近くに珈琲豆の焙煎所があると知ったのは、つい先ごろ。
場所を聞いても、その道筋さえ浮かばない。
全く足が向かない、用もない地域だから。
その店を、ふと思い出した昼下がり。
喫茶もできるらしいし。
すでに、気分は歩き出している。
話しの記憶を頼りに行きついた先は、住宅街の民家。
国道から市道に入り、2度ばかり折れた、まさかの所にある。
路地の入口に立つ看板を見つけ安堵した。
ちまたで噂の『kaido coffee 焙煎所』
この目印がなければ、見つけるのは難儀だ。
玄関の外まで珈琲の香りが漂っている。
4席だけの喫茶コーナーは、私が独り占め。
開け放った戸口から、そよ風が流れ込む。
店売り珈琲豆のメニュー表から『グアテマラ・SHB・ウエウエティナンゴ』を選んだ理由は。。。
薫り高いグアテマラの中でも、評判のウエウエティナンゴ地域の豆を選びました。 コクのある深い味。
グアテマラでは、農園のある標高で豆の格付けがされ、SBHは標高1,200mから1,700mで収獲さ
れた最高グレードの豆です。
この説明に惹かれてしまったから。
大きなカップの珈琲と、小さなクッキーはオマケ。
大振りのコーヒーカップの1.5倍はあろうかという器にたっぷりと注がれている。
めちゃくちゃ幸せになれる、焙煎所ならではの惜しげないサービスだ。
店名のkaidoは、庭に植わっている海棠桜にちなんでだと教わった。
「温和」「妖艶」「艶麗」「美人の眠り」などの花言葉を持つ海棠。
とっておきの日に、お気に入りの珈琲を、独りで味わいたい魅惑の店。
腰を上げようとした頃合に、若いカップルが訪れた。
感動をあらわに、人には教えたくない店やなぁ、とつぶやく男性。
その一言に、分かるよぉ~と密かに同感してしまった私。
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