覚えられるなと思っています(笑)
返信する
Unknown (足尾のRR)
2018-12-28 05:32:49
おはようございます。
とりあえず、足尾の復帰何よりです。
赤倉山の山名板の設置、お疲れ様でした。最近は自分も赤倉山に集中していたので行く度にテープだらけの寂しい山頂が少しは変わると思います。近々また、行ってみようと思います。
返信する
きたっちさん (たそがれオヤジ)
2018-12-28 12:16:51
きたっちさん、こんにちは。
きたっちさんにお帰りなさいと言われるとはねぇ。まぁ、それは仕方ないとしても、もう引き続きの足尾のネタがなくて困っているのですよ。寒くてねぇ。
松木川方面に足を延ばしたくとも、日照時間が短くて、おまけに凍結の恐れがある。となると、どこか当面は里山の地味尾根歩きしかないでしょう。その間に、何とかネタが見つかれば違った展開にはなると思いますけど。
金属プレート、普通は一年以内に抜くものですが、私の場合はそれができないようなことを執刀医から言われたような気がします。その時は何も思いはしませんでしたが、寒いと冷たいといった感じがしますよ。いずれ、安定したら、どういうものか確認に行くつもりでおりますけど。
往路の藪は春から秋にかけてです。今ならカラッとして気持ちよく歩けます。枝ヤブは密なところもありますが、散発的なもので、特に熾烈なものではありません。
復路ルートは途中から分岐しても、あっけないものですよ。あまり気にかけないで歩いたほうがいいでしょう。
駐車地地点の柱関係ですか? 私、気づきませんでしたね。撤去ですか。そういえば、すつきりした感じはしましたね。ただ、きたっちさんに言われないとずっと気づかぬままでしょう。
返信する

コメントを投稿

足尾の山」カテゴリの最新記事